整体院で紙のカルテを活用しているケースは少なくないでしょう。しかし、紙のカルテは保管場所を取り、記入や管理の手間もかかります。そこでぜひ利用してほしいのが電子カルテ。
電子カルテには多くのメリットがあり、院にも顧客にも便利なため、今回の内容を参考に検討してみてはいかがでしょうか。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
目次
整体院で電子カルテを導入するメリットとは?
整体院で紙媒体のカルテを活用している方やこれからカルテの導入を検討している方に向けて、電子カルテを活用するメリットを紹介します。カルテを電子化することで、紙媒体のカルテよりも管理がかんたんになり、コストも削減することが可能です。
1.ペーパーレス化でカルテの管理がかんたんに
カルテを電子化することで、これまで使用していた紙の消費量を減らすことが可能です。また、カルテをまとめているファイルの置き場所が不要になるため、スペースにゆとりが生まれます。ペーパーレス化のメリットはこれだけではありません。
電子カルテには、検索機能が備えられている場合が多く、かんたんに情報を引き出せます。従業員を雇って整体院を経営しているのであれば、従業員間の情報共有が円滑に進むでしょう。
また、カルテは、自由診療と保険診療に関係なく完結の日から5年間の保存義務があります。保存は法律で明記されているため、保管・管理を徹底しなければなりません。
電子カルテであればデータベース上で管理できるため、保存義務の遂行にも役立ちます。
引用元
保険医療機関及び保険医療養担当規則 | e-Gov法令検索
2.カルテの作成や管理に必要なコストを削減できる
カルテの電子化は、コストの削減にも繋がります。たとえば、手書きのカルテは、記録や多くの資料のなかから情報を探すのに時間がかかります。業務効率化を図るために、これらの作業時間を短縮するべきでしょう。
電子カルテを活用することで、顧客情報に紐づけて施術内容が更新できるため、紙で別々に管理する必要がなくなるほか、検索機能でかんたんにカルテを探せます。
また、紙のカルテに必要な紙・バインダー・キャビネットなどの金銭コストがかかりません。カルテの電子化は、作成や管理に必要な時間・金銭コストを削減することが可能です。
3.顧客管理がしやすい
電子カルテは、以下のような顧客情報をデータベースで管理します。
- 氏名
- 住所
- メールアドレス
- 生年月日
- 電話番号
- 施術履歴
これらの情報は、整体院の営業活動に役立てることが可能です。
たとえば、生年月日や来店履歴をもとに、誕生月に利用できる割引券や対象となる施術で使えるクーポンを配布できます。そのほかにも、メールを通じてアフターフォローを入れることで、再来店の可能性を高められるでしょう。
自由診療のみの場合でも、施術履歴やお客様の状態の変化の記録は適切な施術やアフターフォローに必要です。
また、電子カルテでは、検索機能を用いてかんたんに顧客データを引き出せるため、業務効率化の面でも役に立ちます。
4. 不正請求対策が行える
保険診療を行う整骨院や接骨院では、不正請求が問題になっています。不正請求とは、健康保険協会へ療養費の支給を申請する際に、施術回数や部位を水増しすることで療養費を多く受け取る行為のことです。
ほとんどの整骨院や接骨院が正しく算出しているにもかかわらず、こういった問題が実際に起こっています。
整体院は、保険診療を行うことができません。しかし、仕事の幅を広げるために、柔道整復師などの国家資格を取得して整骨院や接骨院を開業する場合は、不正請求の対策をするべきでしょう。
電子カルテを活用することで、適切かつ正確に顧客データを管理できます。
なお、電子カルテを導入する際は、IT導入補助金制度を活用すると負担を抑えられるでしょう。
引用元
IT導入補助金 | IT導入補助金2024
補助対象について | IT導入補助金2024
5. 集客にも利用できる
蓄積されたデータを集計することで、顧客のニーズを分析できます。ニーズが明らかになれば、より適切な価格帯やメニューを実施できるでしょう。結果として、リピート率や売上アップにも繋がる可能性があります。
整体院で電子カルテを導入する際の注意点とは?
整体院のカルテを電子化することで、さまざまなメリットを得られます。とても魅力的なものばかりですが、取り入れる前に注意しておくべきこともあります。そこで、整体院のカルテを電子で管理する際の注意点を押さえましょう。
1.操作に慣れる必要がある
電子カルテは、パソコンやタブレットを使用します。カルテの電子化は非常に便利ですが、操作方法を理解していないと効果を発揮できません。また、電子機器の操作ができる方やできない方に関係なく、操作ができるようになるまで多少の時間がかかります。
電子カルテを導入する際は、シンプルで操作がかんたんなものを選ぶといいでしょう。
電子カルテを正しく活用するために、提供会社では、操作マニュアルの配布やサポートで電子カルテの操作方法をレクチャーしてくれるところもあります。操作に対して苦手意識を持っている方は、マニュアルやサポートを積極的に利用してみてください。
2.導入費や月額費用がかかる
電子カルテを活用するには、基本的にシステムや端末の導入費として初期費用が必要です。また、継続して電子カルテを利用する場合は、利用料・維持費・更新料・メンテナンス料といったランニングコストがかかります。
電子カルテにかかる費用は、提供会社によって異なります。さらに、サービス内容にも違いがあるため、電子カルテを選ぶ際は、自社が必要としている機能を備えているか・費用が予算を超えていないかを複数のサービスと比較しながら検討するといいでしょう。
3.トラブルの可能性
電子カルテは、電子機器とインターネットを利用して使うため、停電や通信障害、情報漏洩などのトラブルが発生する恐れがあります。停電や通信障害が起こると、電子カルテを使えません。
万が一のトラブルに備え、事前に提供会社へトラブル時の対処方法やバックアップ方法などを確認しておくといいでしょう。
電子カルテを利用する上で、情報漏洩の防止対策は必須です。セキュリティ対策については、プライバシーマークやISMSを取得している提供会社の製品を選ぶといいでしょう。
4. サービスが終了する可能性がある
アプリやソフトなどのサービスそのものが終了してしまう可能性があることは、頭に入れておきましょう。長い実績がある・データを移行できるサービスを利用することで、サービス終了やデータ消失のリスクを抑えられるでしょう。
5. メリットを実感するまでには時間がかかる
電子カルテを導入すると、顧客管理のしやすさはすぐ実感できますが、売上やリピート率が上がったかどうかはなかなか実感できないかもしれません。利益面で効果を感じるためには、数ヶ月から年単位での継続利用が必要です。
自分の院に合った電子カルテを選ぶポイントとは?
ここでは、自分の院に合った電子カルテを選ぶポイントをチェックしましょう。
1. 必要な機能が搭載されているか
電子カルテアプリにはさまざまなタイプがあり、機能性も個々で異なるため、自院が必要としている機能が搭載されているものを選ぶことが重要です。
- 顧客管理をメインにした問診票タイプ
- 受付や予約管理の業務効率が上がる予約管理機能付きタイプ
- 保険適応の施術を多く行う院におすすめなレセコン重視タイプ
- 精算業務の効率が上がるPOSレジ付きタイプ など
上記のようなタイプがあります。合わないものを使うと、想像していた使用感とは違うと感じ、求めている効果も得られない可能性があるでしょう。
2. 予算に合うか
電子カルテアプリのコスト面をチェックし、院の予算と照らし合わせることも大切です。以下で主なポイントを見てみましょう。
無料プラン付き
無料プランがあるものや一定期間無料で試せるタイプなら、最初に使い心地を確かめてから有料に移行できるというメリットがあります。ただし、無料で使える機能や数などに制限があるケースもあり、すべての機能を試せるとは限りません。
オンプレミス型・クラウド型
データを保存する方法には、「オンプレミス型」といって院内にサーバーを設置して管理する方法と、「クラウド型」といってインターネット上のサーバー内で管理する方法があります。
オンプレミス型のほうがセキュリティ性は高いですが、そのぶんコストも高額なため、大学病院など規模の大きなところで使われることが多いです。小規模な院などで費用を抑えたい場合は、クラウド型のほうがよいでしょう。
3. 操作性は良いか
普段の業務時に使いやすいか、アプリの操作性をチェックすることもポイント。複雑な構造でマニュアルがないと使えないようなタイプでは、スタッフが慣れるまでに苦労します。
機械操作が得意でないスタッフもいるかもしれません。画面が見やすく直感的に使えるような設計であれば、導入後すぐにでも業務に活用できるでしょう。
整体院で使いやすい電子カルテアプリ10選を紹介
ここから、整体院で使える電子カルテアプリのおすすめサービスを10個紹介していきます。
KaruteKun
「KaruteKun」では、9つの機能を利用できます。
- カルテ管理
- 予約台帳
- 会計管理
- 予約受付
- LINE連携
- 検索/管理機能
- カウンセリング
- スタッフ管理
- レポート管理
カルテの管理機能では、提供サービス付きの施術履歴・その他来店記録、写真の貼り付けもできます。また、従業員を複数抱えている整体院であっても、カルテ情報を共有できるため、業務に負担がかかりません。
LiME
「LiME」は、無料で登録数に上限なくカルテを管理できます。
その他にも無制限で、予約管理や顧客管理機能を使えるため、デザイン性や操作性を知るために、一度使ってみるといいかもしれません。カルテの管理画面は、使いやすさを追求したデザインになっています。
「LiME」は、有料プランに移行することで、LINE連携やネット予約など豊富な機能を利用できます。
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からだケア
鍼灸院などの院やもみほぐしなどのサロン向けに開発されており、シンプルな表示で見やすく容易に操作できるシステム。顧客情報に施術履歴やメモなどを残せて、データの集計や分析もかんたんに行えます。1ヶ月の無料お試しが可能です。
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COCKPIT
鍼灸院や整体院など自費施術を行う院専門のシステム。顧客の主訴・施術情報・来院日などのデータを蓄積でき、検索やリストアップすることも可能です。また、リピート率や症状別などのデータ集計も行えます。
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ワンモアハンド
整骨院や整体院などの「オーナーさんのもう一つの手」になるべく開発された「ワンモアハンド」。電子カルテとしては、顧客データの管理・ダウンロード・分析などの機能を活用できます。
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Square予約
予約をメインとしたシステムですが、電子カルテの役割を果たす「顧客リスト」という機能を使えます。氏名・メールアドレス・クレジット情報などの記録ができ、誕生日やニーズなどをメモで残すことも可能です。
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RE:RE
LINE予約に力を入れている予約システムですが、氏名・性別・電話番号・住所などの顧客情報や、来店情報などの電子カルテを記録できます。写真も残せるので、次回来店時や経過観察に役立てられるでしょう。
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らいらいリザーブ
顧客の個人情報はもちろん、施術日・メニュー・担当者・金額・施術内容などの記録を残せるほか、総金額や1回あたりの平均単価などのデータも管理できます。誕生日や利用メニューなどから抽出し、該当者にDMを配信することも可能です。
スリーズプロ
整体院や鍼灸院などのために作られたアプリで、問診票・顧客情報・施術情報などの細かい情報を管理できます。人体図や顔の図を利用できるため、施術箇所の記録もかんたん。写真の保存も可能です。
Bionly
Bionlyは、POSレジアプリながら電子カルテ機能や予約管理も備わっていることが特徴です。名前・性別・誕生日・来店回数・メニュー・画像・手書きメモなどを記録できます。データの呼び出しも容易です。
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リザービアと連携できるPOSシステムなら電子カルテと予約情報が一元管理できる
「リザービア」では、サロンや美容室など幅広い業界で利用できる予約システムを提供しています。さらに、経営に必要な集客や管理をサポートするPOSシステム「A’staff Cloud Smart」と「Salon Answer」があります。それぞれの特長をご紹介します。
A’staff Cloud Smart
「A’staff Cloud Smart」は、予約管理・レジ会計・顧客管理・売上分析など経営の業務効率化と売上向上を目指すために、さまざまな機能が備わっています。また、このシステムを活用することでお客様一人ひとりのカルテを電子化して管理することもできます。
電子カルテを活用したいけれど、すべてを自分で作成できないと感じる方もいることでしょう。
そのような方は、「A’staff Cloud Smart」がおすすめです。電子カルテに写真が保存できるほかに、写真の横に手書きでメモを書き込むことが可能です。必要な情報を書き込み、整体院の経営に役立てください。
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Salon Answer
「Salon Answer」の特長は、サロンワークを考慮したデザインと分析集計機能です。デザインは、直感的でわかりやすいものを目指して必要な機能を各画面に配置しています。そのため、複雑な操作をあまり必要としません。
分析機能では、デシル分析・戻り客分析・日報・月報など必要な分析集計で課題を発見して、戦略立案のデータとして役立てられます。
「Salon Answer」も電子カルテの作成・管理が可能です。お客様の来店記録を見やすく管理できます。
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- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
整体院の経営に電子カルテを活用しよう
今回の記事では、整体院のカルテの必要性や電子カルテのメリットについてご紹介しました。電子カルテを活用することで、管理が簡素化され、コストも削減できます。
紙のカルテを活用している方・これから電子カルテの導入を検討している方は、これを機会に電子カルテを導入してみてはいかがでしょうか。
また、2種類の電子カルテと連携できる「リザービア」を導入し、予約管理業務の効率化とネット集客も並行して行うのがおすすめです。
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