ネイルサロンをはじめとした美容サロンのカルテは、単なる個人情報の記録ではなく、施術内容やお客様とのやり取りを記録してある、サロンにとっては重要な財産です。
しかしお客様の数が増えたり施術回数を重ねたりすると、紙カルテでは膨大な量になってしまいます。そのため、電子カルテの導入を検討するサロンも少なくありません。
しかし電子カルテを含むシステムは種類も多く、どのアプリならネイルサロンに向いているか判断しづらい状況です。
そこで今回は、ネイルサロンにカルテアプリを導入するメリットや選ぶ際の注意点、そしておすすめのカルテアプリを紹介します。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
目次
ネイルサロンにカルテアプリを導入するメリット
カルテアプリの導入は、サロン業務を効率的に進めるために役立つメリットが数多くあります。そのうち6つのメリットについて紹介します。
基本使用料無料のアプリもある
機能に多少の制限が設けられている可能性もありますが、無料で利用できるカルテアプリもあり、アプリのインストール後にサロン情報を入力するだけで導入できるものもあります。これにより、初期投資なしでデジタル化が始められます。
アプリによってはカルテ管理以外の機能も搭載しており、予約管理などの主要な事務的業務をカバーできる場合もあります。
また、無料版は気軽に試すことができ、実際の業務での使用感を確認することも可能です。
無料で利用できるネイルサロン向けの電子カルテについては、下記の記事を参考にしてください。
関連記事
ペーパーレス化が進められる
紙のカルテは場所をとるため、保安場所の確保に頭を悩ませるサロンも少なくないでしょう。
しかし電子カルテを導入することで、紙代や印刷代などのコストを削減できるうえ、保管場所も必要ありません。
同意書も電子化して保存できる
同意書やカウンセリングシートも電子化できるアプリも少なくないため、さらにペーパーレス化を進めることができます。
タブレットでそのままお客様に署名や入力してもらえるため、記入後のファイリングなどの手間もかかりません。
カルテが探しやすくなる
電子カルテの場合、検索でかんたんに探せるため、紙カルテに比べ圧倒的に探す時間を短縮できます。また、誤ってデータを削除しない限り、カルテを紛失する心配もありません。
他のスタッフが使用していたり、誤った順番で置かれていたりといった、カルテが見つかりづらくなるストレスもなくなります。
施術前後の写真が保存できる
カルテアプリの多くが写真の保存も可能となっているため、施術前後の写真をカルテと一緒に残しやすくなっています。
画像として残すことで、施術履歴を確認しながらお客様と今回のデザインを相談したり、経験の浅いスタッフの施術内容をベテランスタッフが確認するなどの指導にも役立てることができます。
情報漏洩対策になる
カルテには当然のことながら、お客様の個人情報が記載されています。そのため、管理には気を使うサロンがほとんどとはいえ、紙カルテの場合、持ち出しや紛失のリスクを完全になくすことはできません。
一方カルテアプリのデータは、紛失のリスクは低く、閲覧に制限をかけられるアプリもあるためデータ持ち出しへの対策も可能です。
セキュリティ対策の内容はアプリによって異なるため、導入前に確認しましょう。
カルテアプリを導入するときの注意点
ネイルサロンの業務を効率的に運営するためには、カルテアプリの導入が大きく役立ちます。しかし、「カルテアプリでさえであればどれでもOK」というわけではありません。
実際にカルテアプリを導入する場合には、いくつかのチェックしておきたい点があります。どういった点に注意してカルテアプリを導入すればよいのか、以下で詳しく紹介します。
使いやすいフォーマットか
導入しようとしているネイルサロンのカルテアプリは、使いやすいフォーマットを備えているかどうかを確認しましょう。大部分があらかじめ定められたフォーマットとなっている場合が多いため、利用者にとって柔軟性を有するアプリであることが必要です。
たとえば、エクセルなどの表計算ソフトを利用してお客様のカルテを作成していたような場合であれば、カルテのレイアウトや項目を自由に変更することが可能かといった点も確認しておきましょう。
また、手書き機能を搭載している場合は、手書きに対応している範囲とその書きやすさも導入前に確かめることをおすすめします。
POSシステムなどの外部サービスと連携しているか
現在では、ネイルサロンのカルテアプリはさまざまなサービスとの連携が可能になっています。しかし、「どういったサービスと連携可能か」といった点もカルテアプリを導入する際には確認が必要です。
POSシステムとの連携を始めとして、ほかにも経理システムとの連携により適切な仕訳や勘定科目への計上ができたり、売上予測が可能な財務システムと連携したりすることもできます。
ただし、ほかのサービスとの連携には追加費用が発生することもあるので、費用対効果を確認することは忘れないようにしましょう。さらに、自身のサロンで、カルテ・予約・売上管理やレジの、どこまでを連携させたいかも検討した上で、導入するシステムを選びましょう。
必要な機能がそろっているか
ネイルサロンのカルテアプリには、さまざまな機能があります。POSシステムや決済サービス、そしてLINEと連携することが可能かどうかなど、ネイルサロンやネイリストなどの利用者にとって必要な機能がそろっているのかをしっかりと確認しましょう。
また、さらに良い機能はないのか、ほかの外部ツールと連携して利便性をアップできないかなど、カルテアプリを精査することが大切です。
同意書やカウンセリングシートも電子化できる?
サロンで使用していた同意書やカウンセリングシートを電子化してシステムに取り込んだり、初期設定の段階でフォーマットが備わっていたりする場合もあります。
カルテと同様に電子化することで、これらの管理の手間も減らせます。
カルテの保存枚数に上限はある?
カルテアプリのシステムやプランによっては、カルテの枚数に上限が設けられている可能性があります。制限がある場合は、自身のサロンのお客様の数や今後の見通しも考慮し、検討しましょう。
写真の保存枚数は?
使用するカルテアプリにもよりますが、写真の保存枚数や容量にも上限が設けられている場合もあります。
施術前後の写真などを確実に記録として残すためにも、容量に余裕のあるプランや無制限のプランを選ぶことをおすすめします。
必要な費用や月額料金はいくらか
カルテアプリを導入する場合には、カルテアプリの導入費用や利用料金をきちんと確認することが大切です。カルテアプリには導入費用・利用料金が不要のものから、月額いくらという料金設定をしているものもあるなど、さまざまです。そのカルテアプリを利用する理由を明確にして、費用対効果をあらかじめ予測しておくことが重要となります。
ネイルサロンのカルテに必要な項目
カルテアプリは基本的に必要な項目がフォーマットとして設定されている場合がほとんどですが、なかには項目を自由にカスタマイズできるカルテアプリもあります。
その際、カルテとして必ず保存しておきたい項目を紹介します。
お客様の基本情報
氏名や住所などのほか、キャンペーンなどの案内に活かすために、生年月日やメールアドレスなどもうかがっておきましょう。
施術の内容
あとで見直してわかるように、画像も含め詳細に残すことで次回以降の来店時や他のスタッフとの情報共有としても活用できます。たとえば次回来店時に「前回と同じ」といったオーダーにも応えやすくなります。
お客様の趣味やライフスタイル
施術前のカウンセリングや、施術中の会話などの内容は、しっかりカルテに残しましょう。
施術中の会話をスムーズにするだけではなく、お客様の要望に寄り添った提案ができることで得られる信頼は、リピーターの獲得につながる可能性があります。
また、仕事上できない色やデザイン、家事やパソコン業務の頻度を知ることで、デザインの提案だけではなく、長もちしやすい素材や施術方法の提案もできます。
ネイルサロンにおすすめのカルテアプリ3選
カルテアプリはさまざまあり、美容サロンでの利用に特化したものもあります。
ネイルサロンでカルテアプリを利用する場合は、これまでの施術内容がわかりやすいよう、画像も残せるものが良いでしょう。
ここではネイルサロンにおすすめなカルテアプリ・システムを紹介します。
Bionly
Bionlyは電子カルテ・予約管理・POSレジ機能など、サロン運営に必要な機能を備えた、オールインワンタイプのPOSレジシステムです。
カルテは予約管理画面と連携しているため見つけやすく、検索機能での呼び出しもかんたんです。手書きカルテは来店ごとに作成でき、写真だけではなく参考画像などもあわせて保存できます。
関連記事
KaruteKun
KaruteKunは、スマートフォン1台でカルテ・予約・売上の管理ができる美容サロン向けのシステムです。
カルテには来店ごとの施術履歴が画像付きで残せるため、次回来店時に施術提案をする際や引継ぎなどに役立てられます。
アプリのインストール後にアカウントを登録するだけで導入でき、無料トライアル期間も設けられています。
関連記事
A’staff Cloud
A’staff Cloudは、美容サロン向けの顧客管理兼POSシステムです。
カルテに写真が保存できる上、その写真に手書きでの書き込みも可能です。ほかにも施術内容を手書きで記録できるなど、紙カルテに近い自由度がある電子カルテです。
以前のカルテをコピーしての新規作成も可能となっているため、施術内容があまり変わらないお客様の場合はカルテ作成時間を大幅に短縮できます。
またカルテはスマートフォンにも対応しており、施術写真の撮影や予約情報の確認が手軽に行えます。
なお、電子カルテはオプション機能です。
関連記事
A’staff Cloudと連携できる予約システム リザービア
リザービアは美容業界に特化した予約管理システムです。会計・顧客管理POSシステムのA’staff Cloudとの連携によって予約・会計・顧客管理をまとめて行えます。
リザービアでは「LINE連携予約」や「Googleで予約」機能によりさまざまな予約窓口を設置できるほか、ポータルサイトも含めたさまざまな窓口からの予約を一元管理する機能も備えています。
また、予約経路や利用の多かったクーポンの内訳が分析できる「予約集計」機能もあるため、リピーター獲得のための施策に活用できます。
関連記事
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
カルテと予約システムの連携で業務効率を上げよう
電子カルテの導入は場所や管理の手間が省けるだけではなく、施術履歴や内容を確認しやすくなることにより、よりお客様の要望に沿った提案が可能となるといったメリットもあります。
また、予約システムもあわせて使用することで予約から会計までの流れがまとめて管理できるため、施術以外の事務的業務も減らせます。
円滑なサロン運営のサポートのためにも、電子カルテとあわせて予約システム「リザービア」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。