【専門家監修】美容サロンの開業に助成金や補助金は利用できる?受給までの流れや注意点なども紹介

美容サロンの新規店舗開業には助成金や補助金を利用できる?受給までの流れや注意点なども紹介
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美容サロンの開業には、多くの費用がかかります。さらに従業員を雇うのであれば、給料の支払いや福利厚生が必要となるため、十分な資金を用意しなければいけません。少しでも雇用による事業の負担を減らすために、国が提供している助成金を活用することをおすすめします。

今回の記事では、美容サロンの開業時に活用したい雇用関係に絞った助成金やその申請方法、注意点についてご紹介します。

本記事は起業コンサルタント®であり、V-Spiritsグループ創業者でもある中野 裕哲様に監修いただきました。ぜひご参考にしてください!

他、監修記事:

中野 裕哲
記事監修者/V-Spirits グループ 代表
起業コンサルタント®、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、CFP®、大正大学招聘教授(アントレプレナーシップ論、ファイナンス基礎) 起業コンサルV-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本処に全国の起業家・経営者さんを支援! 「あの起業本」の著者。著書・監修書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAM GATE」で12年連続相談件数日本一。 【まるごと起業支援®・経営支援】 起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
V-Spirits グループ

美容サロン新規店舗にかかる費用

美容サロン新規店舗にかかる費用
美容サロンを開業するには、多くの費用がかかります。まずは、お店の場所を確保しなければいけません。美容サロンを開業される方は、内装工事が必要です。なぜなら、美容サロンの内装は施設基準が条例で定められているからです。

東京都を例に挙げると、美容所の作業質の床面積は13㎡以上にしなければいけません。他にも照明や換気など基準が明確に決まっています。

工事以外では、美容サロンに必要な機械や道具、備品が必要です。規模や立地、内装のこだわりによっても変わりますが、一般的に1,000万円前後の費用が必要だと言われています。

おおまかな内訳の目安は、内装費に500万円、設備・備品に200万円、テナント費用に150万円、残りは運転資金を含めたその他の費用です。もちろん必ずこの通りの資金内訳になるわけではありませんが、参考程度に覚えておきましょう。

助成金と補助金の違いとは?

助成金と補助金の違いとは?
美容サロンの開業には、場合によっては助成金や補助金を活用することができるかもしれません。これらは雇用の確保や販路拡大の取り組みに悩んでいる事業者を支援するための制度です。

助成金や補助金は国や地方自治体からもらえるという点で似たもののようにおもえます。しかし、さまざまな異なる点があります。まずは助成金と補助金の違いについて見ていきましょう。

助成金は、基本的に厚生労働省が管轄している雇用に関わることを支援する目的で支給されます。人を雇用した事柄に助成金が利用できると理解しておきましょう。助成金は要件を満たして申請をすれば基本的に支給されます。返済義務はありません。助成金の詳細は、厚生労働省ホームページで確認するようにしましょう。

補助金は、基本的に経済産業省が支給します。返済義務がない点が共通ですが、補助金には計画内容の審査があります。要件を満たして申請すればかならず受給できるわけではないことに注意が必要です。また、地方自治体が助成事業、助成金という名目で、販路拡大の支援などを行うことがあります。名前にこそ「助成」とついていますが、性格は補助金に近いものが多い印象です。注意しておきましょう。

違いをまとめると、助成金は、雇用や労働環境の改善を図ることを目的としています。対して補助金は、新規サービスの導入や施策を支援することによる販路拡大などが目的とされています。おすすめの補助金ものちほど紹介します。

また、助成金と補助金では、募集期間の長さにも違いがあります。助成金は、要件を満たし正確に書類を整備・提出できれば支給されるため、補助金に比べて長期で募集されているケースが多いです。ただ、予算を消化した段階で締め切られてしまうので注意が必要です。

一方で補助金は、助成金に比べて募集期間が短い傾向にあります。また、審査があるため、要件を満たして申請をすれば必ず受給できるわけではありません。補助金を受けたかったが受けられないといった場合が少なからずあるでしょう。

さらに、助成金と、補助金では支給される金額も大きく異なります。

大型の補助金などは、数億円の補助が出ることがありますが、助成金だと基本的にはそこまで多額の支給はありません。しかし、補助金は事業計画書の提出など審査が厳しいため、受給を希望する際は、経済産業省もしくは中小企業庁のホームページを確認しましょう。

このように、助成金と補助金はそれぞれ国や地方自治体から支給され返済義務がない便利な制度ですが、両者とも申請・審査ののちに支給されるため、これを元手に開業することは不可能です。

融資との違いは?

資金を調達する方法には、融資もあります。金融機関の審査を受けて資金を借り入れることです。

補助金や助成金と違い、あくまで「借り入れ」ですから返済義務が発生します。さらに、金利もかかりますが、後から支給される助成金や補助金と違い、開業前のタイミングに借り入れることも可能です。

そのため、用意した開業資金が心もとなくても、融資を受けて新規開業することが可能です。

また、申請や審査の期間も決まっておらず、いつでも申し込むことができる点も異なります。

助成金・補助金活用の注意点

助成金活用の注意点
一定の要件を満たしていれば受給できる助成金ですが、活用には注意が必要です。助成金は受給さえできれば終わりというものではありません。受給後の管理が重要になります。これから助成金を活用するにあたり、最低限の注意点を覚えておきましょう。

1.新規開業費用としては利用できない

助成金・補助金は、支給されるまでにはある程度の時間がかかります。これは、不正を防止するために、実施の後に支給申請を行い、審査を行ってから支給されるためです。

そのため、助成金・補助金を元手に開業することはできません。支払った金額に対し、後から補填の形で支給されるものだということを覚えておきましょう。

なお、申請する助成金・補助金は、支給までにかかる期間が異なる可能性があるため、申請の際は事前に問い合わせてみてください。

2.事務処理をきちんとする

助成金・補助金を申請する際には、会社情報を記載した書類を提出することがあります。審査において、法律に関わることを正しく処理しているか?法律を守って事業運営をしているか?は、とても重要な観点です。

もしも、審査で法令違反などが発覚した場合は、審査に通過しないこともあります。正しく事務処理をするようにしましょう。

3.受給後に検査される可能性がある

助成金・補助金は受給後に検査をすることがあります。制度によっては、受給後の検査を義務付けていたり、場合によっては検査をすると案内をしていたりします。申請した際に用いた書類は保存しておくようにしましょう。

美容サロンが新規開業時に利用できる助成金・補助金

美容サロンが新規開業時に利用できる助成金・補助金
助成金や補助金は、原則として事業において設備を導入するなどで労働環境を整えるのにかかった費用の一部が支給されます。そのため、事業を開業後に利用できるものが多いですが、新規開業時の費用を対象に利用できるものもあります

ここからは、新規開業時に利用できる助成金・補助金を紹介します。

創業助成事業(東京都内)

創業助成事業は東京都内を対象とした助成金制度で、概要は以下のように記載されています。

「創業助成事業」は、創業予定者又は創業から間もない中小企業者に対して、創業期に必要な経費の一部を助成することで東京都における創業のモデルケースを創出し、新たな雇用を生み出すなど東京の産業活力の向上を目的として実施するものです。

具体的には、都内でこれから創業予定や、都内で開業してから5年未満の事業に対し、人件費や賃借料、設備費などの経費の一部を支給する制度です。ただし、消耗品費や水道光熱費などは対象になりません。

申請期間は、例年大体1~2週間程度と、非常に短いので注意しましょう。また、今後も申請を受け付ける可能性がありますので、くわしくは東京都中小企業振興公社のホームページを確認してください。

引用元
東京都中小企業振興公社:「創業助成事業」申請について

美容サロンの開業を続ける上で利用したい助成金・補助金

美容サロンの開業を続ける上で利用したい助成金
助成金や補助金には、さまざまな種類があります。その中で今回は、厚生労働省が管轄している雇用関係に絞り、7つの助成金・補助金を紹介します。

それぞれ内容や支給金額が大きく異なるため、各助成金・補助金の紹介でリンクを掲載していますので、気になる助成金があった場合は公式ページを参考にしてください。

1.業務改善助成金

業務改善助成金は、事業内の賃金引き上げを図るための制度です。中小企業や小規模事業者のような規模が100人以下の事業かつ事業場内の最低賃金と、地域別の最低賃金との差が50円以内のほか、2つの要件を満たした事業が対象です。

助成率については、事業場内の最低賃金額によって異なるため注意が必要です。助成額・支給の要件・活用事例は、厚生労働省の業務改善助成金ページに詳細が紹介されていますので、参考にしましょう。

2.トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金は、職業経験・技能・知識等で就職が困難な求職者を一定期間試行雇用することで受けられる制度です。求職者としては就職の機会が与えられ、事業主側からは試行雇用から無期雇用の移行判断ができるという利点があり、ミスマッチを防ぐことができます。

事業主は、「トライアル雇用求人」をハローワークや職業紹介事業者へ提出して求職者を紹介してもらいます。この制度は、コースが3つに分かれており、それぞれの詳細は厚生労働省のトライアル雇用助成金ページを参考にしてください。

3.人材確保等支援助成金

人材確保等支援助成金は、労働環境の向上・人材の確保および定着を目的とした制度です。この助成金は9つのコースに分かれています。美容サロンの場合は、雇用管理制度助成コース・人事評価改善等助成コースがいいでしょう。

コースによって、助成金額や要件が異なるため、申請時には注意が必要です。

4.キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、派遣労働者や短時間労働者などの非正規雇用者の正社員化、もしくは処遇を改善する事業主へ向けた助成金です。正社員化支援と処遇改善支援の2つに分かれており、正社員化の促進や就業規則の改定などを支援します。

正社員へ転換、あるいは処遇改善支援の取り組みで、決められた期間条件を満たした雇用条件や賃金の支払を行うことで申請が可能になります。詳細は、キャリアアップ助成金ページを確認してください。

5.両立支援等助成金

両立支援等助成金は、仕事と家庭の両立を支援するための制度です。育児や介護で休暇を取得したい労働者のために事業主は、職場の環境を改善しなければいけません。両立支援等助成金は、6つのコースに分かれており、いずれも対象は中小企業事業主です。

両立支援等助成金を受給するには、就業規則の整備などが必須です。育児・介護休業法を記載しておくようにしましょう。両立支援等助成金の詳細は、厚生労働省の両立支援等助成金のご案内を確認してください。

6.IT導入補助金

IT導入補助金は、課題やニーズに合ったITツールを導入して業務効率化・売上アップをサポートすることを目的に、経費の一部が補助される制度です。業務をデジタル化することで効率化を図り、労働環境の改善につなげます。

ソフトウェア購入費やクラウド利用料、ハードウェア購入費など、デジタルツールの導入に掛かる費用が対象です。ハードウェア購入費は一部の申請類型にしか認められていません。注意して申請を行いましょう。

詳細は、IT導入補助金のホームページを確認してください。

7.小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や生産性向上に必要な経費の一部を商工会議所が支援する制度です。サービス業だと従業員数が5名以下でないと申請ができない上に、特定創業支援制度を活用していると補助金額があがります。広告費や機械費用などに手厚い補助が出るため、開業したばかりの方々に人気の補助金です。

補助を受ける際も、商工会議所にサポートを受けることができます。申請の枠によって上限が異なりますが、申請した経費の3分の2から4分の3が補助されます。

美容サロンの経営に便利な予約システム「リザービア」を紹介!

美容サロンの経営に便利な予約システム「リザービア」を紹介!
業務と労働環境の改善を図るためにシステムを導入することで、業務改善助成金、IT導入補助金など、いくつかの助成金や補助金を利用できる可能性があります。そこでご紹介したいのが、予約システム「リザービア」。

リザービアは美容業界に特化した予約システムで、予約管理や顧客情報の管理、サービスに利用する設備管理、自動メッセージ配信など、美容サロンの経営に関わる業務をオートメーション化することにより、従業員の業務負担を軽減させることが可能です。

労働環境を改善するのに助成金や補助金を利用したいと考えている方は、リザービアの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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美容サロンの開業・経営に補助金や助成金を活用してみよう!

美容サロンの開業・経営に補助金や助成金を活用してみよう!
助成金を活用するためには、就業規則など法律に関わる知識を備えておく必要があります。しかし法律は複雑で難しく、なによりも管理に時間を割くことができないといった事業主は多いことでしょう。

そういった時は、社会保険労務士に業務を委託しましょう。厚生労働省の雇用関係助成金については、社会保険労務士の独占業務となっており、他の職業が申請を代行することができません。費用はかかりますが、助成金のプロに任せた方が効率はいいと言えるでしょう。

中野 裕哲
記事監修者/V-Spirits グループ 代表
起業コンサルタント®、経営コンサルタント、税理士、特定社会保険労務士、行政書士、CFP®、大正大学招聘教授(アントレプレナーシップ論、ファイナンス基礎) 起業コンサルV-Spiritsグループ創業者。東京池袋を本処に全国の起業家・経営者さんを支援! 「あの起業本」の著者。著書・監修書20冊、累計25万部超。経済産業省後援「DREAM GATE」で12年連続相談件数日本一。 【まるごと起業支援®・経営支援】 起業コンサル(事業計画+融資+補助金+会社設立支援)+起業後の総合サポート(経理 税務 事業計画書 融資 補助金 助成金 人事 給与計算 社会保険 法務 許認可 公庫連携 認定支援機関)など
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