エステサロンの予約内容の変更・ドタキャンをへらすための対策として、キャンセルポリシーを盛り込みたいと考えている経営者・スタッフの方も多いでしょう。
キャンセルポリシーとは、予約変更にともなう規約のことで、予約を変更できる期限やキャンセル料金が定められ、急な予約変更・キャンセルの防止に役立ちます。
しかし、導入すべき理由や盛り込むべき項目など、キャンセルポリシーを策定するポイントを知ってから、キャンセルポリシーの内容を考えたい方がほとんどでしょう。
本記事を読むことで、キャンセルポリシーの意味や策定する際のポイント、予約忘れを予防するための対策について知って、急な予約変更によるお店の機会損失をへらせます。ぜひ、参考にしてみてください。
目次
キャンセルポリシーの定義って?
キャンセルポリシーとは、お客様がキャンセルした場合の規約・ルールです。
お客様が予約をキャンセルした場合のキャンセル料やキャンセル料が可能な期間、予約上の各種の注意点について記載し、お客様に対して予約の際に同意を求めます。
お客様にキャンセルポリシーを提示することで、いくつかのメリットがあります。
以下の章では、キャンセルポリシーを設ける具体的な理由について確認しましょう。
無断キャンセルがサロン経営に与える影響
無断キャンセルは、売上の損失やスタッフの稼働率低下など、サロン経営に深刻な影響を与えます。他のお客様への影響や信頼性の低下やスタッフのモチベーション低下など、さまざまな問題が生じます。
売上の損失とスタッフの稼働率低下
予約枠が無駄になり、予定していた売上が得られないだけでなく、スタッフの時間も無駄になります。キャンセルによる機会損失が続くと、経営の安定性が損なわれます。
経済産業省の「No show対策レポート」によると、無断キャンセルによる損害は以下のような要素で構成されています。
- 直接的な売上損失:予約していたサービス料金の逸失
- 人件費の無駄:スタッフの待機時間や準備にかかった費用
- 材料費の損失:事前に準備した施術用材料の廃棄
- 機会損失:他のお客様を受け入れられなかった損失
美容サロンの場合、当日の予約が入りやすい業界ではありますが、無断キャンセルが発生すると、その時間帯に他のお客様の施術をすることができなくなります。
その結果、本来得られるはずだった利益を完全に失うことになり、経営に大きな打撃を与えます。
他のお客様への影響と信頼性の低下
無断キャンセルが頻発すると、他のお客様の予約が取りづらくなり、サービスの信頼性が低下します。予約の無断キャンセルによって予約が取りにくいという印象が付くと、顧客離れを招く可能性があります。
経済産業省の調査でも、無断キャンセルは消費者にも損失を与えており、「予約が困難な有名店の予約を試みたが、満席のため予約ができなかった。しかし、実際には当日に他の顧客が無断キャンセルをしたため、空席が生じていた」といった事例が報告されています。
精神的ストレスとモチベーションの低下
無断キャンセルが続くと、スタッフのモチベーションが下がり、サービスの質にも影響を及ぼします。スタッフの態度の悪化によって、サロン全体の雰囲気が悪化する恐れがあります。
サロンの雰囲気は、お客様の満足度に直結する重要な要素です。スタッフのモチベーション低下は、結果的にサービス品質の低下を招き、さらなる顧客離れの原因となる悪循環を生み出す可能性があります。
無断キャンセル対策の基本はキャンセルポリシーとリマインド通知
無断キャンセルを防ぐためには、キャンセルポリシーの明確化や事前決済の導入、リマインド通知の活用など、基本的な対策を徹底することが重要です。
キャンセルポリシーの明確化と周知徹底
キャンセル料やキャンセル可能な期間、連絡先などを明確に記載し、予約時にお客様に同意を得ることで、無断キャンセルの抑止力となります。
以下の4項目は特に効果的なキャンセルポリシーです。
- 明確な期限設定:「予約日の前日17時まで」など具体的な時間の指定
- 段階的なキャンセル料設定:前日30%、当日50%、無断キャンセル100%など
- 連絡方法の複数用意:電話、メール、LINE など複数の手段を提示
- 同意の取得方法:予約時のチェックボックスや口頭での確認
キャンセルポリシーを設定する際は、お客様にとって理解しやすく、かつサロンの損失を適切にカバーできる内容にすることが重要です。あまりに厳しすぎる条件は新規顧客の獲得を阻害する可能性があるため、業界相場や競合サロンの状況も考慮して決定しましょう。
事前決済の導入によるリスク軽減
クレジットカードや電子マネーによる事前決済を導入することで、キャンセルリスクを軽減し、無断キャンセルを防止できます。
事前決済のメリットは主に以下の4つが挙げられます。
- 確実な料金回収:無断キャンセルが発生しても損失を最小限に抑制
- 予約の本気度向上:金銭的な制約により軽率な予約を防止
- 会計業務の効率化:施術後の会計手続きが不要になり業務がスムーズに
- 資金繰りの改善:事前入金により資金繰りが安定
リザービアでは、任意にキャンセル料が設定できるオンライン決済サービスとしてサロンペイを提供しています。こうしたサービスを活用することで、美容サロンでも事前決済の導入が容易になります。
リマインド通知の活用で予約忘れを防止
予約日前日にメールやLINEでリマインド通知を送ることで、お客様の予約忘れを防ぎ、無断キャンセルの発生を減らすことができます。
調査によると、前日にリマインド通知を送信することで無断キャンセルが60%も減少すると報告されています。
特に美容サロンでは当日や前日の予約が多いため、1〜2週間前に予約したお客様が予約を忘れてしまうケースが多く、リマインド通知の効果は非常に高いと言えます。
キャンセルポリシーを書く際の5つのポイント
キャンセルポリシーを書く際には、下記の5つのポイントをおさえることが大切です。
- 予約者の目にとまる場所に記載する
- キャンセル期間とキャンセル料を明文化する
- 予約時刻に遅刻する場合の対応も記載する
- 具体的なキャンセル時の連絡先を記載する
- わかりやすい表現を使うようにする
この章では、キャンセルポリシーを書く際のポイントをみていきましょう。
1.予約者の目にとまる場所に記載する
キャンセルポリシーは、必ず予約する方の目に留まりやすい場所に記載しましょう。店舗プロフィールやサービスの選択画面などに明記するのがおすすめです。また、予約者が確認しやすいように、チェックボックスを設置するのもいいでしょう。
ほかにも、電話や店頭で予約を受け付ける場合にも、口頭や紙面でキャンセルポリシーの内容について伝えておくと、親切な印象を与えられるはずです。
2.キャンセル期間とキャンセル料を明文化する
キャンセルポリシーで重要なのは、キャンセルできる期間とキャンセル料がどの程度かかるのかという部分です。これらの項目を盛り込むことで、お客様のキャンセルがへり、予約キャンセルによる店舗側の損失を、ある程度カバーできる可能性が高まるでしょう。
キャンセルポリシーの文中でも、とくに見つけやすい場所に記載しましょう。
3.予約時刻に遅刻する場合の対応を明記する
キャンセルポリシーの文中で、遅刻した場合の店舗の対応を明記することも大切です。具体的には、下記のような文言を記載しておくといいでしょう。
- 10分以上遅れる場合は、お電話ください
- 15分以上遅れる場合は、キャンセル扱いとします
- 開始時間が遅れた分、施術時間が短縮する場合もございます
美容サロンの回転率を重視するためにも、一定時間以上の遅れはキャンセルとして処理したり、遅れた分の時間は施術時間を短縮するなどの対応を明記することが重要です。
4.具体的なキャンセル時の連絡先を記載する
キャンセルポリシーには、キャンセル時の具体的な連絡先を記載する必要もあります。
キャンセルしたい時に問い合わせができないと、予約キャンセルの処理をスムーズに行いたい店舗側にとってはマイナスです。
連絡を取りやすい電話番号やメールアドレス、SNSのURLなどを明記して、予約キャンセルの対応を円滑に行えるようにしましょう。
5.わかりやすい表現を使うようにする
キャンセルポリシーでは、あいまいな表現は避け、具体的な時間や数字などを使用しながら、キャンセル料や予約可能な時間、連絡先などを明記するようにしましょう。
あくまでもお客様目線で理解しやすいキャンセルポリシーを作ることで、実際に活用されやすく、効果があらわれやすい文言のキャンセルポリシーとなるのです。
当日のキャンセルを予防する!おすすめの対策5選
キャンセルポリシーのほかにも、お客様からの急なドタキャンを予防する方法があります。具体的な防止策と対応策について、よく確認しましょう。
1.リマインドメールで予約忘れを減らす
リマインドメールは、予約忘れを予防する効果的な方法の一つです。電話や対面での予約となると、どうしても予約忘れをしてしまうケースも。仮にキャンセルポリシーが策定されていても、確認のメールがないとうっかり予約を忘れてしまうケースもあるでしょう。
しかし、予約後や予約日前日などに段階的にお客様に対してリマインドメールを送ることで、お客様がうっかり予約忘れをしてしまうリスクをへらせるはずです。
2.無断キャンセル保証のあるサービスを利用する
美容室・サロン向けの予約システムの中には、無断キャンセルによってこうむる損害を保証しているものもあります。また、キャンセル料金を代わりに回収してくれるサービスもあり、ドタキャンによる損害をへらしたい方は利用しておきたいサービスです。
無断キャンセルに悩んでいる方は、キャンセルに対する保証サービスの有無や保証の充実度の大きさで、予約サービスを選ぶのがおすすめだといえます。
3.事前決済機能でキャンセル代金を確保する
事前決済に対応した予約システムを導入していれば、お客様がドタキャンしても自動的にキャンセル料金を請求できるのでおすすめです。現金払いのみでキャンセルポリシーを設定しても、ドタキャンされたまま売上の機会を損失してしまう可能性が高いでしょう。
また、事前決済機能とはいっても、カード払いやポイント払い、QRコード払いなど幅広いので、お客様がよく利用する決済機能を備えた予約システムを選ぶのがおすすめです。
4.お客様に丁寧な対応で接する
お客様のドタキャンを防ぐためには、スタッフとお客様の間に親しい関係性を築くことが重要。お客様からの連絡に対して、お店の代表として懇切丁寧な対応を心がけることで、お客様が予約をないがしろにしてしまうケースはへるでしょう。
予約システムを導入することも予約忘れをへらすためには重要ですが、まずはお店としてお客様に対する対応を見直し、親しみを感じてもらえるような対応を心がけましょう。
5.キャンセル料金を回収できる予約システムを活用する
予約システムによっては、キャンセルポリシーを設定すると、システムが自動的にキャンセルされた場合の料金を徴収するシステムもあります。
お店システム上で設定したキャンセルポリシーに基づき、先に説明した事前決済機能と連携して、キャンセル料金を回収できる仕組みです。すべての予約システムが対応している訳ではないので、きちんと機能を確認しながら予約システム選びをしましょう。
【サロン・美容室向け】キャンセルポリシーの例文
サロン・美容室向けのキャンセルポリシーの例文は以下のとおりです。
お客様からのご予約の変更・キャンセルは、予約日の3日前の営業時間内(9:00〜19:00)までとさせて頂きます。それ以降のご予約の変更については、店舗まで直接ご連絡ください。お問い合わせは電話・LINEでのみ受け付けております。
【キャンセル料金について】
予約日の3日前までのキャンセルであれば、キャンセル料金は発生しません。それ以降は以下のキャンセル料金が発生します。
3日前〜前日まで:予約料金の30%
当日:予約料金の50%
無断キャンセル:予約料金の100%
【予約時間の遅刻について】
予約時間に遅れる場合は、遅刻するとわかった時点で早めにご連絡ください。予約時間から15分以上経過してもご来店されない場合は、申し訳ございませんがキャンセルとさせていただきます。その場合のキャンセル料金は、予約料金の50%とさせていただきます。
何度も無断キャンセルや遅刻をされるお客様は、ご予約をお断りさせていただく場合もありますので、あらかじめご了承ください。
【感染対策について】
当店では感染対策の一環として、席同士の間隔を空け、検温チェックをして、熱が37.0℃以上あるお客様の来店をお断りしています。来店をお断りしたお客様に関しましては、別日に無料で振り替えさせていただきます。
お客様と当サロンスタッフの感染への対策として、何卒ご了承くださいませ。
リザービアを活用した無断キャンセル対策
リザービアの予約管理システムを活用することで、キャンセルポリシーの設定やリマインド通知の自動化、事前決済の導入が容易になり、無断キャンセル対策を強化できます。
リザービアは、全国5,000店舗以上の美容サロンで導入されている実績豊富な予約管理システムです。美容業界に特化した機能と使いやすさで、サロン経営の効率化と売上向上をサポートしています。
自動リマインド通知の設定
予約日前日に自動でリマインド通知を送信する設定が可能で、お客様の予約忘れを防ぎ、無断キャンセルの発生を減らすことができます。
- 自動配信設定:予約日の3日前・前日・当日など任意のタイミングで自動配信
- 複数チャネル対応:メール・SMS・LINEなど複数の方法で通知可能
- 顧客別対応:お客様の名前や予約内容を自動で挿入
- 簡単キャンセル機能:リマインド内にキャンセルボタンを設置可能
LINE連携機能により、お客様が普段使用しているLINEアプリで予約確認やリマインド通知を受け取れるため、メールよりも高い開封率と確認率を実現できます。
サロンペイで無断キャンセルを防ぐ
サロンペイは、リザービアが提供するオンライン決済サービスで、無断キャンセル対策に効果的です。予約時にクレジットカード情報を登録し、来店時に自動で決済が完了するため、施術後すぐに退店できます。
サロンペイの特徴と導入メリット
お会計がスムーズになり、施術後すぐに退店できるため、お客様の満足度が向上します。支払いのことを考えなくていいため、施術後のリラックスした気持ちのまま帰ることができます。
サロンペイのメリット
- 会計時間の短縮:施術後の会計待ち時間がゼロになり、お客様の満足度向上
- 非接触決済:コロナ禍以降に高まる衛生面への配慮
- 予約品質の向上:事前決済により軽率な予約を防止
- スタッフ業務の効率化:レジ対応時間の削減により、より多くの時間を施術に集中
- 売上の確実性:無断キャンセルが発生しても確実に売上を確保
キャンセル料の自動回収機能
キャンセルポリシーに基づき、無断キャンセルが発生した場合、予約時に登録されたクレジットカードからキャンセル料を自動で回収できます。これにより、キャンセル料の回収漏れを防ぎ、サロンの収益を守ることができます。
自動回収機能の特徴
- 即座の回収:無断キャンセル発生と同時に自動でキャンセル料を処理
- 柔軟な料金設定:時間帯や状況に応じた段階的なキャンセル料の設定
- 透明性の確保:お客様への通知機能で回収処理の透明性を担保
- 管理画面での確認:キャンセル料の回収状況をリアルタイムで確認可能
これまで泣き寝入りするしかなかった無断キャンセルによる損失を確実に回収でき、サロン経営の安定化に大きく貢献します。
導入するときの注意点
導入に際しては、クレジットカードの利用規約やキャンセルポリシーの明確化など、事前に確認すべき点があります。
特に既存のお客様に対しては、新しいシステムの導入理由とメリットを丁寧に説明し、理解を得ながら段階的に移行することが重要です。
また、現金決済を希望するお客様への配慮も必要で、両方の決済方法を併用できる体制を整えることが推奨されます。
事前決済とキャンセルポリシーで無断キャンセル対策で安定したサロン経営を
無断キャンセル対策は、サロン経営の安定化に不可欠です。キャンセルポリシーの明確化や事前決済の導入・自動リマインド配信など、効果的な対策を講じることで、お客様との信頼関係を築き、サロンの成長につなげましょう。
無断キャンセルは大きな経済損失を生むため、適切な対応は経営の持続可能性に直結する重要な課題となっています。
リザービアのような美容業界に特化した予約管理システムを活用することで、これらの対策を効率的に実装できます。
サロン経営の安定化と成長のために、今こそ無断キャンセル対策の見直しと強化に取り組まれることをお勧めいたします。適切な対策により、お客様にも喜ばれ、スタッフも働きやすい、持続可能なサロン経営を実現していきましょう。