美容サロンや治療院をはじめ、さまざまな支払いの場面でキャッシュレス決済が普及してきています。これからオンライン決済を導入するために、検討している人も少なくないでしょう。
しかし、オンライン決済システムは種類が多く、何を基準にどれを選べばよいかわかりにくいかもしれません。
そこで本記事では、オンライン決済システムの導入メリットや選び方のポイント、美容サロンや治療院におすすめのオンライン決済システムを比較しながら詳しく解説します。
目次
オンライン決済システムとは?
オンライン決済システムとは、インターネット上で決済を行ったり決済データを管理したりすることができるシステムのことです。オンラインショッピングなどで利用されているほか、実店舗の事前決済や店頭でのキャッシュレス決済システムとしても活用されています。
来店・非来店に関わらず、決済に関するデータがネットワークを通じて処理・運用されるシステム全般をオンライン決済と呼びます。
オンライン決済システムの種類
オンライン決済システムは、大きく分けると下記の4種類に分類できます。
- 実店舗とオンラインに対応するタイプ
- オンラインに特化したタイプ
- 口座振替や集金代行に対応するタイプ
- サブスクや月額課金に対応するタイプ
それぞれの特徴を順番に紹介しましょう。
実店舗とオンラインに対応するタイプ
実店舗とオンラインに対応するタイプは、実店舗での対面決済とインターネットでの決済の両方を行えるもの。たとえば美容系サロンの場合、お客様はネット予約をしてそのままオンラインで決済を済ませる、もしくは来店時に支払う方法を選ぶことができます。
オンラインに特化したタイプ
オンライン決済に特化したタイプは、おもにECサイト向けの決済方法。決済用URLを送信するためのAPIを使える、決済データを暗号化してセキュリティを高めるなどの特徴があります。
口座振替や集金代行に対応するタイプ
口座振替や集金代行に対応しているタイプもあります。小売店やクラスレッスンなどに向いており、自店の代わりに入金確認や督促を行ってくれるため便利です。
サブスクや月額課金に対応するタイプ
サブスクや月額課金に対応するタイプは、定額課金で展開されるWEBサービスやアプリ向けです。従量課金に対応しているシステムもあります。
オンライン決済システムを導入するメリット
オンライン決済システムの導入には、下記のようなメリットが期待できます。
- 代金の未回収・不正取引等のリスク回避
- お客様の利便性の向上
- 業務効率の改善
それぞれ詳しく見ていきましょう。
代金の未回収・不正取引等のリスク回避
オンライン決済システムを導入することで、代金の未回収リスクを大幅に減らすことができます。
特に予約に対してキャンセル料を設定している場合は、予約時にオンライン決済のための支払い情報入力を必須にすることで、キャンセル料未回収を回避できるでしょう。
また、決済システムはほとんどの場合セキュリティ機能を搭載しているため、偽造カードや盗難カード利用による不正取引のリスク軽減にもつながります。
お客様の利便性の向上
お客様が使いたい決済方法を選択できることで、支払い方法の制限による機会損失を避けられます。
QRコード決済や電子マネーなど、多様な支払い手段を提供することで、お客様の支払い方法の選択肢が増え、利便性の向上につながるでしょう。
また、事前決済を導入した場合は来店時の会計が不要となるため、来店・退店をスムーズに行うことができます。
業務効率の改善
オンライン決済システムの導入により、会計やレジ締めにかかる時間の短縮が図れます。
スタッフはレジまわりの業務に時間を取られることなく、お客様へのサービス提供に集中できるようになり、全体的な業務効率の向上につながるでしょう。
また、導入時に各決済サービスと個別に契約をする必要がない(代行会社にまとめて行ってもらえる)ため、契約の手間がかかりません。
オンライン決済システムを選ぶ際のポイント
美容サロンや治療院にオンライン決済システムを導入する際は、以下の4つのポイントをよくチェックする必要があります。
- 利用可能な決済手段
- 決済手数料や利用料金
- セキュリティ対策
- 外部システムとの連携可否
それぞれのポイントについて、詳しく紹介しましょう。
1.利用可能な決済手段
オンライン決済システムは、それぞれ取り扱っている決済手段が異なります。
そのため、クレジットカード決済やQRコード決済など、どのような決済手段が利用できるかをチェックする必要があります。さらに、対応しているクレジットカードブランドやQRコード決済の種類にも注目しましょう。
年齢層によっても好まれる決済方法が異なり、中高年層はクレジットカード、若年層はQRコード決済が好まれる傾向にあります。このような、自店の客層とニーズを考慮した上で利用したい決済手段が含まれているシステムを選びましょう。
2.決済手数料や利用料金
決済システムを比較検討する際は、導入にかかる初期費用のほか、月額利用料や決済手数料など、総合的に比較することが重要です。その際、売上が入金される頻度や振込手数料もあわせて確認しておきましょう。
利用するシステムや料金プランによって、発生する費用が異なります。そのため、長期的にシステムを利用した場合でも自店の負担になりすぎないよう、費用対効果を見極めて導入することが大切です。
3.セキュリティ対策
オンライン決済を行う際は、お客様の個人情報やカード情報を扱うため、SSL暗号化などの業界標準のセキュリティ対策が講じられているかを確認する必要があります。
また万が一、不正利用などがあった際の補償制度があるサービスを選ぶと、より安心して利用できるでしょう。
4.外部システムとの連携可否
オンライン決済システムのなかには、予約管理・顧客管理・売上管理などの外部システムと連携できるものもあります。
特に美容サロンや治療院の場合、予約管理システムや顧客管理システムと決済システムを連携することで、予約から会計までの一連の流れをまとめて管理することも可能です。個別に管理していた情報を一カ所にまとめることで、業務の効率を大幅にアップできるでしょう。
美容サロン・治療院におすすめのオンライン決済サービス5選
オンライン決済サービスはさまざまな種類がありますが、ここでは、美容サロンや治療院に特におすすめのサービスを5つ紹介します。
それぞれのオンライン決済サービスについて、順番に詳しく紹介しましょう。
1.stera pack

出所:stera pack公式Webサイト
stera packは、SMBC GMO PAYMENT株式会社が提供する決済システム。VISA・Mastercard・銀聯などのクレジットカードや、WAON・QUICPay・Suicaなどの電子マネー、PayPay・メルペイ・WeChat Payなどのコード決済と、30種類以上の決済手段が使えます。
料金プランは2種類あり、中小企業者向けの「スモールビジネスプラン」なら、Visa・Mastercardの決済手数料率が1.98%で利用できます。導入費用もかからず、1年目は月額のサービス利用料もかかりません。
また、POSシステム「A’staff Cloud Smart」と連携するとさらに便利。予約システム「リザービア」の予約管理と併行して、業務をスムーズに行えます。
2.楽天ペイ

出所:楽天ペイ公式Webサイト
楽天ペイは、自社グループの楽天ペイや楽天Edyのほか、各種クレジットカードや電子マネー決済、QRコード決済にも対応しています。
中小企業向けのスタンダードプラン・ライトプランと、中小企業以外の事業者向けの標準プランがあり、選択したプランによって決済手数料が異なるためよく確認しましょう。
たとえば、楽天カードをはじめとしたクレジットカードの決済手数料は、スタンダードプランの場合は2.20%ですが、標準プランの場合は3.24%となり、1%以上の差があります。そのため、自店の事業規模を踏まえた上での導入検討がおすすめです。
また、スタンダードプランの場合は2年以上同プランを利用する必要があり、途中で解約した場合は違約金が発生する可能性もあるため注意しましょう。
3.Square

出所:Square公式Webサイト
Squareの決済も、初期費用無料で導入できます。オンラインでは6種類のクレジットカードに、店頭では18種類の各種キャッシュレス決済に対応。オンライン決済の場合、決済リンクや請求書をお客様にメールなどで送信することによって支払ってもらえます。
決済手数料は決済手段などによって異なり、2.50~3.25%。入金スピードが速く、最短翌営業日に入金され、振込手数料は不要です。
4.STORES 決済

出所:STORES 決済公式Webサイト
STORES 決済は、ネットショップや予約システム、POSレジなどを総合的に提供する「STORES」のサービスのひとつ。STORES決済は申し込みから最短3営業日で利用が開始できるスピーディーさが特徴です。
月額利用料3,300円でVisa・Mastercardの決済手数料が1.98%になるスタンダードプランと、月額利用料0円でクレジットカード決済の手数料が2.48%になるフリープランのほか、予約などSTORESが提供するほかの機能と連携しない通常料金プランがあります。
また、整骨院や鍼灸院など特定の業種を対象とした、特別な決済手数料も設定されているため、該当する場合はそちらのプランもチェックしてみると良いでしょう。
5.サロンペイ
サロンペイは、予約管理システム「リザービア」の機能として提供されているオンライン決済サービスです。
お客様に来店前にクレジットカード情報などを入力しておいてもらうことで、キャンセル料の回収に役立つほか、会計時間が短縮できるため施術後すぐに退店してもらえるなど、美容サロンや治療院のニーズに対応しています。
決済端末を必要とせず、初期費用や月額の固定費もかかりません。決済手数料については要問い合わせとなっています。
自店に合ったオンライン決済システムで業務効率を向上させよう
オンライン決済システムの導入は、代金の未回収リスクを減らしたり、お客様の利便性を向上させたりするなど、美容サロンや治療院にとって多くのメリットがあります。
システムを選ぶ際は決済手数料だけでなく、対応決済方法の豊富さやセキュリティ対策、サポート体制などもしっかりと確認した上での判断が必要です。
各サービスの特徴や料金体系を理解し、自店のニーズに合ったシステムを選ぶことで、業務効率の向上と顧客満足度の向上につなげましょう。