エステサロン業界で働く方のなかには、独立して自分の店を持ちたいと考えている人もいるのではないでしょうか。開業にあたってはやるべきことがたくさんあり、資金も必要です。そこで、エステサロンの独立開業の流れ・準備・費用などを詳しく紹介します。
独立願望がある方は、ぜひ最後まで読んで開業時に役立ててください。
目次
エステサロンを開業する手順7ステップ
エステサロンを開業するまでの基本的な手順を7つ解説します。手順を把握することでスムーズに開業に向けての準備を行うことができます。
①コンセプトを決める
どんなエステサロンにするのか、どのようなサービスを提供したいのか、サロンの経営理念となるコンセプトを決定します。 ノートなどに自分の希望や理想などを箇条書きにしていくと、目指すべきサロンのイメージが固まりやすくなります。
②事業計画書の作成
サロン開業にあたって、銀行から融資を受けたり、各種補助金・助成金などを利用したりする場合は、事業計画書の提出が必要になります。①で決めたコンセプトをもとに、企業概要や経営方針、事業内容、今後の事業展開などを具体的に記載しましょう。
エステサロンで提供するメニューの価格なども、この時点で決定し、計画書に盛り込みます。
③物件探し
サロンを開業するための物件を探します。 立地がよい物件ほど顧客を集めやすくなりますが、そのぶん地代家賃は高くなりますので、開業資金とのバランスを考えながら適切な物件を見つけましょう。
④開業資金の調達
手持ちの資金だけでは開業資金が不足するという場合は、金融機関に融資を申し込んで資金調達をする必要があります。 また、補助金や助成金を利用すると、設備投資にかかる費用を節約することが可能です。
補助金や助成金の利用には一定の要件を満たす必要がありますので、開業資金の調達に使える制度と利用要件をしっかり確認しておきましょう。
⑤外装・内装工事の計画・施工
サロンのコンセプトや提供メニューに合わせて、店舗の外装・内装工事の計画を立てます。 レイアウトやデザインの選択、導入機器の決定などにはかなりの時間を要しますので、余裕を持って行動しましょう。
⑥広告宣伝の準備
外装・内装工事の竣工予定に合わせて、サロンの広告宣伝の準備をスタートします。 広告宣伝には、ポスターやチラシを使った告知、公式HPの開設、SNSを使った宣伝など、いろいろな手段がありますので、予算やニーズに合わせて選択しましょう。
⑦サロンのオープン、届出の提出
サロンをオープンしたら、開業届および青色申告承認申請書を提出します。 開業届は事業開始後1ヶ月以内、青色申告承認申請書は事業開始後2ヶ月以内に提出します。
それぞれ提出先は納税地の所轄税務署ですので、開業届と一緒に青色申告承認申請書も提出した方が手間を省けます。
エステサロンを開業するための事前準備
エステサロンを開業するための条件はとてもシンプルで、管轄の税務署に「開業届」を提出するだけです。 国家資格の取得が必要な美容師や理容師とは異なり、エステティシャンになるには特別な資格は必要ありません。
誰でもサロンを開業し、エステティシャンとして働くことができます。 ただ、無資格で開業できるとはいえ、専門的な知識や技術を持たないエステティシャンのもとには、なかなかお客さんは集まってくれません。
もともとエステサロンは競争の激しい業界ですので、新規参入するのなら、最低でもエステティシャンの資格を取得し、必要な知識・技術を保有していることをアピールする必要があります。
エステティシャンの資格取得には、認定校で300時間以上の履修コースを修了し、かつエステティックに関連する実務経験を1年以上積むことなどが条件に含まれていますので、エステサロン開業のスケジュールに盛り込んでおきましょう。
国家資格が必要な施術を提供する場合
エステサロンの開業に特別な許可は不要と説明しましたが、国家資格が必要なサービスを提供する場合は、資格の取得および届出が必要になります。
たとえば、フェイシャルメニューの一環でシェービングを行う場合は、理容師免許の取得と保健所への届出が必須です。同様に、眉毛カットなどのサービスを行う場合は、美容師免許の取得と保健所への届出を行いましょう。
このように、提供するメニューによって資格取得や保健所への届出が必要になる場合もありますので、シェービングや眉毛カットなどのサービスを予定している方は要注意です。
青色申告事業者になる場合
個人でエステサロンを開業する場合、オーナーは個人事業主になるため、年間の売上や経費をもとに納税額を申告する「確定申告」を行う必要があります。
確定申告の方法には「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、前者は特に届出は不要ですが、後者の場合は事前に納税地の所轄税務署長宛に「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。
青色申告を行う場合、貸借対照表や損益計算書などを作成する必要がありますが、最高65万円の青色申告特別控除を受けられたり、赤字を3年間繰り越せたりといろいろなメリットがあります。
長くエステサロンを経営していきたいなら、青色申告事業者になることがおすすめです。
エステサロン開業時に必要なアイテム
ここからはエステサロンの開業時に必要なアイテムについて紹介します。サロンのコンセプトや施術内容によって多少異なるため、自店の状況に合わせてまずは最低限必要なアイテムを揃えていきましょう。
実際にオープンしてお客様が来るシーンを想定しながら揃えていくと、抜けがなく準備が整います。
ベッドやスツールなど内装や大型のアイテム
まずは、施術の際に必要な大型のアイテムを紹介します。卸業者などから購入するもので、ベッド、キャスター付きのワゴン、タオルウォーマーなどは必ず必要なアイテムです。
スツールは施術内容によっては必要ありませんが、フェイシャルや脱毛などの施術を行う場合は必要になります。また、鏡もあるとよりよいでしょう。
開業時期や住所などが定まったら、美容機器卸業者のネットショッピングの会員に登録し、エステ用のベッドなども購入しましょう。
タオルやオイルなどの消耗品
続いては消耗品について紹介します。タオル大、小、巻タオル、大判のシーツ、紙ショーツ(ボディの施術がある場合)、スリッパなどが挙げられます。フェイシャルなどの施術がある場合は、化粧直しができるようなものを置いておくとより親切です。
カウンセリングシートや会計時に必要なもの
カウンセリングシートはお客様情報を管理する大切なものです。自店の施術内容などに合わせて作成しておきましょう。施術に関する免責同意書も作成することをおすすめします。
また、会計をスムーズに行えるように、レジ機やおつりなどもしっかりと準備することが大切です。
店内環境やおもてなしに必要なもの
店内BGM、お客様に出すお茶、コンセプトに合わせたインテリアなども、必要に応じて準備します。店内の居心地のよさに関わる大切な部分でもあるので、予算と照らし合わせながら癒しの空間をつくってみましょう。
その他施術メニューによって異なる
その他のオイルや、美容機器、化粧品などは、施術内容によって異なるので必要なものを揃えましょう。店販ができるように準備するのもひとつの手段です。
施術の満足度に繋がる部分でもあるので、こだわりを持って成分や効果などをしっかりと見極めて選んでいきましょう。
エステで独立開業するために必要な費用とは?
前述したように、エステサロンを開業するには店舗となる物件が必要です。ここからは、エステサロンの店舗の主な形態と、独立開業にかかる費用(開業資金)を確認していきましょう。
独立には3つの形態がある|自宅・テナント・賃貸
まず、独立時の開業資金を考える前に押さえておきたい、サロンの主な3形態についてお伝えします。
1. 自宅サロン|賃料が発生しない
自宅サロンとは、自宅の一部をサロンとして利用する形態。家賃がかからないというメリットがある反面、認知してもらいづらい・生活感が出やすく非日常を求めるお客様には落ち着かない可能性があるなどの注意点も。
詳しくは、下記記事もあわせてご覧ください。
参考記事:
2. テナント型サロン|集客しやすい
テナント型サロンとは、商業施設やビルなどの一角に出店する形態。費用は高額になりがちですが、自宅サロンに比べて店舗づくりに自由度がある・もともとの建物に集客力があればお客様に認知されやすいといったメリットもあります。
3. 賃貸型サロン|比較的低コスト
賃貸型サロンとは、マンションなどの賃貸物件を借りて営業する形態。テナントよりも費用を抑えられやすく、立地にもよりますが、路面店の場合は人目にもつきやすいです。一方で、物件によっては店舗営業が認められていない場合もあるので、事前にきちんと確認しましょう。
独立にかかる費用はどれくらいなの?
エステサロンの出店形態がわかったところで、つづいては独立に必要な費用の目安について解説します。
初期費用
3つの形態それぞれの初期費用の目安は以下の通りです。
物件の取得にかかる契約費用には、賃料や保証金などが含まれますが、あくまでも目安のため物件によって異なります。また、内装や設備にかかる費用を減らせば、初期費用をもっと抑えることも可能です。
運営費用
当面の運営費用は、サロン開業前に用意しておきたいところです。家賃・水道光熱費・予約システムなどの利用料が毎月発生します。そこで、自宅サロンでは100万円、テナント型では400万円、賃貸型では200万円程度を目安に準備しましょう。
また、スタッフを雇う場合は別途人件費も必要です。
開業資金が足りない場合はどうすればいいの?
前述した内容にもあるように、開業資金が手持ちのお金では足りない場合、調達しなければなりません。そこで、ここからは、資金を調達するにはどうすればいいのかを改めて紹介します。
融資を利用する
まずは融資を受ける方法についてお伝えしましょう。
日本政策金融公庫|新創業融資制度
一例として、日本政策金融公庫の新創業融資制度を挙げます。新規事業開始者への設備資金や運転資金を融資するもので、限度額はなんと3,000万円。原則無担保・無保証人で借りられることもメリットです。
助成金・補助金を利用する
つづいては、国や地方などから支給される助成金や補助金を活用する方法をお伝えします。助成金は条件に当てはまれば受給しやすく、補助金は審査に通らなければ受けられないのが特徴です。
関連記事:
両立支援等助成金
一例として、両立支援等助成金を挙げます。仕事と育児や介護を両立する事業主に対して支援する制度で、女性だけでなく男性の育休に関する内容なども盛り込まれています。
また、令和5年度の変更により、自社の育休取得状況を公表した場合に助成金を加算する、などの内容も新設されました。
独立したら収入はUPするの?
収入面が気になる方も多いことでしょう。エステサロンを独立開業したら、収入はUPするのでしょうか。
収入がUPしやすいと言われる理由とは?
独立すると収入はUPしやすいと言われます。なぜかというと、雇用されていたときは固定給や歩合給でしたが、独立すると売上が収入に直結するため。多く売り上げれば売り上げるほど、収入も高くなっていきます。
独立後の収入はどう決まるの?
エステサロン独立後の給料はどのように考えればいいかというと、売上から経費を引いたものが手元に残るお金、つまり自分の収入です。
たとえば、売上が850,000円の場合、ここから家賃やスタッフの給料などの諸経費合計(400,000円とする)を引いたものが収入なので、850,000-400,000=450,000円という計算になります。
エステサロン開業を成功させるポイントとは?
ここからは、エステサロンの独立開業を成功に導くためのポイントについて見ていきましょう。
1. ターゲットを明確にする
どんな方をメインに集客したいのか、まずはサロンのターゲットを明確にすることが大切です。ターゲットはサロンのコンセプトや立地にも影響します。
2. リピーター獲得に繋がる仕組みを作る
エステサロンでは、リピーターの存在が非常に重要。固定客がつくことにより、安定的な売上が見込めます。
そのため、新規客だけでなくリピーターを獲得する仕組みを作ることが大切です。一度来てくれたお客様に特典を用意したりクーポンを付与したりして、再来店に繋げましょう。
3. 収入UPの仕組みを作る
集客に力を入れるほかにも経費を抑える、客単価を高めるなど、収入UPするために必要な方法を考えましょう。たとえば、高い・中くらい・安いの3段階のメニュー構成を作ってお客様に選んでもらう、化粧品を販売して収益を上げるなどの方法があります。
集客に有効な予約システムの導入も検討しよう
公式HPやSNSなどを使ってお客様を集めた後、実際の予約につなげるためには、予約システムの活用がおすすめです。
予約システムを導入すると、お客様はインターネットを通じて時間や場所を選ばずに予約できるようになるため、新規顧客の獲得率アップに期待できます。
システムを利用した予約方法は複数ありますが、新規集客にはシェア率の高いGoogleや、画像や動画でサロンの魅力をアピールできるInstagramを使った予約を利用すると、より幅広いターゲット層を取り込むことができます。
一方、既存のリピーターには、自店のLINE公式アカウントを友達登録してもらうのがおすすめです。
前回来店した日にちや利用したサービスなどの情報をもとに、LINEで再来店をうながすメッセージを送信したり、お得なクーポンを配信したりすれば、リピーターに効率よくアピールすることができます。
美容サロン業界No.1の予約システム「リザービア」なら、公式LINEやGoogle、Instagram、クーポンサイト経由の予約を簡単に一元管理することが可能です。
個人サロンから大手サロンまで、幅広いスタイルのサロンが使いやすいように設計されたシステムですので、エステサロン開業の際は、ぜひリザービアの導入をご検討ください。
予約システム「リザービア」の導入をおすすめする理由
予約システム「リザービア」がおすすめな理由は、エステサロンに便利な多彩な機能が搭載されているからです。ここからは、「リザービア」の機能について紹介します。
あわせて下記の導入例ページもご覧ください。
予約の一元管理でダブルブッキングを防止
リザービアでは、従来の直接来店しての次回予約や電話予約に加え、Webサイト経由やポータルサイト経由など、どんな予約方法で受け付けても、ひとつのシステムで全てを一元管理することができます。
「BMS(ビューティーマネジメントシステム)」という独自システムです。詳しくは下記のページをチェックしてみてください。
24時間365日、予約を受け付けられる
「リザービア」はオンライン上で予約処理をするので、営業時間外でもいつでも予約を受け付けることが可能です。
来店予約や電話予約の場合、サロンの営業時間内しか対応できません。しかし、メールや予約フォームからネットを経由しての予約なら、お客様が都合のよい時間に予約を入れられます。
サロンにとっては予約に関する応対が削減でき、お客様は営業時間を気にせず好きなタイミングで予約ができるため、双方にとって使いやすいシステムです。
豊富なメニューオプション・クーポンも設定可能
それぞれの業種に対応したメニュー設定が可能です。また、メニューに応じた時間設定やクーポン利用など、詳細なメニュー設定で、お客様が自分の希望に応じたメニューを事前に予約しておくことができます。
クーポンは、対象者を絞ったり使用期限や曜日などの設定をしたりすることが可能。下記の詳細ページもご確認ください。
予約データの集計も
「リザービア」で管理した予約データの集計も行えます。予約数だけでなく、予約方法の比率やクーポン利用数など、予約に関するさまざまなデータを集計することができるので、経営戦略にも役立てることが可能です。
関連ページ
便利な自動メッセージ配信機能
施術日から最大60日後まで、自動配信のメッセージを登録することができます。プランによる上限数の違いはなく、どのプランでも無制限でご利用いただけます。
来店当日のお礼メールや来店後のフォローメール、再来店を促す販促メールなど自由に設定できるので、集客に役立ててください。
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LINE予約でリピート率アップ
LINEのトーク画面を予約入り口にすることもできます。
お客様によっては、新たなアプリを入れたり、会員登録をしたりといったことを好まない方も少なからずいらっしゃいます。そこで、LINEとの連携が活躍。お客様が普段使用しているアプリをそのまま予約導線として活用可能です。
まずは資料をご覧ください
エステサロンの独立開業に向けて必要な手続きや準備を進めよう
エステサロンの開業は、誰にでも始められる手軽さが魅力ですが、長く安定して経営できるかどうかは経営者としての腕にかかっています。エステサロンの独立開業を目指す人は、手順を踏んで必要な手続きや準備をしっかりと行いましょう。
また、独立時にかかる費用や資金集めの方法、収入についても解説しました。予約管理や集客には、予約システムの活用もおすすめです。開業の準備を入念に行って、長く安定的に多くのお客様に愛されるサロンを目指してください。
引用元
青色申告制度|国税庁
新創業融資制度|日本政策金融公庫
両立支援等助成金|厚生労働省
2023年度の両立支援等助成金の概要|厚生労働省
令和5年度両立支援等助成金|厚生労働省