美容室を開業する際に、個人経営かフランチャイズサロンとして開業したらいいのか悩む人もいるでしょう。たしかに個人経営に比べると、フランチャイズサロンとして開業したほうが低リスクです。
しかし、フランチャイズの仕組みや開業の仕方がわからないといった人も多いでしょう。今回は、フランチャイズのサロンを開業する際のポイントについて解説していきます。
目次
美容室のフランチャイズとは
フランチャイズとは、店舗の名前をもとに決定されたサービスを提供する契約のこと。本部が店舗の看板やサービスなどを提供する代わりに、加盟する側は加盟金を支払います。
美容室の場合は、本部となるサロンに加盟金を支払い契約すれば、サロンの看板とメニューをそのまま活用して営業が可能です。加盟先のサロンから指導や教育を受けられるので、安心して美容室経営に集中することができます。
フランチャイズサロンを開業するメリット・デメリット
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フランチャイズでサロンを開業する場合には、以下のメリットがあります。
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低コストで始められる
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経営のサポートを受けられる
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スタッフの募集や教育がしやすい
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集客がやりやすい
また、問題点としては、「店舗のオリジナリティは出しづらい」「加盟金を支払必要がある」などが挙げられます。
メリット1.低コストで始められる
フランチャイズサロンは本部がサポートするため、初期投資をおさえて低リスクで始められます。店舗の運用に必要な商品や備品などを、安価で購入でき、コスト削減が期待できるでしょう。そのほかにも、広告費など本部から補助が出る場合もあるのが魅力といえます。
メリット2.経営のサポートを受けられる
本部から、経営のアドバイスやビジネスの知識が得られるのも大きなメリットです。美容室を開業するときは、経営や運営方法のノウハウを持っていない人も多いでしょう。右も左も分からない経営初心者にとって、本部からのアドバイスは強い味方といえます。
メリット3.スタッフの募集や教育がしやすい
加盟するサロンの知名度を利用できるので、スタッフの募集がしやすいでしょう。また、加盟するサロンにもよりますが、スタッフ向けの研修会を開催しているところもあり、新人教育やスタッフの育成もしやすい環境が整っています。従業員の育成ノウハウがなくても、安心できるポイントです。
メリット4.集客がやりやすい
開業するにあたって、心配な点は集客でしょう。その点においては、フランチャイズにおいては有利です。加盟したグループの知名度をうまく利用し、プロモーションできれば、新規顧客も得られやすいでしょう。
また、サロンによっては広告費などの補助も出るため、大規模なプロモーションも期待できます。
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デメリット1.店舗のオリジナリティは出しづらい
一方でフランチャイズのサロンでは、独自性を出すのが難しいでしょう。フランチャイズはグループやブランドイメージを統一するために、営業方法などに一定の決まりがあることが多いのです。
営業時間や料金設定に縛りがあることも多いでしょう。また内装面でも、店舗の雰囲気やオーナーのこだわり、工夫したいところなどを実現できないこともあるかもしれません。
デメリット2.加盟金を支払必要がある
フランチャイズとして開業する場合、ロイヤリティを支払う必要があります。人件費などを差し引いた売り上げからロイヤリティを支払うため、個人経営にはない支出です。ロイヤリティの金額や支払い方法について、きちんと確認する必要があります。
個人経営サロンを開業するメリット・デメリット
個人経営のサロンならではのメリットは、「オリジナリティのある店舗を作ることができる」ことです。しかし、すべて個人で準備するため「リスクや負担が大きい」ことが考えられます。
メリット.オリジナリティのある店舗を作ることができる
個人経営において一番のメリットは、自由にサロンを営業できることでしょう。店舗の内装、雰囲気、インテリアなどはもちろん、経営者として店のコンセプトや料金メニュー、スタッフなどすべて自身で判断します。美容師として独立するなら、こだわりや工夫すべてが自由です。
デメリット.リスクや負担が大きい
独立し、個人経営として開業するにあたり、初期投資にかかる金額も少なくありません。土地の契約から設備投資まで自分でおこなう必要があります。
また、雇用するスタッフのシフトや新規スタッフ募集の選考もすべて自身でおこない、調整することも必要です。
そのほかにも、経営のノウハウを学ばなければなりません。ある程度の知識がないと安定した経営には結びつかないからです。
経営がうまくいかない場合でも、自身で解決する糸口を見つける必要があります。結果として売り上げが期待できず、廃業してしまうケースも多いのが実態です。
フランチャイズサロンで失敗しないためのポイント
フランチャイズサロンを開業するにあたって、失敗しないために気をつけたいポイントがあります。
事前にどんなコンセプトなのか、コストの計算や売上目標などを決めておくと、開業してからもスムーズになるでしょう。
事業計画を立てよう
まずは、経営者としてしっかり事業計画を立てましょう。事業計画書を作るのがおすすめです。コンセプトに沿った売り上げや集客などを数値化します。
またそれにともない、収益の試算をし、週の売上や月の目標売上の設定など、きちんと事業計画としてあげてみましょう。
どのくらいコストがかかるのかを把握しよう
開業を決めたら、開業までに必要な初期費用や運営にかかるコストを把握しましょう。開業する土地や店舗の決定によっては家賃負担、光熱費、消耗品などのコストも発生します。新しいスタッフを雇用する場合、人件費も発生するでしょう。
残業時間が多くなればそれだけ人件費もかかりますから、きちんと把握するようにしましょう。そしてフランチャイズの場合、ロイヤリティも発生します。人件費や消耗品、家賃光熱費から差し引いた売り上げから払うので、確認が必要です。
経営したいサロンのコンセプトが合うか確認しよう
せっかく独立し、開業するのですから、自身の思い描くサロンのコンセプトに近いものがよいでしょう。思い描くコンセプトはブランドイメージと合っているか、自分の持っているスキルや得意分野のコンセプトか、事前に確認が必要です。
また、運営方針の確認はもちろんですが、ロイヤリティの支払いは無理のないものか、支払いが負担過ぎないかについてもきちんと確認しましょう。
関連記事:美容室のコンセプト計画案!
フランチャイズサロンを開業するまでの流れ
フランチャイズを開業する流れとしては、フランチャイズの募集を探す、説明を受ける、加盟申請し選考を受ける、契約を結ぶというのが一般的です。以下でフランチャイズを開業するまでの流れについて詳しく解説します。
フランチャイズについて調べる
フランチャイズサロンを開業するには、オーナーを募集する広告を探しましょう。資料請求をしたり、HPなどから募集を探したり、直接電話で問い合わせをするのも方法のひとつです。
希望のサロンを見つけたら、開催されている説明会に参加してみましょう。説明会では質疑応答もあるので、悩んでいることやわからないことについて質問も可能です。
面談をおこない事業計画を立てる
加盟したいサロンが見つかったのであれば、応募してみましょう。担当者と話し合いをすることが多いため、疑問点などがあれば聞いておくとよいです。今までの業務経験や資金の確認などを確認し、具体的な事業計画について進めていきます。
契約ができたら開店へ!
話し合いがまとまったら契約合意をしましょう。契約内容に問題がなければ、加盟申請を行って選考を受け、審査に通れば無事契約完了です。
このとき注意する点として、必ず契約内容はしっかり読んで、確認しましょう。口約束だけではなく、書面にあるかどうかが重要です。不明な点については、納得してから契約するようにしましょう。
どんなフランチャイズサロンがある?
フランチャイズサロンを募集しているサロン実例をご紹介します。サロンの特徴やサポートのシステムなど、参考にしてみてください。
イレブンカット
「スピーディー&カジュアルプライスの美容室」として注目されている美容室です。このコンセプトは時代の流れにもマッチしており、成長し続けています。
また豊富な直営店の実績があることから、手厚いサポートがあることも特徴です。そのほかにも異業種からの参入に成功しており、美容師スタッフの教育システムによってスムーズな店舗運営、収益拡大につながっています。
SEASON
安定した高品質な技術提供をしており、お客さまの本音を反映できるお店づくりが成功の近道として、注目されている美容室です。
また、直営店で人材のストック、育成教育をしており、加盟店に応援できるシステムを確立しています。そのほかにも物件契約が終了するまで契約しないという徹底ぶりで、オーナーの気持ちにも寄り添ってくれる美容室です。
フランチャイズ募集サイトで探すのもおすすめ
フランチャイズサロンの募集を探すには、募集サイトを活用するのもおすすめです。具体的には「フランチャイズビズ」「フランチャイズ加盟募集.net」など。美容室以外に、ネイルサロンやエステサロンについても載っています。
フランチャイズで安心して美容室を開業しよう
フランチャイズのサロン経営は、初期投資も少なく経営のサポートが受けられるという大きなメリットがあります。またフランチャイズで失敗しないポイントとして、事業計画を立て、コストやコンセプトについて事前に確認が必要です。
安心して開業を目指すために、自身にあっている開業方法はなにか見極め、夢の開業を目指しましょう。