美容サロンの経営において、効率的な予約管理は売上向上と顧客満足度アップに直結する重要な要素です。しかし、数多くの予約システムが存在するなかで、どのシステムを選べば良いのか迷われているオーナー様も多いのではないでしょうか。
この記事では、美容サロンに最適な予約システムの選び方から導入時の注意点、おすすめのシステムまで、導入成功のためのポイントを詳しく解説します。
目次
なぜ今、予約システムの導入が求められるのか
美容業界を取り巻く環境は大きく変化しており、予約システムの導入は、今や必須の取り組みとなっています。予約管理業務の自動化により、人的ミスや電話対応の負担を大幅に削減できるだけでなく、顧客側も「24時間ネット予約対応」が当たり前として選ぶ時代になっています。
実際に、統計データの分析やリマインドメール機能を活用してキャンセル率が15%から6%に改善した事例も報告されています。
24時間いつでも予約に対応・顧客データの収集や分析ができる・予約受付が楽になる・ダブルブッキングなどを防げるなど、キャンセル防止やリマインド機能で来店率アップに直結する効果が確認されるなど、予約システムの存在は無視できないものと言えるでしょう。
顧客体験向上による差別化
現代の顧客は、忙しい日常のなかで片手で予約を完了できる「スマホ完結型」のサービスを求めています。2020年のインターネット利用率(個人)は83.4%で、「スマートフォン」(68.3%)が「パソコン」(50.4%)を上回る状況となっており、スマートフォンでの利用が主流となっています。
さらに、2022年の調査では、ネット予約が全体の9割近くを占め、電話予約は約69%に減少。ネット予約以外の利用割合はすべて減少傾向にあり、美容関連においてもスマートフォンでのネット予約経験は69.1%、ネット予約をしたことがあるのは「飲食店」「宿泊施設」「美容関連」となっています。
このデータが示すように、メニューごとに所要時間が異なる美容サロンに適したシステムが選ばれる傾向にあり、顧客体験の向上が競合他社との差別化要因となっています。
人手不足・多店舗展開の課題に対応
美容業界は深刻な人手不足に直面しています。令和4年4月時点の美容師の有効求人倍率は2.96倍。美容師は「人手不足が顕著な業種」とされ、美容業界は10年以内の離職率が90%とも言われており、約8割の美容室で常に人手が足りない状況が続いています。
一方で、令和4年には美容師57万1,810人と過去最高で前年比1.8%増、ヘアサロン店舗数は26万9,889店(前年比2.1%増)と、美容師数と店舗数は増加傾向にあります。
この状況下で、スタッフ数が限られていても予約を受け付けられるシステムの導入は、店舗別予約管理やスタッフごとの稼働管理を可能にし、効率的な運営を実現します。
予約システム導入前にチェックしたい5つの選定基準
予約システムを選定する際、多機能すぎても現場で使いこなせない懸念があるため、必要十分な機能を選ぶことが鍵となります。店舗規模やサロンの業態によって選ぶべきシステムは異なりますので、以下の5つの基準を参考に検討することをおすすめします。
予約システムのメリット(予約受付効率化・ダブルブッキング防止・24時間対応・顧客データ収集)とデメリット(初期費用・操作習得の必要性・ネット慣れしていない顧客の取りこぼし)を十分に理解した上で、自店舗に最適なシステムを選択しましょう。
1. 対応業種・メニュー設計に柔軟か
美容サロンでは、カット・カラーなど所要時間が異なるメニュー管理に対応していることが重要です。また、スタッフ指名・個別対応が必要なサロン運営にマッチしているかも確認ポイントです。
例えば、「リザービア」には、予約可能曜日や対応メニュー、利用可能人数などを設定できるクーポン配信機能が搭載されているので、美容サロンの複雑な運営に対応できる設計になっています。
2. 顧客側の予約操作が簡単か
UI/UXが洗練されており、迷わず予約完了できるかは重要な要素です。4ステップで予約が完了、入力項目は3つのみ(名前・・メール・電話番号)のような、シンプルで直感的な操作性が求められます。
スマホ最適化は必須条件であり、2020年のインターネット利用率(個人)は83.4%で、「スマートフォン」(68.3%)が「パソコン」(50.4%)を上回る現状を踏まえ、LINE・Instagramからの誘導にも対応したシステムを選択することが重要です。
3. 顧客管理・分析機能の有無
来店履歴・回数券・カルテなど、リピーター対策に有効な機能を搭載しているかも重要な選定基準です。
予約データ分析機能を活用することで、今まで気づかなかった課題や問題点の発見、自社の強みを知るきっかけとなるため、メルマガ配信やLINE連携によるリピート施策が可能かどうかも確認しましょう。
4. 無料プランと有料プランの違い
無料プランは、予約件数やメニュー数に上限がある場合が多いです。集客強化・分析活用したい場合は有料プランが必要になるケースもあります。長期的な運営を考慮して、将来的な機能拡張の可能性も含めてプランを検討することが大切です。
5. サポート体制・導入後フォロー
導入時のサポート有無や、トラブル対応のレスポンスも重要です。美容業界に精通した担当者がいるかどうかも、見極めのポイントです。特に初めて予約システムを導入する場合は、充実したサポート体制が成功の鍵となります。
導入に失敗しないための3つの注意点
導入後の「想定外の不便さ」や「スタッフが使いづらい」といった問題を未然に防ぐことが重要です。以下の3つの注意点を参考に、スムーズな導入を実現しましょう。
1. スタッフとの運用フローのすり合わせ
実際に使うスタッフの意見を反映させないと、定着しません。予約システムの使い方を覚える必要があるため、操作研修・マニュアル整備もあわせて準備することが大切です。
導入前にスタッフ全員で操作方法を確認し、実際の業務フローに合わせたカスタマイズを行うことで、導入後のトラブルを最小限に抑えることができます。
2. 顧客への周知と移行サポート
旧予約手段からのスムーズな移行には、LINEやSNSでの告知が効果的です。2022年の調査では、ネット予約が全体の9割近くを占め、電話予約は約69%と減少している現状を踏まえ、予約リンクをInstagramや公式サイトに固定表示することで、顧客の利便性向上を図りましょう。
ほかのシステムと連携することで「SNSとの連携」や「予約情報をGoogleカレンダーに反映する」など、できることの幅が広がるため、サービス品質の向上や業務効率化につながります。
3. 無料トライアルで実運用を検証する
実際の施術時間やメニュー構成を反映した、テスト運用も重要です。予約システムの選び方で重要なのは、自社に必要な機能があるか、使いやすい操作性か、セキュリティは万全かを実際の運用で確認し、カスタマーサポート対応もこの段階で確認しておくと安心です。
【汎用型】おすすめ予約システム
さまざまな業種に対応している汎用型の予約システムのなかから、おすすめの予約システムを2つ紹介します。
Square(スクエア)予約

出所:Square予約公式Webサイト
Square予約はシンプルな予約機能と、決済機能や顧客管理機能、在庫管理やネット販売といった物販管理などさまざまな機能が搭載されており、店舗業務を幅広くサポートしてくれる予約システムです。
無料で利用できるフリープランの他、有料のプランが2つ用意されています。無料でも基本的な予約機能と決済機能を利用できるため、予約システムを利用するのが初めての方や、実際に試してから有料プランに移行したい人におすすめです。
ただし、決済機能は手数料が必要で、フリープランでも決済手数料はかかるため注意しましょう。
引用元
Square予約
STORES(ストアーズ)予約

出所:STORES予約公式Webサイト
STORES予約は累計導入社数15万以上を誇る予約システムで、対応業種は180を越えるとうたわれています。業種別にテンプレートが用意されているため、システムの操作に自信がないという人も、かんたんに予約ページを作成することが可能です。
決済機能では事前決済の他に、月謝・会費の課金機能、サブスクなどの月額課金、オンライン回数券の発行など、さまざまな決済に対応しています。
無料のフリープランをはじめ、4つの有料プランが用意されていますので、利用したい機能や月間予約件数によって最適なプランを選択してみてください。
引用元
STORES予約
【業種特化型】おすすめ予約システム
さまざまな業種に対応している汎用性の高い予約システムがある一方で、特定の業種に特化した予約システムもあります。
ここでは、サロンなどの美容関連の業種や整体院などの治療院の予約管理に特化した予約システムを紹介します。
Kalonade(カロネード)

出所:Kalonade公式Webサイト
Kalonadeは、美容サロンや自由診療を行う治療院向けの予約システムです。予約管理はもちろん、POSシステムとの連携や電子カルテの管理など、サロンや治療院の運営に必要な機能がまとまっています。
予約完了後、来店前のお客様にデジタル問診票やアンケートを自動的に送る機能も搭載。来店前の回答を促すことで受付時間の短縮にも役立ちます。
さらに、システム内のデータはSSL暗号化通信で安全に管理されている上、スタッフの役職ごとにシステム内の閲覧や編集の権限を設定できるため、セキュリティ面でも安心して利用できます。
引用元
Kalonade(カロネード)
Salon Connect(サロンコネクト)

出所:Salon Connect公式Webサイト
Salon Connectは、美容サロンの予約管理を一元化する便利なシステムです。ミニモやホットペッパービューティーなどの主要な美容系ポータルサイトと連携しており、各サイトでの予約状況やスタッフのシフトを一括で管理できます。
予約キャンセルがあった場合も、連携しているポータルサイトに自動的に反映されます。
オプション機能も充実しており、ネット予約機能を追加すれば、サロンのホームページやInstagramなどからの予約受付も可能です。さらにPOSレジ機能を追加することで、スタッフごとやメニューごとなどの集計データを細かく分析することができます。
また、複数店舗で導入する場合は、無料オプションとして、顧客情報を店舗間で共有する機能などの追加も可能となっています。
saloriza(サロリザ)

出所:saloriza公式Webサイト
salorizaはLINEと連携した予約・顧客管理システムです。
予約のリマインドメッセージを自動で送信したり、お客様の誕生日に合わせてバースデーメッセージを予約配信したりできます。
顧客カルテ機能も備えており、施術ごとのメモや写真も残せます。管理画面はスマートフォンにも対応しているため、スタッフは施術直後にその場で記録を簡単に残すことも可能です。
導入時のサポート体制も整っており、管理画面の初期設定やLINE公式アカウントの作成など、システムの導入に必要な作業はすべておまかせできます。すでにLINE公式アカウントを持っている場合は、そのアカウントと連携することも可能です。
引用元
saloriza(サロリザ)
RE:RE(リリ)

出所:RE:RE公式Webサイト
RE:REは、LINE公式アカウントでの予約受付に特化した予約システムです。
顧客管理機能も充実しており、来店ごとにカルテページが自動で作成されます。1回の来店につき最大7枚の写真を保存できるため、ヘアスタイルの変化や施術のビフォーアフターなども詳しく記録できます。
オンライン決済機能も搭載しているため、予約時の事前決済が可能です。これにより、予約当日キャンセル防止にも役立つでしょう。
さらにオプションとして、ホットペッパービューティーやGoogleカレンダーとの連携も可能となっています。
引用元
RE:RE
美容サロン・治療院の予約システムなら「リザービア」がおすすめ
リザービアは美容サロンや治療院での使用に特化した予約システムです。サロンや治療院の運営に必要なさまざまな機能を搭載しており、予約管理だけではなく集客や顧客情報の管理にも役立ちます。
ここでは、リザービアに搭載されている機能のなかから、サロンなどの運営や業務効率化に役立つ機能を紹介します。
予約の一元管理
「予約の一元管理」機能を活用し、予約管理にかかる業務負荷を減らすことができます。
予約窓口をひとつに限定せず、ポータルサイトやSNSなど、複数設置しているサロンが一般的です。しかし、それぞれの予約窓口ごとに確認していては、手間がかかる上に、予約時間が被るダブルブッキングが起こる可能性もあります。
しかし「予約の一元管理」機能があれば、複数の経路からの予約も一カ所に集めての管理が可能です。例えばLINEから予約が入った枠は、他のポータルサイトでも予約済みの枠として表示されるため、同じ時間にさらに予約が入ることはありません。
LINE連携予約
「LINE連携予約」を活用することで、お客様に新たなアプリ等をダウンロードしてもらう手間なく、LINE内で予約を完結できるため、予約に対する心理的ハードルを下げられるでしょう。
また、予約完了の連絡や予約のリマインドメッセージなどもLINEのトークとして送ることができるため、直前でのキャンセル防止にも役立ちます。
さらに、クーポンやスタンプカードもLINEのアプリ内で発行できるため、リピーター獲得に活用することも可能です。
スタッフ設定
「スタッフ設定」機能を活用することで、スタッフごとに異なるメニューの設定をしたり、スタッフの個人名義のSNSなどからの導線を作ることも可能になります。
また、スタッフ紹介ページに指名予約につながる予約導線も作れるため、指名売上を増やす効果も期待できます。
予約ページへの表示の有無についてもスタッフごとに設定できるため、リピーターのみ対応しているスタッフは予約ページに表示しない、などの細かな設定が可能です。
設備管理
「設備管理」は、施術に使用する設備を使うタイミングが被らないよう予約を受け付けられる機能です。個室や施術に使用する美容機器など同じタイミングで使用することがないよう、提供するメニューと紐づけることができます。
例えば1時間の施術のうち15分だけ設備を使う場合は、1時間すべて設備の利用枠を埋めるのではなく、15分だけ埋めるといった細かな設定も可能です。
また、施術に使用する設備に限らずキッズスペースや駐車場なども登録できます。
予約システムの導入に利用できる補助金・助成金
予約システムの導入には補助金・助成金が利用できます。これらの制度を活用することで、導入コストを大幅に削減することが可能です。
・IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。
【IT導入補助金2025】事前登録受付開始のお知らせが発表されており、2025年度も継続して利用できる見込みです。
主な補助内容:
- 補助率:1/2〜3/4
- 補助上限額:30万円〜450万円(類型により異なる)
- 対象:会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、予約システムなど
・地方自治体の補助金
令和7年度 中小企業デジタルツール導入促進支援事業。助成率は、助成対象経費の2分の1以内(小規模企業者は3分の2以内)のような地方自治体独自の補助金も活用できます。
中小企業者が行うデジタル・IT化にかかる取り組みに対して、補助金、情報提供等の支援を行っていますので、各自治体の制度もあわせて確認することをおすすめします。
補助金利用時の注意点:
- 事前申請が必要
- 指定されたITツールから選択
- 導入後の効果報告義務
- IT導入支援事業者との連携が必要
予約システム導入で売上も顧客満足度もアップ
美容業界の市場環境を見ると、美容センサスから推計した美容室の市場規模は、1兆3543億円(前年比0.1%減)で2022年からほぼ横ばいとなっています。
一方で、1回あたりの利用金額の平均は、男女ともここ5年で最高額に達しており、市場規模は6,661億円で前年から292億円増加。男女別では、前年から男性の市場が187億円増加、女性の市場が105億円増加というデータもあります。
このような市場環境下で、適切なシステム導入は、売上・集客・業務効率すべてを向上させる重要な施策となります。厚生労働省が毎年度取りまとめ公表している「衛生行政報告例」により美容業界の統計を確認可能なデータからも、業界全体のデジタル化が進んでいることがわかります。
美容サロンに特化したリザービアなら、初めての導入でも安心してご利用いただけます。
予約システムの導入は、単なる業務効率化ツールではありません。顧客体験の向上、スタッフの働きやすさの改善、そして売上向上を実現する戦略的な投資です。ぜひこの機会に、あなたのサロンに最適な予約システムの導入をご検討ください。