美容室・理容室の経営をしていくなかで、集客は売上に直接影響するため、取り組まなければいけない課題のひとつです。しかし、集客がなかなかうまくいかず、悩んでいる方もいるかもしれません。
そこで、今回の記事では、美容室・理容室の効果的な集客方法を紹介します。新規顧客とリピーター顧客別の集客方法やコツについて紹介します。
今回の記事は、都内を中心に5店舗を展開する人気のバーバー『KINGSMAN TOKYO BARBERSHOP』の代表、吉田 奈津樹様に記事の監修とコメントをいただきました。ぜひ、美容室・理容室の集客アップのための参考にしていただければ幸いです。
この記事の監修者
目次
美容室・理容室の集客の課題
新規集客が難しい
美容室の店舗数は、増加の一途を辿っています。美容師・理容師が増加していること、独立を前提とした雇用が業界の慣習であることを考えれば、増加の傾向にもうなずけるでしょう。
新規集客を難しくしている最大の理由は、まさにその店舗数の増加にあります。
また、店舗数が増加しているにもかかわらず、業界全体では売上規模が頭打ちの状態のため、顧客獲得合戦の激しさは増すばかりです。
一方で、理容室の利用率は、美容室と比べて減少傾向にあります。
厚生労働省の調査によると、1世帯当たりの年間利用回数は、2002年に2.25回だったものから2017年には1.73回に減少していることが報告されています。
理容室の利用率減少にともなって、18年間で理容室は2万店舗減少し、理容師の数も3万人減少しています。
さらに、新規理容師免許登録者数は最も多かったピーク時から4分の1にまで減っていることも報告されているので、理容業界自体が下降傾向にあり業界の深刻な課題となっています。
現在では、理容室の減少から、元々は理容室を選ばれていたユーザーが美容室を選ばれるケースが増えたと想定され、元々の理容室は美容室とも競合関係にあります。
スマートフォンの普及に伴い、大量の情報の中から簡単に欲しい情報を入手できるようになったため、ユーザーは多くの美容室・理容室から店舗を選べる状況にあり、美容室・理容室は双方ともに新規集客が年々難しくなっていることが予想されます。
顧客のリピート率が低い
お客様が、提供するサービスに満足していただけなかった場合、リピートしてもらうことは難しくなります。
サービスの品質以外にも、お店のターゲットと来店者の層にズレがある場合や、提供できる得意なヘアスタイルがターゲットの感性に合わないものであったり、スタッフやお店の雰囲気が合わなかった場合など、リピート率は低くなってしまうでしょう。
また、顧客が求めるニーズに技術が追いついていない、もしくはサービスに価格以上の価値を感じてもらえない時などもリピートしてもらえない可能性が高いでしょう。
顧客が求めていることを察知し、それを実現できる環境を作らないと、他の店舗へ移ってしまいます。
顧客がリピートしてくれるかどうかは、料金や技術だけの問題ではありません。「次もこの店でカットしてもらいたい」「この店に来たい」と思われる店舗を作り、維持していくことが重要となります。
多くの店舗があるなかで、2度、3度と店舗に足を運んでもらうには、接客姿勢や気配り、イベント・キャンペーン等の仕掛けなど、一つひとつのレベルを上げていくことが大切です。
クーポンサイトに頼ると客単価が下がってしまう
クーポンを使った来店が増えすぎると、当然ですが客単価は下がります。
新規顧客獲得のためといって初回の価格を安くしすぎてしまうと、値引き価格目当てで来店される方が多くなることから、次回以降の来店で単価を上げることも容易ではありません。
また、クーポンサイトには数多くの美容室・理容室が掲載されており、値引き合戦が過熱しています。そのため、価格以外のウリや魅力を店舗の「軸」としてしっかり持っておかなければ、競合店舗との価格以外の差別化ができなくなってしまい、客数が増えても客単価は下がってしまいます。
価格でしか戦えない状態になってしまうと、さらに低い価格を提供する店舗が現れれば、簡単に乗り換えられてしまうでしょう。
あなたのお店「だからこそ」のウリや魅力を大切にして運営していくことが重要です。
美容室・理容室を集客するためのポイント
1.ターゲットを明確にする
理美容業界に限らず、モノやサービスを提供する場合、ターゲットの明確化が重要なポイントになります。その理由は、年齢や性別によって、生活水準や習慣などの状況が異なるからです。
万人に受けるようなサービスにしてしまうと、方向性がバラついてしまい、顧客に対してうまく訴求できない可能性があります。そのため、ターゲットを絞るようにしましょう。
ターゲットを明確にするためには、サロンのコンセプトや強みを明確にする必要があります。自店のコンセプトや強みをしっかりと認識してから、それらを最大限に活かすことができるターゲット層を絞っていきます。
2.さまざまな集客方法を合わせて顧客を獲得する
インターネットが普及した現代では、インターネットを活用してさまざまな方法で集客ができるようになりました。オンライン集客方法については後述しますが、複数の集客方法を取り入れることで、多方面から顧客を獲得できる可能性があります。
しかし、取り組み方には注意しなければいけません。経験が浅い状態で専門的な知識が必要な集客手段を取り掛かってしまうと、労力が大きくなってしまうため、取り組みやすいものから始めていきましょう。
3.リピート顧客を増やすための取り組みを行う
サロンをできるだけ安定に経営するためには、リピート顧客の獲得が大切です。リピーターを獲得することで、安定した売り上げを確保できることはもちろん、顧客の来店頻度や客単価などのデータを多く取ることができるため、マーケティングや経営管理の施策が行いやすくなります。
リピート顧客を増やすには、まず新規顧客の数を増やさなければいけません。新規顧客を獲得する集客方法については、次の章で紹介します。
美容室・理容室で新規顧客を得るためのオンライン集客方法を4つ紹介
理美容業界においても、インターネットを活用しさまざまな方法で集客を行うことは非常に重要なポイントです。
そこで、本章では理美容業界におすすめのオンライン集客法を4つ紹介します。複数の集客方法を組み合わせて活用することで、顧客を獲得できる可能性は高まりますが、最初からすべてのものに取りかかることは、あまりおすすめできません。
まずは、取り組みやすく自身のサロンに合ったものから始めるようにしましょう。
1.SNS
SNSとは、インターネットを通じて、さまざまなユーザーと交流ができるサービスです。総務省が公表した「令和3年通信利用動向調査」では、SNSの利用動向が公開されています。
引用:総務省:令和3年通信利用動向調査
このデータから、SNSは、全体で78.7%の人に利用されています。また、13歳~19歳・20歳~29歳に至っては、90%以上が利用しています。さらに、SNSの利用目的は、知人とのコミュニケーションの次に、情報を探すために利用しているケースが多いようです。
このようにSNSでサロンの情報を探している多くのユーザーを集客できる可能性があるため、美容室・理容室はSNSを活用するべきといえるでしょう。しかし、SNSにはさまざまサービスがあり、どれを活用するべきかわからない方もいるかもしれません。そこで、おすすめのSNSを4つ紹介します。
Instagramは、画像投稿を中心とした、若者や女性ユーザーの利用が多いSNSです。また、ひとつの投稿に画像だけでなく動画も載せることができるため、美容師の技術力をたくさんのユーザーにアピールすることで集客につながる可能性があります。
さらに、Instagramと連携できる予約システムを利用することで、ユーザーはアプリ上でサロンの予約をすることができるようになります。アプリを閉じることなく予約ができるため、ユーザーは手間をかけず、かんたんに予約ができます。
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Facebookは、ビジネスシーンで活用されることが多く、ほかのSNSと違い実名で利用することが特徴です。さらに、連動設定をすることで、XやInstagramで投稿した内容を同時にFacebook上で投稿することができます。
さらに、Facebookでは、投稿にいいねが押された場合、いいねを押したユーザーのフォロワーに通知がいく仕組みになっています。そのため、多くのいいねを押してもらうことができれば、フォローされていないユーザーにも認知される可能性が高くなるでしょう。
X(旧Twitter)
Xは、ほかのSNSと比べて、リアルタイム性と情報の拡散力が特徴的なサービスです。Xの投稿は、上限文字数140文字・画像4枚・動画の最大時間2分20秒に対して、Instagramは、上限文字数2,200文字・画像10枚・動画の最大時間60秒になっています。
投稿に制限があるものの、タイムラインの多くは、文章で表示されているため、言葉を用いて訴求したい場合は、Xが向いているでしょう。
また、Xでは、投稿欄にリンクを挿入できるメリットがあります。リンクを挿入することで、自社サイトや予約ページに誘導できるため、集客に期待できます。
LINE
ビジネス用としてサービスが提供されているLINE公式アカウントは、友だち追加をしたユーザーへメッセージの配信やクーポン配布、予約の受付ができます。ほかのSNSは、フォロワー以外のユーザーにも投稿を見てもらえる可能性がありますが、LINEの場合は追加ユーザーのみとしかやりとりすることができません。
一見、デメリットのように感じる方もいるかもしれませんが、友だち追加がされれば、サロンに興味がある証明になるため、今後も利用してもらえる期待ができます。
2.自社のホームページやブログ
SNSと同様に、店舗のホームページ開設も検討できます。
現在では、無料、もしくは格安でかんたんにホームページを作成できるようなサービスも増えており、新規作成のハードルは比較的低くなっています。
クーポンサイトや、SNSのページのみで営業するサロンも多いですが、自社のホームページがあれば、信頼性やブランディングの観点でお客様に良い印象を持ってもらいやすくなりますし、自由なフォーマットで詳細な情報を掲載することが可能です。
SEO対策を行い、ホームページを充実化させることで、将来的にはクーポンサイトに依存しない自社集客や、採用情報や会社情報といった内容を一元的に載せることができます。
あわせて、ブログなどで情報を発信していけば、他店舗との違いを明確にでき、店舗がこだわっていることや選ぶべき理由も伝えられます。
3.Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィールは、Googleの各種サービスに店舗情報を掲載できる機能です。
「Google検索や、Google Mapに表示される店舗の情報ページ」といえばわかりやすいでしょう。無料で店舗の基本情報を掲載できるため、導入する店舗も増えてきています。
Googleビジネスプロフィールの情報は、検索結果のページで一般のサイトよりも上段に表示されるだけでなく、Googleマップ上に赤いピンが表示され、店舗の場所も示してくれます。
大手クーポンサイトやホームページ、Google広告などよりも上位に表示されるため、ユーザーの目にとまりやすく、露出を高めることが可能です。
Googleビジネスプロフィールの表示順位を決める要素としては「関連性」「距離」「知名度」があります。
たとえば、検索されたエリアから近ければ近いほど表示されるようになり、正確かつ充実した情報量が多い、あるいはオンラインでの知名度や口コミや評価が高いほど、上位に表示されやすくなります。
無料で使える点と、インターネット検索からの予約が増加している背景を考えるとデメリットはほぼありません。
強いていうならば悪い口コミが書かれても削除できないことや、最新情報の更新を怠れば機会損失につながることが挙げられます。しかしこれらは誠実な接客を行い、マメに更新していれば未然に防げる可能性が高いでしょう。
関連記事:「Googleで予約」とは?メリットや注意点、Googleと連携できる予約システムを紹介
4.クーポンサイト
大手のクーポンサイトへ掲載するのは王道の集客手法です。新しいサロンを探すユーザーが多く訪れており、多くの店舗と比較しながら選ぶ事ができます。
閲覧した店舗で気に入ったところがあれば、そのまま予約が可能な手軽さもあり、新規の顧客を獲得するにはぴったりの手法です。
大手クーポンサイトは、検索結果でも上位を独占するほどのSEO対策がされており、集客への期待も高まります。クーポンサイト経由でやってきた顧客に、またリピートしてもらえるような仕掛けをすれば、リピーターを増やせる可能性も高いでしょう。
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デメリットとしては、掲載しているライバル店舗が多いことや、クーポンを使った低価格での施術を受けることを目的としたユーザーがいるために、価格競争になりやすく、客単価が下がる可能性が高くなります。
リピートできる仕掛けがない限り、一度来店して終わり、というパターンも多くなるため注意が必要です。
また、掲載にあたり費用も発生しますので、そういったコスト面を考えても利益が出るような価格設定のクーポンを用意しなければいけません。しかし、クーポンサイトは、うまく活用すれば新規顧客獲得からのリピーター獲得ができる機会となりますので、デメリットを考えても活用しない手はないでしょう。
美容室・理容室がSNS集客で発信するべきこと
SNSでサロンのアカウントを運用した経験がなく、どのような情報を発信すればいいのかわからない方もいるかもしれません。そこで、美容室・理容室がSNS集客で発信するべきことを4つ紹介します。
1.施術後の仕上がりの写真
ヘアカットやヘアカラーなど施術後の写真を投稿することで、仕上がりをイメージしやすくなるほか、美容師の施術力もアピールすることができます。投稿を通じて、ユーザーに興味をもってもらうことができれば来店につながるかもしれません。
お客様の施術後の写真をSNSに掲載する際は、後ろ姿で顔が見えない状態であったとしても、トラブルにならないように必ず許可を得ましょう。
2.ヘアアレンジやスタイリング方法
ヘアアレンジやスタイリングに関する情報は、それらの情報を求めているユーザーにとって非常に有用です。ヘアアレンジやスタイリングは、サロン以外では自分で行わなければいけません。そのなかには、方法がわからずに困っている方もいることでしょう。
そんなユーザーへ向けて、ヘアアレンジやスタイリング方法を投稿することで店舗にも興味をもってもらえ、そこからフォロワーの獲得や新規来店につながるかもしれません。
3.ヘアケア情報
ヘアケアは、美容に興味や関心のあるユーザーにとって、大切な情報になります。美容師としての専門知識を活用しながらシャンプーやトリートメントの選び方・効果的な使い方を発信することで、フォロワーを獲得できるかもしれません。
また、店舗で商品を販売している場合は、投稿内容に応じて商品をおすすめすることで購買にもつながるでしょう。
4.クーポンやキャンペーン情報
これまでに紹介したものは、施術力のアピールや専門知識を活かした発信内容でした。それ以外にも、SNSでは、店舗で利用できるクーポンやキャンペーン情報といった告知をすることもできます。
ヘアアレンジやスタイリング、ヘアケア情報の投稿を合わせて告知することで、興味をもったユーザーに来店してもらえる可能性があります。
美容室・理容室がSNSで集客するときのコツ
SNSを活用することで、サロンの存在を認知・利用してもらうきっかけになります。しかし、SNSは多くのユーザーが使っており、さらにほかのサロンも利用していることでしょう。そのなかで、フォロワーやファンを獲得することは、かんたんなことではありません。
少しでも多くの顧客を獲得するために、SNS集客のコツを紹介します。
1.方向性を統一する
想定しているターゲットを獲得するためには、投稿内容など方向性を統一することが大切です。投稿内容にバラつきがあると、ユーザーはサロンのコンセプトや強みがわからず、興味を示さない可能性があります。
SNSを活用する際は、ヘアアレンジやスタイルのみの画像や情報を発信するなど、統一するようにしましょう。
2.更新頻度を高める
SNSの投稿頻度は少ないよりも高いほうが、フォロワー獲得が期待できます。なぜなら、更新頻度が多いと、目に留まる機会が増え、興味を示してもらえるかもしれないからです。
ただし、投稿頻度はできるだけ多いほうが望ましいですが、投稿に注力して内容が雑になってしまうと、かえってユーザーが離れてしまうかもしれません。
まずは、SNSに1日に1回の投稿をして、様子をみながら活用していくといいでしょう。
3.ハッシュタグを活用する
SNSを通じて多くのユーザーにサロンを認知してもらい、集客につなげるためには、投稿時にハッシュタグを活用しましょう。Instagram・X・Facebookにはハッシュタグ機能があり、ハッシュタグのあとにキーワードをつけることで、検索ユーザーが同じキーワードで検索した場合に表示され、投稿が見つかりやすくなります。
たとえば、「#ハイトーンカラー」「#フェード」「#巻き髪」など、サロンが得意とするヘアスタイルやヘアアレンジに関するハッシュタグをつけることで、検索ユーザーに見つけてもらいやすくなるでしょう。
美容室・理容室で新規顧客を得るためのオフライン集客方法3つを紹介
インターネットを介さない集客方法では、主に美容室・理容室が位置している周辺地域に住む人の集客に効果が期待できます。また、インターネットが苦手という方は、オフライン集客のほうが来店のきっかけになるかもしれません。オフライン集客方法を3つ紹介します。
1.チラシ・DM
オフラインでの集客方法として、チラシやDMを送るという手段もあります。来店を促すには、まず自店舗を近隣の見込み客に認知してもらうことを考えれば、直接手にとって見るチラシやDMは効果的です。
ターゲットや地域によっては、インターネットよりも効果を発揮する場合もあります。また、配布する数の分だけ目に触れてもらえる可能性があるため、店舗の認知度向上につながります。コストはかかるものの、地域住民に直接アピールできるのが魅力です。
メニューや価格、クーポン情報を一覧で可視化できることもメリットでしょう。
チラシなどの場合は、刷新の度に印刷やデザインのコストが発生することも忘れないようにしましょう。また、前述したように電話での予約も減少傾向にあるため、QRコードを載せてネット予約に誘導するなど、チラシやDMを使った集客であってもウェブ予約システムとの併用が望ましいといえます。
2.看板やPOP
看板やPOPは、サロンの外に設置しておくことで、通りかかった人の目に留まる可能性があり、興味を持ってもらえれば来店につながるかもしれません。通行人に興味を持ってもらうためには、印象的なデザインにするなど工夫が必要です。
看板やPOPを作る際は、サロンのコンセプトやキャッチコピー、施術メニューなど重要な情報がわかるようにしましょう。
3.紹介制度
オフライン集客で、紹介制度は集客に有効な手段のひとつです。既存客を中心に友人や家族にサロンを紹介してもらことで、新規顧客の獲得と既存客になってもらえるチャンスを得ることができます。
既存客にサロンを紹介してもらうためには、割引クーポンなど、既存客にとってメリットになる仕組みをつくるといいでしょう。
リピート客(既存客)を集客するには
新規顧客の獲得も大切ですが、同時に一度来店してくれた人をリピート客として集客する手段も考えておかなければいけません。
そのためには、リピートしてもらうための「仕掛け」「雰囲気」「コンセプト」を作る必要があります。
新規客をリピート客にする仕掛けづくり
リピート客を集客するには、再来店する仕掛けが必要です。情報発信もそのひとつでしょう。
たとえばLINEの公式アカウントの運用です。登録してくれた人にメッセージを一斉配信でき、個別でのやりとりも可能です。登録者数が少ないうちは、簡単な機能であれば無料で利用できます。
LINE内でポイントカードを作成する機能や、LINE上で予約ができるなどのメリットもあります。また、以前の来店から期間が空いている人には個別でメッセージを送る、特別クーポンや限定サービスを案内するなども効果的なので、クーポンサイト経由の予約とLINE経由の予約両方を一言管理できる予約システムの導入がおすすめです。
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もちろん、技術力で顧客が求めるヘアスタイルや、それ以上の価値が提供できることも大切です。しかし、技術面以外での努力も忘れてはいけません。
「また行きたい」「再度利用した方がお得」など、利用するメリットを感じてもらえるような仕掛け作りが大切です。
スタッフやお店の雰囲気作り
顧客が求めるのは、カットやカラーリングの技術力だけではありません。スタッフの接客態度やお店の雰囲気にも気を配りましょう。
サロンは1時間〜2時間近く過ごすことが多い場所ですから、明るく清潔感のある雰囲気であることはもちろん、BGM・香りなどにも気を配り、居心地のよい空間を作ることが大切です。
待ち時間も楽しめるようにタブレットでいろいろな書籍が読める、Wi-Fiを導入してお客様が通信料を気にせず動画を視聴できるようにするなど、美容室・理容室での顧客の過ごし方をよく観察し、喜ばれるようなサービスを考えてみるとよいでしょう。
そしてスタッフの接客態度や気遣いもお店の雰囲気を作り出す一部分ですので、接客面でも居心地の良さを感じられるような接客を心がけましょう。
お店のコンセプトにあった新規集客
お店を開店するにあたり、地域特性や提供できるサービスなどからターゲットやコンセプトを決めたはずです。
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基本的にそのターゲットやお店のコンセプトにあった集客が前提ですが、そもそもターゲットとコンセプトがずれていると、リピートは起きないでしょう。
たとえば、トレンドに敏感な20代男女に流行のスタイルやカラーリングを提供することをコンセプトとしているお店に、30代〜40代のビジネスマンが来店してもお店のコンセプトに合っていません。当然ですが、リピートにならないはずです。
つまり、新規の集客をかける段階から、お店のコンセプトにあったターゲットへ届く集客方法を選択できているかどうか、ということです。
具体的には、インターネット利用が少ない年齢層をターゲットにするなら、チラシなどオフラインの集客方法が期待できますし、逆にインターネット利用が多い年齢層ならオンライン中心の集客方法を選択するべきでしょう。
集客で重要なのはターゲットを決めること
ターゲットを決めることは、新規集客の時はもちろん、リピーターを作る時にも大切になります。まずは、来店してほしいターゲットを明確にしなければいけません。
店舗の立地条件や提供できるサービス内容や強み、競合店舗との比較など、あらゆる角度からターゲットを絞っていきましょう。
明確であればあるほど、集客の打ち手も立てやすく、差別化につながり、店舗のブランディング向上になるはずです。
お店のコンセプト設計を見直す
「コンセプト」というとわかりにくいかもしれませんが、お店の「ウリ」と考えればわかりやすいでしょう。
例を挙げると、
- 素早い正確なカットができるスタッフが多いため、早くオシャレになれる
- カラーリング剤が豊富なので、さまざまな髪色を楽しめる
- メンズヘアカットに自信があり、メンズサロンとして特化
などが店舗特有のウリとなります。
自店のウリとなることを棚卸ししてみましょう。すると他店との差別化となり、自ずと集客方法も固まってくるはずです。
もちろん、ウリとなるのは技術力だけではありません。お店の雰囲気や使っている機材、スタッフの接客なども含まれます。
自分たちにとっては当たり前のことが、実は他店とは異なっている差別化のポイントとなる可能性もありますから、何がウリなのかはじっくり考えてみましょう。また、現在リピートしてくれているお客様に、どういった点を魅力に感じて通っていただいているかを聞いてみるのもいいでしょう。
あるいは、すでに多い客層をメインのターゲット層に設定して、コンセプト設計を見直してみるのも手です。
ターゲット客を定める
お店の特徴やウリが可視化できれば、続いてはターゲット層を定めます。
「トレンドを抑えたカラーリングやヘアスタイリングが得意」だとすれば、10代〜20代前半の男女がターゲットなるでしょう。
「仕事帰りの人の利用頻度が高いお店」の場合ですと、30代〜40代のビジネスパーソンがターゲット層となります。
10代〜20代前半の男女と、30代〜40代のビジネスパーソンでは求めるものに違いがあるはずです。
前者の場合は、カラーリングやトレンドへの意識が高いと考えられますし、後者の場合は、仕事帰りで利用するのであればスピード感が最優先で求められるかもしれません。
ターゲット客にアピール出来る方法を考える
ターゲットが決まれば、続いてはそのターゲットにあったアピール(訴求)方法を取り入れていきます。先ほどの、トレンドに敏感な10代〜20代前半の男女がターゲット層とした場合で考えてみましょう。
集客方法としては、ポスティングなどはあまり効果的ではないとえます(細かなセグメントが行えない為)。
その世代の利用が多いポータルサイトへの出稿がおすすめです。また、利用頻度の高いSNSへハッシュタグもつけて投稿するのもいいでしょう。
あるいは、30代〜40代のビジネスパーソンの場合、仕事の行き帰りのタイミングで目にとまるように駅前に看板を設置してみる、駅近のメリットを活かしてGoogleマップに登録する、なども効果的です。
サービス内容に仕事の疲れをとるマッサージや、待ち時間なしで素早くカットとシャンプーができる、といった時短メニューがあっても喜ばれるかもしれません。
このように、ターゲットを定めることで、集客の方法やアピールポイントを設定しやすくなります。
予約システム「リザービア」でできること
私たちリザービアは、美容サロン向けの予約システムを提供しています。実際にリザービアを活用すれば、どういったことができるのか。4つの観点から解説します。
Googleビジネスプロフィールとの連携
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップなどに、無料で店舗情報などを表示できることは前述しました。
そして、美容業界でも利用が広がっているのが「Googleで予約」です。
「Googleで予約」とは、Google検索やGoogleマップから直接予約ができる機能です。私たちの顧客の店舗では、1店舗あたりの平均予約数が半年で+226%に増加した事例があるなど、近年注目されている機能です。
この「Googleで予約」の予約ボタンは、Googleマイビジネで登録されている情報のもと表示されており、メニューや商品、スタイル写真などを登録している店舗なら、検索結果からそれらの情報も確認できて「予約」もできる、というユーザビリティの高い予約導線となります。
そして、リザービアではGoogleビジネスプロフィールと連携させることが可能となっており、リザービアに登録された情報がGoogleへ反映されるため、基本的には一度設定しておけば反映される仕様です。
リザービアをWEB予約システムとして利用しながら、「Googleで予約」も受付できるという仕組みをもてるので、予約の取りこぼしを防ぎ、Google経由の集客も可能となります。
また「Googleで予約」経由からの予約もリザービアに直接反映されるため、一元管理も可能となっています。
SNSからの指名予約を増やすInstagram連携予約
リザービアでは、Instagramの投稿と連動したスタッフ専用ページを作成できます。
サロンのスタッフが日常的に利用しているSNSと連動させることで、スタッフの個性を顧客へ発信でき、顧客のファン化を促進させることが可能となります。
Instagram連携予約のポイントは、3つです。
- Instagramの画像をもとに予約が可能となるため、新規顧客獲得につながる。
- スタッフの直接予約が増え、個人の成果を可視化できる。
- スタッフのファンになってもらえることで、固定客を獲得できる。
さらに、Instagramへ投稿したハッシュタグと、リザービアのメニューを自動で紐付けてスタイリストの指名予約ページに表示する事ができるので、顧客は画像のヘアスタイルを元にした直感的な予約体験ができるようになります。
また、Instagramのプロフィールページにスタッフ専用ページへのリンクを掲載できるので、通常のクーポンサイト経由の予約で発生してしまう手数料の削減も可能となります。
リピート率を向上させるLINE連携予約
ユーザーは追加でアプリをダウンロードする必要もなく、普段使っているLINEでサロン予約が可能となります。
予約までのステップも、スタッフ選択、メニュー選択、日時選択、確認画面の4つと簡単な仕様となっていて、ユーザーにとっても使いやすいでしょう。予約情報はLINEのトーク内に送られますので、迷惑メール扱いとなることもありません。
「メールボックスはメルマガでいっぱい」という人でも、LINEの通知なら見逃しにくくなります。結果、ドタキャンの抑制や顧客の利便性アップにつながるでしょう。
ほかに、
- 予約完了通知
- リマインダー通知
- 予約キャンセル通知
といった機能も利用できます。
実際にLINE連携予約を導入された1店舗では、導入3ヶ月で電話からの予約が30%減少し、LINE予約が最も多く利用されたようです。
業務中の電話対応もなくなることで、大幅な業務効率の改善にもつながります。ユーザーからしても予約の手間が減るので、同じメニューで同じエリアのサロンならば、LINEで予約できる方を選択する可能性が高いはずです。
LINE連携予約、導入しない手はないでしょう。
ホームページ経由の予約完了率が高いデザイン
リザービアでは、2020年10月にデザインが刷新され、予約完了率が120%に上がりました。刷新された現デザインのポイントをあげると、以下のとおりです。
・予約完了率の向上
予約完了までが4画面3項目と画面数が少なくなったことで予約完了率が大幅に向上しています。
・ファーストビューでの離脱率の改善
最初の画面をログイン画面ではなく、スタッフ選択、もしくはメニュー選択の画面を初めに表示できるように変更し離脱率が改善。
メニューの一覧を最初に見せることで、予約画面に移行してからの離脱率改善につながっています。
・カレンダー画面での離脱率の改善
カレンダー画面の表記を5日間表示から7日間表示に変えたことで、より多くの空き情報を確認できるようになり、カレンダー画面での離脱率改善に繋げています。
このように、予約までの流れを簡素化し、ユーザーがストレスなく直感的に予約できるようなデザインとなっているのもリザービアの強みです。
- 指名予約を増やしたいスタイリスト
- インスタグラムで集客したい方
- DMでのやりとりが面倒と感じている方
- 予約はリザービアで一元管理
ターゲットに対して複数の集客方法を組み合わせて集客しよう
今回の記事では、美容室・理容室の効果的な集客方法についてや、新規顧客やリピーター顧客別の集客方法とそのコツを紹介しました。集客方法はオンラインとオフラインを含めると数が多いため、そのなかから適した方法を取りましょう。
集客方法を選ぶためには、美容室・理容室のコンセプトや強みを明確にして、ターゲットを絞ることが大切です。ターゲットを絞ったあとは、そのターゲットにもっとも効果的と思われる集客方法を選択します。少しでも顧客を獲得するために、取り組める範囲で複数の方法を活用して集客数を増やしていきましょう。
引用:
厚生労働省「今日から実践!収益力向上に向けた取組みのヒント 生活衛生関係営業の生産性向上を図るためのマニュアル理容業編」
総務省:令和3年通信利用動向調査