美容室の開業に必要な準備とは?開業までの流れや必要な資格・届け出について紹介

美容室の開業に必要な準備とは?開業までの流れや必要な資格・届け出について紹介
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美容室を開業したくても「どんな準備が必要?」「どのくらい時間がかかる?」などの多くの疑問があるのではないでしょうか。とくに開業予定日が決まっている場合、失敗したくないと思うのは当然です。

今回は、開業までの流れや必要な資格と届け出について解説します。美容室を開業予定の方はぜひ最後までチェックしてくださいね。

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美容室の開業に必要な資格とは?

美容室の開業に必要な資格とは?

美容室を開業するには「美容師免許」が必要です。また場合によっては「管理美容師」の資格が必要なケースもあります。

美容師免許

美容師として、お客様の髪を扱うときは美容師免許を保有していなければなりません。美容師免許は国家資格です。取得するには、厚生労働省指定の美容師養成施設で学び、実技と学科どちらの試験にも合格する必要があります。

美容室で働く従業員が美容師免許を保有していれば、美容室開業の申請者(美容室オーナー)は資格を保有していなくても問題ありません。ただし、申請者自身がお店に立ちお客様の髪を扱う場合は、申請者も美容師免許が必要です。

管理美容師

管理美容師とは、美容室を安全に営業するための衛生管理に特化した資格です。申請者1人で営業する場合は不要ですが、従業員を雇い複数人で業務にあたる場合に必要になります。

資格を取得するための条件は以下の2つです。

  • 美容師免許取得後、3年以上の実務経験があること
  • 国と県に定められた18時間の講習を修了すること

講習の受講希望者が募集枠を超えた場合は抽選となります。申込後、確実に講習を受講できるわけでないことを覚えておきましょう。

美容室を開業するまでの流れ

美容室を開業するまでの流れ

「美容師免許」や「管理美容師」の資格を取得しただけでは、開業できません。ここでは開業までの流れを解説します。

1.まずは開業までの流れを把握

美容室開業のために、まずしなければならないことは「開業までの流れを把握すること」です。美容室を開業するには多くのステップを踏まなければなりません。

流れを把握しておくと、開業までに時間がなかったり準備に手間取ったりしても、次になにをやるべきか、残りの作業にどの程度の時間がかかるのかある程度予測ができます。複数人で準備する場合も上手く役割分担できるでしょう。

開業前の道筋をイメージできるので落ち着いて準備を進められますよ。

2.市場調査

市場調査を行わなくても美容室の開業は可能ですが、順調に売上をあげていくためには、市場調査は避けられません。

開業予定のエリアの年齢層や世帯層、周辺施設などを調べてそのエリアで美容室を営業していけるのかを見極めましょう。

また、周辺の競合店を調べることも大切です。美容室の需要が見込めるエリアであっても競合店が多ければ、新規参入しても上手くいかないケースも考えられます。しっかりと市場調査し総合的に判断しましょう。

3.コンセプト立案

市場調査の結果をもとにコンセプトを立案します。コンセプトとは、店名・ターゲット層・サービス内容・価格帯・内装・店内の雰囲気などです。

たとえば、若者をターゲットとする場合は低価格の価格設定や親しみやすさ、ファミリー層をターゲットとする場合はサービス内容の豊富さや明るい店内など、市場調査の結果を踏まえてコンセプトを設定しましょう。

コンセプトはより具体的に明確化することで他店との差別化もできるので慎重に考えてください。

4.事業計画をたてる

事業計画をたてるためには「必要資金」「用意できる自己資金」「開業後の売上」「経費」「顧客の収容人数」の予測が必要です。これらの予測をもとに事業計画をたてましょう。

事業計画をたてることは美容室経営の指針ともなる非常に大事な作業です。

また、融資を受けるときにも提出します。融資を受ける際には、オーナーの経歴や提供するサービス内容や価格など、返済可能の根拠となる情報も事業計画書に記載しなければなりません。

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5.店舗物件を選ぶ

市場調査の結果から、エリアや広さなど条件に合う店舗物件を選びましょう。選ぶポイントは、家賃や広さが事業計画に合っているか、美容室を営業できる構造設備かなどです。
管轄の自治体によって美容室の店舗の規定が異なるため、保健所に相談しながら進めていきましょう。

人目に付きやすい好立地な場所は、来店数が増えやすいなど場所により差が大きいです。しかし、好立地の店舗は家賃が高いなどのデメリットもあるため、先を見据えて納得のいく場所を選びましょう。

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6.資金を調達する

店舗の工事内容や備品などの費用がわかってきたら、資金調達の準備を始めましょう。自己資金で足りない分は、補助金・助成・融資でまかないます。

融資先は日本政策金融公庫がおすすめです。日本政策金融公庫は、中小企業の支援目的のため、融資を受けるのに実績は必要ありません。さらに、無担保・無保証・低金利で融資が受けられます。

開業後は思うように売上が伸びない可能性もあるため、生活に困らないよう多めに資金調達しておくと安心です。

7.店舗着工

資金調達ができたら工事会社に工事費用を支払います。支払い後すぐに着工できるよう、事前に工事会社と店舗設計について綿密に打合せし、工事内容について保健所に確認してもらいましょう。

美容室の工事には、自治体により定められた独自のルールがあり、他業種の店舗設計とは異なることもあります。専門知識が必要なため、実際に開業するエリアで美容室の店舗設計の経験豊富な工事業者を選ぶといいでしょう。複数社に見積もりを依頼するのもおすすめです。

8.従業員を採用する

従業員を雇うのであれば、営業開始の1か月〜1か月半頃から求人募集を開始しましょう。有料の求人広告への掲載や知り合いの紹介などで従業員を探します。

有料の求人広告に掲載する場合、早くから募集をだしてしまうと費用負担が大きくなってしまいます。逆に求人募集が遅すぎると営業開始までにスタッフが揃わず、お店が回らないことも。

着工から完成までは約1か月前後のため、着工のタイミングで募集を開始するといいでしょう。

9.開業手続き

店舗完成後すぐに営業できるわけではありません。店舗の工事が終了し従業員が集まったら、営業開始の2週間前までには開業手続きに取り掛かりましょう。

開業に必要な開設届などの書類を保健所に提出し、保健所スタッフによる立入検査を受けます。立入検査をクリアし確認書発行後、初めて営業を開始できるのです。

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10.集客

集客はオープンの約2ヵ月前から始めましょう。オープン前の広告費は負担にはなりますが、新規オープンのお店は興味を持たれやすいためお店を知ってもらえる最大のチャンスです。

有料の広告掲載のほか、無料で手軽にできるTwitterやInstagramなどのSNSを通して宣伝するのも効果的です。お店のコンセプトや雰囲気を伝えることを意識して、ターゲット層に刺さる広告をだしましょう。

11.オペレーションの確認

オープン日が近づいてきたら従業員全員で、以下のオペレーションを確認しておきましょう。

  • お客様の来店からお会計までの流れ
  • 備品の配置や使い方
  • 掃除方法
  • 接客方法
  • お店のルールや方針

開業時は全員がオープニングスタッフ。誰に頼ることもできません。実際の営業を想定したオペレーションを確認することで、一人一人の理解を深めましょう。また、オペレーションの確認によりスタッフ同士の関係構築にも繋がります。

12.オープン

開業手続きやオペレーションの確認が済んだら、いよいよ美容室のオープンです。オープンの前にプレオープンを行うこともあります。プレオープンとは、従業員の関係者を招待し、通常よりもお得にサービスを提供することです。

オペレーションの確認とは違い、実際にお客様にサービスを提供するため、新たな改善点や疑問点などの問題を見つけられるメリットがあります。オープン日までには、問題を解決できるようにしておきましょう。

美容室の開業に必要な届け出はどんなものがある?

美容室の開業に必要な届け出はどんなものがある?

美容室を開業する際には、税務署・労務関連・保健所・消防署への書類の届け出が必要です。以下で順に説明します。

税務署へ行う届け出

税務署へ行う届け出は、個人事業主と法人で異なり、それぞれ必須な書類と任意の書類に分かれています。以下で詳細を解説するので、自分のケースを想定して税務署への届け出が必要な書類を確認してくださいね。

個人事業主の場合に必要な届け出

個人事業主が税務署に行う届け出は以下の通りです。

  • 個人事業の開廃業届出書
  • 所得税の青色申告承認申請書
  • 給与支払い事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認関する申請書
  • 青色事業専従者給与に関する届出書

「個人事業の開廃業届出書」は必須の書類で開業した日から1か月以内に提出しなければなりません。それ以外は任意の書類になります。

法人の場合に必要な届け出

法人が税務署に行う届け出は以下の通りです。

  • 法人設立届出書
  • 青色申告の承認申請書
  • 給与支払い事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認関する申請書

「法人設立届出書」は必須書類で、設立した日から1か月以内に提出しなければなりません。また法人を設立する手続きには1か月程度かかるため、早めに準備しましょう。

労務に関する届け出

労務に関する書類は、労働基準監督署や年金事務所に届け出ます。それぞれに届け出る書類は以下の通りです。

〈労働基準獲得書〉

  • 保険関係成立届

〈年金事務所〉

  • 新規適用届出
  • 被保険者資格取得届
  • 被保険者異動届
  • 履歴事項全部証明書又は登記簿謄本(法人の場合)
  • 事業主の世帯全員の住民票(個人の場合)

保健所へ行う届け出

保健所へ行う届け出は、営業開始の前に以下の書類を提出します。

  • 開設届
  • 施設の平面図と周辺地図
  • 美容師免許証(従業員全員分)
  • 管理美容師免許(従業員が2名以上の場合)
  • 医師の診断書(従業員全員分)
  • 登記事項証明書(法人の場合)

上記書類のほか手数料の支払いもあります。費用は管轄の自治体に事前に確認しておきましょう。

消防署へ行う届け出

消防署へ行う届け出は以下の通りです。

  • 防火対象使用開始届出書
  • 防火対象物工事等計画届出書
  • 防火管理者選任届(収容人数が30人以上の場合)

「防火対象使用開始届出書」は完成されている建物を使用する際、使用の7日前までに提出する書類です。「防火対象物工事等計画届出書」は店舗の工事をする際に提出しなければなりません。

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準備をしっかり行い美容室を開業しよう

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美容室を開業するには、市場調査からオペレーションの確認まで、やることはたくさんあります。さらに開業手続きに必要な届け出は、ケースによって必要な書類が違ったり、届け出先や書類の種類が多かったりするため、短時間では終わりません。

トラブルなく開業するためにも事前準備をしっかりして、余裕をもって開業しましょう。

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