まつエクサロンを開業するには?必要な資格・費用目安・保健所手続きなど開業までの流れを徹底解説

まつエクサロンを開業するには?必要な資格・費用目安・保健所手続きなど開業までの流れを徹底解説
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サロンや美容室などでまつエク施術を行っている人のなかには、いずれ自分のまつエクサロンを開業したいと考えている人もいることでしょう。

そこで本記事では、まつエクサロンを開業するために必要な準備や手続きを、流れに沿って順番に紹介します。

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1.開業に必要な資格の確認

1.開業に必要な資格の確認

まつエクサロンを開業するためには、法律で定められた必須資格と、取得していることでサロンの信頼性を高めるために役立つ資格が存在します。

まずは自分やスタッフの保有資格を確認し、不足があれば取得の準備や有資格者の募集などを進めましょう。

ここでは、まつエクサロンの開業に関する資格を必要度別に紹介します。

【必須】美容師免許

まつエクの施術を行うためには、国家資格である「美容師免許」が絶対に必要です。これは美容師法により定められており、無資格での施術は違法行為となります。

自分では一切施術を行わないオーナーであれば美容師免許は不要です。しかし、お客様に施術を提供するスタッフは、パートやアルバイトなどの雇用形態に関わらず、全員が美容師免許を取得している必要があります。

引用元
厚生労働省|まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について (平成20年3月7日健衛発第 0307001

【条件付き必須】管理美容師免許

まつエクの施術者が常時2人以上いるサロンを開設する場合は、「管理美容師」の資格を持つ者を1名以上置くことが法律で義務付けられています。そのため、開業する本人が管理美容師資格を取得するか、有資格者を雇用しなくてはなりません。

管理美容師の資格を取得するためには、美容師免許取得後に3年以上の実務経験を積み、所定の講習会を修了する必要があります。

引用元
公益財団法人 理容師美容師試験研修センター|管理理容師・管理美容師資格認定講習会 受講資格・応募方法

【推奨】まつエク関連の民間資格

まつエクに関する民間資格は必須ではありませんが、取得しておくことで技術力や知識の証明となり、お客様からの信頼獲得につながるでしょう。

まつエクの民間資格には、下記のような資格があります。

  • JEAまつ毛エクステンション技能検定
  • まつ毛エクステンション技能検定
  • 5STAR技術評価試験 など

それぞれの資格の詳細については、下記の関連記事をぜひ参考にしてください。

引用元
一般社団法人日本アイリスト協会|JEAまつ毛エクステンション技能検定試験概要
JECA一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構|まつエク技能検定試験
一般社団法人日本ラッシュアーティスト協会|資格認定 5STAR 技術評価試験

2.開業形態と物件の種類の決定

まつエクサロンを開業するには、経営スタイルや物件の種類を決める必要があります。

それぞれの開業形態や物件にはメリット・デメリットがあり、開業予算も大きく異なります。そのため、自分が理想とするサロン像と、用意できる予算を照らし合わせながら検討しましょう。

開業形態の選択

まつエクサロンの開業形態は、大きくわけると下記の2通りがあります。

開業形態 メリット デメリット
新規事業としての開業 コンセプトや経営方針を自由に決められる 集客や認知拡大に時間がかかる
フランチャイズに加盟しての開業 経営指導やノウハウ伝授などを受けられる 加盟金の支払いが発生する
独自性が出しづらい

それぞれのメリットとデメリットを把握した上で、自分に合った開業形態を選びましょう。

なお、フランチャイズでのまつエクサロンの開業については、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。

物件タイプの選択

物件のタイプは、ターゲット層や予算に合わせて慎重に選ぶ必要があります。

ここでは、まつエクサロン開業における主な3つの物件タイプについて、それぞれの特徴を解説します。

自宅

1つ目は、自分の家を改装してサロンを開業する方法です。持ち家だけでなく、賃貸物件でも開業が可能な場合があります。

メリットは、持ち家の場合店舗のための家賃がいらないこと。また、賃貸物件であっても、テナントを借りるより費用を抑えられることが大きなメリットといえるでしょう。

ただし、マンションの場合、店舗利用ができないなどの規約が設けられていることもあるため、事前に確認が必要です。

なお、まつエクサロンの開業では、自宅であっても広さや設備など保健所の定めるさまざまな条件をクリアする必要があります(※詳細は後述)。

また、保健所職員による実地検査もあるようです。管轄の保健所によって内容が異なるため、お住まいの地域で保健所に問い合わせましょう。

賃貸物件

2つ目は、店舗を借りて開業する方法です。繁華街や駅の近くなど、集客が見込めそうな立地を探して開業できるのがメリットです。居抜き物件を見つけられれば、開業費用はかなり抑えることができます。

ただし、店舗を借りるための保証金や仲介手数料などに加え、サロンとして開業するための改装が必要な場合はさらに費用がかかるため、多くの元手が必要なことに注意しなければなりません。

シェアサロン・面貸し

3つ目は、シェアサロンのスペースや既存のサロンの一角を借りて営業する形態です。物件取得費や内装費が不要なため、低リスク・低コストで開業できます。

ただし、利用料は月額制や歩合制など場所により異なり、独自のルールが設けられている場合も多いため、契約書の内容をしっかり確認することが重要です。

また、シェアサロンによっては「美容所」としての登録を行っていないケースもあります。まつエク施術のためにシェアサロンを利用する場合は、美容所の登録が済んでいるサロンか必ず確認しましょう。

3.コンセプト設計と事業計画書の作成

3.コンセプト設計と事業計画書の作成

あらかじめ事業の計画を立てて、スムーズな経営を目指しましょう。

まず、「誰に」「どんな価値を」提供するのか、サロンのコンセプトを明確にします。

それを基に、売上目標や経費などをまとめた事業計画書を作成しましょう。事業計画書は、融資を受ける際には必須の資料となります。融資を受ける予定がない場合でも、経営の指針として作成しておくと良いでしょう。

4.開業資金の調達

事業計画書の作成が完了したら、その内容に基づいて、必要な開業資金を算出します。

ここでは一般的な初期費用の目安と、自己資金で足りない場合に活用できる資金調達方法について解説します。

開業費用の目安

開業費用は、物件取得費用の有無や内装工事の規模、導入する設備などによって金額は大きく変動します。さらに、初期費用だけでなく、開業後3ヶ月から半年分程度の家賃や人件費などの運転資金も確保しておけるとなお良いです。

自宅でまつエクサロンを開業する場合の費用は150~250万円ほど、店舗を借りる場合は家賃や店の規模などにもよりますが、300万円前後を目安として見ておきましょう。

なお、フランチャイズ契約をして開業する場合は、加盟金や保証金だけでも数百万円かかるケースが多いです。そのため、フランチャイズを利用する場合の開業資金の目安は、500万〜1,000万円前後を覚悟しておきましょう。

まつエクサロン開業に利用できる融資・補助金・助成金

自己資金で足りない分は、融資を申し込んだり補助金や助成金を活用したりするのがおすすめです。そこで、まつエクサロンの開業に利用できる可能性が高いものの一部を紹介します。

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、民間の金融機関の役割を補完する政策金融機関です。セーフティーネットとしての役割や地域プロジェクトへの参画などとともに、新たな事業の創設や再生、海外展開などへの企業の取り組みを支援するという目的があります。

なかでも中小企業や小規模事業者を対象とした融資は、無担保・無保証の融資が可能で、創業前や創業初期の融資も受けやすいのが特徴です。さらに、民間の金融機関より金利が低い・返済期間が長いなど、さまざまなメリットがあります。

引用元
日本政策金融公庫|日本公庫をはじめてご利用の方へ

小規模事業者持続化補助金

商工会議所の補助金は、地域の商工会議所の管轄内で事業を営んでいる小規模事業者を対象としたもの。販路拡大や生産性の向上などへの支援を申し込むことができます。

販路開拓や従業員への賃金引上げ、事業拡大などの取り組み枠に対して、50~200万円の補助を受けることが可能。補助の対象となるのは、サロンで使用する機械装置や広告費、ウェブサイトの構築や運用費、販路開拓のための旅費や資料購入費などです。

ぜひ管轄の商工会議所へ問い合わせてみましょう。

引用元
小規模事業者持続化補助金

IT導入補助金

中小企業や小規模事業者向けに、労働生産性向上を目的としたITツールの導入を支援する制度です。業務の自動化や効率化、労働時間短縮などに活用できます。

レジやパソコンなどのほか、予約システムの導入にも利用できるため、サロン開業の際はぜひ活用したい補助金です。導入の条件や内容によって、5〜450万円までの補助を受けられます。

引用元
TOPPAN株式会社|IT導入補助金

5.物件探し・内装工事

5.物件探し・内装工事

まつエクサロンは「美容所」としての登録が必須です。そのため、物件を探す際は、利便性やデザイン性だけでなく、床面積・照明・手洗い設備などの保健所の基準を満たせるかどうかにも注意を払う必要があります。

物件の契約や内装工事を始めてから「基準を満たせず営業できない」という事態が起こらないよう、図面などの資料を持参し、事前に管轄の保健所へ事前相談に行きましょう。

なお、内装工事で気をつけるべきポイントなどは、下記の記事で詳しく解説しています。

6.設備や備品の準備

物件が決まり、内装工事のめどがたったら、設備や備品の準備を開始しましょう。

施術には、下記のような設備・備品が必要になります。

  • 施術用のベッドまたはリクライニングチェア
  • 施術者用のイス
  • 施術用の照明
  • 施術に使用するツール(ツイザー・グルー など)
  • 施術ツールの収納ワゴン
  • タオル
  • 消毒用エタノール
  • 紫外線消毒器 など

特にまつエクサロンの照明は、施術の際にとても重要なもの。天井の照明だけでは、施術者の頭や手で施術箇所が影になってしまうため、手元や施術箇所を照らすために準備します。

また、上記以外にも待合室のイスやテーブル、レジ設備や予約管理ツールなど、サロン運営に必要なものもあります。自店に必要なものを一度リストアップし、揃え忘れることのないよう準備を進めましょう。

7.開業手続き

開業の際には、保健所・税務署への各手続きが必要です。スタッフを雇用する場合は、このほかに、ハローワークや年金事務所などでの手続きも必要になります。

ここでは、まずは1人で開業するケースを想定し、保健所と税務署への手続きを紹介します。

保健所へ「美容所登録(開設届)」の届出

まつエクサロンのような「美容所」は、設置時に登録が必要です。事前相談→必要書類提出→検査を受ける→開店という流れでオープンします。

美容所の開設にあたっては、法律や条例に基づく構造設備の基準や衛生基準を守らなければならないため、まずは工事着工前に施設の平面図などを持って保健所に相談に行きましょう。

また、書類の提出から実際の開店までには1週間前後かかる可能性があります。特にオープン日が決まっている場合は、期日に余裕を持って届け出を行ってください。

なお、美容所の構造設備の基準には、下記のようなこまごまとした規定があります。

  • 1作業室の床面積は13平方メートル以上
  • 設置できるいすの数は13平方メートルの場合は6台まで(以降1台増やすごとに追加で3平方メートル以上必要)
  • 施術前の客は作業室と明確に分かれた待合場所に待機させる
  • 床にはコンクリートやタイルなどの不浸透性材料を使用する
  • 施術を行うときの作業面の照度は100ルクス以上 など

自宅サロンの場合でも、この基準に合うようにリフォームや改修などをしなければなりません。

引用元
東京都保健医療局|美容所の開設に関する基準等について

美容所登録については、下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

税務署へ「開業届」の提出

個人事業主としてサロンを開業する際は、事業開始の事実を知らせるために、開業日から1ヶ月以内に管轄の税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出します。

また、あわせて「青色申告承認申請書」も提出することで、特別控除や赤字の繰り越しなど、税制上のメリットを享受できます。

8.サロンの宣伝・集客活動

まつエクサロンの宣伝や集客はオープン前から行う必要があります。 ポータルサイトへの掲載や、InstagramなどのSNS運営など、さまざまな集客方法から、自店に合った方法を選びましょう。

また、集客したお客様からの予約を取りこぼすことなく受け付けるために、24時間予約可能な予約管理システムの導入をおすすめします。

まつエクサロン開業に関するよくある質問

ここからは、まつエクサロンの開業についてのよくある質問とその回答を紹介します。

Q. まつエクサロンの開業は儲かりますか?

A. まつエクは材料費などの原価率が低く、客単価は比較的高いため、利益率の良いビジネスモデルと言えます。そのため、儲かる可能性は充分にありますが、施術者の技術力・接客・集客努力・エリアの競合状況などによって、売上は大きく変わります。

「開業すれば必ず儲かる」わけではない点は、充分理解しておきましょう。

Q. まつエク業界に将来性はありますか?

A. ホットペッパービューティーアカデミーの調査データによると、アイビューティーサロンの利用率は拡大傾向にあり、特に複数回利用するリピーターが増加しています。

マスク生活以降、目元の美容への関心が高まっていることから、今後も安定した需要と将来性が期待できる業界と言えるでしょう。

引用元
ホットペッパービューティーアカデミー|美容センサス2025年上期 《アイビューティーサロン編》 資料編(詳細版)

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万全の準備で理想のまつエクサロンを開業しよう

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まつエクサロンの開業には、美容師免許などの「資格」の確認と、美容所として保健所の基準を満たす「物件」の確保が不可欠です。特に開業場所については、契約や内装工事の前に、図面等を持って保健所へ相談に行きましょう。

ほかにも、コンセプトの決定や設備・備品の準備など、開業前にするべきことは数多くあります。オープン後に円滑なサロン運営ができるよう、店舗の準備と並行して集客や予約管理の方法も確立し、体制を整えておきましょう。

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