Googleの検索結果やGoogleマップから新規顧客の獲得をしたいなら「Googleで予約」を活用してみましょう。
「Googleで予約」とは、Googleの検索結果から直接店舗に予約ができる仕組みで、2020年5月から美容業界でもサービスが利用できるようになりました。
この仕組みを活用すれば、クーポンサイト経由のように他店舗に予約が流れる恐れを減らし、予約が発生するたび手数料を支払わずに顧客の獲得ができるようになります。
この記事では、美容室の集客に「Googleで予約」を使う方法や注意点を解説します。
目次
「Googleで予約」の特徴と基本的な使い方
「Googleで予約」とは、Googleが提供するサービスで、Google検索結果やGoogleマップ、Googleアシスタントから直接予約がきる仕組みです。
現在、導入できる業種は下記に限られていますが、美容業界は2020年5月から「Googleで予約」が利用できるようになりました。
- レストラン(飲食店)
- アクティビティ(イベント)
- 美容(美容室、エステサロンなど)
- フィットネス(ヨガ、ピラティスなど)
これらの業種では、Google検索結果から直接予約できる「Googleで予約」の活用により、集客力の向上を期待できます。
「Googleで予約」の基本的な使い方
「Googleで予約」はタップやクリックのみで簡単に予約ができます。
ここでは、顧客が予約するときの基本的な使い方を紹介します。
また、補足として、店舗側でできる設定を解説します。
1. Googleビジネスプロフィールの「オンラインで予約」をクリック
「Googleで予約」機能を導入している店舗は、Googleビジネスプロフィールの情報に「オンラインで予約」や「予約」というボタンが表示されます。
このボタンをクリックすると予約画面に遷移します。
2. 希望日時やメニュー、担当者情報をクリックして選ぶ
画面が遷移したら、希望日時やメニュー、担当者情報をクリックして予約内容を入力します。
なお、店舗側はメニューや担当者、受付時間をあらかじめ設定しておきます。
メニューの詳しい内容や施術時間、金額なども掲載できるため、顧客が分かりやすいようにしておきましょう。
3. Googleアカウント情報、またはゲスト情報を入力して予約完了
Googleアカウントに正しい個人情報が掲載されていれば、ログインするだけでそれらが自動で反映されるため簡単に予約が完了します。
また、ゲスト予約を使えば本人に代わって予約することも可能です。
予約情報はGoogleカレンダーに連動されるため、失念防止にも役立ちます。
4. 店舗で料金を支払い施術完了
予約後の支払い方法は、店舗での直接支払い、または、GooglePayの利用も可能です。
また、「Googleで予約」はGoogleアシスタントにも対応しているため、音声でも予約ができます。
その際は、「OK Google (美容室名)を予約して」と、スマートフォンに話しかけるだけで予約までスムーズに進行します。
以上のように、「Googleで予約」は顧客にとって、とても利便性の高い予約方法といえるでしょう。
「Googleで予約」にはGoogleビジネスプロフィールが必要
「Googleで予約」の機能自体に利用手数料などはかかりませんが、店舗側で導入するためには、別途、Googleビジネスプロフィールの設定や、対応している“予約システム”との契約が必要です。
Googleビジネスプロフィールとは店舗情報を無料で掲載できるツール
GoogleビジネスプロフィールとはGoogle検索やGoogleマップ上に、下記のような店舗情報を無料で掲載できる仕組みです。
- 店舗名
- 住所
- 営業時間
- 電話番号
- 口コミ
- 画像
また、上記の他に、簡易ホームページの作成や、集客データの確認などもできます。
新規店舗では、店舗用のGoogleアカウントを用意し、店舗名やビジネスタイプなどを入力し、作成しましょう。
既存店舗では、Googleビジネスプロフィールの情報が自動で作成されているケースが多いため、オーナー確認をしたり、登録情報に誤りがないかチェックしたり、適宜修正を行いましょう。
Googleビジネスプロフィールには予約を取る仕組みが2つある点に注意
Googleビジネスプロフィールの予約設定には「Googleで予約」と「予約URL」の2種類があります。
このうち、検索結果などから直接店舗に予約できるのが「Googleで予約」です。
「Googleで予約」を利用するためには、別途、Googleと提携している“予約システム”と契約を行わないと利用することはできません。
まとめると、Googleビジネスプロフィールを作成→予約システムと契約→Googleビジネスプロフィールの管理画面から「Googleで予約」を設定すれば、予約ボタンを設置できます。
Google「予約リンク」は別の予約方法
Googleの予約リンクとは、自社ホームページなどのURLを設置し、遷移先で予約ができるサービスです。
既に、予約機能を備えた自社ホームページなどがあるときに活用します。
ただし、「Googleで予約」のように分かりやすいボタン表示がされないこと、予約システムを備えたホームページが必要なこと、遷移するため顧客の離脱につながりやすいことなどがデメリットとなるため、注意しましょう。
特にこのURLをクーポンサイトなどにしてしまうと、近隣店舗に見込み客が流れてしまう為、絶対にNGです。
関連記事:集客のできる美容室のホームページとはHP制作のポイント3選+α!
「Googleで予約」を利用する7つのメリット
「Googleで予約」を導入すれば、顧客の利便性を高められるだけでなく、Google検索結果やGoogleマップからも集客が見込めるようになります。
「Googleで予約」を利用する7つのメリットを紹介します。
1. 顧客が予約しやすくなる
先述のとおり「Googleで予約」はGoogleアカウントの情報があれば、顧客は必要事項を入力する必要もなく、タップやクリックのみで美容室の予約が完了します。
「美容室に行きたい」と思ったら、すぐに店舗の予約が可能となるため、集客力向上につながります。
2. 遷移回数が少ないため、顧客の離脱を防止できる
せっかくGoogleマップから近所の美容室を見つけても、予約が複雑では顧客の離脱につながってしまいます。
別ページに遷移し、さらに会員登録やログイン情報の入力などが発生すれば、予約を諦めてしまう可能性も否めません。
「Googleで予約」は簡単なだけでなく、画面遷移の回数も少なく、他店舗の情報も目に入らないため、顧客の離脱防止にもつながります。
3. クーポンサイト経由の予約から脱却できる
Googleビジネスプロフィールの予約方法をクーポンサイト経由にしていたなら、「Googleで予約」に変更すれば、店舗に直接予約できるようになります。
クーポンサイト経由の予約を辞めれば、予約時に他店舗へ流れることを防ぎ、予約の度に2%の手数料を支払う必要もなくなります。
4. 上位表示されるため、顧客の流出を防止できる
Googleで美容室を検索すると、SEOに強いホットペッパービューティーよりも上位にGoogleビジネスプロフィールの店舗情報が表示されます。
そのため、Googleビジネスプロフィールからすぐに予約ができるようになれば、クーポンサイトの閲覧による他店舗への流出を防ぐことにもつながります。
5. Google検索結果で目立たせることができる
Googleで「地域名 美容室」と検索すると、Googleビジネスプロフィールの情報が3~4店舗分表示されます。
通常の表示内容は、店舗名や営業時間のみとなり、また、クリックできる要素は「ウェブサイト」と「ルート」のみです。
しかし、「Googleで予約」を利用できる店舗は「予約」というクリック要素が追加されます。
そのため、まだ「Googleで予約」を活用していない近隣店舗と差別化を計り、さらに検索結果を目立たせる効果も期待できます。
6. MEO(ローカルSEO)対策としても有効
MEOとは「マップ検索エンジン最適化」のことで、Googleマップで検索結果を上位に表示させる施策のことで、ローカルSEOとも呼ばれています。
同じ「地域名 美容室」で検索しても、表示順位に差があるのは、MEO対策を施しているかいないかによる違いです。
MEOは、Googleビジネスプロフィールの情報の正確性や口コミ評価を元に、関連性・距離・知名度などの要素を組み合わせてGoogleのアルゴリズムが評価します。
そのため、MEOを向上させるためには、Googleビジネスプロフィールの情報が正しいこと、適宜更新されていること、高評価の口コミが多いことなどが求められます。
「Googleで予約」を導入すれば、Googleビジネスプロフィールの管理につながる他、ユーザーの利便性向上にもつながるため、MEO対策の上でも有効でしょう。
7. 予約を一元管理できる
「Googleで予約」を利用するためには、“予約システム”との連携が不可欠です。
予約システムは予約を取るだけでなく、予約の一元管理や顧客情報の管理、SNSとの連携など、さまざまな機能を利用できます。
そのため、ダブルブッキングの防止をしながら、多方面から集客ができるようになります。
また、使いやすい予約システムの導入は、スタッフの手間を削減にもつながります。
「Googleで予約」を美容室の集客に活用する方法
「Googleで予約」を美容室の集客に活用するためには、Googleビジネスプロフィールの情報や画像を充実させることが大切です。
合わせて、口コミの適切な管理も行いましょう。
Googleビジネスプロフィール情報を充実させる
「Googleで予約」を集客で活用するために、まずはGoogleビジネスプロフィールの情報に誤りがないか確認し、誤りがある場合は訂正しましょう。
また、Googleビジネスプロフィールでは基本情報だけでなく、施術メニューの記載や、店内画像の添付も可能です。
これらの内容が充実していれば、顧客の安心感にもつながります。
お店の雰囲気が伝わる画像を投稿する
Googleビジネスプロフィールでは「髪型」「外観」「屋内」のように、カテゴリに合わせた写真の追加も可能です。
予約システムによっては、Instagramの写真をGoogleビジネスプロフィールに投稿することもできるため、活用すれば顧客の目を引けるでしょう。
また、画像投稿では、ヘアスタイルだけでなく、外観や店内の写真が充実していることもポイントです。
これらの情報は、美容室掲載サイトや個人の投稿したSNSなどでは見つけにくいためです。
例えば、Googleマップや検索で美容室を調べる人の中には、店舗までの経路や外観、駐車場の有無、お店の規模を知りたい人もいます。
そのため、店舗の外観や目印、店内の座席数、待合室など一般の利用者が投稿しないような内容を充実させると、検索ユーザーの利便性につながります。
口コミを集める
「Googleで予約」を集客に活用するなら、口コミの充実も欠かせません。
実際に、高評価の口コミが多ければ、検索ユーザーの興味を引くことができます。
そのため、常連顧客などに頼んで、口コミ投稿に協力してもらうのも方法の1つです。
他にも、口コミ投稿に対する割引サービスなど、キャンペーンの実施も効果的です。
また、口コミは具体的であればあるほど、ユーザーの目に止まりやすくなります。
投稿を依頼する際は、どのような内容を書いてほしいかあらかじめ伝えておくとよいでしょう。
ただし、店舗に足を運んだことがないような、不特定多数の方に高評価の投稿を依頼するのは厳禁です。
最悪の場合、Googleからスパム認定を受け、アカウントが停止される可能性もあるため、口コミは顧客から集めるようにしましょう。
関連記事:口コミの獲得方法と美容サロンでの店頭POPの書き方をご紹介!
口コミを適切に管理する
Googleビジネスプロフィールの口コミは、店舗から返信が可能です。
返信は任意であるものの、来店へのお礼などを個別に返信すれば、顧客とのコミュニケーションを大切にする姿勢もアピールできます
また、口コミの中にはネガティブな投稿も含まれます。
「仕上がりがイメージと違った」「シャンプーが雑だった」のような真っ当なクレームは、そのままにせず、誠意のある対応を心がけましょう。
特に、クレームへの返信では先に謝罪をし、言い訳をせず、失敗を次回に活かすなど、前向きな姿勢を見せましょう。
言い訳や反論をしてしまうと、それだけで返信内容を見た他の顧客に、不信感を与えてしまいます。
クレームへの誠意ある対応は企業の評価を上げるきっかけにもなるため、特に気をつけて対応しましょう。
Googleビジネスプロフィールの「インサイト」を確認する
Googleビジネスプロフィールのインサイトとはアクセス解説ツールのことで、管理画面から確認できます。
Googleビジネスプロフィール利用者は無料で使えるツールで、検索・マップ、どちらで訪れたユーザーが多いのか、どのようなキーワードで検索したかなどの詳細なデータを利用できます。
そのため、これらの情報を元にGoogleビジネスプロフィールの情報を充実させたり、リスティング広告を出稿したり、Web集客を多方面に展開するのにも役立ちます。
データが蓄積した後は、ぜひ活用してみましょう。
「Googleで予約」を美容室の集客目的で利用する際の注意点
最後に「Googleで予約」を美容室の集客目的で利用する際の注意点を解説します。
特に、予約システムを選ぶ際は、金額だけでなく、美容室の集客に活かせるか、しっかり確認しましょう。
美容室に適した予約システムと契約する
予約システムを選ぶ際は、どのようなサービスが利用できるかの確認が大切です。
例えば、LINEと連携して予約ができれば、既存顧客の利便性を高められるだけでなく、顧客の状況に合ったメッセージやクーポンの配布なども可能となります。
そのため、予約システムは導入費用などの料金面を考慮するだけでなく、店舗との相性も確認しましょう。
予約システムの利用には料金が発生する
「Googleで予約」の機能自体は無料のため、手数料などを支払う必要はありません。
しかし、“予約システム”は初期費用や月額利用料がかかります。
さらに、予約システムによっては、「Googleで予約」などの外部サービスと連携ができなかったり、連携するためのオプション費用がかかるケースもあります。
そのため、「Googleで予約」を美容室の集客に使う場合は、基本プランで連携できることが望ましいでしょう。
そのうえで、他にどのようなサービスを利用できるかもの確認をおすすめします。
Googleビジネスプロフィールに表示する写真は選べない
Googleビジネスプロフィール上に表示される写真は、店舗だけでなく、一般利用者がアップロードしたものを含めランダムに選ばれます。
ただし、店舗がアップロードしたものは、一般利用者が投稿した写真より優先して表示されます。
そのため「Googleで予約」を美容室の集客に利用するなら、店舗側でGoogleビジネスプロフィール上に、見栄えのする写真を多めにアップロードしておく方が安全です。
例えば、既にInstagramを活用しているなら、それらの写真をGoogleビジネスプロフィールと連動できる予約システムも視野にいれるとよいでしょう。
理想的な写真がユーザーに表示されれば、集客効果アップにもつながるでしょう。
Googleビジネスプロフィールの不適切な口コミは削除依頼を出す
口コミは、顧客が美容室を選ぶうえで重要な評価基準になります。
しかし、Googleビジネスプロフィールの口コミは、実際に施術を受けた人だけでなく、全く無関係の第三者も投稿が可能です。
そのため、間違って別の店舗の口コミが投稿されたり、いたずらで低評価をつけられたりする可能性も否めません。
にもかかわらず、Googleビジネスプロフィールの口コミは、オーナーであったとしても自分で削除できません。
もし、下記に該当する低評価の口コミが投稿された場合は、Googleビジネスプロフィールの「その他メニュー」→「不適切な口コミとして報告」から削除依頼を申請しましょう。[注1]
スパムや虚偽の口コミ
関連性のない口コミ
不適切な口コミ
店舗・顧客への誹謗中傷
その他、公序良俗に反する口コミ
これらの口コミは自動的に削除されるケースもありますが、見つけたらそのままにせず早めの対処が大切です。
自動削除されるだろうと口コミを放置したままにしていると、総合評価が下がってしまうだけでなく、それを見たユーザーの不安も煽ってしまいます。
Googleビジネスプロフィールと「Googleで予約」を活用して検索結果から新規顧客を獲得しよう!
Googleビジネスプロフィールと「Googleで予約」を活用すれば、集客から予約まで、Google上で完結できます。
また、Googleで予約は単体では利用できず、提携している“予約システム”との契約が必要なため注意しましょう。
使いやすい予約ステムは、Web集客を行ううえで欠かせないツールなので、自店のニーズに合ったものを導入することが大切です。
Googleで予約を活用し、新規顧客の獲得を目指しましょう。