長年にわたって美容室を経営していくなかで、さまざまな要因によって値上げを余儀なくされる場面も存在します。値上げを避けようとしても、経営努力だけでカバーするには限界があります。
そんななか、多くの美容室オーナーが値上げをためらう一番の理由は、お客様に受け入れてもらえるか不安になるためでしょう。
そこで本記事では、美容室の値上げをお知らせする際のポイントや配慮すべき点、そして案内の際の例文を紹介します。
まずは資料をご覧ください
目次
美容室の値上げは必要？
円安や原材料費の高騰などのあおりを受け、光熱費や薬剤、消耗品費などの値上がりも続いています。美容室においても、お客さまに満足してもらえるサービスを提供し続けるために、値上げを検討せざるを得ない状況になっている店舗もあることでしょう。
材料費や光熱費の高騰だけでなく、優秀な人材確保のための人件費など、店舗運営のコストとサービス価格のバランスを見直すことも必要です。
美容室の場合、値上げをすることが必ずしもマイナスになるとはいえません。お客様側の心理として、あまりに安い場合、技術力やサービスに不安を感じることがあるためです。そのため、十分なサービスと技術力があれば値上げに納得してもらえることも多いと考えられます。
美容室が値上げをするべき理由やスムーズに値上げをするコツなどは以下の記事でも紹介しているため、合わせてチェックしてみてください。
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美容室の値上げをお知らせするときに注意するポイント
美容室が値上げをする際は、実際に値上げをするよりも前にお客さまに周知する必要があります。
お知らせの際はお客様が不信感を持つような伝え方は避けましょう。客離れにつながらないよう、細心の注意と誠実さが必要です。
そのために必要な、美容室の値上げをお知らせする際に押さえておくべきポイントを紹介します。
納得のいく理由を示す
お知らせする際は、美容室が利益を増やすためだけの値上げではなく、お客様にもメリットがあること、もしくはやむを得ない事態であることを伝えます。
たとえば、薬剤やトリートメントなどの質を上げる、新しい設備を導入する、スタッフのスキルアップのために研修費用をかけるなどの理由があるとします。その事実だけを伝えるのではなく、それによってお客様がより質の高い施術が受けられるようになることをセットで伝えましょう。
値上げの時期に気をつける
値上げのタイミングは慎重に検討し、お客様が受け入れやすい時期を選びましょう。
入学式や卒業式、クリスマスやお正月などの大きなイベントの前や、新年度が始まる前の3月などは、身だしなみや気持ちの切り替えのために髪を整える人が多いです。
このように美容室が忙しくなりがちな時期の値上げは、お客様にとってあまり良い印象とはならないため避けましょう。大きなイベントが終わった後や夏休み期間中など、比較的少ない時期を選ぶのがおすすめです。
また、新しい年が始まるタイミングも、新しいサービス等と一緒に告知することで受け入れてもらいやすいでしょう。
また、値上げは事前のお知らせがとても重要です。
急なお知らせになってしまうことは美容室への不信感やマイナスイメージとなり、顧客離れにつながってしまう恐れがあります。少なくとも値上げの2週間前、できれば1ヶ月以上前にお知らせするようにしましょう。
新しいメニューやサービスで付加価値をつける
既存のサービスのままで価格だけを上げるのではなく、新しいメニューやサービスを開発したり、特典をつけたりして、なるべくお客さまが「損をした」という気持ちにならないよう工夫することが大切です。
新しい施術やサービスを打ち出すことで、お客さまの興味を惹きつけることもできます。
値上げを告知する際に、値上げ後に使えるクーポンや店販商品のプレゼント特典などを添えて送る方法もおすすめです。
値上げ幅に注意する
大きすぎる値上げ幅はお客様から不信感を抱かれる可能性があり、顧客離れのきっかけになるリスクも含んでいるため、避けることが重要です。
適切な値上げ幅を検討するためには、以下の点に注意を払いましょう。
- 周辺にある美容室の価格相場を調査する
- メインターゲットとしている層が美容室にかける金額をリサーチする
- コストとのバランスを考慮する
お客様にとって受け入れやすく、かつ経営面でも適切な値上げ幅を選ぶことが大切です。
美容室の値上げをお知らせする方法
お客様に値上げをお知らせする場合、どんな方法でお知らせするのがベストか悩む方もいるかもしれません。
できるだけ多くのお客様にお知らせするには、ひとつの方法にこだわらず、さまざまな場所や方法で告知することがおすすめです。そこで、値上げのアナウンスに最適な3つの方法を紹介します。
案内レターを送付する
まずは既存のお客さまに向けて、書面でお知らせをします。価格を上げることの告知だけでなく、値上げに納得していただくためのお願いでもあるため、ハガキより封書がおすすめです。
より丁寧な印象になるように、値上げの理由をA4サイズの用紙にしたため、理解と協力をお願いした上でクーポンなどを同封し、特別感を演出すると良いでしょう。
ホームページやLINEを使ってお知らせする
公式のお知らせとして、ブログやホームページへの記載をしておきます。また、メルマガ登録をしているお客様や、LINE公式アカウントに友だち登録している既存客へ向けてそれらの媒体を使って告知する方法も有効です。
LINEではお知らせとしてのメッセージ配信で短めの案内を送るだけではなく、プロフィールやリッチメニューに丁寧な少し長めの案内も設定しておくことをおすすめします。
また、LINEでのお知らせは、案内からそのまま予約につなげることもできるため便利です。
LINE以外のSNSも運用している場合は、そちらでも案内をしましょう。見込み客も含めた周知になるため、値上げ前の駆け込み利用を促す効果や、値上げ前後にキャンペーンなどを行う場合はその宣伝につながることも期待できます。
店頭で伝える
もっとも確実な方法は、店頭での告知です。来店された際に口頭でお伝えしたり、会計のカウンターにメッセージカードを置いておいたりしてしっかりアナウンスしておきます。
その他、店内の目立つ場所へ張り紙をしておくのもおすすめ。来店された既存客に伝え漏れがないように確実にお伝えすることを心がけましょう。
店頭で伝える場合は、お客様からの率直な意見やリアクションを受け取れることが大きなメリットです。サロンのお客様に値上げがどのように捉えられているかの参考になるでしょう。
値上げのお知らせに必要な内容とは
値上げのお知らせをする際に必要な内容にはどんなものがあるのでしょうか。案内レターに盛り込むべき内容を一度整理してみましょう。
- お客さまへの感謝の言葉
- 値上げの理由
- 具体的な値上げ幅
- 値上げをする時期
- 新しいサービスやメニューの詳細
- 今後の店舗の方針やお客さまへの思い
- お問い合わせ先
まずは日ごろの感謝の気持ちをしっかり伝え、値上げに踏み切ることに至った経緯や理由を丁寧に説明。具体的な金額や値上げ率、値上げをする時期をわかりやすく記載しましょう。
また、料金アップにともなって開発した新メニューやサービスの詳細もお伝えし、今後もお客様に満足していただけるサービスの充実のために努力していくことを盛り込んで締めくくります。
さらに疑問や意見を受け付けるための問い合わせ先も明記しておくと、誠実さが伝わるため不信感を抱きにくくなるでしょう。
美容室の値上げをお知らせする例文
案内レターに記載する値上げのお知らせの例文を紹介します。値上げの案内を行う際には、是非参考にしてみてください。
1.短めのお知らせの例文1
”いつも〇〇美容室をご利用いただき、誠にありがとうございます。
この度、新メニューの提供およびサービスの向上にともなって、一部料金の値上げをさせていただくこととなりました。
ご理解とご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
- 新メニューやサービス名
- 値上げの時期
- 改定後の価格
〇〇美容室
住所
電話番号
担当 〇〇”
2.短めのお知らせの例文2
”〇〇美容室
電話番号
いつも当サロンへの変わらぬご愛顧に心から感謝を申し上げます。
この度、新メニュー提供のための機材導入やオペレーションコストの増加に伴い、一部価格を改定させていただきたく、下記の内容をお知らせいたします。
- 新しいメニュー名
- 機材名
- 価格改定するメニュー名
- 新価格
誠に勝手なお願いではありますが、ご理解とご協力を何卒よろしくお願いいたします。〇〇様のご来店をスタッフ一同、心よりお待ちしております。”
3.長めのお知らせの例文1
”〇〇年〇月〇日
お客様各位
住所
〇〇美容室
電話番号
施術料金改定のご案内
拝啓
平素は〇〇美容室への格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。
さて、当店ではお客様に満足していただけるサービス提供のため、努力を重ねておりますが、電気料金や資材の値上げ、人件費の高騰などにより、現状のままでのサービス提供が難しくなってしまいました。
つきましては、〇月〇日より一部施術料金について、価格を改定させていただくことが決まりましたので、お知らせいたします。
- 値上げを実施する日付
- 値上げする施術内容やサービス
- 旧料金・新料金を記載
私どもといたしましても大変心苦しい決断ではありますが、より一層のサービス向上、技術力の研鑽にスタッフ一丸となって全力で取り組む所存です。お客さまに置かれましては、これまでと変わらぬご愛顧とご理解をお願い申し上げます。
なお、疑問やご意見などがございましたら、担当〇〇が承りますので、遠慮なく（メールアドレス）（電話番号）までご連絡ください。
今後とも〇〇美容室をよろしくお願い申し上げます。
敬具”
4.長めのお知らせの例文2
”令和〇年〇月〇日
〇〇様
価格改定のお知らせ
拝啓
◯◯様におかれましては益々ご清祥のことと心よりお慶び申し上げます。また平素より〇〇美容室に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
このたび一部サービスでの値上げを実施することとなりましたので、お知らせいたします。
弊社では価格据え置きの努力を重ねてまいりましたが、昨今のエネルギー価格高騰や原材料費の値上げにともなう薬剤の値上げ、また、地価や人件費の高騰などにより、このままではお客さまに満足していただくサービスの提供が難しいという判断に至りました。
この料金改定において、新サービスの提供やより質の高い施術が可能となるため、何卒ご理解とご協力を賜わりますようお願い申し上げます。
つきましては、誠に不本意ながら、下記のとおり価格の改定をさせていただきます。
- 料金を値上げする日付
- 価格を改定するサービス名
- 新メニューのサービス名
- 値上げ後の料金
- 問い合わせ先：電話番号・担当者名・営業時間・定休日
心苦しいお願いではございますが、これからも〇〇美容室に変わらぬご愛顧をいただけるよう、今後ともお客さまに満足していただけるお店を目指し、スタッフ一同、より一層の努力を重ねてまいります。
もし何かご意見や不明点がございましたら、どうぞご遠慮なく担当〇〇までお尋ねください。
敬具
店舗住所
〇〇美容室 店長氏名”
お知らせの配信にも役立つ予約管理システムなら「リザービア」
美容室経営では、接客や施術以外の業務効率化や集客が重要です。そこで、美容室を運営する上で必須ともいえる予約管理や顧客管理に加え、効率的な集客に役立つ予約システム「リザービア」を紹介します。
「リザービア」は美容業界に特化した予約システムです。そのため、美容室の予約時に重要なメニューの選択や美容師の指名、設備の利用状況など予約に関連する機能が予約内容に紐づくようにできています。
さらに、カルテとして施術画像も残せる顧客管理機能や、集客の施策を考える際に有効な予約経路などの集計機能もあります。
ほかにも美容室を経営する上で必要なさまざまな機能があるなかから、料金改定などのお知らせを配信するためにも役立つ機能を2つ紹介します。
LINE連携予約
美容室のLINE公式アカウントをお友だち登録をしているお客様に対して、トークとしてお知らせを配信できるほか、リッチメニューなどにお知らせへのリンクを設置することも可能です。
もちろんLINEを経由しての予約受付や、デジタルスタンプカードの発行にも対応しています。
メッセージ自動配信
リザービアに搭載されているメッセージの自動配信機能を活用し、料金改定のお知らせをメールで案内することも可能です。
配信対象を前回利用メニューや前回担当者などさまざまな選択ができます。通常のメールのように送信対象のメールアドレスを1件ずつアドレス帳から選んだり、入力したりする手間が省けます。
まずは資料をご覧ください
誠意を持ったお知らせで再来店につなげよう
値上げのお知らせは、お客様に伝えづらいことかもしれません。しかし、お客様にとってもより良い施術の提供が可能になるなどのメリットと明確な理由を提示することで、美容室側の誠意を伝えましょう。
メールやLINEでの案内は、普段から送り先をまとめて管理してあると、いざ送る段階になってからあわてて送り先の情報を集める必要もありません。
また案内の送り先は、値上げなどの案内の際だけではなく、キャンペーンのお知らせやクーポンの配布などにも使えるため、リピーターの囲い込みにも有効です。
予約システム「リザービア」を活用し、連絡先の管理やメッセージ送信の負担軽減などに役立てましょう。
