美容サロンなどサービスを提供する店舗にとって、予約システムは運営をサポートするツールとして欠かせないものとなっています。
予約システムの導入を検討している人のなかには、システムを自作することで導入コストを抑えたいと考えている人もいることでしょう。
本記事では、予約システムを作るための方法や必要な機能、さらに導入メリットについて紹介します。
目次
プログラミングの知識が必要な予約システムの作り方
予約システムを自社開発することで、オリジナルのシステムを作成できるため、自社の望む機能やデザインを装備したサイト設計が可能です。
しかしそのためには、プログラミングの知識が必要とされます。
ここでは、予約システムの作成に必要となる言語を紹介します。
HTML
HTMLは、Webページを作成する際に用いられるプログラミング言語です。ソースコードを編集することで、テキストや画像などの構成を指定することができるため、マークアップ言語とも呼ばれています。
インターネット上にある大抵のWebページは、HTMLにて作成されています。HTMLタグで文章の構造を指定し、文字情報、画像や動画の埋め込み、リンクなどに意味を持たせることが可能です。
CSS
CSSは、HTLMで記載された文章の体裁や見栄えを表すプログラミング言語で、Webページの見た目を調整するために用いられます。
CSSによって、サイズや色、レイアウトなど、Webページの装飾を定め、デザインすることが可能です。
PHP
PHPは、後述するJavascriptと同じく、動的なコンテンツが作れるプログラミング言語です。PHPとJavascriptの違いは、処理がサーバー側で行われるか否かです。
PHPは、カレンダー機能における予約状況の確認、予約内容の確認画面、予約システムにログインした後に表示される画面などに使用されるケースが多いようです。
Javascript
Javascriptは、コンテンツの更新やマルチメディアの管理など、多くのことに対応できるプログラミング言語です。
Javascriptを用いることで、予約システムを作成する際に必要な動的コンテンツ、たとえばカレンダー機能やメッセージ機能などに対応できます。そのため、自分で予約システムを作成する際には、Javascriptの知識が必要です。
Javascriptは、予約システムのなかでいうと、入力内容を確認する画面を構築する場合などに使用されます。
Java
Javaは予約システムだけにとどまらず、システム開発、アプリ開発、Web開発などさまざまな場面で用いられるプログラミング言語です。
幅広い環境で使えるプログラミング言語のため、新たにプログラミングを覚えたい人が、真っ先に学びたいプログラミング言語のひとつといえるでしょう。Javaは処理スピードが早く、予約システムの開発やアプリ開発に必要不可欠です。
SQL
SQLは、データベースを操作するために用いられる言語です。
予約システムにおいて、予約情報の保存・確認・変更に関する操作は欠かせません。その部分を担うのがSQLです。
予約システムには欠かせない下記の操作は、すべてSQLを使って行います。
- お客様が入力した予約内容をデータベースに保存
- 予約のキャンセルや変更
- 顧客情報の管理
ただし、SQLはあくまでもデータベースを操作するための言語となっているため、予約フォームなどは別途作成する必要があります。
プログラミング知識があるならLINEで予約システム構築も可能
LINEと連携した予約システムを構築することも可能です。システム構築のためには、LINE DevelopersというLINE公式アカウントと連携するプロダクトを開発するためのサイトを利用します。
ただしこの方法は、プログラミングに関する知識を持っていない人にとっては難易度が高い方法です。
それを踏まえた上で、より詳しい手順を知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事
プログラミングの知識を必要としない予約システムの導入方法
予約システムを導入する方法のなかには、プログラミングの知識がなくてもできるものもあります。そのなかから、5つの方法を紹介します。
WordPressプラグイン
自社のホームページをWordPressで作っている場合は、プラグインをインストールして予約システムを実装することができます。専門的な知識がなくても使えるものが多いため、手軽に実装できる点が魅力です。
プラグインは種類が豊富にあるため、日本語に対応しているかや利用料金の有無などをしっかり確認してから導入しましょう。
プラグインのなかでも特にサロンの予約管理におすすめのものは、下記の記事で紹介しています。
関連記事
Googleカレンダー
Googleカレンダーには、カレンダー上に受付時間の設定をして、ほかのユーザーからの予約を受け付ける予約スケジュール機能があります。予約が入るとすぐに情報が更新されるため、ダブルブッキングの心配がありません。
ただしこの方法は、予約を行うお客様もGoogleアカウントが必要となります。
設定方法などの詳細については、下記の記事を参考にしてください。
関連記事
Googleフォーム
Googleフォームは、名前・メールアドレス・電話番号・予約希望日時などの入力項目を設定するだけで、簡単に予約申し込みのフォームを作成できます。さらに、Googleスプレッドシートとの連携により、予約内容の一覧を作ることも可能です。
ただし、Googleフォームは同じ時間への予約を希望するお客様が被る可能性もあり、その場合は別途調整が必要になります。
無料で手軽に予約受付が可能なため、予約件数があまり多くない場合は便利かもしれません。
予約フォームの作り方を詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事
Excel
予約内容の管理のみが目的であれば、Excelで予約管理表を作成する方法もあります。
お客様の名前・連絡先・予約希望日時・予約内容など、必要な項目を入力するシンプルな表を自分で作成したり、すでに項目や枠組みが入力されているテンプレートを活用したりしても良いでしょう。
Excelでの予約管理表作成についての詳細は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事
クラウド型の予約システムサービス
自作での予約システム導入は、コストの面では非常に魅力的かもしれません。しかし、予約管理に必要な機能を揃え、それぞれの機能を連携させることは、簡単ではないでしょう。
また、予約システムはお客様にとっての使いやすさやセキュリティ対策も重要です。
システムを自作することに少しでも不安がある場合は、自社にとって必要な機能が揃っていて使いやすい既存システムの導入を検討してみても良いかもしれません。
予約システムに必要な機能とは？
予約システムの自作は時間もスキルも求められるため、元々知識を持ってない場合はかなり難しいケースが多いです。また、既存のフォーマットなどを使用したシステムも、使いはじめてから機能の不足に気づくこともあるかもしれません。
予約システムを効率的に選ぶには、まず、必要な機能について明確にしておきましょう。そこで、ここからは予約システムに必要な機能について紹介します。
ここで記載したすべての機能が必須というわけではありませんが、自社にとって必要な機能を判断するためにも、どのような機能があるか把握しておくことが重要です。
その上で、自作の可否や既存システムの導入を検討することをおすすめします。
予約管理
予約システムには予約管理機能が必要です。予約管理機能が実装されれば、それまで予約管理業務に割かれていた労働力が軽減されます。
また、オンライン予約ができるシステムなら、営業時間に関係なく予約を受付られるようになるため、予約機会の損失を減らすことにもつながるでしょう。
顧客管理
顧客管理機能は、マーケティングにも利用できます。受付時、予約フォームから入力されたユーザーの登録情報をマーケティングに活用し、PDCAを回すことで、収益の拡大を目指します。
お客様それぞれの情報を施術カルテとして活用することで、最適な施術提案や細やかな心配りができ、お客様からの信頼獲得につながるでしょう。
また、集積したデータからお客様の年齢層や利用の多いクーポンやメニューを知ることで、今後の経営戦略を立てる際にも役立ちます。
メール自動送信
メール自動送信機能は、顧客の予約が完了した際、もしくはキャンセルをした際に、自動的に顧客本人に入力内容が反映されたメールが送信される機能です。
来店予約の前日に確認メールを送ることもできるため、予約時間の勘違いに伴うトラブルを防ぐ効果も期待できます。
そのほかにも、キャンペーンの告知やクーポン配布など、リピーターを獲得するための施策としてもメール配信機能は活用できます。
これらのメールは、手動で送ることも可能です。しかし、送信先を都度設定して送ることは手間も時間もかかる上、誤送信の恐れがあります。
その点、送付先の設定も簡単にできるシステムを導入していれば、誤送信だけでなく送り忘れなどの防止にも役立つでしょう。
外部サービスとの連携
外部サービスと予約システムとの連携ができれば、より予約管理の効率化が図れます。
集客のチャンスを増やすために複数の予約窓口を設けている場合、その予約内容を手作業で予約台帳に転記するケースもあるでしょう。その際、時間と手間がかかる上に記載ミスの可能性もあります。
しかし、各予約窓口と予約システムが連携することで、ダブルブッキングなどの予約管理ミスを防ぎながら、管理の手間を削減できます。
特にLINEやGoogleビジネスプロフィールなど、お客様がよく利用するサービスとの連携は、お客様にとっての利便性も上げられるでしょう。
セキュリティ対策
予約システムは、顧客の個人情報に関する膨大なデータを管理することになります。そのため、セキュリティ対策には万全を期して臨む必要があります。
サーバーのホスティングを行う際には、事業者のセキュリティ対策が万全であるかを必ず確認しましょう。通信の暗号化（SSL）や不正アクセスに対する対策（WAF・IDS・IPSなど）に対応しているかどうかが、セキュリティ対策機能の選び方のポイントです。
決済機能
月額課金などのサブスクリプションサービスを提供している、もしくはチケット・回数券などを販売している場合には、予約システムに事前決済機能を追加するやり方も検討してみるといいでしょう。
なかには、クレジットカードを所持していない人もいるかもしれません。現金やカードだけではなく、電子決済の機能も搭載されていると、万人にとって使いやすいシステムとなります。
また、POSシステムとの連携により会計処理をスムーズにして、スタッフの負担を減らす方法もあります。
データ集計
既存の予約システムのなかには、売上データの集計を自動で行えるものも少なくありません。単純に売上の合計を出すだけではなく、スタッフごとや利用クーポンごと、さらに予約経路ごとの集計が可能なものもあります。
これらのデータは経営戦略を立てる際に大変有効ですが、手作業では手間がかかるため、予約システム内で自動集計できると便利でしょう。
予約システムを導入する4つのメリットとは？
さまざまな機能を持つ予約システムを導入するにあたり、たくさんのメリットが挙げられます。ここでは、予約システムを導入するメリットを4つ紹介します。
1. 24時間365日予約の受付が可能
電話やメールでの予約対応の場合、予約受付は営業時間内のみに限定されてしまいます。
しかし、予約システムを導入することにより、24時間、365日予約の受付が可能となります。
お店の営業時間内は仕事中で、予約したくともできずにいた人が中にはいるかもしれません。こういった機会損失を減らすためにも、予約システムを有効に活用しましょう。
また、予約状況がひと目で確認できるため、飛び込み顧客の受け入れの可否が即座に判断できる点もメリットです。
2. 予約管理が楽になる｜スタッフの労力削減
予約システムを導入することにより、これまで多くのリソースを費やしていた予約管理業務におけるスタッフの労働力を、大幅に削減できます。
導入前は、電話やメールで顧客とやり取りをし、決定した予約内容を改めてExcelや予約台帳に記入する必要がありました。しかし、一度システムを構築してしまえば、その手間はすべてカットできます。
また、入力ミスを防ぐことができ、顧客満足度の向上につながる点もメリットといえるでしょう。
3. お客様が予約しやすくなる｜予約のハードルが低い
予約システムを導入することにより、顧客が自分のタイミングで予約できることも大きなメリットのひとつです。
お店の空き状況を自身が望むタイミングで確認でき、電話などの応対も不要であるため、予約への心理的ハードルが低くなります。よって、集客・収益の向上につながる可能性も高まります。
4. 顧客データをマーケティングに利用できる
予約システムを導入すると、予約データが自動的に蓄積されます。蓄積された顧客データはマーケティングに活かせる点も、メリットとして挙げられます。
予約情報だけではなく、顧客情報のすべてが一括管理できるのが予約システムの強みといえます。データを元に戦略的な集客を行うことで、集客率向上が期待できるでしょう。
また、データ入力が自動になれば、入力ミスはなくなり、正しいデータだけが保存されます。人的リソースをカットできるだけではなく、データそのものの質が向上する点も、予約システム導入のメリットです。
予約システムを導入するときの注意点とは？
スタッフの労働力削減、顧客側の予約へのハードルが下がるなど、数々のメリットを持つ予約システムですが、導入の際にはいくつか注意点があります。ここでは、予約システムサービスを導入するときの注意点を2つ紹介します。
1. 導入・運用にはコストがかかる
予約システムの導入・運用には、どうしてもコストが発生します。自社でゼロから作る場合は、詳しい知識を持つスタッフが必要になりますし、工数も多いです。また、開発をアウトソーシングする場合は、当然費用がかかってきます。
初期費用のほか、月額費がかかるものやメンテナンス費用なども必要でしょう。
予約システムを導入する際には、システムを開発・維持できるコストがかかる点を念頭に置いておきましょう。
2. システムのメンテナンスが欠かせない
前述した通り、予約システムは顧客の大切な個人情報を取り扱っています。そのため、定期的なメンテナンスは必要不可欠です。
システムの脆弱性を放置すれば、いずれ個人情報の流出・データ消失などの重大なトラブルを引き起こす恐れがあります。お店の信用問題に関わる重大な事故を防ぐためにも、定期的にアップデートをし、データはバックアップを取りましょう。
予約システムのメンテナンスには、専門知識が必要です。知識や手間を省き、安全・安心にシステムを維持したい場合は、システム運営会社の利用をおすすめします。
自社に合った方法を選んで予約システムを導入しよう！
予約システムの導入は、業務の効率化や経営戦略を立てるためのデータ集積など、さまざまな面で役立ちます。特に美容サロンなどでは、日々の運営に欠かせないツールと言えるでしょう。
予約システムを自作することも、選択肢のひとつです。しかし時間がかかる上、不具合への対応も自己責任となるため、プログラミング等の知識があまりない場合は、おすすめできません。
既存の予約システムのなかから、自社の運営に必要な機能やセキュリティ対策を備えたものを導入することで、安心して運営に専念できるでしょう。
なかでも、美容サロンや整体院などには予約システム「リザービア」がおすすめです。予約管理はもちろん、サロン運営に必要な機能も充実しており、業務の効率化を強力にサポートします。
適切な予約システムの導入で、より効率的な運営を実現しましょう。
