美容師の人手が足りずに困っている美容室は少なくありません。せっかく将来を見込んで雇っても、すぐに辞められてしまったり、やむを得ない事情で退職されたりすることもあるでしょう。
そこで、美容師の人手に関する現状や不足する理由、解決に向けてできる対策について理解を深めましょう。また、よい人材に出会うためにどんな媒体で募集すればいいのかも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
美容師は人手不足?その現状とは
美容師が人手不足というのは本当なのでしょうか。実は、美容業界は10年以内の離職率が90%とも言われており、約8割の美容室で常に人手が足りないとされているのが現状です。
実際の数値で見ても、ハローワークでの令和4年度の美容師の有効求人倍率は5.66で、令和4年11月の全国の有効求人倍率(パートを含む)の1.39の約4倍と高く、売り手市場(求職者に有利)であることがわかります。
引用元
一般職業紹介状況|厚生労働省
美容師 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
美容師が不足している理由
美容師は慢性的な人材不足であることがわかりました。では、美容師が不足している理由とはどんな点なのでしょうか。
長時間勤務や休日が少ないなど労働環境がハード
美容師の仕事は1日中立ちっぱなしの仕事で、予約状況によっては休憩が取りづらいこともあります。開店前の準備や閉店後の練習などもあり、実働は10時間以上というケースも少なくありません。
また、美容師の年間休日は平均90日前後と言われており、休みが少ない傾向があります。このような過酷な労働環境から、仕事が続かず辞めてしまう美容師が多いです。
給料が低い
年収に不満を持つ人が多いことも理由のひとつ。全国の平均給与458万円に比べて、美容師の平均年収は330.1万円と、給料が低めの傾向です。前項のように労働環境が過酷なわりに、なかなか給料が上がらないことが原因で辞める美容師も少なくありません。
引用元
美容師 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁
国家資格が必要で求められるスキルが高い
美容師になるためには国家資格の美容師免許が必要な上、資格を取ったらすぐにお客様に施術できるわけではなく下積みとして経験を積んでいかなければなりません。
また、美容師の仕事では、カットやカラーなどの美容技術だけでなく、お客様と接するためのコミュニケーション能力も求められます。
高いスキルが必要なため、一人前になる前に離脱する人も多いです。
美容師の人手不足を解消する方法
前章のような理由から、美容室ではスタッフが足りないという事態が起こりがちです。そこで、ここからは、美容師の人手不足を解消するためにできる方法を見ていきましょう。
労働環境を改善する
まず大きなものとして、残業をなくす・時短勤務を可能にする・フレックスタイムを導入する・きちんと休憩が取れるように予約を調整するなど、労働環境の改善が挙げられます。
妊娠・出産を機に辞める美容師もいるため、子育てをしながらでも働けるような仕組みを作ることも大切です。また、接客以外の業務の負担を減らすために、POSシステムや予約システムなどを導入するのもよいでしょう。
給与を見直す
美容室の給与体系は店によって異なりますが、固定給のみである場合は歩合給をプラスする、また各種手当をつけるなど、スタッフひとりひとりの頑張り次第で給与が上がるよう見直してみるのもおすすめです。
また、キャリアアップや人材育成に利用できる助成金を使って正社員への採用や定着率を上げる施策を行う・教育カリキュラムを組んでスキルアップにつながるサポートをするなどの取り組みも、ぜひ実施してみましょう。
休眠美容師にアプローチする
休眠美容師とは、美容師免許を持っていても美容師として働いていない人のこと。2023年の休眠美容師率は57.0%と、過去5年のなかでは割合がやや低下していますが、美容師の半数以上が休眠状態です。
そのため、とくに人手不足の美容室では、結婚や出産などの理由で離職した人たちが戻ってきやすい環境を作ることが求められています。ブランクがあっても働きやすい職場としての整備が必要です。
引用元
美容サロン就業実態調査(2023 年)|ホットペッパービューティーアカデミー
美容師を採用する媒体にはどんなものがある?
つづいて、美容師を採用するために利用できる媒体にはどんなものがあるのかを紹介します。
美容系求人サイト
美容系求人サイトは、美容業界に特化した求人サイトです。美容師や美容室で働きたい人に向けて、求人募集をかけることができます。とくに有資格の美容師経験者を求める場合に有効です。
新人や若手を採用したい場合は、学生向けに求人広告を掲載できるサイトを利用する方法もあります。
自社サイトやSNS
自社のホームページやSNSで募集するのもよいでしょう。新たに費用をかけずに求人を出せることが大きなメリットです。
なお、自社サイトでの求人は閲覧者からしか見てもらえませんが、InstagramやXなどのSNSであれば、アプリを利用している不特定多数のユーザーに広く見てもらえる可能性があります。
ハローワーク
人材募集で広く利用されているもののひとつに、ハローワークがあります。全国に存在しているため、地方での採用にも向いていることがメリットです。
自社の所在地や従業員数などの情報も公開するため、信頼性の高い求人情報を出すことでよいイメージを持たれやすく、すぐれた人材の獲得に期待できるでしょう。
無料で利用できるほか、トライアル助成金や中途採用等支援助成金などの雇用に関する助成金も利用できるため、低リスクで採用活動を行えます。
求人検索エンジン
求人検索エンジンとは、ネット上で募集されている求人を横断的に検索できるサービス。代表的なものとして、Indeedや求人ボックスなどがあります。
多くの場合、求人情報を無料で長期的に掲載できる代わりに、求職者が情報を閲覧したときに費用が発生するという仕組みです。全国の求職者が利用しているため、地域を問わずに利用できることがメリットといえます。
おすすめの美容系求人サイト
ここでは、おすすめの美容系求人サイトを4つ紹介します。
リジョブ
リジョブは美容・ヘルスケア業界の求人に特化したサイトです。検索結果で上位に表示されやすいので、閲覧されるチャンスが多く、素早い採用につながりやすいでしょう。リジョブ経由で採用された求職者の転職満足率はなんと98%と、ほとんどの人に気に入られています。
550,000人を超える会員数を誇り、優秀な人材の掘り起こしができる可能性も十分。個人店や地方企業にも強いので、ぜひ検討してみてください。
引用元
リジョブ
求人掲載について|リジョブ
美プロ
美プロは定額制で利用できる美容求人サイト。採用ごとに課金されるサイトも多いなか、価格が変動するリスクがなく、コスト面が気になる美容室も利用しやすいでしょう。
2006年のサービス開始から愛され続け、月間利用者数は350,000人を誇ります。最短3日で掲載できる点もメリット。気になったらぜひ問い合わせしてみましょう。
ホットペッパービューティー
ホットペッパービューティーというと、美容室やサロンとお客様を結ぶサービスというイメージが強いかもしれませんが、求人サイトとしても利用できるようになりました。
検索機能やプロモーションの強化 ・充実した掲載情報・ホットペッパービューティーの情報との連動などを武器に、応募の増加や欲しい人材からの応募を実現。
ホットペッパービューティーに掲載しているサロンの写真や店の情報、メニュー内容などをもとに、応募者から具体的に働くイメージを持ってもらいやすいこともメリットです。
引用元
ホットペッパービューティーワーク
求人掲載ならホットペッパービューティーワーク!|ホットペッパービューティー
ビューティーキャリア
ビューティーキャリアは、採用するスタッフとの人間関係に着目し、出身校・趣味・ペットなど、共感できる部分を見つけられる機能を搭載した美容求人サイトです。
サイト経由で美容師を採用すると、採用報酬として費用がかかります。しかし、30日以内の早期退職の場合は0円~半額になる返金保証もついていて、安心して利用できるでしょう。
引用元
ビューティーキャリア
求人掲載の問い合わせ|ビューティーキャリア
業務委託やフリーランスとの契約も検討しよう
人手不足が問題になっている美容室のスタッフ採用においては、業務委託やフリーランスとの契約も注目されています。
技術のある美容師に施術のみを担当してもらうことで、人手不足の緩和だけでなく、稼働率の向上や集客にも効果的です。選択肢のひとつとして、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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働きやすい環境を整えて美容師を採用しよう
ハードワークや低賃金などの理由から、人手不足が叫ばれる美容師の仕事。働く環境や給与体系などを見直すことにより、解消できる可能性は十分あります。また、一度現場を離れてブランクがあっても、復帰したいと考える人もいるので、うまくアプローチしましょう。
さまざまな角度から「スタッフが働きやすい環境」を整備し、ぜひ有能な美容師を獲得してください。
なお、上記で紹介した美容・ヘルスケア業界特化の求人サイト「リジョブ」が、同社の特長をより詳細に解説した資料を公開しています。
下記フォームから資料をダウンロードできますので、求人メディア選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。