ホットペッパービューティーでは、2023年から「スマート支払い」と呼ばれる決済サービスを提供しています。
予約から会計までをスムーズにする便利な機能ですが、「デメリットはないか」「導入によって、店舗側の負担が増えないか」といった疑問を持っている人もいることでしょう。
本記事では、スマート支払いとはどのようなサービスなのか、店舗側とお客様側それぞれのメリットや注意点とあわせて詳しく解説します。
※弊社はホットペッパービューティーの代理店ではありません。あらかじめご了承ください。
目次
ホットペッパービューティーのスマート支払いとは?

スマート支払いとは、サロン検索・予約サービスのホットペッパービューティーで利用できるオンライン決済機能です。
お客様に事前にクレジットカード情報を登録しておいてもらうことで、会計時の現金のやり取りやスマートフォンによるQRコードの読み取りなどの作業を無くします。
コロナ禍をきっかけに、感染予防の観点から接触を控えたいといった思いや、キャッシュレス決済やネット予約が普及したことなどが誕生の背景と言われています。
なお、ホットペッパービューティー自体の利用メリット・デメリットや連携可能な予約システムについては、下記の記事を参考にしてください。
スマート支払いに対応しているカードブランド
スマート支払いに利用できるカードブランドは以下のとおりです。
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
ただし、同ブランドであっても海外発行のものは利用できないほか、デビットカード・プリペイドカードも利用できません。
なお、例外的に一部のデビットカード・プリペイドカードが利用できる場合もありますが、お客様の混乱を避けるため、利用を控えるようアナウンスされているようです。さらにサロンによっては一部対応していないブランドもあります。
引用元
ホットペッパービューティー|スマート支払いで利用可能な決済方法は?
ホットペッパービューティー|スマート支払いでデビットカード・プリペイドカードを利用できますか
本人以外のカードも利用できる?
本人以外のスマート支払い(クレジットカード)の利用はできません。来店される方が名義のアカウント・クレジットカードを使用して予約する必要があります。
引用元
ホットペッパービューティー|スマート支払いで、自分は来店せず代理で予約はできますか
分割払いやリボ払いにも対応している?
スマート支払いでは、分割払い・リボ払いに対応していません。原則、スマート支払い利用時は支払回数1回のみとなっています。
引用元
ホットペッパービューティー|【スマート支払い】スマート支払いで、分割払いやリボ払いはできますか?
スマート支払いを導入する店舗側のメリット

さまざまな理由からキャッシュレス決済の需要が高まっている昨今。現在では多くのサロンでスマート支払いの導入が進んでいます。ここでは、店舗側から見るスマート支払いを導入するメリットを3つ紹介します。
なお、スマート支払いを導入する際は、ホットペッパービューティーへの掲載もセットとなっています。ホットペッパービューティーのようなクーポンサイト自体の利用メリットについては、下記の記事を参考にしてください。
1. 無断キャンセルを減少できる
一つめは、無断キャンセルを減少できることです。スマート支払いは、予約当日に来店されなかった場合に、登録したクレジットカードからキャンセル料金が自動で引き落とされます。
これまで無断キャンセルが多かった背景のひとつが、予約していることを忘れていたというものです。その上、キャンセル料金を徴収できるシステムがなかったことから、無断キャンセルをするハードルが低かったことも挙げられます。
しかし、スマート支払いの導入によって、来店しないお客様からキャンセル料を徴収できます。お客様に「無断キャンセルをするとキャンセル料金が発生する」と周知することで、無断キャンセルの抑止につながるのです。
2. キャッシュレス決済を希望するお客様の予約を得られる
二つめは、キャッシュレス決済を希望するお客様を取り込める点です。
美容サロンを利用する男女に「美容サロンで『オンライン事前決済サービス』を利用してみたいですか?」との質問に対して、女性全体の約75%、男性全体の約66%が「利用してみたい」と回答していることがわかりました。
回答者全体の約6~7割の方を、キャッシュレス決済の導入によって来店につなげられるのは、大きなメリットと言えるでしょう。
引用元
ホットペッパービューティーアカデミー|美容サロンのDXに関する 利用意識・実態調査 【オンライン決済編】
3. 会計業務が効率化できる
三つめは、会計のやりとりやレジ締めが楽になる点です。スマート支払いの導入によって、現金のやりとりが減ることで、お釣りの渡し間違えなどの会計ミスも減らせるでしょう。
さらに、会計やレジ締めの手間を減らすことで、スタッフの負担や人件費の削減にもつながります。
お客様にとっても、サロン側のスタッフにとっても、時間を有効活用できるので、双方にとって大きなメリットと言えるでしょう。
スマート支払いを導入する店舗側の注意点

スマート支払いにはさまざまなメリットがありますが、導入にあたっては店舗側で知っておくべき注意点も存在します。
ここでは、特に知っておくべき点を3つ紹介します。
1. ホットペッパービューティーへの掲載が必須
スマート支払いは、ホットペッパービューティーのサービスに紐づく機能のため、その導入にはホットペッパービューティーへの掲載が必須となります。
そのため、ホットペッパービューティーへの掲載費用と、予約が入るごとにかかる送客手数料がコストとして発生します。
これらのコストとスマート支払い導入によるメリットを比較検討した上で、導入を判断しましょう。
ホットペッパービューティー以外での集客も検討したい場合は、下記の記事を参考にしてください。
2. AirIDの登録が必要
スマート支払いを利用するためには、「AirID」の登録が必要です。
AirIDとは、リクルートの業務・経営支援サービスのことです。各項目に必要事項を記載して登録するので、面倒な作業が苦手な人には煩わしさを感じるかもしれません。
3. 決済手数料がかかる
スマート支払いの利用には、決済手数料が発生します。すでにクレジットカード支払いを導入していた店舗であれば、さほど大きな違いはありませんが、現金のみの支払いに限定していた店舗であれば、利益がやや減少します。
上述したクレジットカードの各種決済手数料は以下のとおりです。
- Visa:3.24%
- Mastercard:3.24%
- JCB:3.74%
- American Express:3.24%
- Diners Club:3.74%
このように、3.24%~3.74%の決済手数料が発生することから、サロンの規模や現金中心のやりとりが多かったサロンでは、導入を迷う理由になる可能性があります。
※クレジットカードの決済手数料は、変更となる可能性もあるため、適用される手数料率については導入時にご確認ください。
スマート支払いを利用するお客様側のメリット

スマート支払いの導入は、店舗側だけではなくお客様にもメリットがあります。お客様にとっての利便性が高まることで、リピート率の向上にもつながる可能性があるでしょう。
ここでは、具体的なメリットについて紹介します。
利用方法が簡単
スマート支払いの利用方法はとてもシンプルで、予約時にお支払い方法で「スマート支払い」を選択し、クレジットカードの登録をするだけです。そして、会計時に「スマート支払いで」と伝えるだけで会計が完了します。
複雑な操作や専用アプリなどのダウンロードも必要ありません。
なお、ホットペッパービューティー自体の予約手順については、下記の記事で紹介しています。
施術後に会計が必要ない
スマート支払いを選択することで、施術後に財布やスマートフォンを取り出して支払いを行う必要がなく、金額の確認だけで会計が完了できます。
そのため、財布やスマートフォンを探してレジでもたつくこともなく、スムーズに退店できます。
同様のサービスがリザービアの「サロンペイ」でも可能
美容サロンなどの予約時に決済についての登録を済ませるサービスはほかにもあり、「リザービア」の「サロンペイ」もそのひとつです。事前に決済情報を登録しておいてもらうことで、スムーズな会計が実現できます。
また、リザービア自体がサロン業務の効率化に適した予約管理システムとなっており、ホットペッパービューティーなどのクーポンサイトやLINEなどとの連携も可能です。
複数の予約窓口からの予約を一元管理可能なため、ダブルブッキングなどの予約管理ミスを減らせる上、管理の手間やそこにかかる人件費の削減につながります。
お得なポイントが付与されることがある
ホットペッパービューティーでは、不定期にキャンペーンが実施されており、スマート支払いを利用すると通常より多くのポイントが付与されることがあります。
こうしたキャンペーンの情報は、お客様にとって来店の後押しとなることもあります。ポイント還元率が高いタイミングでの予約を促すなど、サロン側からも積極的にお知らせすると良いでしょう。
スマート支払いを利用するお客様側の注意点

スマート支払いについては、お客様に知っておいてもらうべき注意点もあります。
トラブルを避けるためにも、これらの注意点を事前にお客様へ周知しておくと良いでしょう。
利用できない店舗もある
スマート支払いはホットペッパービューティーに掲載されているすべてのサロンで利用できるわけではありません。
対応していない店舗も存在するため、お客様には予約前にホットペッパービューティーのサロンページで「スマート支払いOK」の表記があるかを確認してもらう必要があります。
スマート支払いをはじめとしたキャッシュレス決済の導入有無が、予約先選びの決め手となるケースもあるでしょう。そのため、現金以外の決済方法を導入している場合は、サロンページなどにしっかりと明記することをおすすめします。
支払い方法の変更が自分ではできない
スマート支払いから他の支払い方法に変更したい場合、お客様自身がホットペッパービューティーのシステム上で変更することはできません。支払い方法の変更は、店舗でスタッフに対応してもらう必要があります。
この点について、予約確認時などにお客様へ案内しておくとスムーズです。特に、当日になって支払い方法の変更を希望されるケースもあるため、スムーズに対応できるよう店舗側でもスタッフ間で手順を確認しておくなど、体制を整えておくと良いでしょう。
スマート支払いについてのよくある質問

スマート支払いについて、店舗側・お客様側の両方から寄せられることの多い質問と、その回答を紹介します。
スマート支払いの導入には費用がかかる?
スマート支払いの導入にあたって、必要な費用はありません。初期費用や利用料金も不要なので、いつでも気軽に導入できます。ただし先述したように、スマート支払いの利用にはリクルートが提供する業務・経営支援サービス「AirID」への登録が必要です。
スマート支払いでのキャンセル料金は?
スマート支払いでのキャンセル料金は、サロンが設定したキャンセル時の決まりに準じて、予約時に登録したクレジットカード会社へ請求する仕組みになっています。
キャンセル料が発生するケースについては以下のとおりです。
- キャンセル規定に抵触するキャンセル手続きが行われたとき
- キャンセル手続きが行われていないまま来店されなかったとき
なお、キャンセル規定の詳細については、予約受付完了メールまたはマイページ内の予約内容詳細画面で確認可能です。
引用元
ホットペッパービューティー|キャンセル料は発生しますか
スマート支払いから現地支払いに変更できる?
ホットペッパービューティー内で、スマート支払いから現地支払いへの変更はできません。この場合は予約したサロンへ連絡し、来店当日にサロンスタッフの決済操作から現地支払いに切り替えます。
引用元
ホットペッパービューティー|スマート支払いから現地支払いに変更したい
決済金額に上限はある?
エステなどをはじめとする美容サロンでのスマート支払いは、決済金額の上限が5万円となっています。そのため、5万円を超える施術を提供する場合は、お客様に事前に他の支払い方法を案内する必要があります。
スマート支払いの方が現金よりお得?
キャンペーンなどの開催により、スマート支払い限定のポイントが付与されることがあるため、お得になる可能性があります。
特にキャンペーン期間中は、通常よりも多くのポイントが還元されることがお客様の来店キッカケにもつながる可能性があります。情報を積極的に発信することで、集客やスマート支払いの利用促進につなげられるでしょう。
スマート支払いのみの導入は可能?
スマート支払いはホットペッパービューティーの予約に紐づくサービスのため、単体での利用はできません。スマート支払いを導入したい場合は、必ずホットペッパービューティーへの掲載が必要となります。
スマート支払いのデメリットも把握した上で導入を検討しよう

ホットペッパービューティーのスマート支払いは、無断キャンセルの抑止や会計業務の効率化といった多くのメリットがあります。
ただし、もし将来的にホットペッパービューティーへの掲載をやめる、あるいは集客の依存度を下げていきたいと考えている場合は、導入を慎重に検討することをおすすめします。
なぜなら、ホットペッパービューティーを経由していない予約には、スマート支払いも利用できないためです。
クーポンサイトの影響を受けずにオンライン決済を導入したい場合は、リザービアのサロンペイのような、自社予約システムに組み込まれたオンライン決済機能がおすすめです。
これにより、お客様の利便性を維持しつつ、予約管理と決済を自社でコントロールできるようになります。
スマート支払いのメリット・デメリットをしっかり把握し、自店のサロン運営に合ったシステムの導入を検討しましょう。




