さまざまなシーンで耳にする機会が増えた「サブスク」という言葉。最近では、美容院でサブスクを導入するところも増加しています。しかし、美容院のサブスクとはどのようなものなのでしょうか。
そこで、今回は美容院におけるサブスクのサービスに注目しました。内容やメリット、導入時に考えるべきこと、実際に導入している美容室の例などを紹介します。他店の取り組みも参考にしながら、興味を引かれたら導入を検討してみましょう。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
目次
美容院のサブスクとは
ここからは、「サブスク」という言葉の意味や、美容室とサブスクの関係性について解説します。
サブスクとは定額制・サブスクリプションのこと
そもそもサブスクという言葉の意味を知らない方もいるかもしれません。サブスクとは、「サブスクリプション(subscription)」の略称で、「定期購入」の意味があります。
もともと新聞や雑誌などの定期購読に使われていた言葉が広がり、定額料金を支払って商品やサービスを利用する際に使われるようになりました。
サブスクと定額制は同じ?
「サブスク」と似たような意味を持つ「定額制」という言葉があり、決まった金額を支払って利用できるということから、サブスクリプションと同じ意味で使用されることが多いです。
しかし、サブスクは「~~し放題」のようにユーザーのニーズをかなえる内容や料金システムを導入しており、定額制に比べ、より顧客満足度を意識したサービスを提供しているといえます。
美容院でも新サービスとしてサブスクを提供
動画配信サービスなどのデジタルコンテンツに使われることが多かったサブスクですが、近年は、美容院でも新しいサービスとしてサブスクを導入している店舗が出てきました。
「こまめにヘアメンテナンスをしたい」「デートや友達との食事の前にヘアスタイルを整えたい」という方などに向け、定額のサロンサービスを提供しています。
美容院のサブスクで提供されているサービス
ここからは、美容室のサブスクで提供されている主なサービスを紹介していきましょう。
シャンプー・ブロー・スタイリング
一つめは、シャンプー・ブロー・スタイリングです。1回あたりの施術時間は30〜60分、1ヶ月あたりの料金は6,000〜2万円程度のところが多いです。
「プロの手にゆだねたい」「自分でスタイリングをするのが苦手」という方にとって、気軽に利用しやすいサービスといえるでしょう。
ヘッドスパ・トリートメント
二つめは、ヘッドスパやトリートメントです。1回あたりの施術時間は60分前後、1ヶ月あたりの料金は5,500〜1万円程度のところが多く見受けられます。継続して受けることで常に美しい髪を保てるので、定額で定期的に通いたい方に人気のサブスクメニューです。
前髪のカット・リタッチカラー
三つめは、前髪のカット・リタッチカラーです。1回あたりの施術時間は最大90分程度、料金は、3ヶ月通い放題で8,900〜2万7,500円に設定されている美容室が多く見られます。
カラーリングのあとに頭頂部に新しい毛が生えてきて、いわゆる「プリン」の状態が気になる方も多いです。サブスクでリタッチを受けられれば、通常のリタッチより1回あたりの価格が安くなり、お得感を感じてもらえます。
全体的なヘアカット・カラーが対象のサービスも
部分的なヘアケアのサービスだけでなく、全体的なヘアカット・カラーが対象となるサブスクもあります。1回あたりの施術時間は2~4時間前後、1ヶ月あたりの料金は1~2万円程度に設定している美容室が多いです。
回数制限がなく好きなときに美容室に通える点が魅力です。サブスクの対象外のメニューをオプションで選べることもあります。
男性に向けたサブスクのサービス内容
ここで、男女別のサブスクのサービス内容例を見ていきます。
男性向けのサブスク対象のサービスは、刈り上げ、眉メンテナンス、顔剃り、ノーズワックスなどです。いくつかのコースがあり、内容や金額に差を設けているサロンもあります。
女性に向けたサブスクサービスの内容
一方、女性向けのサービスとしては、髪質改善、メンテナンスカット、ヘアアレンジ、ヘアスタイリングなどがあります。お試し価格で提供されているサービスもあり、試してみてよいと感じたら本契約に進むことも可能です。
美容院がサブスクを導入する6つのメリット
つづいて、美容院がサブスクを行う6つのメリットをお伝えします。
1. 新規顧客の獲得ができる
美容室のサブスクでは、提携店のなかから利用したい店舗を選ぶ、もしくは利用しやすいメニューが対象になっていることが多いです。そのため、これまで来店したことのなかった新規顧客を獲得できる可能性があります。
2. リピーターを増やせる
サブスクは定額料金を月々支払って利用する会員サービスのため、期間中は何度も来店してもらえる可能性が高いです。
すると、おのずとコミュニケーションを取る機会も増え、信頼関係も築かれていくため、気に入ってもらえればリピーターとしての定着も狙えます。
3. 美容室動向に注目している顧客を集客できる
サブスクを利用する顧客は美意識が高く、ヘアケアやヘアスタイルなどの美容業界の動向に関心を持っていると考えられます。サブスクによってそのような顧客を取り込めることから、単価の高い他のメニューにも興味を持ってもらいやすくなるのです。
4. 平日の空き時間を有効活用できる
平日の日中は、お客様の来店が比較的少なく空き時間になりやすいです。しかし、サブスクを取り入れると平日でも利用する人が増えるため、空きやすい時間帯を有効に活用できます。
5.利用者のデータが集まりやすくなる
お客様の利用頻度が高くなれば、サブスク導入前よりも短い期間で利用者のデータが集まりやすくなります。サブスク利用者層のニーズがわかると、さらに魅力的な店舗づくりや集客につなげることができるでしょう。
6.若手アシスタントの稼働や経験を増やせる
サブスクの内容は部分的なヘアケアなどサブメニューであることも多く、若手や経験の浅いスタッフに担当させれば、空き時間を減らして稼働率を高めることも可能です。
美容院のサブスクサービスを考えるときのポイント
ここでは、美容院がサブスクサービスの導入を考えるときのポイントを押さえましょう。
適正な価格設定にする
サブスクの料金設定が安すぎると、店の売上やサービスの質に悪影響を与えてしまいます。また、高くしすぎてもお客様から魅力を感じてもらいにくいです。
そのため、自店が損をせずお客様からも喜んでもらえるように、現在の顧客単価を把握して適切なサービスを提供できる価格設定を行うことが重要といえるでしょう。
お客様のニーズに応える柔軟なプランを用意する
お客様の要望や悩みに応えられるメニューを用意することも大切です。ターゲットや店舗の立地なども含めて、自店を利用するお客様のニーズをしっかり把握してから、サブスクの内容を決めましょう。
具体的には、月の利用回数に応じて複数のプランを設けたり、平日限定や特定のメニュー限定などの選択肢を用意したりする方法があります。
継続できるサービスと設定にする
サブスクの利用客の対応にも、通常の施術と同様にスタッフの手や材料費などが必要。そのため、人件費や設備、運用費なども考慮して、店舗側が継続的に提供できるかどうかもポイントです。
また、お客様側にとっても、継続できる価格であることや継続のメリットがあることが求められます。
物販にも力を入れる
サブスクを利用するお客様は、来店頻度が上がり、美容に対するモチベーションも高まった状態です。そこで、ニーズを適切に把握して、ホームケア用品などの店販商品を提案することにより、売上アップに期待できます。
安めのプランの場合は、備品などの有料オプションを用意する方法もおすすめです。
サブスクを展開している美容系サービス
ここでは、美容室のサブスクに関連したサービスを3つ取り上げます。
定額制特化のヘアサロンアプリ「MEZON(メゾン)」
「MEZON(メゾン)」は、シャンプーやヘアケア関連のサブスクを導入している美容院を集めたポータルサービスです。MEZONが提供するサブスクにより、1,000店舗以上ある提携サロンのなかから気になったお店を選んで利用することができます。
「シャンプー・スタイリング通い放題」や「定額チケットプラン」などのプランがあるほか、お試しで利用できるプランも用意されています。客層は身だしなみに気遣う30~40代の働く女性が多く、85%ものリピート率や90%もの平日利用率を誇ります。
定額制に対応している決済サービス「MySalonPay(マイサロンペイ)」
「MySalonPay(マイサロンペイ)」はリザービアが提供するサービスで、サロンカードに登録するクレジットカード情報によってスマホ決済を行えます。
サブスクのような定額制サービスの継続課金や、お客様の無断キャンセルによるキャンセル料の引き落としにも対応可能です。
5つのジャンルの美容サロン通い放題サービス「Viday」
Vidayは定額で美容サロンが通い放題になり、専用メニューを受けられるサービス。ジャンルは、美容室・ネイル・エステ・リラクゼーション・パーソナルジムの5つです。
月額料金は、3ジャンル19,800円、4ジャンル29,800円、5ジャンル39,800円(すべて税抜)で、新規は7日間の無料お試しができます。
サブスクを展開している美容室を紹介
つづいては、実際にサブスクを取り入れている美容室の例を紹介します。
ideal(アイディール)
ideal(アイディール)は、大阪市に2店舗を構える月額定額制美容室です。
5種類のコースが用意されており、クイックカットやヘッドスパのような軽度のサービスから、デザインカラーやパーマやヘアセットのような高度なサービスまで、定額料金を支払うことで自由に受けられます。
なお、サブスク対象外のメニューも通常料金を払えば利用することが可能です。
Attina(アティーナ)
Attina(アティーナ)は、東京と神奈川に展開する会員制美容室です。定額制のプランは5種類で、プレミアムプランでは全メニューをサブスクで何回でも利用できます。
はじめて利用する方のため、初回のサブスク利用ではお試し価格として20%OFFが適用され、通常よりさらにお得です。
Gentroom(ジェントルーム)
Gentroom(ジェントルーム)は、メンズのための月額会員制美容室です。サブスクのコースによってサービス内容が異なりますが、カット・シェービング・フェイシャルケアなどのメニューを通い放題で利用できます。
経営者・アスリート・コンサルタントなど、清潔感や好印象を求められる業種の男性から多く支持されています。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
サブスク導入に合わせて便利な予約システムも検討しよう
サブスクの導入にあたっては、美容院などのサロン向け予約システム「リザービア」の利用もおすすめです。おすすめする理由として、サブスクに関連するリザービアの便利な機能を紹介します。
チケットクーポンでオンライン回数券を発行
リザービアには「チケットクーポン」という機能があり、オンライン回数券の発行が可能です。紙の回数券に比べて用紙代や印刷費用などのコストを削減できる上、管理も自動で容易に行えます。
お客様もアプリから利用回数や期限などを確認でき、予約時にもかんたんに適用できるため、使い忘れを防げるでしょう。
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予約管理・集計で業務効率化
リザービアの予約台帳は、予約枠やスタッフの設定などを柔軟に設定でき、ネット予約の自動受付と管理が可能です。電話での予約を減らせるため、電話応対の負担が減り、施術にも集中しやすくなります。
どの媒体から予約されたかという予約経路や、使われたクーポンなどを集計できる機能も備わっているので、データを分析して戦略に活用しましょう。
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POSレジ連携でさらに詳細な売上分析
リザービアはPOSレジとの連携も可能。「A’staff Cloud Smart」と連携させることで、予約・会計・顧客情報を一括で管理することができるようになります。お客様に適切にDMを配信したり、売上を分析したりして、適切なサービス提供につなげられるでしょう。
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美容院でのサブスクサービスの導入を検討してみよう
美容室でサブスクを行うことで、新規顧客の獲得やリピーターの増加など集客につなげられるのは大きなメリットです。
なお、自店でサブスクを取り入れる際の価格設定やプラン内容などは、今の経営の状況や顧客のニーズも考えながらじっくり練る必要があります。今回紹介したサービスやサロンも参考にしながら、自店の状況に合わせてサブスクを取り入れてみましょう。
また、サブスクの導入にあたり、集客に関するサポートを受けたい方は、美容サロンに特化したサービスを提供している「リザービア」もおすすめです。ぜひ利用を検討してみてください。