エステサロンを新規で開業する場合、どんなことが必要なのでしょうか。開店までにやるべきことや、どの程度の費用がかかるかなど、開業を目指す人が事前に知っておきたいことを詳しく解説します。
また、経営がうまくいくためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
エステサロンの開業に必要な資格
エステサロンを開業するにあたっては、何らかの資格が必要だと思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、エステの開業では、必ず持っておかなければならない資格はありません。何も資格がない人が開業しても違法にはならないのです。
つまり、参入障壁が低いため、開業する人が多く競争率が激しい世界でもあります。
AJESTHE認定資格がおすすめ
資格は必須ではないといえど、持っていたほうがスキルの証明になり、お客様にも安心してもらえます。そこで、一般社団法人日本エステティック協会(AJESTHE)が認定するエステ資格を持っておくのがおすすめです。
ベーシックな「AJESTHE認定エステティシャン」、上位資格の「AJESTHE認定上級エステティシャン」、さらに上位の「AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー」などの資格があります。
所定のコースを学ぶ、もしくは実務経験を積み、試験に合格しなければならないなど、資格ごとに取得条件があるので、興味がある人はAJESTHEの公式サイトで確認してください。
エステサロンを開業するメリット
エステサロンの開業は、特定のサロンでエステティシャンとして働く場合や、他の業種で独立開業する場合に比べると、さまざまなメリットがあります。ここでは、サロン経営の主なメリットを5つご紹介します。
1.独立開業しやすい
同じ美容業界でも、美容院や理容室を開業するためには、国家資格である美容師免許や理容師が必要になるほか、管轄の保健所にて理容所・美容所開設届を提出することが必要です。
さらに、常時2人以上の理容師・美容師が従事する理容室や美容室を開設する場合は、管理理容師や管理美容師を置く必要があるなど、独立開業までにいくつかのハードルがあります。
一方、エステサロン経営の場合、開業にあたって特別な資格や届出は必要なく、個人事業主として管轄の税務署に「開業届」を提出すれば、エステサロンを開業することが可能です。
特別な資格や届出が必要な業種に比べると独立開業までのハードルが低いため、なるべく短期間で開業したい!というニーズにも対応できます。
2.初期費用を抑えて開業できる
レストラン・カフェなどの飲食業や、ホテル・旅館といった宿泊業の場合、専用の施設を設けなければならないため、土地や物件代、内装工事などに多額の資金が必要になります。
しかし、エステサロンの場合、個人サロンなら自宅の一部を改装して開業することもできるため、開業のための初期費用を大幅に削減できます。
高額なマシンなどの導入を避ければ、ローンを組まずに開業することも可能なので、月々の返済負担に悩まされずに済むところも大きな利点です。
3.自分で経営方針を決められる
サロンのコンセプトや理念、経営方針はサロンオーナーが決めるため、従業員として働いているうちは、自分の意志や気持ちを経営に反映させることができません。
エステサロンを開業すれば、サロンのコンセプトから経営方針、外装や内装のこだわりに至るまで、すべて自分の権限で決められるため、理想の環境で働くことができます。
4.ライフスタイルに合わせて働きやすい
個人サロンを開業する場合、営業スタイルや営業時間を自分で自由に決められるところも大きなメリットです。
特に子育てや介護を行っている方の場合、日中の大半を仕事に費やすのは難しいところですが、個人サロンなら自分の都合に合わせて営業できるので、ワークライフバランスを保ちながら生活することができます。
5.収入がアップする可能性がある
特定のサロンに属して働く場合、指名料などのインセンティブはあるものの、基本的には固定給で、収入はほぼ一定であることが多いです。
そこで、エステサロンを自分で開業すれば、がんばった分だけ自分の収益になるため、収入の大幅アップにも期待できます。
エステサロンの開業前にやるべき準備
エステサロンを開業するには、いろいろな事前準備が必要です。何をすればいいのかを確認し、準備を進めましょう。
開業届の提出
新しくエステサロンをオープンする場合、管轄の税務署に開業届を提出する必要があります。事業所得を正しく申告し、所得税を納めるためのものです。
詳細は下記のページで確認してください。
関連記事:エステサロンの開業時に届出は必要?記入方法や保健所への届出についても解説
保健所への届け出が必要なケースもある
エステサロンで提供するサービスの内容によっては、保健所への申請が必要なこともあります。美容師免許や鍼灸師のような国家資格が必要な施術を行う場合、首から上の部分の施術を行う場合などです。
詳しく知りたい人は、下記のページもあわせてご覧ください。
関連記事:エステサロンの開業時に保健所へ届け出るべき?必要なケースと手順を解説
事業計画書の作成
経営の基礎になる事業計画書を作成することも必要です。コンセプト・資金計画・収支計画などを具体的な文章や数字で表し、理想を具現化していきましょう。
事業計画書は融資を受けたり補助金や助成金の申請をしたりする際にも必要なので、しっかりと内容を練ることが大切です。事業の方向性が定まることで一貫性が出て、他店との差別化に役立ち、戦略も立てやすくなります。
物件探し
サロンを開業するための物件も探さなければなりません。立地・外観や内装・居抜きかどうかなど、予算との兼ね合いも考慮しつつ慎重に選ぶことが重要です。コンセプトやターゲットに合う物件であるかどうかもチェックしましょう。
なお、居抜き物件については、下記のページで詳しく解説しています。
関連記事:美容室の居抜きとスケルトンの違いとは? 居抜き物件のメリットと注意点|居抜き物件はどこで探せる?
エステの規模や状況によっては、新しく物件を獲得せず自宅の一部を改装してサロンとして利用するのも1つの方法です。ただし、賃貸住宅の場合、エステの営業ができるかどうかを物件のオーナーに確認しなければなりません。
立地は重要なポイント
出店する場所によって、集客のしやすさや家賃なども大きく異なります。
大都市では主要駅から近い、車での移動が多い地域ならアクセスしやすい・駐車場があるなど、立地がよいと集客に便利です。しかし、立地によって物件の賃料にも差があり、よい場所は高額になる傾向があります。
物件があるエリアの環境も考慮する必要があるので、競合がいるか、どのような特徴がある場所なのかなど、事前にきちんとリサーチしましょう。
資金調達
開業にかかる費用を自己資金だけでまかなえない場合、資金を調達しなければなりません。
どの程度の資金を用意すればいいのかは次の章で紹介しますが、たとえば日本政策金融公庫は、条件に該当すれば担保や保証人不要で融資を受けられるため、利用する人が多い方法の1つです。
また、政府や自治体などが用意している補助金や助成金の制度を活用するのもおすすめです。
営業準備
物件を契約したら、インフラ(電気・水道・インターネット等)の整備、内装工事、営業に必要な機器・道具・物品などの購入といったように、実際に店舗営業を行うために必要な準備をしていきましょう。
内容にもよりますが、工事などには数カ月かかることもあるので、余裕を持って準備を進めることが大切です。
集客も準備の一環
店舗内の準備と並行して、ホームページやSNS、チラシなどでサロンの開業を周知し、集客を行わなければなりません。必要に応じて、サロンのポータルサイトへの掲載や予約システムの導入も検討しましょう。
集客については、下記のページも参考にするとよいでしょう。
関連記事:エステサロンの開業に合わせて考えたい、集客のポイントや集客方法を紹介
エステサロンの開業にかかる費用
エステの開業時にはどのようなことにどの程度の費用がかかるのか、目安の金額を知りましょう。予算・資金計画にもかかわる重要な部分です。
初期費用|物件取得費・内装工事費など
まず、物件を借りる際に敷金礼金や仲介手数料などがかかります。敷金礼金は家賃の4~6カ月分とされているので、目安として、家賃10万円の物件の場合、初期費用が50万円前後必要です。
また、内装のリフォームは20坪で100~300万円程度かかると見ておきましょう。こだわればこだわるほど高額になります。
物品購入費|機械・備品など
エステで使用する機械の値段は、使うものによってピンからキリまでさまざまです。高いものだと数百万円かかります。
施術用ベッドはおおむね数万~数十万円です。さらに、インテリアを揃えたり、施術道具などの備品やタオル類などの消耗品を買ったりすると、合計数十万~百万単位の費用がかかると考えておきましょう。
広告費|ホームページ・チラシなど
ホームページの制作費やポータルサイトへの掲載料、チラシ作成費など、集客にもお金がかかります。目安は数十万~100万円ほどです。どうしても広告費にまで予算が回らない場合は、無料で使えるSNSなどで集客する方法もあります。
エステサロン開業で成功するためのポイント
つづいて、エステサロンの開業や経営でうまくいくためにはどうすればいいのか、ポイントを押さえましょう。
コンセプトやターゲットを明確化する
エステサロンの経営では、コンセプトやターゲットを決めることが重要です。
経営理念や方針などが具体的に定まり、どんな人をターゲットにしたいかを設定することによって、アプローチ方法などの戦略を立てやすく、特定の層を効率よく引き込むことができます。
物件選びの際にも役立つ大切な要素です。
競合他社との差別化に力を入れる
エステを開業するエリアに、すでに同業他店が存在する場合、差別化を図ることが必要です。同じサービスを提供しているだけでは、自店を選んでもらうことが難しくなります。
自店ならではの強みや魅力を持ち、ターゲットに対して自店のこだわりを存分にアピールしましょう。
なお、ただ奇抜なアイデアを取り入れるだけではターゲットの心をつかみづらいので、コンセプトをもとに実用的な内容を考えることも大事です。
接客スキルやコミュニケーション能力も重要
エステは接客サービス業のため、マナーをわきまえつつ、お客様が心地よく過ごせるような対応をしたり、コミュニケーションを取りながらニーズを引き出したりすることも大切です。
心のこもった接客はリピートや友達紹介にもつながる可能性があるので、行き届いたお客様対応を意識しましょう。
エステサロンの集客・予約には予約管理システムの導入もおすすめ
エステサロン経営を軌道に乗せるためには、サービスの入口であるサロン予約の利便性をアップすることが大切です。
関連記事:エステサロンが予約システムを導入する10のメリット!デメリットや選ぶポイントも紹介
そこで、ぜひ導入したいのがインターネットを活用した予約システムです。予約システムを導入すると、時間や場所を問わず、スマホやPCなどを利用してオンラインで予約できるようになるため、お客様が「サロンに行きたい!」と思ったタイミングを逃さずに集客できます。
美容サロンの予約管理に特化したシステム「リザービア」の特徴
全国4,500店舗以上で利用されている予約システム「リザービア」ではなら、GoogleやInstagramからの予約、LINE連携予約に対応しており、効率的な新規顧客の集客およびリピーター増加をサポートします。
Googleの検索結果やInstagramから直接予約できるため、近場で新しいサロンを探している方や、Instagramの画像に興味を持った方をダイレクトに予約へつなげることが可能です。
また、LINE連携オプションを導入し、サロンのLINE公式アカウントを友達登録してもらえば、LINEのトーク画面から予約を入れてもらうこともできます。
お客様がいつも利用しているLINEから予約できるようになるので、リピートの促進にも役立てられるでしょう。
リザービアではほかにも、顧客情報を一元管理したり、予約データを自動的に集計してチャネルごとの予約比率やクーポン出数をチェックしたりと、さまざまな機能が搭載されており、予約業務にかかる手間と時間の削減に期待できます。
エステサロン経営をお考えの方は、ぜひリザービアの導入をご検討ください。
エステサロン開業には資格は不要だがやるべきことがたくさん!漏れなく整えよう
エステサロンでは、資格がなくても開業はできますが、オープン前にしなければならない準備事項が多いです。時間や費用もかかるので、エステサロンのオーナーになりたいなら、今回の内容を参考にしながら着々と準備を進め、人気店を目指して施策を行いましょう。
また、エステサロンの新規開業の際には、集客にも役立つ予約システム、リザービアの導入もおすすめです。GoogleやSNSなどと連携して予約を管理することができ、業務負担の軽減にも役立ちます。