トレーナーとして活躍されている方やスポーツが得意な方のなかには、いつかジムを開業したいと考えていらっしゃる方もいるでしょう。しかし開業資金や集客に不安を感じて、なかなか踏み出せずにいるかもしれません。
筋トレやダイエットだけでなく、健康維持にジムを利用する方も増えており、ジムの需要は高まっています。この記事では、ジムを開業することにメリットはあるのか、どうやって開業すればいいのか、必要な資金や成功のポイントなどを詳しく解説しますので、参考にしてください。
本記事は起業コンサルタント®であり、V-Spiritsグループ創業者でもある中野 裕哲様に監修いただきました。ぜひご参考にしてください!
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目次
ジムを開業する方法とは? ジムの種類を選ぼう
ジムを開業すると一口にいっても、ジム自体にさまざまな種類やスタイルがあり、開業方法もひとつではありません。
まずは、ジムの種類と開業の方法を紹介します。
ジムの種類にはどんなものがあるの?
はじめに、主なジムの種類について確認していきましょう。
パーソナルジム
パーソナルジムは、専属のトレーナーがマンツーマンでトレーニングを指導するスタイルのジムです。お客様ひとりひとりに合わせたメニューでしっかりサポートするため、近年人気が高まっています。
マシンを何台もそろえる必要がないため小スペースで開業でき、単価を高く設定できるのがメリットです。
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フィットネスジム
フィットネスジムは、筋トレや健康維持、ダイエットなどさまざまな目的で来られる方が、自由に利用できるスタイルのジムです。トレーニングに必要な道具がひととおりそろっており、プールやスタジオなどの施設もあるのが特徴。
サポートを希望されるお客様のためにトレーナーが常駐していることも多く、初心者や高齢者、本格的なトレーニーなど、ターゲットを広く設定できるのがメリットといえるでしょう。
スポーツジム
スポーツジムは、主に筋肉トレーニングをすることが目的の方にターゲットを絞ったジムです。トレーナーが指導したりサポートすることはないため、パーソナルジムに比べて会費は安く設定されます。
同時に複数人がトレーニングをするため、ランニングマシンなどは数台揃えなければならず、広いスペースが必要で、初期費用のコストは高くなります。一方で、最近では小規模なジムも増えており、ビルの一室などで開業することもできます。
公益ジム
市民体育館に併設されていることも多い公益ジムは、市民の健康維持のために行政によって運営されているもので、一回数百円で利用できることも多いです。
公共の施設なので営業時間が限定されていたり、マシンの種類も豊富にそろっていなかったりと、利用者にとって不便な一面もあります。
ジムを開業する2つの方法とは?
個人で起業するか、フランチャイズに加盟するか。ジムの開業方法には2つのパターンがあります。
1. 個人で起業する
昨今ではマンションの一室を利用した小規模なジムやパーソナルジムなど、大型のマシンを何台も揃える必要がない運営スタイルもあるため、個人でジムを開業するハードルは低くなったといえるでしょう。
とはいえ、物件やマシンを準備し、集客を個人で行わなければならないため、開業にはスキルと資金が必要です。
2. フランチャイズに加盟する
フランチャイズに加盟して開業する場合、オープン当初からネームバリューの恩恵を受けることができます。成功実績のある運営のノウハウを活用して、本部からのサポートも得ることができるのがメリットです。
一方で、売上が少なくても一定のロイヤリティを支払う必要があることや、ジムの内装やブランディングに個性が出せないといったことをデメリットに感じることもあるでしょう。
ジムを開業するメリットとは?
健康意識の高まりや筋トレでボディメイクをする女性が増えたことから、ジム経営の今後のニーズは高まっていくと考えられます。
ここでは、ジム開業で得られる3つのメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
1. 健康志向の上昇で需要が高い
継続的な運動による健康維持の重要性について、国や自治体、WHOなどさまざまな機関が呼びかけています。健康維持のための定期的な運動習慣は、体力維持や生活習慣病の予防だけでなく、メンタルヘルスの改善にも効果的であることは、今や世界の常識です。
そのため、健康に関心のある方や生活の質の向上を目指す方などが増え、ジムの需要は高まっています。ジムを利用する方の目的も多様化しているため、集客の幅も広がると考えられるでしょう。
引用元
厚生労働省|健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023(案)
健康のための身体活動に関する国際勧告(WHO)日本語版
2. 安定した収入が見込める
ジムは基本的に月会費や年会費などの会費制が多いです。一度契約すると、そのまま利用してくださるお客様が多いことから、毎月一定の収入が見込めます。
ある程度の会員数があれば、毎月新規集客に奔走しなくとも安定した収入が得られるのは、ジム経営の大きなメリットです。
3. 利益率が高い
ジムでは、仕入れをしたり在庫を抱えたりすることがほとんどありません。マシンや設備をそろえれば、ランニングコストは家賃や水道光熱費、人件費、広告費、システム費だけです。
マシンのメンテナンスは必要ですが、売れる保証のない商品を大量に仕入れたり不良在庫を抱えたりする必要はない点は大きなメリットといえるでしょう。
ジム開業までの流れを紹介
スムーズにジムを開業し、早く軌道に乗せるためにも、開業までに必要なことをぬかりなく実行する必要があります。ジム開業までの流れは、以下の順番を意識して進めましょう。
- コンセプトを決める
- 物件を探し、契約する
- 資金計画を立て資金調達をする
- 内装工事の打合せ、施工をする
- マーケティング戦略を練る
- トレーニングマシーンの選定・調達をする
- 予約システムの選定・契約をする
- 広告宣伝をする
- 開業
コンセプトはジムの特色や揃えるマシーンの種類、マーケティングや内装など、さまざまなことを決めるために重要です。資金調達は金融機関から融資を受けたり、利用できる補助金や助成金を調べたりしておきましょう。
このほか、消防署などへの届出が必要な場合があります。申請や届出はジムの建物規模や設備などによっても変わってくるため、ジムの内容にあわせて調べる必要があります。
ジム開業にはどれくらいの資金が必要なの?
ジム開業のためには資金が必要です。ここからは、準備するべき自己資金や資金調達に利用できる融資・補助金について紹介していきます。
開業資金はどれくらい必要?
開業資金はジムの種類や規模によっても大きな差がでます。パーソナルジムなど小規模なものだと300~500万円ほど、スポーツジムやレンタルジムで500~1,000万円ほど、大型のスポーツジムやフィットネスジムの場合2,000万円~が相場です。
費用の内訳をみていきましょう。
初期費用|イニシャルコスト
初期費用として必要な主な項目は、以下のとおりです。
- 物件取得費
- 内装工事費
- マシーン調達費
- システム契約費
- 広告宣伝費 など
物件取得費や内装工事費は、物件の広さによって左右されます。パーソナルジムをマンションの一室を借りて開業する場合などは、80~200万円程度で済みますが、大型のジムの場合、内装費用だけで800~3,000万円を見ておかなければなりません。
また、運営に必要な有料のロッカー・防犯セキュリティ・Wi-Fiなどの導入費用も必要です。
運営費用|ランニングコスト
オープンしてから毎月必要になる費用には、主に以下のようなものがあります。
- 家賃
- 水道光熱費
- マシンのメンテナンス費用
- システム手数料
- 人件費
- 保険料 など
なかでも人件費の比重は高くなりがちです。上記で挙げた以外にも、消耗品費や契約しているサービスごとに使用料がかかることも計算に入れておきましょう。
資金調達の方法は?
資金調達にはいくつかの方法がありますが、ここでは、「自分で貯める」「融資を受ける」「補助金を利用する」の3つの方法を紹介します。
1. 自己資金
自己資金は準備しておくに越したことはありません。自己資金が多ければ、その分借入をする金額を減らすことができるため、リスクを少なくすることができます。
一方で、自分ひとりの力で大金を準備するのは容易ではなく、働きながらコツコツ貯めていくにも時間がかかるのがデメリットです。
2. 融資
金融機関からの融資を受ける方法も選択肢のひとつです。なかでも、銀行や信用金庫よりも融資実行までが早い日本政策金融公庫の「新規開業資金」がおすすめです。
日本政策金融公庫は、国が出資する金融機関であり、民間の金融機関を補完する役割を担っています。無担保・無保証人で融資を受けることもできるため、積極的に活用していきましょう。
3. 補助金
補助金も資金調達の選択肢のひとつです。補助金の性質上、補助金審査が採択されてもお金は入らず、先に自己資金で支払いをする必要があるため、開業資金に対して直接利用することはできません。
ただし、開業後の宣伝広告費などに利用できる補助金もあるため、チェックしておくべきでしょう。
ジム開業を成功させる7つのポイントとは?
ジムを開業するまでには、物件の選定や機材の調達などのほかにも、多くのことを決めなければなりません。また、経営を成功させるための工夫や努力も必要です。
ここでは、ジム経営を成功させるためのポイントを紹介しますので、参考にしてください。
1. ターゲットを明確にする
まず明確にしておかなければならないのがターゲットです。ターゲットの選定が曖昧では、顧客のニーズをしっかりつかむことができず、機材の選定やサービス内容にズレが生じてしまいます。どんな客層に来て欲しいのかを明確にしておきましょう。
2. リサーチを徹底する
上記で明確にしたターゲット像をもとに、徹底したリサーチも必要です。ターゲット層に需要が高い立地を選ぶ、ターゲット層が好むマシンを導入するなど、ジムの特色や売りにするサービスを決定するためにも役立ちます。
立地を選ぶ際は、なるべくアクセスのいい人通りが多い場所を選び、近くに競合店がないかもチェックしましょう。
3. 綿密な事業計画を立てる
開業にあたって事業計画書を作成する必要がありますが、自分の理想やぼんやりしたビジョンだけでなく、しっかりと計画を立てることが重要です。自分の理想やアイデアは大切ですが、実現可能なものかどうかを精査しなければなりません。
また事業計画書は、融資を受ける際にも必ず必要になるもので、きちんと根拠を示し実現できる内容でなければ、融資を断られることもあり得ます。
4. 適切な価格設定をする
ジムの運営では、開業時の借入の返済やランニングコストに加え、利益を出さなければなりません。しかし会費を高く設定すればいいというものではなく、集客できる適切な価格にすることも大切です。
競合店の会費をチェックし、必要なコストや売上目標のための価格設定を考えましょう。
5. 開業・運営に必要な手続きを忘れない
ジムは、物件や設備だけでは開業できません。法人設立や開業届など必要な手続きを忘れないようにしておく必要があります。
たとえば電気や水道は、申し込んですぐに使用できるものではないため、事前の申し込みと立ち合いが必要です。また予約システムを利用する場合、契約して実際に運用するまでの期間もあらかじめ見積もっておきましょう。
6. 自身のスキルを磨く
ジム開業には特に資格は必要ありませんが、顧客が安心して選べるような資格を保有していると信頼を得やすくなり、集客にも活かせる可能性があります。
パーソナルジムの場合は特に、トレーナーとしての実績や他のパーソナルジムとの差別化要因がないと集客に苦労するかもしれません。開業までにしっかりとスキルを磨いておくことも大切です。
7. 集客の仕組みを作る
集客に関しては開業前から種まきをして、いいスタートがきれるようにすることが大切です。集客の仕組み作りは開業前から計画的に行いましょう。大きなコストを払わずに集客をスムーズにするには、予約システムの導入とWebやSNSを活用するのがおすすめです。
予約システムの導入
ジムの予約に予約システムは欠かせません。ジムへ行くのは休日や仕事終わりのタイミングなど、空いた時間を利用することが多いです。予約方法が面倒くさいと、思い立ったときにすぐに予約できないため、機会損失を招いてしまいます。
小規模なジムやパーソナルジムの場合、ダブルブッキングを避けるためスケジュール管理や設備管理も必要です。それらを接客しながら完璧に行うのは難しいですが、ダブルブッキングは顧客の信用を失うことにもなりかねません。
そういった困りごとは予約システムで解決できます。予約システムがあれば、いつでも予約を自動で受付可能です。
Web・SNSでの集客|ホームページやLINEなど
集客にはさまざまな方法がありますが、無料または低コストで利用できるインターネットを使った手法がおすすめです。
ホームページやLINE公式アカウントを作成し予約導線を作る、Googleビジネスプロフィールに登録する、Instagramで発信するなどの方法があります。どれも無料で済むため、積極的に活用していきましょう。
予約システム「リザービア」は集客機能も充実!
ジムで導入する予約システムには、WebやSNSとの連携機能が豊富なリザービアがおすすめです。GoogleやSNS、ポータルサイトでの集客を強力にサポートする機能が豊富にそろっています。ここでは、ジムの運営に便利な3つの機能を紹介しましょう。
Googleで予約|Googleビジネスプロフィール
自宅や職場近くのジムを探している顧客が利用する可能性が高い、Googleのマップ検索。Googleビジネスプロフィールに登録しているジムの情報は、この検索結果のトップに「お店やサービス」として表示されます。
ここにはお店の名前や住所・営業時間などのほか、「ルート」「ウェブサイト」などのアイコンボタンがあり、予約システムと連携することで、「予約」アイコンボタンを表示させることが可能です。ジムを検索した顧客を、そのまま予約へと誘導することができます。
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LINE連携予約
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LINEと連携して予約を受け付けるだけでなく、LINE公式アカウントやミニアプリのクーポン機能、リマインダーを利用し、リピーターの囲い込みに活用することもできます。
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BMS|予約の一元化
ジムの集客にポータルサイトを利用することも多いかもしれません。ポータルサイトもいくつかあるため、複数のポータルサイトに登録することもあるでしょう。
そういったあちこちから入る予約を一元管理するにはリザービアの機能が便利です。ホームページ・Instagram・Google・LINE・ポータルサイトとすべての予約を一元管理し、設備を含めたダブルブッキング防止にも役立ちます。
予約管理のミスを防ぎ、予約業務にとられる労力を最小限にすることが可能です。
まずは資料をご覧ください
リザービアは開業時からの導入がおすすめです!
ジム開業には、ビルの一室を利用した小規模なものからさまざまな施設を備えた大型のものまで、いくつかのタイプがあります。パーソナルジムなら一人でのスモールスタートが可能で、開業資金も比較的抑えることができるでしょう。
顧客の利便性とジムの業務効率化の両方が叶う、予約システムの利用は欠かせません。リザービアには、ここで紹介した以外に運営をサポートするさまざまな機能が搭載されているので、ジムでの利用におすすめです。興味のある方は、資料を請求してみてください。