現在美容サロンを経営・運営されている方の中には、新たな事業展開として、よもぎ蒸しメニューの追加や、新たなサロンの開業を検討されている方もいるのではないでしょうか。
女性の健康に特化したサービスとして注目を集めているよもぎ蒸しは、既存のサロンメニューに追加することで、さらなる顧客満足度の向上が期待できます。しかし、実際に導入を考える際、必要な資格や設備について疑問を持つ経営者の方も多いことでしょう。
この記事では、サロン経営者の視点から、よもぎ蒸し導入のメリット・必要な設備・手続きなどについて詳しく解説します。既存のサロンビジネスを拡大し、新たな顧客層を開拓する機会として、よもぎ蒸しサロンの可能性を探りましょう。
よもぎ蒸しサロン – 予約システム活用事例
目次
よもぎ蒸しとは?
よもぎ蒸しは、韓国発祥の民間療法です。
専用の椅子の下によもぎを煎じた鍋を置き、下着を外した状態で専用のガウンを身につけ、その椅子に座ります。ガウンの中によもぎを煎じた蒸気が満たされ、体が芯から温まります。
体を温めることから冷え性の改善、汗をかくことによるデトックス、下腹部を温めることによる生理痛やPMSの緩和、そしてよもぎの香りによるストレスの軽減などの作用が期待できます。
よもぎ蒸しサロン開業のメリット
数あるサロン開業のなかでも、よもぎ蒸しサロンを選んで開業するメリットを3つ紹介します。
特別な資格を必要としない
よもぎ蒸しサロンを開業するにあたり、特別な資格は必要としません。エステティシャンのように技術を必要とすることもないため、極端な言い方ですが、設備さえ整えれば誰でもよもぎ蒸しサロンの開業は可能です。
ただし、サロンを開業するためには、サロン経営や集客に関する知識は欠かせません。また、よもぎ蒸しは体質などによっては避けた方がいい人もいます。どんな人にはおすすめしないのかなど、きちんと説明できる知識を身につけましょう。
施術時間が有効に活用できる
よもぎ蒸し中は、自分の手で直接施術を行うわけではないため、その場を離れることができます。そのため、お客様がよもぎ蒸しをしている間、他の仕事を進めるなど、時間を有効に活用することも可能です。
よもぎ蒸しのセットを複数用意している場合は、時間差で他のお客様の接客もできます。
ただし、お客様から温度調節などの声がかかることもあるため、完全に手が離れるとは言い難いでしょう。
施術にスペースをとらない
マッサージベッドやエステマシンのような大きな設備も必要としないため、あまり広くない部屋でも開業できます。
よもぎ蒸し用の椅子を置けるスペースと、着替えのための場所さえ確保できれば問題ありません。
よもぎ蒸しが儲かると言われている4つの理由
よもぎ蒸しの導入や新たなサロン開業を検討している方にとって、収益性は重要な点のひとつ。よもぎ蒸しが儲かるとされる背景には、複数の要因が存在します。ここでは、よもぎ蒸しビジネスが収益性の高い選択肢として注目されている、4つの主な理由について詳しく見ていきましょう。
1.需要が高まり市場が拡大している
フェムケアへの関心と需要の高まりは、よもぎ蒸し市場の拡大に大きく寄与しています。「フェムケア」とは、「Feminine(女性の)」と「Care(ケア)」を組み合わせた言葉で、女性特有の体の悩みやエイジングの問題に対するケアを指します。
女性のライフスタイルの変化や健康意識の向上に伴い、フェムケア市場は年々拡大しており、今後もさらなる成長が見られるでしょう。
特に、女性ホルモンのリズムによる体調の変化や、人には相談しにくい悩みに対するケアの需要が高まっています。また、近年のサウナブームによって温活の認知度が広がり、それに伴い「よもぎ蒸し」も広く知られるようになってきました。よもぎ蒸しの認知が広がるとともに、こういった悩みに対する解決策として注目を集めています。
矢野経済研究所のデータによると、フェムケア市場は今後も拡大傾向にあると見られ、よもぎ蒸しサロンにとっては追い風となるでしょう。この市場拡大は、新規顧客の獲得や既存顧客の利用頻度増加につながり、よもぎ蒸しサロンの収益性向上に直接的に寄与すると考えられます。
引用元
矢野経済研究所|フェムケア&フェムテック(消費財・サービス)市場に関する調査を実施(2024年)
一般社団法人よもぎ温熱セラピー協会|[市場調査]女性特有の体の悩みに関する調査(2022年度)
2. 他店との差別化になる
よもぎ蒸しの導入は、競合他店との差別化を図る機会です。美容や健康関連のサービス業界は競争が激しく、独自性を打ち出すことが成功の鍵となります。よもぎ蒸しを新たなメニューとして追加することで、サロンの魅力を高め、競合他社との明確な違いを生み出すことができるでしょう。
たとえば、古くから女性の健康に良いとされてきたよもぎの効能を、最新の設備と快適な空間で提供することで、他のサロンにはない独自の価値を創出できます。また、よもぎ蒸しを中心に関連するボディケアやスキンケアのメニューを組み合わせることで、総合的なフェムケアサービスを提供する特色あるサロンというブランディングも可能です。
このような差別化戦略は、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の満足度向上にも寄与し、結果として安定した収益基盤の構築につながるでしょう。
3.客単価の増加につながる
サロンの客単価を増加させる効果にも、期待ができます。新たなメニューを追加して顧客に対してより多くの選択肢を提供することで、一回の来店で受けるサービスの幅が広がるでしょう。これは、直接的に客単価の上昇につながる可能性があります。
また、よもぎ蒸しの特性を活かすことで、施術時間を有効に活用できるというメリットもあります。たとえば、顧客がよもぎ蒸しに浸っている時間は、スタッフは他の作業や準備にあてることが可能です。
さらに、よもぎ蒸しは他のトリートメントとの相性が良く、組み合わせメニューを提案しやすいという特徴も。よもぎ蒸しの後に、ボディマッサージやフェイシャルケアを行うことでより高い効果を期待できるため、顧客に追加のサービスを勧めやすくなるでしょう。
4.導入コストの負担が小さい
多くの美容関連設備とは異なり、よもぎ蒸しに必要な機器は比較的シンプルで、大規模な機器や設備を必要としません。基本的には、よもぎ蒸し専用の椅子やテント、蒸気を発生させる機器などが主な設備です。
また、よもぎ蒸しの導入には大きな工事も必要ありません。既存のサロンスペース内に空きスペースさえあれば、比較的容易に設置することができます。新規開業の場合でも既存サロンへの追加の場合でも、初期投資を抑えられるという大きなメリットとなるでしょう。
さらに、よもぎ蒸しに使用する材料も比較的安価で入手しやすく、ランニングコストも抑えやすいという特徴があります。
よもぎ蒸しサロンの開業に必要なもの
まずはよもぎ蒸しを行うために以下の5点が必要です。
- よもぎ蒸し専用の座椅子
- よもぎの蒸気を逃がさないためのマント
- よもぎを煎じるための鍋
- 鍋を加熱するための電気コンロ
- よもぎ蒸しパック(または乾燥よもぎ)
その他、施術前後で必要になる下記のものも用意しましょう。
- スリッパ
- 汗拭きタオル
- カウンセリングする際の椅子やテーブル
- 着替えを入れておくためのカゴやロッカー
- 鏡やヘアドライヤー など
また、予約や売上の管理用のタブレットまたはパソコン、そして決済手段に合わせたレジも必要になります。
開業費用の目安
よもぎ蒸しサロンの開業費用は、開業場所をどこにするかによって大幅に変わります。
ここでは、テナントを借りるためなど場所の確保以外の初期費用と、ランニングコストについて解説します。
初期費用
よもぎ蒸しサロンを開業するにあたっては、まずサロンの開業に必要な備品を揃えなければなりません。
- タブレットまたはパソコン
- レジ
- ホットキャビ(タオルウォーマー)
- ワゴンもしくは棚
- ロッカーや荷物かご
- スリッパ
- メイク直し用のドレッサーまたは鏡
- (更衣室と施術室が別の場合)ガウン など
ワゴンや棚などは、よもぎ蒸し中に読める雑誌や、水分補給用の飲み物などの置き場所として、用意があると親切かもしれません。よもぎ蒸しパックのストック置き場や、タオルやガウンの置き場所としても必要となるでしょう。
また、物ではありませんが、インターネット環境や予約受付用の電話など、通信環境も整えておきましょう。
そしてよもぎ蒸しを提供するために用意が必要なものが下記となります。
- 専用の座椅子
- マント
- 鍋
- 電気コンロ
- よもぎ蒸しパック(または乾燥よもぎ)
それぞれ単品で買うこともできますし、これらが一式揃ったセットでも販売されています。
この一式を揃える際に、値段を左右するのが座椅子の材質です。
よもぎ蒸し専用の座椅子は、黄土製・木製・プラスチック製の3種類あり、特徴も値段も異なります。座椅子の素材別の特徴とセット価格の目安は下記の通りです。
ランニングコスト
よもぎ蒸しサロンを営業するなかで、消耗品として購入が必要なものが下記となります。
- よもぎ蒸しパック
- マント
- フェイスタオルやバスタオル
- (更衣室と施術室が別の場合)ガウン
煎じるよもぎは、乾燥よもぎやパックに詰められたもの、よもぎ以外のハーブもブレンドされたものなどさまざまです。産地や原料によって値段も異なり、どこから仕入れるかによっても変わってきます。目安としては1回分500〜1,000円ほどです。
マントやタオルはお客様ごとに洗い替えが必要となるため、その分、枚数も必要です。1日にどのくらいのお客様を見込んでいるか、座椅子は何台置いているかなどに合わせて検討しましょう。
また、マントは材質や形状によって価格の幅も広いため、予算とのバランスもみて選ぶ必要があります。価格は1枚2,000円程のお手頃なものから、20,000円近くする高級なものなどさまざまです。
マントもタオルも直接肌に触れるため、傷んでいたり古くなっていると、お客様に不潔な印象を与えかねません。定期的にチェックし、必要に応じて買い換えるようにしましょう。
このほか、通信費や水道光熱費、そして利用がある場合はシステム手数料や広告費なども毎月かかります。
よもぎ蒸しサロンの開業に必要な手続き
よもぎサロンの開業について、必要な手続きを紹介します。
従業員を雇ったり、法人として事業を始める場合には、ここで紹介する以外にも「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出などの手続きが必要になります。
今回紹介する内容は、個人で始める場合を想定した手続きです。
「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出
新たに事業を開始する場合、事業開始日から1ヶ月以内に「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署に提出する必要があります。
書面を税務署へ持参または送付して提出できるほか、e-Taxを利用しオンラインで提出することも可能です。
「青色申告承認申請書」の提出
確定申告で青色申告を行う場合、青色申告承認申請手続きが必要です。新規事業開始の場合は、開始から2ヶ月以内に申請しましょう。
青色申告には、「最大65万円の特別控除が受けられる」「赤字を翌年以降に繰り越せる」といったメリットがあります。
引用元
国税庁|はじめてみませんか? – 青 色 申 告
国税庁|所得税の青色申告承認申請手続
「公衆浴場の許可」を保健所に確認
公衆浴場の営業を行うためには、下記に定められている通り許可を受ける必要があります。
業として公衆浴場を経営するものは、都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)の許可を受ける必要がある。
引用元
厚生労働省:公衆浴場法概要
しかし、よもぎ蒸しサロンが公衆浴場に該当するかどうかは、地域によって判断が異なります。都道府県のホームページに申請が必要である旨を明記している場合もありますが、開業前に開業場所の管轄となる保健所に、許可を得る必要があるか確認しておきましょう。
よもぎ蒸しサロン開業に失敗する要因と対応
よもぎ蒸しはフェムケア市場の拡大と共に注目を集めていますが、失敗してしまうサロンもあります。ここからは、よもぎ蒸しサロンが失敗に陥りやすい要因とその対策について見ていきましょう。
失敗の要因を理解し、適切な対応策を講じることで、サロン経営の成功確率を高めることができます。
1. 差別化ができていない
多くの場合、近隣の大手チェーンやよもぎ蒸し専門サロンとの差別化ができておらず、顧客を獲得できず、苦戦してしまいます。この課題に対応するためには、独自の付加価値を創出し、顧客に選ばれる理由を明確にする必要があります。
たとえば、アフターフォローを手厚くすることで、顧客との信頼関係を構築し、リピート率を高めることができるでしょう。
また、よもぎ蒸しと他のメニューを組み合わせた独自のトリートメントプランを開発し、総合的な美容効果をアピールすることも差別化の一つの方法です。
さらに、よもぎ蒸しの効果を最大限に引き出すための独自の技術や、特別な設備を導入することもよいでしょう。たとえば、よもぎの品質にこだわり、有機栽培のよもぎを使用することや、蒸気の温度や湿度を細かく制御できる最新の設備を導入することで、他店にはない付加価値を提供できるかもしれません。
2.メニュー価格が安すぎる
よもぎ蒸しに限らず、美容サロンの経営において、適切な価格設定は非常に重要です。多くのサロンが陥りがちな失敗は、顧客を獲得するために価格を必要以上に低く設定してしまうことです。すると、売上があったとしても十分な利益を確保できず、長期的な経営の安定性を損なう結果となってしまいます。
適切な価格設定をするためには、徹底的な市場調査が不可欠です。競合他社の価格帯や地域の経済状況など、総合的に分析する必要があります。たとえば、セルフキュアの調査によると、よもぎ蒸しサロンの料金相場は4,000円前後であり、多くの顧客が3,000円から4,000円の範囲で支払いを検討していることがわかっています。
3.効果を実感しにくくリピーターを獲得できない
よもぎ蒸しは即効性のあるものではなく、継続的な利用によって効果が現れるサービスです。そのため、顧客が効果を実感しにくく、リピートに結びつかないという問題もあります。
これには、よもぎ蒸しの効果や必要な期間について、正確な知識を持ち、顧客に適切に説明することが重要です。
よもぎに含まれる成分の作用や蒸気による体温上昇がもたらす代謝促進効果などについて、わかりやすく説明できるよう、スタッフ全員が十分な知識を持っておきましょう。また、効果が現れるまでの一般的な期間や、個人差があることなど、事前に顧客に伝えておくことも大切です。
また、効果を可視化する工夫も重要です。肌の状態などを記録し、変化を数値やグラフで示すことで、顧客に効果を実感してもらいやすくなるでしょう。
よもぎ蒸しサロンの集客や予約管理にはリザービアがおすすめ
よもぎ蒸しサロンを開業しただけでは、お客様を呼び込むことはできません。集客にはチラシの作成・配布やSNSの活用などもありますが、予約システム「リザービア」を合わせて活用することで、集客を後押しすることが可能です。
リザービアには予約管理や顧客管理などさまざまな機能がありますが、そのなかでも特に集客に役立つ2つの機能を紹介します。
LINE連携予約
LINE連携予約であれば、LINE内で予約が完結するうえ、トーク画面に予約内容が表示されます。また、リマインドのメッセージ送信やLINE予約限定のクーポンなども発行も可能です。
実際に、LINE連携予約を活用し、集客に効果をあげられているよもぎ蒸し専門店もあります。
そのうちのひとつ、よもぎ蒸し専門店「美肌よもぎ蒸し もう蒸されずにはいられない。」のI様は、リザービアを選んだ一番の理由について次のように語っています。
リザービアのLINE連携機能が一番魅力的でした。
当店に訪れていただいたお客様には、自店のLINEを登録してもらいたいと考えており、初回に来店されたお客様にはLINEへの友だち登録を積極的におすすめしています。
お客様にLINEを登録してもらうことで、当店の接触機会が増え、お客様に身近に思い出していただけるようになりました。
引用元
クーポン
クーポンの利用可能な対象をリピーター限定にしたり、利用可能な曜日や時間を限定したりするなど、対象を絞ってのクーポン発行が可能です。再来店のきっかけや、来店の少ない時間に限定した集客などにも役立てられます。
また、「友達紹介クーポン」の発行も可能となっており、既存のお客様から新規のお客様の集客にもつながる可能性があります。
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よもぎ蒸しサロン – 予約システム活用事例
まずは資料をご覧ください
計画的な準備で、よもぎ蒸しサロンの開業を成功させよう
よもぎ蒸しの導入やサロンの開業は、新たなビジネス展開の魅力的な選択肢となりえます。よもぎ蒸しは特別な資格や技術を必要としないため、既存のサロン事業に比較的容易に追加できるサービスと言えるでしょう。
しかし、成功を収めるためには、よもぎ蒸しに関する専門知識や、このサービスに特化した経営戦略・効果的な集客方法を習得することが不可欠です。
サロン経営のノウハウを活かしつつ、よもぎ蒸しサービスを導入する際には、業務効率化と顧客管理の観点から、予約システム「リザービア」を導入してみてはいかがでしょうか。既存のサービスと新規のよもぎ蒸しサービスの両方に適用することで、予約管理や顧客情報の一元化が可能となり、サロン全体の運営効率を高めることができるでしょう。