経営していればよく耳にする「売上管理」。しかし売上管理について正しく理解できていないことで悩んでいる人も多いのではないでしょうか。本記事では、売上管理の重要性や目的、効果などを交えながら、ポイントとなる内容を詳しくご説明します。
目次
売上管理とは?
売上目標を達成するためにおこなう日々の売上記録や分析業務のことを売上管理と呼び、これらの情報を元に利益向上に向けた対策を練っていきます。
商品ごとの売上や広告費、原価などの増減に対してその理由や原因を探り、課題を見つけて次の一手を打つ意味でもとても重要です。この項目では、売上管理についてご説明していきます。
売上管理の目的
売上管理の目的の目的には大きく分けて3つあります。1つ目は、売上目標達成率を把握することです。
売上目標達成率の管理においては、月次、期次、年次など、時期に分けて、定めた売上目標とその達成率を数値化し、正確な状況を把握します。
達成率が低迷している場合だけでなく、好調な場合の要因も分析すれば、売上向上のヒントにもなります。売上目標達成率の計算方法としては、「実績÷目標×100(%)」で算出することができます。
次に仕入原価、粗利を把握することがあります。仕入原価、粗利の把握では、仕入原価が大きく変動する業態もあるので、仕入原価も明記して粗利を正確に把握しておきましょう。
広告宣伝を把握することも売上管理においては大切なポイントです。広告宣伝費の管理では、支払っている広告費に対する効果を把握して無駄をなくすため、広告宣伝費の予算消化率を理解しておきましょう。
売上管理の効果
売上管理をすることで得られる効果としては、企業運営の課題点と解決策が見つかることがあります。企業運営を改善するためには、何が課題なのかを見極めて解決することが必要です。しかし、その課題点がわからないと解決の方法を見出しづらくなってしまいます。
売上管理をしていれば下記のような企業運営の課題点が浮き彫りになりやすくなります。
- コストが高い(人件費など)
- 広告費がかかりすぎている
- 売上が下がっている
正しく売上管理をしていれば、こうした問題に対して数字で把握することができるため可視化しやすく、優先して取り組むべき課題と解決策がわかりやすくなります。
売上管理における4つのポイント
売上管理を実践する場合にはどのようなポイントがあるのか知りたいという人も多いでしょう。ここでは、売上管理のポイントを4つに絞って紹介します。
売上目標への達成度を管理し目標が適正か考える
売上目標に対する達成度を管理し、定めている目標が適正かどうかを考えることが大切です。売上目標に対する達成率はあくまで数字でしかないので、売上の背景も考慮する必要があります。
売上目標の背景を理解する上では、売上進捗率と一緒に売上額と目標値も合わせて考えることが重要です。
達成率だけを追いかけた場合、目標や売上額との差異が出てしまって正しい把握はできません。売上達成度を考える上では、目標値と進捗率もあわせて管理するようにしましょう。
前月/前年売上対比を見て施策の効果を測る
単月の結果で一喜一憂してしまいがちですが、前月や前年の売上との対比から施策の効果を見るようにしましょう。
前年業績がよかったから高い目標や施策を打ったとしても、業績結果が一時的な売上だった場合、前年比よりも高い売上目標を設定してしまうと到達することは難しくなってしまいます。
前月/前年売上対比を見ながら施策の効果を測ることで、売上に裏付けされたデータと実際の行動を紐づけられるのでより効率的な行動と利益の最大化が見込めるようになります。
原価と粗利を計算し経営状況を把握する
売上だけでなく、原価と粗利も計算して経営状況を把握することは、とても大切です。原価や粗利は売上総利益とも呼ばれ、「売上高 - 売上原価」で算出できます。つまり、純粋な利益のことなので企業にとっては重要な指標になります。
売上総利益を増やすためには、売上を伸ばすもしくは売上原価を減らす必要があります。原価を抑えることはもちろん大切ですが、商品に付加価値をつけて販売するという売上を伸ばす施策も大切です。
コストに対して乗せられる付加価値が少なくなってしまうと、当然ながら利益は少なくなってしまいます。原価と粗利の仕組みを理解し、経営状態を正確に把握することも売上管理においては重要なポイントです。
予算と経費を計算し運営費の妥当性を評価
経費と予算は企業の運営コスト算出にとても重要です。小規模の会社になればなるほど、この辺りが曖昧になってしまって「何にどれだけの経費を使ったのか」が把握できていない場合もあります。
しかし、予算と経費を計算して運営費を明確にすることができれば、コストカットに対する一手が打てますし、ひいては利益率の向上にもつながるのです。
売上の予算よりも軽視されることが多い経費予算ですが、どちらも総合的に見て会社全体のお金の流れを正しく把握しないと無駄な出費が続き、利益率が伸びにくくなってしまいます。
売上管理で予算と経費を計算しながら、運営にかかっている費用の妥当性を評価してみましょう。
売上管理を効果的に行う2つの方法
実際に売上管理をおこなう場合に、効果的な方法はあるのでしょうか。ここでは、売上管理を効果的に実施するための2つの方法をご紹介します。
売上管理表を作成する
売上管理表とは、売上集計表とも呼ばれるもので、下記のような個別単位ごとにどのような売上が上がっているのかを数字で把握することを目的として集計した表のことです。
- 時間
- 各部門
- 担当者
- 商品セグメント
- プロジェクト
- 地域
- 業種
- 新規既存
これによって「全体的に売上が落ちているのに一部分だけ売上が伸びている」といったことが明確になるので、その理由を分析し、正確に把握することができ、次の一手を打つことができるようになります。
売上管理表を作る際のポイントには下記の5つがあります。
- テンプレートを作って効率化する
- 「売上管理」のルールを制定してそれに従う
- 売上以外の数値も広く入力できるようにする
- 計算は表計算ソフトや専門ソフトを使用して、手動での計算はしない
- 管理項目と特徴を理解して差異が出ないようにする
誰もが管理しやすい売上管理表をつくることで、企業として売上管理がしやすい体制を整えられるでしょう。
ひな型を作り効率化する
売上管理表は手動ではなく、必ず表計算ソフトや専用ソフトを使うのが大切です。その理由は、自動計算によるヒューマンエラーの排除と、作業効率の向上です。
表計算ソフトの代表格であるExcelなどで、ひな型(テンプレート)を作って作業を効率化し、正確な計算結果を導くことが重要になります。
インターネットを探せばテンプレートはたくさんありますので、自社に合ったものを選びましょう。自作できる人は、それらを参考にカスタマイズし、自社専用のものを作るのもよいでしょう。
Excelの基本機能を活用すれば、取引先や商品をマスターテーブルで管理し、日々の売上データを入力するだけで、あとはピボットテーブルで簡単に集計することが可能です。
誰が書いても同じデータになるようなフォーマットを採用する
売上管理表は必ず同じ人がずっと入力するとは限りません。そのため、誰が作業しても同じ結果になるように、分かりやすくて見やすいフォーマットを使うことが大切です。
作業者によって入力する数字の基準が異なってしまったら、売上管理表の信頼性が損なわれてしまいます。導入したら、関係者に必ず説明し、その背景や経緯も共有しておくことで、そうした問題は解消されることでしょう。
また、何かあった際に計算式やマクロを修正することも考えられますので、その場合でも複数の人間が修正対応に当たれるよう、仕様の共有もしておくとよいです。
自分ひとりで全てのことを回している個人企業を除いて、複数人が絡む企業においてはこうした配慮と共有がとても大切です。
売上管理ソフトを使用する
これまで、Excelなどを使って売上管理表を自作する方向でご説明してきましたが、そもそも世の中にはそうした機能を専門で持っている「売上管理ソフト」がたくさんあります。
パッケージ商品のため、カスタマイズできる部分は少ないとはいえ、誰でも入力できるように考えられたUIや必要な比較などが簡単にできるようになっているため、予算的に余裕がある企業はこうしたソフトを導入するのもひとつの手段です。
売上管理ソフトは導入費用がかかりますが、下記のようなメリットがあげられます。
- ミスが減り、事務作業が効率化
- 管理の一元化と簡単な情報共有
- 過剰在庫の可視化と解消、それによるコストの削減
- 販売データからマーケティングへの活用
ここではさまざまなソフトの中から、オススメの売上管理ソフトをご紹介します。
おすすめの売上管理ソフト「リザービア」
売上管理においてオススメなのが、リザービアです。美容サロンなどで人気の売上管理ソフトで中でも『リザPOS』機能は売上管理にとてもおすすめです。
多くのエステやネイルなどの美容サロンで導入実績があるPOPシステムで、予約や売上などが一元管理できるのが特徴です。
また、マルチデバイス対応なので、 パソコンだけでなくiPadでも簡単に操作できるのも嬉しいポイント。施術前後のビフォーアフターを写真に収めてカルテに連携させることもでき、カルテもiPadで入力できるなど、電子カルテとしても使用可能です。
そのため、データ分析も非常に簡単で、来店状況なども含めて可視化できます。リザービアのリザPOSの代表的な機能は下記の通りです。
- 予約管理機能
- 会計・清算機能
- 顧客管理機能
- 権限管理機能
- リザービア連携機能
- メッセージ送信可能機能
- CSVデータ出力機能
売上管理を効果的に行いより良い経営を行うヒントにしましょう
売上管理を効果的に実施することで、会社の経営を可視化して無駄を省き、利益向上に向かうためのヒントを得ることができます。
予算的な都合から表計算ソフトで自作するのもよいですが、多少導入費用がかかったとしてもレジ機能までついた専門の売上管理ソフトを導入するのもおすすめです。
売上管理で自社のお金の流れを明確にしながら適切なコストカットを図り、利益に対して最大限の効果を生み出せる企業体制を作っていきましょう。