PEST分析という言葉を知っていますか?どのようなビジネスを展開する際も、市場の動向を観察し、いかに経営戦略を立てていくかが重要ですよね。
PEST分析はマーケティング戦略を立てる上でビジネス初心者にもわかりやすく、論理的に意思決定する上で有益なフレームワーク(骨組み)だと言われています。
事業を取り巻く外部の環境分析は、ビジネスを成功に導くために必要不可欠です。PEST分析の考え方を習得すれば、効率よく網羅的に環境分析できます。後半では具体例を実際に挙げて、初心者の方でもわかりやすいように解説していきます。
- メルマガを送信したい
- 電子カルテを導入したい
- iPadで管理したい
- 格安で導入したい
目次
PEST分析とは?
PEST分析は、ビジネス戦略を考えて行く上で必要な、4つの要素の頭文字を取って合わせた造語です。必要だと言われている要因は、以下の4つです。
- Politics(政治)=P
- Economy(経済)=E
- Society(社会)=S
- Technology(技術)=T
この項目ではそれぞれの要因について、なぜ必要なのかを解説していきます。
Politics(政治)
政治的要因は、現行の条例や法律など、規制事項によるものです。マーケティング戦略において、他社と競争していくにはルールを徹底的に把握する必要があります。
条例や法律の改正が生じれば、情勢はガラッと変わっていきます。他社と同じ土俵で競り合うために、政治的要因の分析がまず第一歩と言えるでしょう。
法改正に伴って新しい市場が生まれることもあれば、一方で衰退していく市場もあります。そのときの情勢によって、補助金や交付金など自社にとって有益な情報を逃さないために押さえるべきポイントです。
Economy(経済)
経済的要因は、物価上昇率やGDP、景気の動向などによるものです。物価や消費者の動きは、直接的に自社の損益に関わってきます。
例えば飲食店やアパレルなどは、外国から製品を仕入れるケースが多いため、仕入れのコストに大きな影響があるでしょう。経済指標の動向を追うことで、対策を準備できます。
コスト削減にも大きな影響がありますが、新規参入の際にも重要な指標になります。安定した利益を求めるならばビジネスチャンスを活かし、リスクを最大限に抑えるのが大切です。
Society(社会)
社会的要因は、人口の推移や生活環境の変化によるものです。ライフスタイルが変われば人々の意識が変化し、トレンドとして購買意識にも繋がっていきます。需要に影響があるため、盛り上がる市場もあれば、減少していく市場もあるでしょう。
常に社会的要因を捉えることで、顧客ターゲットを変更したり、需要の高いビジネスへ迅速に新規参入したりできます。社会的要因が及ぼす影響は長期的になるケースが非常に多いため、一歩先を予測していくのが重要です。
Technology(技術)
技術的要因は、製品の生産技術・デジタル技術・IT技術などの技術進展によるものです。技術的な面で業界の発展が見込まれる中、競争に生き残るには自社がどういう立ち位置でいるのか戦略を練る必要があります。
技術の進歩に追いつけないビジネスは、簡単に淘汰されてしまいます。技術の革新によって自社のビジネスにどのような影響が出るのか、可能性を分析していくことが必要です。
自社の立ち位置もしっかりと把握して、新技術に対応できるようなビジネス体制を作り上げましょう。
PEST分析を行う目的とは?
ビジネスを成功へ導くには、どのような業界においてもマーケティング戦略を練るのが一般的となっています。PEST分析は、マーケティング戦略を考案していく上でとても有効なフレームワーク(骨組み)です。
この項目では、PEST分析とともにマーケティングで活用されている「3C(サンシー)分析」と「SWOT(スウォット)分析」というフレームワークを解説します。
外部環境を分析するため
マーケティングにおける分析方法は、外部環境分析と内部環境分析に分けられます。外部環境をマクロ環境、内部環境はミクロ環境と呼んでいます。PEST分析は外部環境を分析していくマクロ環境分析という立ち位置です。
外部環境が自社に対して及ぼす影響がないかどうか、俯瞰して見ていくことで正しく情勢が把握できます。正しい情報を調査するのは、マーケティング戦略を考案する上で最も大切なことです。
PEST分析で調査したデータは、3C分析やSWOT分析でより明確な分析を進めるための指標になります。
3C分析とは?
3C分析とは、市場や顧客をマクロ環境とし、自社や競合他社をミクロ環境として分析するのに活用されているフレームワークのことです。3Cとは、以下の3つの要素の頭文字から取った造語です。
- Customer(市場・顧客)
- Company(自社)
- Competitor(競合)
市場や顧客・競合他社を外部要因として考えていくことで、自社のブランディングがしやすくなります。
SWOT分析分析とは?
SWOT分析は、自社のあらゆる要素(資産・ブランド価値・料金価格・品質など)をプラス要因・マイナス要因の両方から分析する方法です。SWOTとは、以下の4つの要素の頭文字から取った造語です。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
Strength(強み)とOpportunity(機会)をプラス要因、Weakness(弱み)とThreat(脅威)をマイナス要因として両面から正しく判断するのに活用できます。
把握した外部環境をマーケティングにつなげるため
マクロ環境の分析は、マーケティング戦略を練っていく行程の中で1番最初に取り掛かる必要があります。なぜなら、自社でコントロールできないマクロ環境の分析を最初に行うことで、大まかな方向性が定まりやすくなるためです。
そしてマクロ環境分析での結果をもとに、3C分析に基づいて顧客や競合他社などと照らし合わせ分析していきます。さらに、SWOT分析でより細かく戦略の方向性を定め、最終目標を設定するというのが大まかな流れです。
そこから新しいビジネスチャンスを広げたり、自社に求められている課題をスムーズに引き出せます。PEST分析は3C分析やSWOT分析でより明確な目標を設定するための、1番重要なフレームワークです。
PEST分析はどうやって進めていくの?
この項目では、実際にPEST分析を行う時の進め方について必要なポイントをご紹介します。
PEST分析の目的を明確にする
外部環境分析と簡単に言っても、情報が多すぎてどこから手を付けたらいいのか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。そのため、情報収集の前に「なぜこれを調べなければいけないのか?」を明確にしていきましょう。
膨大な情報を整理するだけで精一杯になり、経営戦略に組み込んで実行に移すところまで辿り着かない可能性もあります。
情報収集に入る前に、まずはなぜその情報が欲しいのか、経営戦略としてどのように落とし込みたいのか目標を設定しましょう。
情報を収集する
まずは、自社の業界に関する情報から収集していきましょう。正しいデータを入手するのが1番重要なので、エビデンス性の高い信頼できるデータが好ましいと言えます。業界の団体から発信されている情報や、国が管理している統計データなどがいいでしょう。
せっかく多くの情報が集まっても、信頼できないものは分析に活用できません。ここでは、データが正しいかどうかを優先しましょう。
収集した情報をPESTの各項目に整理する
収集したデータを整理していきましょう。PEST分析のPEST(政治・経済・社会・技術)の4つに当てはめながら情報を振り分けていきましょう。同時に、自社のビジネスに影響を及ぼすかどうかも熟考しながら分類します。以下は、PESTの項目です。
- Politics(政治的環境要因)…法律改正・政策・外交関係など
- Economy(経済的環境要因)…経済情勢・為替・金利・物価上昇率など
- Society(社会的環境要因)…人口増減・トレンド・ライフスタイルなど
- Technology(技術的環境要因)…技術発展・特許など
事実と解釈を分離する
PESTの項目でそれぞれ振り分けられた情報について、実際に起こっている「事実」と予測して判断されている情報「解釈」かどうか判断します。分析は正確な事実のデータのみを参照しなければ、目的としているゴールに辿り着けません。
PEST分析を行うときは、主観的な思い込みの解釈に惑わされないようにしましょう。
「事実」をチャンスとリスクに分ける
収集した情報から「事実」のみを分類できたら、さらに「チャンス」と「リスク」に振り分けていきましょう。これはSWOT分析のフレームワークを用いています。
他社にとってはチャンスになるシーンでも、自社にとっては脅威になり得る場合も。ここでは、自社にとって影響があるのかどうかを念頭に考えて分類しましょう。
PEST分析の具体的な事例
この項目では、実際に具体的な実例を用いて詳しく解説していきます。今回は美容室経営を例に挙げてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
美容業界の政治的要因
美容業界での政治的要因として挙げられるのは、以下の通りです。
Politics(政治的環境要因)…美容師免許・美容師に関する法律など
現在は国家資格を所持していないと従事できない法律になっています。例えば、この法律が規制緩和して、美容施術に加えて理容施術もできるようになったら大きなビジネスチャンスになるでしょう。
美容業界の経済的要因
美容業界での経済的要因として挙げられるのは、以下の通りです。
Economy(経済的環境要因)…景気・物価上昇など
景気や物価の上昇で、仕入れ値が上がってしまい、料金形態を見直すサロンも少なくありません。景気が悪化すれば、顧客の減少が懸念されるのはもちろん、銀行融資が受けにくくなるなどの問題もあります。
美容業界の社会的要因
美容業界での社会的要因として挙げられるのは、以下の通りです。
Society(社会的環境要因)…働き方改革・トレンド・ライフスタイルなど
人々のライフスタイルに合わせて、日々進化するトレンドを取り入れなければ顧客は離れていってしまいます。また近年では、働き方改革によって時短勤務するスタッフが増えているようです。
美容業界の技術的要因
美容業界での技術的要因として挙げられるのは、以下の通りです。
Technology(技術的環境要因)…新予約システムの開発・新技術の開発など
新しいカラー剤やパーマ液など、新製品が開発されれば、新技術の導入を検討するサロンが増えるでしょう。研修や新商材などのコストがかかるため、懸念しなければならない要素です。
- 複数の集客サイトを使っている
- それぞれの媒体で設定が面倒
- 予約のダブルブッキングが起こる
- 既存集客がおろそか
経営計画を立てるのに欠かせないPEST分析を実施してみよう
PEST分析は、マーケティング戦略を考案し、今後の方向性を決めるために外部環境の状況を分析するのに大変便利なツールです。論理的に自社の強みや弱みを把握して、ビジネス成功への具体的な目標を設定できます。
リザービアでは、美容室の経営をサポートするためのセミナーやイベントを開催しています。興味のある方はぜひチェックして経営・事業戦略の計画にお役立てください。
顧客分析には「N1分析」という手法も有効
P&Gやロート製薬、スマートニュースなどでマーケティングを担当した西口一希氏が著書「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」で紹介をしたことで認知度が上がった「N1分析」が顧客分析におすすめです。
以下のサイトで詳しい説明がされていますので、よろしければご覧になってみてください。
「N1分析」を自社に取り込み、効果を出すには?カギとなる定性調査|digmar(ディグマル)※外部サイト