「決済端末は、いったいどれを選べばいいの?」「種類が多すぎて、違いが分からない…」そんな悩みをお持ちではないでしょうか。
決済端末選びで失敗しないためには、比較検討が欠かせません。
本記事では、あなたにぴったりの決済端末を選ぶための比較ポイント、導入方法、そして専門家厳選のおすすめ決済サービス8選を徹底解説します。
さらに、導入費用を抑えるための補助金・助成金情報もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
決済端末はどこで比較するの? 選び方を紹介
決済端末(キャッシュレス決済端末)とは、その機器を利用して現金を用いずに支払いができるもの。いろいろな方法があるので、以下で選び方を解説していきます。
1. 対応している決済サービス|特徴とメリット
まず、対応している決済サービスで比較する方法です。自分が利用したいサービスに対応しているかをチェックしましょう。以下で主な決済サービスの特徴などを挙げます。
クレジットカード決済
クレジットカード決済は、カード1枚で支払えるため、不正や現金盗難のリスクが少ない、衛生面で安心などのメリットがあります。ただし、決済のたびに店側に手数料がかかる、入金までに時間がかかる場合があるなどの点に注意しましょう。
QRコード決済
QRコード決済は、コードをスマートフォンで読み取るだけでかんたんに行えます。ただし、需要を考慮し、お客様が利用したい手段を導入しておくことが必要です。
電子マネー決済
電子マネー決済は、カードをかざすだけでかんたんに支払いができるシステム。未回収リスクが少ないことがメリットです。ただし、専用の端末が必要な点には注意しておきましょう。
2. 決済端末の種類
決済端末にもいくつかの種類があるので、以下で紹介します。
1. 据え置き型
据え置き型端末は、レジ機とコードでつないで利用するタイプ。設置スペースが必要ですが、スーパーやアパレル店などでは持ち運ぶ必要がないため向いています。
2. ポータブル型
ポータブル型端末は、4GやWi-Fiなどのインターネット環境下で利用するタイプ。ネット環境があれば持ち運べるため、イベントや移動販売、席ごとに支払いをする店などに向いているでしょう。
3. スマホ・タブレット型
スマホ・タブレット型端末は、スマートフォンやタブレットにアプリを入れて使うタイプ。カードリーダーなどを接続する場合もあります。小規模な店でも導入しやすいです。
3. 決済手数料
1回の決済ごとに導入する店側にかかる「決済手数料」は、会社によってさまざま。上記の内容やサービス概要を比較して選ぶことが大切です。
キャッシュレス決済端末の導入方法
1.契約方法の選択
直接契約:各キャッシュレス決済サービス提供企業と直接契約します。
決済代行会社を通じた契約:決済代行会社を仲介して複数のキャッシュレス決済手段を利用できます。
2.必要書類の準備
各企業や決済代行会社が要求する書類を準備します。必要な書類は企業によって異なるため、事前に確認が必要です。
3.申し込みと審査
インターネットや書面で申し込みを行います。オンライン申し込みの場合、即日受領されることもありますが、審査には数日から数ヵ月かかることがあります。
4.審査通過後の端末設置
審査が完了すると、決済端末が届きます。同梱の設置マニュアルに従って設置を行います。
5.運用開始
設置が完了すると、店舗でキャッシュレス決済が利用可能になります。定期的なメンテナンスやトラブル対応も必要です。
キャッシュレス決済端末の選び方
さまざまなキャッシュレス決済端末のなかで、自社に最適な端末を選ぶには、据え置き型とモバイル型や、決済手順の豊富さのほかに、5つのポイントがあります。
1. 手数料・固定費で選ぶ
キャッシュレス決済端末の利用には、端末本体の代金やシステム利用の初期設定など、導入にかかるコストと、月々のシステム利用料や決済手数料などの運用コストが必要です。
長期的な運用を考えて、手数料や固定費をよく検討し、顧客の利用数やキャッシュレス決済の頻度なども考慮した上で選びましょう。
キャッシュレス決済を利用する人が少ない場合は、月々の固定費が低い方が良いでしょう。反対に多くの顧客が頻繁にキャッシュレス決済を利用するのであれば、手数料が低い方がトータルではプラスになります。
2.対応しているキャッシュレス決済の種類で選ぶ
端末によって対応している決済の種類が異なります。特定の決済にのみ対応しているものから、50種類以上の決済が可能な端末まで多種多様なので、顧客のボリュームゾーンにあわせて選びましょう。
決済の種類はUXに直結するので、できるだけ豊富な方がいいですが、対応している種類が増えるほどランニングコストが高くなる傾向にあります。端末のランニングコストと対応数のバランスを考えて選びましょう。
3. 機能の豊富さで選ぶ
キャッシュレス決済端末は、決済以外にもPOSレジとしての機能の豊富さや、決済の管理など、さまざまな機能を搭載している端末があります。また、既存のPOSレジと連携できる端末も。
決済だけでなく、経理業務や経営情報に活用できる端末を選ぶことで、今後の経営改善に活かせます。
4.使いやすさで選ぶ
キャッシュレス決済端末は、導入時に使い方を従業員に教育する必要があるため、教育コストを下げ、作業ミスを減らし、レジの時間を短縮できるものがおすすめです。
操作性が良く、使いやすい端末を選ぶことで、スムーズな従業員教育とレジのオペレーションが期待できます。
5.入金サイクルで選ぶ
経営上、入金サイクルは非常に重要です。入金のタイミングはキャッシュレス決済端末ごとに異なるため、自社のキャッシュフローとあうものを選ぶのが大切です。
比較して選ぼう! おすすめ8社を紹介
ここからは、専用端末などを使って決済が行えるサービスを提供しているおすすめの8社を紹介します。
※補足
手数料率は導入する決済手段や業種・規模などによって変動する可能性があります。
月額・端末費用のキャンペーン期間や条件は各社によって異なります。必ず公式サイトや担当窓口でご確認ください。
1.stera pack
stera pack(ステラパック)は、SMBCが提供している決済サービスです。30種類以上の決済を1台でスマートに行えて便利。会員証アプリから、お知らせやクーポンなどの配信によってお客様にアプローチすることもできます。
対応している決済サービス|端末の種類は?
VISA・Masterなどのクレジットカード、WAON・PASMOなどの電子マネー、d払い・ゆうちょPayなどのコード決済と、全部で30種類以上の決済に対応。コンパクトな専用端末1台で利用できます。
初期費用・ランニングコスト|決済手数料は?
「お試しプラン」なら1年間無料で使えるため、導入にかかる費用や固定ランニングコストは0円。ただし、決済手数料が1回あたり3.24%かかります。
2.Airペイ
Airペイは56種類の決済方法に対応しており、決済手数料が業界最安水準なのが特徴。手持ちのiPhoneやiPad(Android端末は不可)と専用カードリーダーがあれば使えます。
対応している決済サービス|端末の種類は?
stera packで対応している決済サービスのほか、Apple PayやJcoin、Tポイントなどにも対応(一部オプションの導入が必要)。小ぶりのカードリーダーとiOS端末を連携させて利用します。
初期費用・ランニングコスト|決済手数料は?
導入にかかる費用や月額使用料は0円。QRコード決済を利用したい場合は、オプションの「AirペイQR」の申し込みが必要ですが、追加費用はかかりません。決済手数料は、一部を除き1回あたり3.24%です。
3.STORES決済
STORES決済は、ネットショップや予約システム、POSレジなどさまざまなサービスを提供している「STORES」による決済サービスです。
対応している決済サービス|端末の種類は?
対応している決済は、クレジットカードや電子マネー。QRコードは中国のWeChat Payのみです。専用端末を使って決済を行います。
初期費用・ランニングコスト|決済手数料は?
初期費用や月額固定費は0円、端末料金は19,800円です。ただし、申し込みから180日以内にSTORES決済での決済額が合計10万円以上になれば、端末代も無料に。決済手数料は電子マネーのみ1.98%と安く、その他は3.24%です。
4.Square
SquareもオンラインストアやPOSレジサービスなどを提供している会社です。対面決済からオンライン決済まで対応しています。
対応している決済サービス|端末の種類は?
Squareの決済では、クレジットカード・交通系電子マネー・PayPay・QUICPay・iDに対応可能。利用する端末は3つの種類があり、自店に適したものを選べます。
初期費用・ランニングコスト|決済手数料は?
Square決済では、POSレジのソフトウェアと周辺機器の導入が必要です。Square POSレジとSquare リーダーの組み合わせが最も安く、POSレジ機無料、リーダー4,980円で利用できます。月の利用料金はかかりません。
決済手数料は、iDや手入力での決済の場合3.75%、それ以外は3.25%です。
5.PAYGATE
POSレジサービス「スマレジ」が提供する決済サービス「PAYGATE」。タッチでかんたんに操作でき、はじめて決済端末を使用する人でも使いやすいでしょう。
対応している決済サービス|端末の種類は?
主要なクレジットカード・電子マネー・QRコードでの決済に対応。専用端末1台で、カメラ・非接触カードリーダー・磁器リーダー・プリンターなどマルチな機能を使えます。
初期費用・ランニングコスト|決済手数料は?
PAYGATEの導入にかかる費用は無料、月額費用は3,300円(税込)です。
端末代は通常30,800円(税込)ですが、2023年5月現在、キャンペーンで無料になっています。決済手数料も通常3.24%のところ引き下げられているようなので、導入を検討したい方はぜひ問い合わせてみてください。
6.楽天ペイ
楽天が提供している決済サービス「楽天ペイ」。2021年に行われたブランド調査で、導入してほしい・サービスが充実している・安心感がある、それぞれの部門でNo.1を獲得した人気サービスです。
受け取り口座を楽天銀行にしておくと、売上発生の翌日に手数料不要で自動入金されます。
対応している決済サービス|端末の種類は?
クレジットカードや各種電子マネー、自社の楽天ペイなどのほか、中国のWeChat Pay・Alipayなどにも対応しています。利用には専用カードリーダー端末が必要です。
初期費用・ランニングコスト|決済手数料は?
導入の初期費用や月額固定費は無料。カードリーダーは通常19,800円ですが、2023年5月31日までは0円キャンペーンを実施中です。決済手数料は一律3.24%かかります。
7.au PAY
au PAYは、大手携帯電話キャリア「au」が提供する決済サービスです。セキュリティ対策をしっかり行っており、24時間体制でサポートを行っているのが魅力。
会員数は3,000万人を突破しており、ユーザーは決済するたびにPontaポイントも貯められて便利です。
対応している決済サービス|端末の種類は?
ここまで見てきたサービスは、複数社の決済をまとめて代行するものでした。しかし、au PAYは、自社のau PAY決済のみに対応。専用機器不要で導入できるため、かんたんに始められます。
初期費用・ランニングコスト|決済手数料は?
導入費用や入金手数料(月に所定の2回まで)は無料、決済手数料は2.6%と、費用の負担が少ないです。
8.PayPay
PayPayは、5,700万人ものユーザーを抱える大手決済サービス。ソフトバンクとヤフーが共同で提供しており、ユーザーにとってお得になる、キャッシュバックなどの大規模なキャンペーンをたびたび開催していることでも有名です。
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対応している決済サービス|端末の種類は?
au PAYと同様、PayPayのみに対応しており、専用端末ナシで導入できます。
初期費用・ランニングコスト|決済手数料は?
PayPayでは、「PayPayマイストア ライトプラン」に加入すると、初期費用やランニングコスト(月額費用)が1,980円(税別)でかかります。ただし、トライアルキャンペーンを適用することによって、初期費用無料、月額費用も2カ月目までは無料に。
決済手数料は、ライトプラン加入の場合1.6%、未加入(制限プラン)の場合1.98%(いずれも税別)です。他の代行サービスに比べて低料金に抑えられるのではないでしょうか。
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キャッシュレス決済端末の導入に使える補助金・助成金
キャッシュレス決済端末を導入するには、補助金や助成金が利用できます。個人事業主でも利用できるものが多いので、端末を導入する際に、忘れずに申請しましょう。
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IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際、その費用の一部を補助してくれる制度です。
2025年度は「通常枠」「インボイス枠」「複数社連携IT導入枠」「セキュリティ対策推進枠」など、全部で5つの申請枠が用意されています。補助率や補助額はそれぞれの枠によって異なるため、事前に確認が必要です。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の販路開拓や業務効率化の取り組みを支援するため、経費の一部を補助する制度です。
経営計画書や事業計画書を作成し、商工会議所などで事業支援計画書の交付依頼をする必要があります。また、審査にも2~3ヶ月かかり、申し込める期間も決まっているので、利用する場合は注意が必要です。
業務改善助成金
業務改善助成金は、経済産業省の中小企業庁が提供する支援制度で、中小企業や小規模事業者が業務改善や生産性向上を図るための設備投資などに要した費用の一部を助成するものです。
業務改善を通じて、従業員の最低賃金を引き上げることを目的としており、POSレジなどの導入も対象となっています。
利用できる決済サービスやランニングコストなどを比較して選ぼう
決済サービスの導入においては、どんな決済を行えるか、また決済端末の種類などを比較して選ぶことが大切です。
決済サービスにもそれぞれ特徴があり、端末が必要ないものもあれば、端末の費用はかかってもその分高性能なものもあります。お伝えした特徴も参考に、自店に合ったものを選びましょう。
また、あわせて予約管理システム「リザービア」の導入もおすすめです。併用してスムーズな予約管理やキャッシュレス決済で業務を効率化し、お店の発展につなげていってください。