整骨院や接骨院といった施術院では、顧客の記録をカルテとして保存していることでしょう。しかし、しばらく来院していない顧客のカルテはいつまで取っておくべきか、悩んでいるかもしれません。
実は、カルテには保存期間が定められています。期間を守り、きちんと保存することが必要です。保管の仕方やカルテデータの活用方法も解説するので、参考にしてみてください。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
目次
施術院でのカルテの記録・保存は必須
整骨院や接骨院などの施術院では、必ずカルテ(施術録)の作成と保存を行わなければなりません。顧客ひとりひとりの症状や経過、アフターフォロー、療養費の請求などに必要なためです。さらに、適切な施術を行っているかどうかの証明にもなります。
健康保険の請求にも欠かせない
たとえば、柔道整復師による打撲や捻挫などへの施術は、健康保険の対象になることが多いです。この場合、顧客が保険の自己負担分のみを支払い、残りは院が保険者に対して請求するという「受領委任」の方式が取られるので、請求時にカルテのデータが用いられます。
正確なカルテデータの記入は、不正請求疑惑の際にも役立ってくれるでしょう。
引用元
柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて |厚生労働省
参考記事
診療報酬の不正請求とは?通報されることもあるって本当?
自費メニューでは必須ではない
健康保険を適用しない、顧客が全額自己負担する自費メニューの場合は、カルテを残さなければならないという決まりはありません。しかし、症状の変化を確認したり、フォローを行ったりするのに役立つため、保険メニュー同様、記録しておくのがよいでしょう。
また、万が一顧客から問い合わせやクレームがあった際などにも、データをさかのぼって内容を確認できます。そのほかにも、カルテの顧客情報を活用することで、メニューによっては割引やクーポン発行などによる再来院促進も可能です。
カルテの保存期間|施術終了日から5年
「保険医療機関及び保険医療養担当規則」の第9条に「保険医療機関は、療養の給付の担当に関する帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から三年間保存しなければならない。ただし、患者の診療録にあつては、その完結の日から五年間とする。」と定められており、カルテは「転帰」(治癒・治療の中止・転院)、つまり施術を終了した日から5年、そのほかの書類は3年間の保存が義務付けられています。
顧客から施術証明を求められたり、医療過誤の調査などで開示の必要が出てきたりすることがあるため、保存期間はきちんと守らなければなりません。
引用元
保険医療機関及び保険医療養担当規則 | e-Gov法令検索
施術院のカルテに記載するべき項目とは?
つづいて、施術院のカルテにはどんな内容を記録しなければならないのかを押さえましょう。
1. 保険施術の場合
保険の場合、顧客の氏名・生年月日・連絡先・保険証の情報・既往歴・服用中の薬といった基本情報に加え、負傷した年月日・原因・症状・施術内容・治癒の見込み・転帰などの内容が必要です。
また、記録するだけでなく、顧客に対して施術方針やどんな施術を行うかなどの説明を必ず行わなければなりません。
2. 自費施術の場合
自費の場合は、とくに残しておくべき内容の定めはありません。保険証の情報や転帰などの保険に関する情報は不要ですが、おおむね保険施術のカルテと同じような内容があれば、他のスタッフとの情報共有にも役立ちます。利用したメニューも記録しておくとよいでしょう。
カルテの種類と保存方法
カルテには大きく分けて2種類のタイプがあります。そこで、それぞれの特徴や適した保存方法を解説します。
紙カルテ
紙媒体のテンプレートのカルテに手書きで情報を記入するタイプ。比較的低コストで済む反面、保管のためのスペースが必要・記入ミスの恐れがあるといった注意点もあります。
スキャンして電子保存することも可能
一定の条件を満たしていれば、紙カルテをスキャナーで読み取って電子データとして保管することも認められています。条件とは、電子署名やタイムスタンプを付与するなどです。
引用元
医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5版|厚生労働省
電子カルテ
電子カルテは、コンピュータやシステムに情報を記録し、データを保存する方法です。手書きデータでは読みにくかったりミスがあったりすることもありますが、電子ならそのような間違いも起こりにくく、比較的安心といえるでしょう。
データベース化により検索しやすい上、紙に比べて省スペースであること、画像の保存ができることもメリットです。
ただし、サーバーダウンや停電などの際には閲覧できません。情報の流出にも注意が必要です。
「電子保存の3原則」を遵守
電子カルテの保存には、真正性・見読性・保存性という3原則があり、守らなければなりません。
「真正性」とは、データに虚偽がないことを保証するもので、なりすましや改ざんなどの防止に必要です。第三者に勝手にアクセスされないよう、セキュリティ面にも注意しましょう。
「見読性」とは、必要なときにデータをすぐに閲覧できること。カルテは顧客や家族に見せる必要が出ることもあるため、わかりやすく書かれていること・サッと見られる状態で保存されていることは重要です。
「保存性」とは、きちんとデータを保管できていること。消失や破損などが起こらないように、カルテのデータは適宜バックアップや点検を行うことも大切です。ウイルス対策も万全に行いましょう。
外部保存も可能
院内でのカルテ管理が大変な場合は、外部業者などに委託して保管してもらうことも可能です。大切なデータなので、セキュリティ対策などがきちんと行われている業者に依頼しましょう。
引用元
「診療録等の保存を行う場所について」の一部改正について〔薬剤師法〕|厚生労働省
施術院でのカルテの活用法
カルテのデータをうまく活用すれば、集客・マーケティングに役立てられます。売上アップを目指したいなら、ぜひ活用しましょう。
1. 経過データから信頼・説得力につなげる
施術の結果、症状がどのように変化しているのかということを、カルテの内容に沿って説明することで、顧客からの信頼度も上がりやすくなるでしょう。
具体的には、「1回目は~~だった症状が、〇〇という施術を行うことにより2回目には~~になり、3回目には~~ができるまでに回復した」というように、順を追って説明すると説得力が高まります。
2. 顧客のフォローや掘り起こしに使う
前回の来院から一定期間以上来ていない休眠顧客のなかには、院の存在や施術の必要性を忘れてしまっている人も多いです。
そこで、様子を尋ねるフォローメールを送ったり、需要に合いそうな割引クーポンなどを送付したりして来院のきっかけを作り、リピートにつなげましょう。必要に応じて、自院の顧客層に合った自費メニューを検討・導入することも大切です。
電子カルテ機能も使える予約管理システムを導入しよう
施術院では予約制のところも多いはず。顧客が増えるとカルテの管理はもちろんのこと、予約管理も大変になります。そこで、予約システム「リザービア」を導入してみてはいかがでしょうか。
以下でリザービアの特徴や便利な機能を紹介するので、検討材料として役立ててください。
オンラインで自動で予約を受付管理
電話や店頭で予約を受け付けるのもいいですが、現代ではネット予約は欠かせません。リザービアは、24時間いつでもネット予約を自動で受付管理できます。
直感的に操作しやすい設計になっているので、顧客も使いやすいことが特徴です。また、院のスタッフも、予約の埋まり具合や空席状況をスムーズに把握できます。
カルテとしても使える顧客管理機能
リザービアには、顧客の個人情報や施術内容、担当スタッフなどを記録できる顧客管理機能も搭載しています。データ検索を行えて、必要な顧客情報もすぐに呼び出すことが可能です。
また、メモを残せるため、担当者が変わった場合もスムーズに情報共有ができます。施術部位の写真を保存することもでき、経過の観察や顧客への説明時などに役立つでしょう。
Googleと連携させて予約を受けられる
Googleの検索機能を利用して自院のことを調べ、予約をする顧客もいるかもしれません。リザービアでは、Googleと連携して予約を受け付けることが可能です。
検索結果に表示されるGoogleビジネスプロフィールに予約ボタンを設置でき、そこからリザービアの予約画面に遷移して予約を入れてもらえます。ビジネスプロフィールの内容を充実させて、見た人に自院への興味を持ってもらい、予約につなげましょう。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
カルテは保存期間を守って適切に保管しよう
カルテには5年間という保存期間が決められており、すぐに取り出せる状態できちんと保管しておかなければなりません。個人情報も含まれる大切なデータなので、整骨院や接骨院では、カルテを汚損や改ざんなどの危険から守って適切に保存することが重要です。
また、カルテの情報を保存することにより、施術時にも役立てられます。上手に活用して顧客との良好な関係を築き、売上アップにつなげましょう。
院での予約管理や顧客管理に使える「リザービア」の導入もおすすめです。気になった方は、ぜひ資料を取り寄せてみてください。