美容室を開業しようと考えた場合、物件の契約が必要です。店舗契約は通常の住宅の契約とは違い、不動産業者の選定がより重要になってきます。
しかし、初めての方にとって分からないことが多くあるでしょう。そこで今回は、物件探しと同じくらい重要な不動産選びを解説していきます。
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目次
美容室の開業に|押さえておきたい物件選びのポイント
美容室の開業では物件選びが欠かせません。
たとえば交通の便がよい街中の物件を選べば、お客様が足を運びやすく、多くの集客が見込めるでしょう。しかし、立地のよい物件は賃貸料も高くなる傾向にあるため、予想を上回る資金を用意しなければならなくなることもあります。
予算内で開業するためには、希望条件を整理することが大切です。この部分を踏まえ、ここでは美容室の開業前に押さえておきたい物件選びのポイントを紹介します。
1.立地条件
1つめは立地条件です。立地はいくつかの種類に区分され、それぞれの特徴が異なります。美容室用に物件を探すときは、立地ごとの特徴を押さえ、適切な物件を選びましょう。
たとえば商業立地だと、人通りが多い傾向から販促に対する費用対効果が高く、新規・リピーター獲得に有利です。
しかし、そのメリットを知る競合店舗がすでに出店している場合も多く、開業直後から競合との差別化を図る必要があります。さらに人通りが多い物件は賃料が高い傾向にあるため、予想を上回る開業資金が必要になる懸念もあります。
このように、どの立地にもメリット・デメリットが存在するため、それぞれの特徴を比較し、サロンのコンセプトやターゲット、目的にあわせて選びましょう。
物件のタイプによって異なる特徴
物件の立地を選ぶときは、タイプごとに特徴が異なります。立地同様、それぞれの特徴を比較しながら適切な物件を選びましょう。
路面店タイプや商業施設タイプは、集客力の高さに比例して販促の費用対効果が高くなるという共通のメリットがあります。しかし、賃料が高い・維持費が増えやすいなど、高い集客力だからこそのデメリットを念頭に置かなければなりません。
ここで紹介したメリット・デメリットは一例のため、美容室の開業にあわせて物件を選ぶときは、できる限り内見した上で決めましょう。
2.土地面積
美容室のコンセプトやターゲット、働く予定のスタッフ数などを踏まえ、土地面積の希望条件も整理しておきましょう。
あくまで目安ですが、面積に応じた設備数は下表のとおりです。
15坪の場合、シャンプー台は2~3台設置できる計算です。そのため、2人以上のお客様を同時に施術できると考えられることから、スタッフ数を3人以上用意できれば一定の回転率で営業できるでしょう。
ただし、物件の形状によってはこの限りではないため、必ず内見した上で検討を進めてください。
作業室面積は各自治体の構造設備基準をもとに決めなければならない
物件選びをする上で留意すべきことがあります。それは各自治体による作業室面積の基準です。
各自治体では「構造設備基準」を定めており、このなかに作業室面積の基準を設けています。開業前に把握する必要のある基準のため、各自治体のホームページなどで確認しましょう。
なお一例ではありますが、東京都3区の作業室面積は下表のとおりです。
引用元:
東京都目黒区:美容所の構造設備基準の概要
東京都千代田区: 理容所・美容所の開設
東京都板橋区:理容所・美容所の開設の手続き
3.予算
美容室の開業では予算を決めてから物件を選ぶ場合も多いでしょう。予算内で済ませるためにも、まずは物件に対する希望条件を整理し、どれくらいの予算が妥当かを見極めておくことが大切です。
なお、物件を借りる場合、下表の費用がかかります。
さらに、物件を借りたあとは内装・外構工事費がかかることも見込んでおきましょう。状況によっては予算を上回る可能性もあるので、さまざまな費用を明確にしてから決めることをおすすめします。
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立地条件によって賃料相場が変動する点に注意
立地条件によって賃料相場が異なることにも留意しましょう。たとえば、同じ駅周辺の物件でも、下記項目によって相場は大きく変動します。
- 徒歩分数
- 周辺施設の有無
- 築年数
- 坪数
- 人口密度
- 交通手段など
このように賃料相場は多くの要素が絡むため、詳しい相場を知りたいときは不動産会社に相談するとよいでしょう。
4.物件の種類
物件には「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2つあり、それぞれに特徴があります。居抜き物件は、以前の内装・設備がそのままあるため、工事費用・備品購入費用などを抑えられる物件です。
一方、スケルトン物件は、骨組みの状態の物件を指し、設備管理がしやすい、コンセプトやターゲットに沿ったレイアウトしやすいなどのメリットがあります。
いずれもメリットがある一方、居抜きだからこそレイアウトしにくい、スケルトンだからこそ退去時に原状回復が必要になるなどのデメリットも潜んでいることに留意しましょう。
居抜き物件だと設備状態に良し悪しも
初期費用を最小限に抑えながら美容室を開業したい人にとって、居抜き物件は魅力的です。しかし、あまりにも古い設備だと修理や交換が必要になり、初期費用がかさむ可能性があります。
居抜き物件に限らず、魅力的な物件を見つけたときはできるだけ内見し、自分の目で現状を確認するよう心がけましょう。
5.契約期間
物件の契約期間についてもきちんと把握しておきましょう。テナントとして物件を契約するときは、「定期借家契約」と「普通借家契約」の2つに分けられます。
- 定期借家契約⇒原則として契約更新不可能
- 普通借家契約⇒原則として契約更新可能
定期借家契約は、原則として契約更新できない契約です。貸主と借主の双方が合意した場合のみ再契約できます。
一方、普通借家契約は原則として契約更新可能な契約で、借主の解約意思がないうちは入居し続けることが可能です。
なお、退去時は原状回復義務により修繕作業費用が発生する場合があります。物件の契約時には契約期間をはじめ、原状回復にまつわる契約内容についても確認しましょう。
引用元:
株式会社不動産流通研究所:定期借家契約
株式会社不動産流通研究所:普通借家契約
“よい”物件情報検索サイト・不動産の見分け方
コンセプトやターゲットに沿った物件を契約するときは、物件情報検索サイトや不動産屋を利用するでしょう。
よい物件情報検索サイト・不動産屋の見分け方は大きく分けて4つあります。
- 店舗専門の不動産屋
- 希望に合う物件を親身になって探してくれる不動産屋
- 大家に条件を交渉してくれる不動産屋
- 事務所物件でも店舗契約できるように交渉してくれる不動産屋
なお、店舗不動産の場合、慣習的に昔ながらのやり方が残っていることが多く、契約交渉ではある程度のトーク力が必要不可欠です。
「何かの条件をよくしてもらう代わりに、この条件は飲む」など、契約者・大家・不動産屋がそれぞれ得をする話に進めるのがポイントです。
店舗専門の不動産屋
不動産屋は大きく分けて「住居」と「店舗」の専門分野に分かれます。美容室を開業する場合は「店舗」に該当するので、店舗を専門とした不動産屋を訪ねましょう。多くの物件情報を持つほか、周辺地域についても把握しているため、美容室の開業に合っているかなども相談できます。
大家に条件を交渉してくれる不動産屋
店舗物件は住居物件に比べ、条件がキッチリ決まっているわけではなく、業種や借主の人間性などでも条件がよくなる場合があります。そのようなことができるのは、大家さんと仲がよい不動産屋です。
無理目な要求でも、一度は不動産屋さんに相談してみることをおすすめします。
事務所物件でも店舗契約できるように交渉してくれる不動産屋
立地などの条件がよくても、事務所しか貸せない、いわゆる事務所物件が候補としてでてくることがあります。
事務所利用に比べて店舗利用は汚れやすく傷つきやすいので、大家としては店舗用として貸すことを拒む人も少なくありません。しかし、大家と不動産屋の関係性によっては、使用形態を変更できる場合があります。
よい事務所物件を見つけたときは、店舗利用の可不可について不動産屋に相談してみましょう。
美容室の開業におすすめオススメの物件情報検索サイト
テナントを探す場合、従来の不動産屋に加え、店舗用の物件情報検索サイトも充実しています。賃貸だけではく譲渡や売買ができるものも登場し、それぞれチェックするのがおすすめです。
ここでは「SALON PRODUCE」「サロン不動産ネット」「アットホーム」の3つを紹介します。
SALON PRODUCE(サロン プロデュース)
「SALON PRODUCE」は、美容室やエステサロンに特化した物件情報サイトです。宅地建物取引業の認可を持つ不動産業者が経営していることから、豊富な専門知識をもとに理想的な物件を案内してくれます。
居抜き物件の紹介にあわせて、独立開業支援コンサルタントによるトータルサロンプロデュースや造作譲渡契約代行サービスなど、さまざまなサービスを受けられます。店舗契約において不安がある方にとっては力強い物件情報検索サイトです。
サロン不動産ネット
「サロン不動産ネット」は、美容室やエステサロン、ネイルサロンなどの独立開業・新規出店・移転のサポートを行う物件情報サイトです。42万件超のサロン会員基盤を保持しており、サロン物件数は業界No.1と言われています。
全国の不動産会社と連携していることから、居抜き物件を中心に多数紹介可能という特徴のほか、初めて開業する方にとっては頼もしいサービスの「サロンまるごとサポート」も受けられます。
アットホーム
「アットホーム」は、一般住宅から貸店舗まで、充実した物件を取り扱う物件情報サイト。公式ホームページでは「開店・開業お役立ちナビ」として、契約における基礎知識やハウツー、居抜き物件に関する情報を閲覧できます。
さらに「起業家インタビュー」として、アットホームで契約・開業した起業家のインタビュー記事も読むことができ、開業前の参考資料としても活用可能な物件情報サイトです。
美容室の開業には予約システムの利用がおすすめ!
美容室を開業したあとは、多くのお客様が来店し、混雑することが予想されます。ごく少数のスタッフで営業していると、施術中でも予約や来店受付などの作業が発生し、お客様を待たせてしまうこともあります。
そこでおすすめしたいのが予約システムです。予約システムとは、予約・顧客情報を一元管理できるシステムのことで、導入するだけで予約受付や顧客情報管理といった細かな業務を効率化できます。
予約システムのなかでも特におすすめなのが、美容業界に特化した「リザービア」です。リザービアならではの特徴を3つ紹介します。
特徴1.予約を一元管理できる
1つめは予約の一元管理です。サロンの公式ホームページやホットペッパーなどのクーポンサイト、LINEといったSNSの予約窓口を、リザービアひとつですべて管理できます。
それぞれのページを開く必要がないので予約状況の確認がスムーズです。簡単にチェックできるので、ダブルブッキングの予防にもつながります。
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BMS(予約一元管理)
特徴2.LINE連携予約でリピート率アップ
2つめはLINE連携予約です。リザービアは利用者数が多いLINEと連携できるので、お客様が日常的に使うアプリから、24時間365日いつでも気軽に予約できます。
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LINE連携予約
特徴3.メッセージ自動配信機能でリピート率向上も
3つめはメッセージ自動配信機能です。施術日から60日以内であれば配信数の制限なく自動でメッセージを配信できます。
さらに、担当スタッフや前回利用したメニューなどに絞ってメッセージを配信できるので、既存客の掘り起こしによるリピート率の向上にもつながります。
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物件選びは慎重に!契約後は予約システムを導入して業務効率化を図ろう!
美容室の物件選びは、希望条件を整理した上で決めることが大切です。希望条件を整理せずに進めてしまえば、物件に使いにくさを感じたり賃料が高く経営が困難になったりするおそれがあります。
理想に近い物件を見つけたときは、本記事で紹介したポイントを参考に検討を進めましょう。
美容室の開業後はお客様の来店により混雑が予想されます。細かな業務を効率化したい方やさまざまな機能によって集客力を高めたい方は、予約システム「リザービア」をご活用ください。