セルフ脱毛サロンとは、その名の通り、顧客が自分でムダ毛をケアできるサロンのことです。
基本的に無人でサービスを提供するので、フランチャイズ(FC)経営されている店舗が多くを占めていますが、実際にセルフ脱毛サロンをオープンさせるには、どのような手続きが必要なのでしょうか?
今回は、脱毛サロンをフランチャイズで始める方法やその魅力、考えられるリスク、成功させるコツについてわかりやすくまとめました。
目次
脱毛サロンのフランチャイズ開業方法
セルフ脱毛サロンをフランチャイズ開業するための方法や流れは、フランチャイズ契約を締結するサロンによって異なります。
ここでは一般的なセルフ脱毛サロンのフランチャイズ開業方法を、基本的な流れと共にご紹介します。
ステップ1.サロンへの問い合わせ・資料請求
フランチャイズオーナーを募集しているセルフ脱毛サロンは複数ありますので、まずは契約内容を比較するために、複数のサロンに対して問い合わせや資料請求を行います。
サロンによっては、メールや電話で契約内容の説明を行ったり、くわしい資料を送付したりしてくれるので、サロンごとのフランチャイズの特徴やメリット・デメリットをしっかり比較しましょう。
サロンへの問い合わせや資料請求の時点では特に費用は発生しませんので、なるべく複数のサロンを検討することをおすすめします。
ステップ2.担当者との面接
問い合わせや資料請求を経て興味・関心を持ったサロンがあったら、都合の良い日程で担当者と個別面接を行います。
面接では、あらためてフランチャイズ経営の概要や特徴、想定される予算などの説明を受けますので、事前に受けた説明と相違ないかどうか確認します。
もちろん、問い合わせや資料請求の時点で聞き漏らしたことがあったり、新たな疑問が出てきたりした場合は、面接の場でしっかり質問しましょう。
疑問や不安を抱いたままフランチャイズ経営を開始すると、思わぬリスクやトラブルが発生し、経営に失敗する可能性が高くなりますので、契約の前にすべての不安・疑問を払拭しておくことが大切です。
ステップ3.サロンの見学
実際にどのような物件で営業が行われているのか、外装や内装、設備はどうなっているのか、などをチェックするために、実際に営業しているセルフ脱毛サロンを実地見学します。
見学には担当者が同行し、店舗や設備についてくわしく説明してくれるので、ステップ2の面接と同じく、わからないことがあったらどんどん質問しましょう。
ステップ4.フランチャイズ経営の申し込み・審査
面接や見学を経て、フランチャイズ経営に挑戦したい!と思ったら、正式な申し込みを行います。
フランチャイズ経営は誰でもチャレンジできるわけではなく、担当者が面接を通してオーナーとしての適正や、必要な資金力の有無を見極め、契約を締結するかどうかを判断します。
審査の有無や基準はサロンによって異なりますので、その点も面接で確かめておくとよいでしょう。
ステップ5.フランチャイズ契約を締結する
無事に審査をパスしたら、正式なフランチャイズ契約を締結します。
契約締結後は原則としてキャンセル不可になりますので、契約書の内容と、これまでに受けた説明に食い違いはないか、説明されていない箇所はないかをよく確認した上で、署名・押印しましょう。
ステップ6.フランチャイズ加盟費の入金
フランチャイズ契約を締結した後、一定期間内にフランチャイズ加盟金を指定の口座に入金します。
フランチャイズ加盟金の相場は、店舗の規模や業種によって異なりますが、実店舗のいらないネットビジネスや小規模な店舗の場合は100万円以下、中規模の店舗は200~300万円が相場とされています。
加盟金の振込期限は契約締結後から数日以内というケースが多いので、あらかじめ手元にまとまった資金を用意しておく必要があります。
ステップ7.物件の内見
セルフ脱毛サロンを開業する物件の内見を行います。
開業するエリアによって、ターゲット層や物件価格に大きな差が出ますので、予算を考慮しつつ、セルフ脱毛サロンの需要を見込める地域を選定することが大切です。
サロンによっては物件の内見にスタッフが同行し、適切なアドバイスなどを提供してくれるところもありますので、プロの意見も参考にしながら適切な物件を見つけましょう。
ステップ8.開業準備
物件が決まったら、内装工事や備品・什器の購入、設備の導入など、セルフ脱毛サロンを開業するための準備をスタートします。
フランチャイズの場合、本部から経営マニュアルが配布されますので、内容を熟読して経営の基本をしっかりマスターしておきましょう。なお、内装工事費や備品・什器代、設備の導入費などにも相応のコストがかかります。
サロンの売り上げが手元に入ってくるのは、開業から1ヶ月後になりますので、初月の経営コストも考慮に入れつつ、必要な投資を行いましょう。
ステップ9.集客活動を行う
セルフ脱毛サロンをオープンする日程が決まったら、本格的な集客活動に着手します。
フランチャイズでは大手サロンの看板を掲げて営業するので、個人サロンに比べると高い集客性を期待できますが、他のフランチャイズ店との差別化を図るためには、自ら接客的に集客活動を実施することが大切です。
ただ、手当たり次第に広告活動を行うと、それなりの手間とコストがかかりますので、費用との兼ね合いも考えながら、有効な手段でアピールしていきましょう。
関連記事:サロンの集客のコツとは?新規のお客様をリピーターに繋げる方法も紹介!
ステップ10.オープン
必要な準備がそろったら、いよいよサロンをオープンさせます。開業当初は本部から応援やサポートを受けられますので、初めて独立開業する方でも安心してスタートできるでしょう。
以上がセルフ脱毛サロンを開業する方法と一連の流れで、フランチャイズ契約から実際に店舗をオープンするまでにかかる時間はおよそ2~3ヶ月程度とされています。
もちろん、物件探しなどに時間がかかれば、それだけ所要日数も増えますが、契約~オープンまでにかかる時間は意外と短いので、契約前の下調べを入念に行い、必要な準備や心構えを整えておくことが大切です。
セルフ脱毛サロンの需要が高まっている理由
エステティシャンが施術を担当する脱毛サロンは昔からありますが、自分でケアするセルフ脱毛サロンの需要が高まっているのには、大きく分けて3つの理由があります。
理由1.従来の脱毛サービスの価格帯への不満
ある企業が全国の男女を対象に実施したアンケート調査によると、自分のムダ毛が「気になる」と回答した人の割合は男性が約5割、女性は約8割と高い数値をマークしていますが、脱毛サロンの利用率は男性が約5%、女性は約30%に留まっています。[注1]
脱毛サロンを使わない理由としては、男女とも「施術にお金がかかるから」が最多で全体の半数近くを占めており、費用面がネックになっていることがうかがえます。
その点、セルフ脱毛サロンはエステティシャンに支払う人件費を節約できるぶん、低価格の料金体系を実現できるため、「費用をかけずに脱毛したい」という市場ニーズに合致したサービスを提供できるところに注目が集まっています。
理由2.新型コロナウイルス感染拡大の影響
通常、脱毛サービスは個室で実施しますが、新型コロナ感染拡大を防ぐためには、3密(密閉・密集・密接)を回避する必要があります。狭い個室でマンツーマン(または2:1)施術するのは感染リスクが高いため、サロンでの脱毛施術に抵抗を感じるという方は少なくありません。
セルフ脱毛サロンでは自分ひとりで脱毛マシンを使って施術するので、密になる心配がなく、コロナ禍でも安心して施術できるところが大きなメリットです。
理由3.プライバシーの問題
脱毛サロンではエステティシャンに素肌をさらして施術するため、少なからず恥ずかしさや抵抗感を覚える方もいます。
セルフ脱毛サロンは原則として無人でサービスが提供されるため、人目を気にせず、自分で好きなところをケアできるところも魅力のひとつとなっています。
このように、セルフ脱毛サロンは現代のニーズに合ったサービスを提供するサロン形態であることから、今後ますます需要が拡大していくことが予測されています。
脱毛サロンをフランチャイズ開業する魅力
顧客にとって魅力の多いセルフ脱毛サロンですが、サロンオーナーにとっても、一般的な脱毛サロン経営にはないさまざまなメリットがあります。
魅力1.人件費の削減
セルフ脱毛サロンでは、顧客自身が脱毛マシンを利用してムダ毛のケアを行うシステムになっているため、店舗にエステティシャンを常駐させる必要はありません。
人件費は経営コストの中でも大きな割合を占める項目であり、かつ人材の採用や教育に割く時間も節約できますので、サロン開業のハードルがぐっと低くなります。
客単価は一般的な脱毛サロンより低くなりますが、そのぶんコストも安く抑えられますし、接客がないぶん客の回転率も良くなるので、経営が起動に乗れば安定した収入を見込めます。
魅力2.集客にかかる手間とコストの削減
セルフ脱毛サロンを開業するにあたっては、周辺エリアにオープン情報を配信し、人を呼び込む準備を行う必要があります。
集客の手段は複数ありますが、チラシを配ったりDMを配信したり、公式サイトを構築したりするのにはそれなりのコストと時間がかかるため、特にワンオーナーサロンでは大きな負担となります。
フランチャイズサロンなら、知名度・信頼度の高い大手サロンの名前を掲げて店をオープンできるので、開店当初からたくさんの人の注目を集めることができます。
もちろん、ネームバリューだけに頼るのは危険ですが、一からスタートする無名の個人サロンに比べると、少ない手間とコストで安定した集客を見込めるところが魅力です。
魅力3.本部からサポートを受けられる
これまで店舗経営の経験がない方にとって、一から経営を学ぶのはかなりの時間と手間がかかります。フランチャイズ経営なら、本部からマニュアルやアドバイスなどのサポートを受けられるため、初めて独立する方でも契約~オープンまでスムーズに進めることができます。
サロンによっては物件探しや内見に同行してくれるところもあり、自分のニーズや予算に合ったサロン物件を見つけやすくなります。
セルフ脱毛サロンで考えられるリスク
ここまでセルフ脱毛サロンの需要の高さや、フランチャイズ開業するメリットをご紹介してきましたが、一方で、セルフ脱毛サロンならではのリスクもゼロではありません。
メリットばかり注目して、リスクを知らずにサロンをオープンすると、予想外のトラブルに見舞われて経営に失敗するおそれがありますので、良い面だけでなく注意したい点もしっかり理解しておきましょう。
ここでは、セルフ脱毛サロンで考えられるリスクや注意点を2つのポイントに分けて解説します。
リスク1.安全性の問題
一般的な脱毛サロンでは、知識・経験ともに豊富なエステティシャンが施術を担当するため、顧客はただ座ったり、寝転がったりしているだけで安全に脱毛することが可能です。
しかし、セルフ脱毛サロンでは特別な知識を持たない顧客が脱毛マシンを使用して施術するため、安全面のリスクが高くなります。
特にサロンに導入されている業務用の脱毛マシンは、家庭用脱毛器に比べると出力が強いため、誤った方法で使用するとやけどやケガにつながることもあります。
セルフ脱毛サロンでの施術は自己責任の部分も大きいとはいえ、やけどやケガを負った顧客からクレームや苦情が入ったり、場合によっては裁判沙汰になってしまったりすることも十分考えられます。
そのため、セルフ脱毛サロンでは特別な知識や経験を持たない素人でも安全に施術できるよう、適切な対策を講じる必要があります。
リスク2.集客の問題
施術レベルが同じなら、顧客はより対応の良いサロンを選びますので、
一般的な脱毛サロンでは接客サービスに力を注ぐことで、同業他社との差別化を図っています。
しかし、セルフ脱毛サロンのように無人でサービスを提供する店舗の場合、接客の良さを強みにすることはできません。
周辺エリアに似たようなセルフ脱毛サロンがある場合、新規顧客の獲得あるいはリピーターの増加を実現するためには、接客以外の要素で集客する必要があります。
フランチャイズの場合、大手サロンの看板を掲げてオープンするので、開業当初は自然と人を呼び込むことができますが、継続的に集客するためには、斬新なアイデアや工夫の採用、入念なマーケティングなどの努力が不可欠となります。
脱毛サロンのフランチャイズを成功させる秘訣
エステサロンというと華やかなイメージがありますが、業界の内情は決して安泰というわけではなく、毎年決して少なくないサロンが倒産の憂き目に遭っています。
東京商工リサーチが実施した2019年の「エステティック業倒産動向調査」によると、2019年のエステティック業の倒産件数は73件で、前年比4割増と大幅にアップしました。[注2]
さらに2020年度以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、平時より多くのエステサロンが経営の危機に陥っていることが推測されています。
市場のニーズを反映して誕生したセルフ脱毛サロンは、すでに飽和状態だったエステサロンに比べると高い需要を期待できますが、流行に乗って開業しただけでは、経営を軌道に乗せることはできません。
今後ますます競争が激化することが予測される脱毛サロン業界で生き残っていくためには、成功するための秘訣をしっかりつかみ、適切な取り組みを行っていくことが大切です。
ここでは、セルフ脱毛サロンのフランチャイズ経営を成功させるために押さえておきたいコツを4つご紹介します。
コツ1.ターゲット層を明確にする
セルフ脱毛サロンへのニーズは客層によって異なり、とにかく安さを求める人もいれば、サロンの雰囲気やプライバシー保護を重視する人もいます。サロンのコンセプトや理念を明確にしないまま店をオープンさせてしまうと、どのターゲット層にも響かず、集客力が大きく低下してしまいます。
セルフ脱毛サロンを開業するにあたっては、まず「自分がどんなサロンを経営したいのか」を考え、そこからターゲット層を絞り込んでいきましょう。ターゲット層が明確になれば、出店エリアの選定や、内外装の決定もスムーズに進みやすくなります。
コツ2.資金は余裕を持って用意する
セルフ脱毛サロンは、一般的な脱毛サロンよりも少ない予算で開業できるところが利点です。しかし、セルフ脱毛サロンをフランチャイズ開業するには、加盟金や物件費用、内外装の工事費、備品や什器、設備の導入代など、さまざまなコストが発生します。
開業後も、人件費こそかからないものの、光熱費や設備のメンテナンス代、セキュリティ代などのランニングコストは毎月負担しなければなりません。
売上が手元に入ってくるのは開業から1ヶ月以上経った後ですし、オープン当初はどのくらいのお金が入ってくるのか予測がつきませんので、開業資金は余裕を持って用意しておきましょう。
コツ3.脱毛マシンの選定は慎重に行う
脱毛マシンの効果は出力に比例して大きくなりますが、出力が強すぎるとやけどやケガなどのリスクも高くなります。とはいえ、家庭用脱毛器と同じくらいまで出力を下げると、「サロンならではの脱毛効果を実感したい」と期待して来店する顧客のニーズに反してしまいます。
業務用の脱毛マシンにはいろいろな種類がありますので、素人が使っても安全で、かつ高い脱毛効果を実感できるマシンを厳選することが大切です。
コツ4.集客・リピート獲得の工夫を採り入れる
フランチャイズサロンは最初こそ大手サロンの名前で集客することが可能ですが、2回、3回とリピートしてもらうためには、サロン側から顧客へ積極的にアプローチする必要があります。
特にセルフ脱毛サロンは、接客によるアプローチを行うことができないので、対面以外の方法でリピートの促進を図りましょう。
最近はインターネットを活用した宣伝・広告が主流になりつつありますが、中でもセルフ脱毛サロンの集客におすすめなのがインスタグラムを活用したアプローチです。
インスタグラムは老若男女さまざまな人が活用していますが、20代の利用率は64%、30代の利用率は48.6%と、特に脱毛ニーズの高い若年層からのシェア率が高い傾向にあります。[注3]
ターゲット層になる可能性が高い年代のユーザーに対し、インスタならではの写真や動画を使った視覚的なアプローチを行えば、より効率的に人を集めることが可能となります。
美容サロン業界No.1の予約システム「リザービア」なら、「インスタグラム連携予約」機能の活用により、インスタからそのままサロンの予約を取ることができます。
サロンに寄せられた口コミ投稿は、他のお客様を呼び込むきっかけになるほか、どんなところが評価されたか、どのような点に改善が必要かを判断する有益なフィードバックとしても活用できますので、一石二鳥の効果を期待できます。
ツール導入後のサポートも万全ですので、セルフ脱毛サロンの開業にあたって有効な宣伝・呼び込みを行いたい!という方は、ぜひリザービアの利用をご検討ください。
セルフ脱毛サロンのフランチャイズを成功させるにはターゲット層の明確化や集客の工夫が必要不可欠
セルフ脱毛サロンは、一般的な脱毛サロンより価格が安く、かつ3密を回避できるサービスとして、近年高い需要を誇っています。
サロンオーナーにとっても、人件費を節約して運営できるのは大きなメリットですが、ニーズの高まりによって競合他社が増えている今、新規顧客およびリピーターを獲得するためには、他店との差別化が必要不可欠となります。
そのためには、どんなサロンを目指しているのか、どのような客層をターゲットにしているのかを明確にすると共に、ターゲット層に対して効率的にアプローチできる集客方法を模索することが大切です。
リザービアなら、脱毛サロンへのニーズが高い若年層の利用率が高くインスタグラムと連携した予約サービスで、効率的に人を呼び込むことが可能です。
セルフ脱毛サロンをこれから開業する方や、集客方法にお悩みの方は、リザービアの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
[注1]株式会社リクルートライフスタイル ホットペッパービューティーアカデミー「ムダ毛・脱毛に関する意識調査」
[注2]東京商工リサーチ「2019年 エステティック業倒産動向調査」
[注2]総務省「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」