整体院を開業したいけれど、何を準備すればいいのか分からない、必要な手続きや開業にかかる費用を知りたい、などの疑問や悩みをお持ちの方もいるのではないでしょうか。そこで今回の記事では、整体院の開業に必要なものや、開業するためにやるべきことをご紹介します。
さらに、整体院の開業で成功するために大切なこともご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次
整体院は開業届を提出することで開業できる
整体院を開業するためには、開業届を税務署に提出します。開業届と合わせて青色申告承認申請書を提出することで、所得金額から控除を受けたり、家賃や水道光熱費を按分して経費計上したりすることができます。提出する先は、納税地となる税務署です。
管轄の税務署の所在地を知りたい場合は、国税庁ホームページを確認しましょう。
整体師として開業するためにやっておくこと
整体院は、開業届を提出することで開業ができるため、比較的かんたんに始めることができます。しかし、整体院を始めるためには、さまざまな準備をしなければいけません。整体院を開業するためにやっておくことを7つご紹介します。
1.開業形態を決める
まずは、開業形態を決めましょう。整体師の開業形態は主に4つ挙げられます。
- 自宅で開業
- 貸店舗を借りて開業
- 賃貸マンションの一室で開業
- レンタルサロンで開業
開業形態によってかかる費用が異なるため、それぞれの特徴を知った上で、どの開業形態にするかを決めましょう。
自宅で開業
自宅で開業する方法は、ひとりで整体院を営む方におすすめです。自宅を整体院にすることで、貸店舗や賃貸マンションの一室を借りるよりも賃料を抑えることができます。
しかし、自宅の開業は大きな看板など、大規模な広告を置くことが難しいため、別の集客手段を用いるなど工夫が必要でしょう。
貸店舗を借りて開業
店舗用として貸し出している物件は、比較的人通りが多い場所に位置していることが多いため、人目に触れやすく、飛び込み客がある可能性や認知が広がりやすいなどの集客効果が見込めます。
さらに、目立つ看板などを置くことで、より高い集客効果が見込めるでしょう。集客がしやすいメリットがある反面、賃料が高いデメリットがあります。
内装が取り除かれているスケルトン物件の場合は、内装や設備の改装工事が必要になるため、初期費用が高くなります。
賃貸マンションの一室で開業
事務所や店舗など商業利用ができるマンションと契約することで、賃貸マンションで整体院を開業することが可能です。貸店舗と比ると賃料が比較的低いため、初期費用が抑えられます。
賃貸マンションは、自宅開業と同様に大きな看板などを設置することができません。そのため、物件を選ぶ際は、駅チカなど集客しやすい立地を選択することに加えて、集客に工夫が必要です。
レンタルサロンで開業
ほかのスタッフを雇用せず個人で整体師として働く方で、初期費用をなるべく抑えたい場合は、レンタルサロンを活用することがおすすめです。レンタルサロンとは、時間・日・月単位で施術スペースを借りることができるサービスのことです。
レンタルサロンは、施術に必要なベッドや備品が用意されているため、自分で揃える必要がありません。さらに、働く場所が固定されないため、周辺地域に限らず顧客を獲得できる可能性があります。
初期費用を抑えたい・自宅と仕事場を分けたい・複数のエリアでサービスを提供したいという方は、レンタルサロンを検討してみるといいかもしれません。
2.事業計画を立てる
整体院の営業形態を決めることができれば、次に事業計画を立てます。事業計画は、整体院のコンセプト・サービス内容・想定される売上や経費など、整体院の運営に関わることを詳しく決めます。
事業計画は、次に紹介する開業資金の調達の際に提出が必要になる場合があるため、開業前に事業計画を練っておきましょう。
3.開業資金を調達する
整体院の開業は少なからず費用が必要です。開業形態や自己資金にもよりますが、自分で補えない部分を補填するために、どこからか開業資金の調達をしなければならないことがあります。資金は、日本政策金融公庫・銀行・信用金庫で調達しましょう。
とくにおすすめなのが、日本政策金融公庫です。国が出資している金融機関で、ほかの金融機関に比べて、長期間かつ低金利で融資を受けることができます。融資を受ける際は、第一候補として検討しておくといいでしょう。
4.物件を選定する
開業形態を決めたあとは、整体院を開く物件を選定します。自宅で開業をする方は、物件を選ぶ必要がありません。賃貸を考えている場合の物件を選ぶポイントは、集客がしやすい立地やランニングコストを抑えられるかといったことです。
立地は、開業地域によって異なります。たとえば、都会であれば駅が近い場所、地方であれば駐車場がある程度広い場所が挙げられます。それを踏まえて、自分の予算に合った物件を選びましょう。
5.内装工事をする
物件を契約したあとは、内装工事を進めます。整体院の内装は、初めて利用する方の第一印象となるため大切です。
リラックスして快適に施術を受けてもらうために、レイアウトを考えなければいけません。スケルトン物件で内装をゼロから工事する際などは、工事費用が高くなります。
内装工事の費用を抑えるためには、居抜き物件やあらかじめ好みの内装がされている物件を探すといいでしょう。
6.集客と販促の準備
ある程度の開業準備ができたあとは、集客や販促の準備をします。集客は、効果が出るまでに時間がかかるため、開業前から準備をしておくほうが良いでしょう。
たとえば、ホームページの開設やチラシの作成が挙げられます。また、無料のSNSなどでアカウントを開設して集客を行うと、広告にかける費用を少し抑えることができます。
7.備品を揃える
レンタルサロンを活用する以外の場合は、整体院に必要な備品を揃えなければいけません。必要な備品は以下のものが挙げられます。
- 施術用ベッド
- デスク
- パソコン
- エアコンやストーブ
- カーテン
- タオルやシーツ など
備品を揃えるのに必要な費用は最低でも数十万円、高価なものやたくさんの備品を揃える場合は、百万円を超えることもあります。
整体院の開業でかかる費用
整体院は、開業する形態で費用にバラつきがあります。整体院を開業する前に、費用の
おおよその目安を知りたいという方もいることでしょう。そこで、開業にかかる費用の目安をご紹介します。
これら4つの費用は、あくまで参考です。開業形態によって費用を抑えることもできれば、目安よりも高額になることもあり得ます。想定以上の費用がかからないように、しっかりと考えるようにしましょう。
整体院の開業でおすすめの資格
整体院は、資格や免許無しでも開業することができます。しかし、より専門的な知識や技術を習得することは、顧客を増やすうえで重要なポイントです。知識や技術を習得していることを顧客に証明するためには、資格の取得をおすすめします。
整体院の開業におすすめの国家資格を3つご紹介します。国家資格を取得することで、資格保有者のみができる行為があります。仕事の幅を広げて競合との差別化にもなるため、これを機に取得を検討してみてはいかがでしょうか。
1.柔道整復師
柔道整復師は、薬や手術のような方法を使わず、柔道整復術と呼ばれる技術を用いて、骨折・脱臼・捻挫・打撲などの怪我を治療します。
柔道整復師の資格を取得するためには、都道府県知事から柔道整復師の養成施設に認定されている大学や短大、専門学校で学び、国家試験に合格しなければいけません。
柔道整復師の資格を取得することで、柔道整復師業務ができるほか、保険診療を扱うことができます。
2.あん摩マッサージ指圧師
あん摩マッサージ指圧師は、あん摩・マッサージ・指圧を用いて、身体不調の緩和や病状を解消します。
あん摩マッサージ指圧師の資格を取得するためには、文部科学大臣もしくは厚生労働大臣が定める大学や短大、専門学校といった養成施設で学び、国家試験に合格しなければいけません。
あん摩マッサージ指圧師の資格も取得することであん摩マッサージ指圧師業務が可能になり、さらに保険診療を扱うことができます。
3.鍼灸師
鍼灸師は、はりときゅうを使用して体のツボをや筋肉に刺激を与えることで治療を行います。
この鍼灸師は、「鍼灸師」というひとつの資格ではなく、「はり師」と「きゅう師」ののそれぞれの資格を取得することで、「はり師」と「きゅう師」になることができ、両方の資格を取得した場合は鍼灸師と名乗ることができます。
「はり師」と「きゅう師」の資格を取るためには、文部科学大臣の認定した学校、または厚生労働大臣又は都道府県知事が定める養成施設で学び、それぞれ国家試験に合格しなければいけません。
鍼灸師についても、保険は適用されますが、特定の病状や医師の同意書が必要といった条件を満たす必要があります。
整体院の開業で成功するために大切なこと
整体院を開業するには、準備をするための時間と労力が必要です。さらに、開業をしたあとは、整体院の売上を伸ばすための施策を考えなければいけません。最後に、整体院の経営を成功させるために大切なことを4つご紹介します。整体院の経営を成功させるためにとても大切な要素になりますので、チェックしておきましょう。
1.リピートされるための価格設定
整体院の経営を成功させるためには、リピーターの獲得が大切になります。
リピーターを獲得するための施策として、メニューの価格設定が挙げられます。低すぎる価格に設定すると目標の売上に届かない可能性があり、高すぎる設定だとリピーターを十分に獲得することができません。
価格を決める際は、目標の売上から逆算して考えるほかに、競合の平均価格を参考にするといいでしょう。
2.顧客獲得のための集客
多くの新規顧客に整体院を利用してもらうためには、集客が必須です。たとえば、ネットを活用したWeb広告・InstagramやFacebookなどのSNS・ユーザーが多く集まるポータルサイトの登録・チラシや看板などのオフライン広告などが挙げられます。
多くの場合、集客には費用がかかるため、優先順位をつけて活用することをおすすめします。対象にする顧客を決めて、効果が得やすい集客手段を取り入れましょう。
3.知識の習得・技術を磨き続ける
利用者に施術で満足してもらうためには、価格に合った、もしくはそれ以上のサービスを提供しなければいけません。そのために、知識の習得・技術を磨き続けることをおすすめします。
本やインターネットを活用する方法のほかに、人気の整体院を訪れて自分で施術を受けてみることもいいでしょう。
そうすることで、整体院の経営の役立つヒントが得られるかもしれません。
4.顧客の満足度向上
整体院を利用する方は、必ず体の不調や悩みを抱えています。そういった方の不調を解消・悩みを解決することで、満足度が向上してリピーターに繋がる可能性があります。
知識や技術力はもちろんのこと、利用者との信頼関係を構築するためにはコミュニケーション能力が必要です。利用者に対して、積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
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整体院の開業は焦らず進めよう
今回の記事では、主に整体院の開業に必要なことと、やっておくべきことについてご紹介しました。整体院は、特別な資格や免許を所持していなくても、開業届を税務署に提出することで事業を始めることができます。
資格や免許は必須ではありませんが、資格の取得は知識や技術を習得していることの証明になります。資格を所持していないと施術できないこともあるため、仕事の幅を広げて売上をアップする可能性を見据え、資格を取得することをおすすめします。
整体院の開業は、準備することが非常に多く、時間と労力が必要です。開業を早く済ませたいからといって、決して雑に準備をしてはいけません。
整体院を開業して良いスタートを切るために、ひとつひとつ着実に準備をして、万全な状態で開業に臨みましょう。
引用元:
厚生労働省:柔道整復師国家試験の施行
厚生労働省:あん摩マッサージ指圧師国家試験の施行
厚生労働省:はり師国家試験の施行
厚生労働省:きゅう師国家試験の施行