訪日外国人の増加に伴い、インバウンド需要への対応を検討している店舗やサロンは少なくないでしょう。対応策のひとつとして、予約システムの多言語対応はとても重要です。
本記事では、多言語対応している予約システムのなかから、さまざまな業種に対応している汎用的なものと、美容サロンなどの予約に特化したものを紹介します。さらに多言語対応システムを導入するメリットと選び方のポイントも紹介します。
目次
多言語応の予約システムを導入するメリット
英語をはじめとした多言語に対応している予約システムを導入するメリットを3つ紹介します。
訪日客の集客率アップ
旅行で日本を訪れる外国人のなかには、日本の美容サロンなどを利用してみたいと考えている人も少なくないようです。
予約システムが多言語対応していることで、海外から日本に旅行に来た人にもサロンを利用してもらいやすくなります。これにより、新しいお客様の獲得につながる可能性が高まるでしょう。
多様な顧客ニーズへの対応
予約システムが複数の言語に対応していることは、旅行で日本に来た外国人だけでなく、日本に住む外国人にも利用しやすい予約環境をつくることにつながります。
特に日本に住んでいる外国人の場合、旅行客に比べて定期的に来店する可能性が高いです。多言語対応の予約システム導入によって、予約の難易度が低くなることで、リピート率の向上につながるでしょう。その結果として、収益の増加も期待できます。
円滑な予約対応
予約システムが多言語に対応していることで、日本語に不慣れな人も予約をスムーズに進められる環境が整います。
これにより、途中で諦めることなく予約を完了してもらえる可能性が高くなるでしょう。
多言語対応予約システムの選び方のポイント
英語やほかの言語に対応している予約システムは数多く存在し、それぞれに特徴があります。それらのなかから、自分のサロンや店舗に最適な予約システムを選ぶためのチェックポイントを3つ紹介します。
使いやすさ
設定や予約確認の使いやすさだけでなく、お客様にとっても直感的でわかりやすい予約システムであることが重要です。
多言語対応を実現していても、操作が難しく複雑では、お客様に敬遠されるかもしれません。その結果、予約途中での離脱につながる可能性もあり、多言語に対応した予約システムの効果を十分に発揮できないことが懸念されます。
無料プランの有無
無料プランがあれば、実際の使用感や自分のサロンに合ったシステムかを導入前に確認できるため、重要な判断材料となるでしょう。
もし無料プランがない場合でも、デモンストレーション画面や試用版の有無を確認し、実際の操作を体験してみることをおすすめします。
対応している言語数
多言語対応している予約システムのほとんどが英語に対応していますが、ほかの言語については状況がさまざまです。対応している言語の種類は幅広く、システムに搭載できる言語数がプランごとに制限されているケースもあります。
必要な言語は含まれているか、契約予定のプランで必要な言語を網羅できるかなどは、契約前によく確認することが大切です。
事前決済機能の有無
事前決済機能が搭載されていれば、コミュニケーションがうまくいかずに会計に手間取るといった事態を避けられる上、来店しなかった場合のキャンセル料の回収なども容易になります。
もし事前決済機能が搭載されている場合は、クレジットカード以外の決済方法にも対応しているかもあわせてチェックしておきましょう。
さまざまな業種に対応!おすすめの多言語対応予約システム5選
予約システムは特定の業種に特化したものや、幅広い業種に対応している汎用性の高いものなど、さまざまなものがあります。
ここでは、さまざまな業種で活用できる汎用性の高い予約システムのなかから、多言語対応しているおすすめの予約システムを5つ紹介します。
RESERVA

出所:RESERVA公式Webサイト
レゼルバは、シンプルな設定でサイト開設がかんたんにでき、開設後すぐに予約受付が開始できます。
対応言語は日本語のほか、英語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語・タイ語です。システムの固定の文言(予約するボタンや営業時間など)は言語の切り替えが自動で反映され、店舗の情報などは手動での入力が必要です。
レゼルバは月額利用料0円から利用できる予約システムですが、多言語対応はゴールドプラン以上の契約が必須となっています。
ゴールドプランでは日本語に加え2つの言語が追加でき、エンタープライズ以上のプランになると、搭載されているすべての言語が利用できます。
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SelectType

出所:SelectType公式Webサイト
セレクトタイプは、ホームページと予約フォームが作成できる、基本利用料が無料の予約システムです。
セレクトタイプの多言語対応は自動翻訳ではなく、別言語で作成したオリジナルの表示内容やメール記載内容を、自分で設定する必要があります。
英語・中国語(簡体字/繁体字)はテンプレートが用意されています。テンプレートの無い言語も、自分で翻訳したページを作成すれば切り替え設定をすることができ、日本語以外に最大5つの言語が設定可能です。
また、多言語機能をシステムに反映させるためには、プレミアムプランの契約が必要です。無料プランを含めプレミアム以外のプランでもプレビューは可能となっているため、設定や実際どのように表示されるかなどを確認した上で、導入を検討してみても良いでしょう。
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リザエン

出所:リザエン公式Webサイト
リザエンは美容サロンや宿泊施設、医療機関や学校など、200種以上の業種に対応している予約管理システムです。予約形式は時間タイプ・時間割タイプ・イベントタイプ・日付タイプの4パターンに分かれているため、利用目的に合った形式を選んで活用できます。
予約システムは多言語対応となっていますが、英語以外の対応言語情報は公式ホームページでも公開されていないため、対応言語については問い合わせが必要です。
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EDISONE予約

出所:EDISONE予約公式Webサイト
エジソン予約は、さまざまな業種に対応した予約システムです。業種に合わせて9つのパターンのなかから、予約システムのタイプを選択できます。
対応している言語は日本語のほか、英語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語です。
エジソン予約は月額0円から利用が可能なシステムですが、多言語切り替え機能は、6パターンある料金プランのうち上位2プラン(ベーシックとアドバンス)のみ対応しています。
予約ページや店舗ページの固定文言が自動翻訳されますが、店舗情報やメニュー、予約確定のお知らせやリマインドメールについては、手動での翻訳文入力が必要です。
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SuperSaaS

出所:SuperSaaS公式Webサイト
スーパーサーズは、世界中で19万社以上の導入実績をもつ予約システムです。
予約画面は34の言語に対応しており、管理画面やサポートは、英語・スペイン語・ドイツ語・日本語など12の言語に対応しています。
業種に合わせた予約ルールやキャンセルポリシーのカスタマイズのほか、デザインのアレンジも可能です。
決済システムも充実しており、クレジットカード決済のほか、PayPalなどのオンライン決済システムにも対応しています。
初回アカウント作成から1カ月間は、システムを無料で利用できます。ただし商用利用する場合は個人か法人かを問わず、2カ月め以降は有料版への切り替えが必要です。
料金プランによって受け付けられる予約件数は決まっていますが、予約枠の設定数に制限はありません。
美容サロンに特化!おすすめの多言語対応予約システム・サービス5選
美容サロンの予約には来店日時だけではなく、メニューや担当者の選択など複数の情報が必要です。そのため、多くの美容サロン向け予約システムは、顧客カルテとの連携など、サロン運営に役立つさまざまな機能を備えています。
ここでは、多言語対応している予約システムやサービスのなかから、美容サロンの予約に特化したシステムやサービスのおすすめを5つ紹介します。
reservia
リザービアは予約管理や顧客管理など、サロン運営に特化して必要な機能を搭載した予約管理システムです。
日本語以外に対応している言語は、英語・中国語(簡体字/繁体字)・韓国語・タイ語です。
プルダウンから言語を選択するだけで予約ページの表示言語を切り替えられるため、お客様にとっても直感的に操作しやすくなっています。
また、お客様が予約する際に必要な入力項目は名前・メールアドレス・電話番号のみとなっているため、入力項目の多さからくる煩わしさがありません。
さらに「Googleで予約」機能により、Google検索やGoogleマップからの直接予約も可能です。これにより「地域名+業種」などで美容サロンを検索する訪日外国人のお客様の集客につながる可能性があります。
Beauty Merit

出所:Beauty Merit公式Webサイト
Beauty Meritは英語と中国語に対応している美容サロン向けの予約管理システム。自社サイトやSNS、クーポンサイトなどからの予約を一元管理できる上、サロン専用アプリを作成して予約を受け付けることも可能です。
スタッフのスケジュール管理や指名予約の受付のほか、顧客カルテの電子化にも対応しており、スタッフ間の情報共有やサロン運営の効率化に役立ちます。
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coming-soon

出所:coming-soon公式Webサイト
coming-soonは、サロン業務の効率化に役立つ独自機能を搭載している予約管理システムです。
すでに入っている予約と、これから入る予約の間に、ムダな待機時間が発生しないように予約を受け付ける「すきま時間ブロック機能」です。
そのほか、クーポンサイトやLINEなどと予約連携も可能となっています。Googleマップなどからの直接予約を可能にする「Googleで予約」との連携では、英語や中国語をはじめとした14カ国語に対応しています。
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hAIr TOKYO

出所:hAIr TOKYO公式Webサイト
hAIr TOKYOは、日本の美容文化を世界に発信するプロジェクトです。
東京都内の「外国人に優しい美容室」を認証する制度を2024年10月より開始し、外国人観光客の受け入れに積極的な美容室の募集を行っており、公式サイトに予約情報を公開しています。
公式サイトは英語やフランス語をはじめとした11カ国語に対応しており、多言語対応AIチャットツールの導入で、訪日外国人が安心して美容室を検索・予約できるようサポート
しています。
プロジェクトへの参加は専用フォームからの申し込みが必要です。
WellBe
WellBeは日本とベトナムの美容サロンを検索し、予約ができるプラットフォームです。エステやリラクゼーションサロンのほか、ネイルサロンや美容室も掲載されています。
英語や日本語のほか、ベトナム語・中国語・タイ語などアジア圏の言語を中心に、9カ国語に対応。
利用者の年齢層は20〜60代と幅広く、アジア圏のみならず欧米や中東地域からの利用者も数多くいます。
業種に合った多言語対応の予約システムを選ぼう!
旅行で日本を訪れる外国人や、日本に住む外国人をお客様として受け入れるためには、予約システムの多言語対応が重要です。多くの言語に対応していることで、新規のお客様を獲得するチャンスが広がるかもしれません。
また、予約システムの場合はインバウンドの予約受付だけではなく、日常業務での使いやすさも考慮して選ぶことをおすすめします。
業種や業態、お店の規模やスタッフ数によっても、使いやすい予約システムは異なります。自店の業務効率を上げるために役立ちつつ、訪日外国人からの予約受付にも役立つシステムを選んで、集客力アップに役立てましょう。