ネイルサロンの売上を決める重要な要素の一つが、料金表です。お客様の興味関心を引くようにデザイン・メニューの工夫をすることが、売上や集客につながります。
しかし、具体的にどのような料金表・メニュー表を作るべきかわからない、と悩んでいるネイルサロン経営者の方も多いのではないでしょうか?
この記事では、ネイルサロンの料金体系の相場や料金を決める際の考え方、おすすめのメニュー表の作り方について詳しく解説します。ネイルサロンの料金相場やメニュー表づくりについて知って、売上につなげていきたい方は必見です。
目次
ネイルサロンの料金体系は?
ネイルサロンにおける料金相場は、いくらくらいでしょうか?この章では、ネイルサロンの料金体系の内訳と相場感を紹介します。
ネイルサロンのサービス料金決定のメカニズムと相場感がどの程度なのかを把握して、自分の店舗におけるサービス料金の決定に生かしましょう。
メニュー料金の設定に関しては、以下の記事も参考にしてみてください。
ネイルサロンのサービス料金の内訳
ネイルサロンのサービス料金を構成する要素には、以下のようなものがあります。
基本料金として約3,000円がかかり、甘皮や白爪のケアをしてもらうなら約2,000円のケアサービス料金がかかることが多いようです。
加工技術料は色の違いが豊かなグラデーション、デザイン性が豊富なネイルサロンのフレンチなど、お客様が希望するネイルタイプによって料金相場は大きく変わります。
詳しい相場感については、次項で紹介します。
また、オプションでパーツを追加したり、ネイル補修やネイルの塗り直しをしたりなど、ネイルのアフターケアに関するオプションサービスの料金も考慮しなければなりません。
ネイルサロンのサービス料金の相場
ネイルサロンのサービス料金は、最低でも基本料金や加工技術料をとるのが基本です。これらを合わせたサービス料金は8,000〜10,000円前後。ハンドケアやオプションを追加すると、12,000〜15,000円前後という相場感になるのが一般的でしょう。
ネイルサロンのジェルネイルの加工技術料の目安をまとめると、以下のようになります。
ネイルサロンの料金表を決める際の考え方
ネイルサロンの料金を決める際は、いくつかの基本的な考え方があります。また、価格変更をするのに、覚えておきたい考え方やタイミングについても知っておきたいところ。
この章では、ネイルサロンのサービス料金を決める際の基本と、料金変更の考え方についてくわしく見ていきましょう。
1.サービス価格設定の基本
ネイルサロンのサービス価格には、材料費や人件費などのサービス原価に利益を上乗せした料金を設定するのが基本です。
メニューごとにかかる材料費や光熱費、提供時間の長短によるスタッフの人件費を計算して、最低でもどれくらいの原価がかかるのかを計算します。
また、家賃や広告宣伝費などの運営にかかる費用も含めて、サービス提供に必要な総コストを見積もることが大切です。
メニューごとにかかる費用を出したら、あとは店舗の利益となる料金を上乗せすることで、赤字にならない料金表づくりができます。
2.価格を変更する際の考え方
ネイルサロンで継続的な売上をあげていくためには、サービスに付加価値を感じてもらい、高利益のメニューでも営業できるような状態にするのが理想です。
安売りしてしまうと、かけられるコストが限られてしまうので、お客様が満足できる丁寧でオリジナリティのあるサービスを提供するのが難しくなってしまいます。
赤字にならない料金設定でサービスを提供することはもちろん、値上げをしてもリピーターを増やしていけるようなメニューを考えることが大切です。
3.価格変更を考えるべきタイミング
ネイルサロンの価格変更を考えるべきタイミングは、以下の3つの場合が多いでしょう。
- 客単価が下がってきた
- 店舗での滞在時間が短い
- サービス外の要望が増えた
客単価が下がってきたら、利益率の低いメニューの料金を再検討する必要があります。
お客様のニーズを把握し、サービスの質を向上させ、料金を上げても売れるようなメニューやサービスを目指しましょう。
また、店舗での滞在時間が短くなると、追加のサービスを提供できないことが多くなるので、結果的に店舗の売上がへってしまうことにもつながります。お客様の滞在時間を長くするような魅力的なオプションメニューを考案してみましょう。
他にも、もしお客様にサービス外の要望をされる機会が増えたら、メニュー外のオプションやサービスのさらなる充実に対する需要があるということとらえましょう。追加のメニューやサービス内容を充実させて、料金を上げるべきタイミングだと考えるべきです。
お客様の要望に応えるサービスを適切な料金体系で売ることで、店舗の売上をアップすることを目指しましょう。
自宅ネイルサロンの料金設定のポイント
自宅でネイルサロンを開業する場合、料金設定には店舗型のサロンとは異なる視点が必要です。家賃や人件費などの固定費が抑えられる反面、光熱費や材料費・技術料などは、しっかりと考慮すべきポイントです。
ここからは、自宅ネイルサロンならではの料金設定の考え方や注意点について見ていきましょう。
自宅ネイルサロンの料金設定の注意点
自宅ネイルサロンは、店舗を持たない分、家賃がかからないというメリットがあります。また、オーナー兼技術者として一人で運営することがほとんどのため、人件費も必要ありません。
そのため、一般的なネイルサロンよりもリーズナブルな価格でサービスを提供できるケースが多く、集客の強みになります。
ただし、光熱費や材料費はもちろん、設備投資や消耗品費などのランニングコストも確実に発生します。過度に安い価格設定にすると利益が残らず、継続が難しくなってしまう恐れも。「安さ」だけに頼らず、提供する技術やサービスに見合った価格設定を意識しましょう。
自宅ネイルサロン料金設定の考え方
適正な価格を決めるには、以下のようなポイントをバランスよく考慮することが重要です。
- 材料費:使うジェルやアート材料のコスト
- 施術時間:1回の施術にかかる時間と、1日に受けられる顧客数
- 自分の技術レベル:経験年数・スキル・対応できるデザインの幅など
- 近隣サロンの価格帯:エリア内の競合ネイルサロンの料金
- ターゲット顧客の層:主婦層向け・学生向け・オフィスワーカー向けなど、客層に合わせた価格帯
安すぎることなく、価値あるサービスに見合った料金に設定しましょう。
【参考】自宅ネイルサロンのジェルネイル料金表
以下は、自宅ネイルサロンでよく見られるジェルネイルの料金相場の一例です。料金表を作成する際の参考にしてください。
※地域や技術レベルによって相場は前後します。
料金表は明確でシンプルに、かつ施術内容が分かりやすく伝わることが大切です。信頼感のあるメニュー表は、そのままリピート率の向上にもつながるでしょう。
ネイルサロンと自宅ネイルサロン、それぞれの値段設定の違いとは?
ネイルサロンの料金表を比べると、店舗によって価格に大きな差が見られることがあります。その主な理由は、店舗型と自宅サロンでかかる経費が大きく異なるためです。
店舗型サロンは、駅近や商業施設内など、良い立地にあることが多いです。そのため、比較的家賃光熱費などの固定費が高額になる傾向があります。また、規模の大きい店舗ならそれだけスタッフ数も多いため、人件費もかかります。
こういったサロンでは、ワンカラーで5,000円〜・アート込みで1万円以上など、全体的に価格帯は高めです。しかしその分、清潔感のある店内やブランド力・安定した技術力など、価格以上の安心感やサービス品質を提供しているのが特徴です。
一方で、自宅ネイルサロンは、家賃や人件費といった固定費がほぼかからず、運営コストを抑えることができます。そのため、3,000円〜5,000円程度のリーズナブルな価格設定が可能です。また、施術者との距離が近く、柔軟な対応ができる点も強みです。
ただし、安さだけを売りにすると利益が残りにくく、信頼感を損なう恐れもあるため、価格とサービスのバランスが重要です。ネイルサロンの値段設定は、「お客様が納得し、通いたくなる価格」であることが成功のカギになります。
ネイルサロンの料金表を含めたおすすめのメニュー表の作り方
ネイルサロンのメニュー表を作る際は、4つのポイントをおさえることが大切です。
- おすすめのメニューがわかりやすい
- 施術内容や料金体系が一目でわかるレイアウト
- コースやオプションメニューを作る
- キャンペーンメニューも作っておく
これらのポイントを知って、より魅力的な料金表を含めたメニューづくりをしましょう。
1.おすすめのメニューがわかりやすい
ネイルサロンの料金表やメニューを作る際は、店舗の目玉となるおすすめのメニューを目立つ位置に記載することが大切。また、目立つキャッチコピーで「当店No.1」や「店長おすすめ!」などの文言を配置したり、装飾にこだわったりすることも重要な要素です。
おすすめのメニューは、店舗の売上を左右する存在。お客様のファンを増やすきっかけになったり、高利益なメニューへの入口として目立つように装飾したりする役割があります。
おすすめのメニュー名と料金はわかりやすくメニュー表に記載しましょう。
2.施術内容や料金体系が一目でわかるレイアウト
メニュー表で重要なのは、施術内容と料金が一目でわかるデザインにすること。メニュー名とメインとなる施術内容についてわかりやすく記載します。
また、メニューの料金体系や実際のネイル画像なども掲載することで、お客様が店舗のサービスを受けるべきかどうかを決めるのに役立ちます。
3.コースやオプションメニューを作る
コースメニューや需要が大きいオプションメニューを作っておくと、多くのお客様に響くようなメニュー表を作れるでしょう。また、コースメニューやオプションメニューを充実させることで、客単価を上げて店舗の利益をアップさせる効果も期待できます。
ネイルサロンでよくあるオプションには、以下のようなメニューが挙げられます。
- 角質ケア
- ハンドマッサージ
- 爪磨き
- キャラクターデザイン
- フットバス
お客様が付加価値を感じてくれるようなコースメニュー・オプションメニューを充実させて、ファンの獲得や店舗の売上アップを目指しましょう。
4.キャンペーンメニューも作っておく
期間限定メニューや平日限定割引など、キャンペーンメニューを定期的に用意しておくことで、新しいお客様を呼び込む集客効果を期待できます。
既存のお客様をファンにする戦略を考えるのと同時に、新しいお客様を集客するためにも、お得感のあるキャンペーンメニューを工夫してみましょう。
お客様目線でわかりやすいネイルサロンのメニューの作り方を考える
ネイルサロンのメニュー表を作る方法は、以下の3つの手段が考えられます。
- 無料・有料のソフトでメニューを作成する
- 手書きで作る
- 専門の広告・印刷会社に依頼する
それぞれの手段の特徴について知って、どの方法でメニュー表を作るか検討しましょう。
1.無料・有料のソフトでメニューを作成する
無料、もしくは有料ソフトやアプリでメニュー表を作成するのが、コスパがいい上に、素早くメニュー表を作成できる方法です。
ExcelやWord、PowerPoint等や、無料で使える編集・デザインソフトなど、メニュー表を作成できるサービスも数多くあります。
メニュー表を変更する機会が多い場合は、手軽にデザインを変更できるので便利ですが、デザイン性が高いメニュー表を作るのは難しいでしょう。
2.手書きで作る
手書きでメニュー表を書く方法もあります。デザイン性や見やすさは個人のスキルによりますが、手書きならではのオリジナリティや温かみを表現できるでしょう。
3.専門の広告・印刷会社に依頼する
クオリティを重要視している方は、専門の広告代理店や印刷会社にメニュー表作成を依頼する方法がおすすめ。料金はそれなりにかかりますが、店舗の要望に応じた高クオリティなメニュー表を作成できるのがメリットです。
料金を上げてもリピーターを獲得できるネイルサロンとは?
サービス料金を上げてもリピーターを獲得しやすいネイルサロンの特徴は、接客やお客様に寄り添ったサービスを提供している点です。
この章では、リピーター獲得につながりやすい店舗サービスの特徴について知って、自分の店舗づくりに生かしてみましょう。
1.心地の良い接客をしてくれる
ネイルサロンがファンを獲得するためには、お客様にとって居心地のいい空間と接客体制を万全にしておくことが大切です。
丁寧な接客をし、また訪れたいと思うようなホスピタリティを見せることで、何度も店舗に通ってファンになってくれる可能性が高いでしょう。
他店舗との差別化のために、それぞれのお客様に最適な接客を心がけることは重要です。
2.サービスの質や爪のことを考えた施術ができるかどうか
リピートしたいネイルサロンは、お客様のネイルと向き合って、ネイルの悩みを解決するようなサービスを提供しているのが特徴です。
また、ネイルサービス当日だけでなく、施術後の途中経過もチェックすることも重要。ネイルの修復や塗り直し、問題点を解消する各種のオプションを充実させるなど、お客様を第一に考えたサービスを提供することがファンの獲得につながります。
高単価でも選ばれるネイルサロンとは?
高単価のネイルサロンが選ばれる理由は、単に価格だけでなく、提供する「価値」にあります。お客様が価格と価値に納得し、選んでいただけるネイルサロンの要素を見ていきましょう。
お客様が感じる「価値」を高めるためのサービス設計
高単価のネイルサロンは、価格ではなくブランド価値で選ばれます。例えば、単なる「深爪矯正 1回 1万円」ではなく、「噛み爪卒業 × オーダーメイド爪育成 3ヶ月コース 9万円」といったように、専門性とブランド価値を組み合わせたメニューが効果的です。
価格の根拠を明確にし、お客様に納得していただけるようなストーリーを伝えることが重要です。
施術技術の質を上げる
お客様がネイルサロンに求める基本は、やはりネイリストの技術力です。価格に見合う高品質で、かつ安定した技術を維持することで、お客様からの信頼を得てリピーター獲得につながるでしょう。
技術の向上は、定期的なトレーニングや最新のトレンドの習得を通じて実現できます。
特別感を演出する空間づくりと接客マナー
高単価のサロンでは、非日常的な空間を演出することが求められます。お客様が「ここに来てよかった」と感じるような居心地の良い空間や、細やかな接客マナーが大切です。
例えば、落ち着いた色調のインテリアや、リラックスできる音楽の選定など、細部にわたって配慮しましょう。
リピート率を高める顧客フォローとアフターケアの工夫
施術後のフォローやアフターケアに力を入れると、次回予約につながりやすくなります。お客様一人ひとりに合わせたケアの提案や、連絡方法の工夫が重要です。
例えば、施術後の状態確認や、次回の提案を行うことで、お客様との信頼関係を深めることができるでしょう。
口コミ・紹介を増やすための信頼関係構築術
お客様と築く信頼関係が強いほど、自然と口コミや紹介が増えます。日々のコミュニケーションを大切にし、期待を超えるサービス提供で新たな顧客獲得につながります。
例えば、施術後にお客様に感謝の気持ちを伝えることで、良い印象を与えることができるでしょう。
自宅ネイルサロンで取り入れたい戦略や集客方法
自宅ネイルサロンは、店舗型に比べて固定費を抑えられる分、自由度の高い運営が可能です。しかしその反面、立地による集客力や認知度の高さといった要素が弱くなりやすいため、戦略的な集客方法が重要です。
ここからは、自宅ネイルサロンで取り入れたい効果的な集客の工夫と、安定経営につながる戦略を見ていきましょう。
季節や流行に合わせた料金プランの工夫
自宅サロンでは、大手サロンにはない柔軟な料金設定が強みです。季節やトレンドに合わせた新作デザインを用意し、「春限定パステルカラー特集」や「夏のフットネイルキャンペーン」など、来店のきっかけを作りましょう。
また、「今月限定」「初回割引」「リピーター専用」など、期間限定プランや顧客別の料金プランを設定することで、リピート率の向上や新規集客にも効果的です。
SNSは継続的に発信し、信頼されるサロンづくりに活かす
自宅サロンの認知度を高めるために、InstagramやX(旧Twitter)、LINE公式アカウントなどのSNS運営が欠かせません。定期的な投稿は、「今も営業している安心感」を与えると同時に、サロンの世界観や技術レベルを伝えるツールとしても有効です。
特におすすめなのが、施術例のビフォーアフターや、お客様の声・デザイン紹介などの投稿。ストーリーやリール動画を活用することで、日々の投稿を通じて、お店の魅力を認知する人が増えれば、集客にも効果が出るでしょう。
営業時間や場所などの基本情報は明確に
サロンの基本情報は、SNSや予約ページ・ホームページにわかりやすく掲載しましょう。特に自宅サロンの場合、場所の詳細や営業日・営業時間が不明瞭だと不安を与えてしまいます。
「○○駅から徒歩○分」「平日9:00〜17:00/土日祝定休」など、シンプルかつ正確に記載することで、安心感を与え、予約率のアップにつながります。特に自宅サロンでは、住所の詳細を公開しないケースもあるため、最寄り駅・おおよそのエリア・営業日・営業時間などを明記することが、信頼感の第一歩になるでしょう。
ネイルサロンの料金表を含めたお客様目線の見やすいメニュー表を作っていこう!
この記事では、ネイルサロンの料金表の値段の決め方、魅力的なメニュー表のコツや作り方、料金を上げてもファン獲得につながるネイルサロンの特徴を紹介しました。
お客様を第一に考えたサービスを心がけ、店舗の利益を確保する料金表・メニュー表づくりを考えることで、ネイルサロンの売上につなげていきましょう。