ネイルサロン経営者・店舗責任者の方は「顧客管理アプリ」をご存知でしょうか?
顧客情報を登録すると、情報の分析、蓄積、管理を自動で行ってくれるアプリです。これまで文章を紙に書いて作成していたカルテを電子化できるだけでなく、POSレジシステムや外部サービスと連携し、顧客管理アプリと合わせて有効に使うことで業務効率化、売上向上につなげられます。
しかし
「存在は知っているけど、導入を迷っている」
「どれくらいの規模から導入すべきかわからない」
「自店のシステムに合っているアプリはあるの?」
といった悩みや、疑問が浮かぶ方は少なくないでしょう。
そこで今回はネイルサロンにおいて顧客管理アプリを導入するメリットや導入事例を紹介します。
目次
ネイルサロンの顧客管理とは?アプリでできること
ネイルサロン(美容サロン)において顧客管理がどんな効果をもたらすのか考えたことはあるでしょうか?
顧客の名前や年齢、住所、電話番号、いつ、どこで、どんな施術メニューをオーダーしたのか、そういった情報を収集蓄積できます。
これらのデータは顧客のリピート率向上や、新規客への効率的なアプローチ方法の発掘のために活かすことができ、経営によい効果をもたらすでしょう。
従来はこれらのデータを人間の手で集計分析していましたが、近年ではアプリケーションによって自動で顧客管理が行えるようになっています。顧客管理アプリを導入するとさまざまな業務を自動化して効率化を計れるので、詳しく解説していきます。
電話着信と顧客データを連動
あなたのお店ではどのように予約を受けていますか?
従来どおりであれば、電話とWEBサイトで予約を受けているでしょう。
顧客管理によって顧客の電話番号とその顧客データを結びつけておくことによって、 お店に電話がかかってきた際にその電話番号の氏名、直近の来店日、オーダー内容などが一目でわかるようになります。
その顧客を担当した方はもちろん、担当していないスタッフ、入りたての新人スタッフでも電話応対しやすくなるというメリットがあります。
予約管理・クレジット決済連携・メール配信
顧客管理をデジタル化しておくと予約の管理がしやすくなります。
予約時間を一目でわかるカレンダー形式で表示してスタッフ、顧客双方に見やすい形にもできますし、もし予約時間に来店されなかった場合に顧客情報からすぐに電話で状況確認できます。
またクレジットカードや電子マネーなどの決済端末と連携すれば、支払方法を現金とオンライン決済の2種類に増やすことができます。各顧客にクレジット情報を登録してもらうことで、オンライン決済が可能になり、施術後の「財布を出して小銭を探して」という面倒な時間が減り、満足度向上につながります。
メールアドレスを登録してもらうことでおすすめの施術メニューや、直近来店のない顧客へアプローチをかけることができます。
シフトや売上の管理
顧客管理アプリは顧客情報を管理するだけでなく、スタッフのシフト管理や売上管理・分析を自動で行えるようになります。
各スタッフの出勤時間、休憩時間、予約時間、休日などを把握しやすくなる他、1日の売上をシステムが自動で分析し、「いつ」「何が」「どのくらい」「どのような顧客に」売れたのかを見える化してくれるのです。
従来は手作業で行ってきたシフト管理や売上分析が自動化されることによって業務効率化、経営者の負担減につながるでしょう。
施術イメージで新規予約アップ
顧客管理アプリはどのような年齢層、性別の顧客がどのような施術メニューをオーダーしたか情報を蓄積できます。
また施術風景の写真を撮影させてもらい、SNSにアップすることで知名度の向上につながり、オーダーのでき栄え、スタッフのレベルなど新規顧客にそのサロンのイメージを伝えやすくなります。
最近ではInstagram等のSNSに施術イメージをアップしたり、各サロンのスタッフ紹介ページに施術イメージを掲載したりすることで、新規顧客が来店しやすい環境を作るサロンが増えています。
顧客管理アプリで施術イメージを蓄積することでスタッフのレベル向上や新規顧客参入のきっかけになるのでおすすめです。
- 紙カルテを辞めたい
- 予約を自動化したい
- 施術写真を保存したい
- リピート率を上げたい
ネイルサロンで顧客管理アプリを導入するメリット
ネイルサロンで顧客管理アプリを導入するとどんなメリットがあるのでしょうか?ここからは顧客管理アプリをネイルサロンに導入するメリットを詳しく解説していいきます。
顧客履歴・POSシステムを使った売上管理ができる
ネイルサロンで顧客管理アプリを導入するメリットとしては、まず「売上管理・分析が可能になること」が挙げられます。
POSレジという、従来のレジとは異なったコンピュータが搭載されたレジシステムと連携して使います。POSレジとはPointsofSalesの略称で、金額の計算だけでなく、「いつ」「どんな商品が」「どのくらい売れたか」といったデータを自動で蓄積し、売上管理を補助してくれるシステムです。
このPOSレジを使うと過去に来店履歴のある顧客がいつどこで何時にどの施術メニューをオーダーしたかがわかるようになります。
顧客が過去にオーダーしたメニューに基づくおすすめの施術を提案することが可能になり、満足度向上、リピート率向上につながります。さらに金額と商品名(施術メニュー)を紐づけておくことでレジの打ちミスも減らすことができます。
さらに1日の売上金額と明細が記録され、インターネット環境があれば複数店舗を展開するサロンでも各店舗の売上状況をリアルタイムでチェックすることが可能です。
売上データをもとにシステムが売上の推移を自動で見える化してくれるので、経営者はこれまで手動で売上データを図・グラフにして分析していた時間をシステムに任せて他の業務にあたることが可能です。
クレジット決済が連携できる
ネイルサロンで顧客管理アプリを導入するメリット2つ目は「クレジット決済が可能になること」です。
あなたのサロンはどんな決済方法に対応しているでしょうか?店舗によっては現金のみ取り扱い可能なサロンもあるでしょう。
顧客管理アプリを使用することでクレジットカード決済に対応可能となります。
サロンで施術を受けた後の会計でごたつかないのは顧客にとって大きなメリットです。
手持ちがなくても決済が可能になる、会計時に時間のゆとりが生まれるなどの利便性向上によってリピート率の向上につながります。
- サロンのリピート率を増やしたい
- クーポンサイトを脱却したい
- LINEでの予約管理が大変
- 予約はリザービアで一元管理
24時間いつでも予約受付可能
ネイルサロンで顧客管理アプリを導入するメリット3つ目は「24時間予約の受付が可能になること」です。
従来のサロンで電話予約を受ける際、営業時間内という制限がありつつ予約内容を紙かPCに打ち込んで、担当スタッフとのスケジュール合わせを行わなければなりませんでした。
次回予約の際にも同じことの繰り返しが起こるので、顧客従業員双方に手間がかかってしまいます。これを繰り返していたらリピート率が悪化することは目に見えるでしょう。
顧客管理アプリを使用すればWEBサイトから24時間の予約受付が可能になります。既存顧客が他のサロンに流出するのを防ぐだけでなく、新規顧客が来店する玄関口にもなるのです。
顧客のリピート率を向上させたいサロンは顧客管理アプリの使用が最も効率的といえるでしょう。
iPadを使って施術のイメージを共有
ネイルサロンで顧客管理アプリを導入するメリット4つ目は「施術イメージの見える化が可能になること」です。
従来サロンで作成していたカルテは紙に文章やイラストを用いることがほとんどでした。しかしこれでは詳細なイメージが伝わりづらく、もしも毎回担当してくれているスタッフが他店舗に移動なんてことになった場合は、他のスタッフがその顧客の施術を引継ぎにくくなってしまうという問題があります。
iPadに顧客管理アプリをインストールまたはクラウド上で操作して使用することでカルテを電子化することが可能になります。毎回施術後に仕上がりを写真に残すことでイメージを共有しやすくなります。
詳細な説明文やイラストを書き加えることも可能な上、これまでかかっていた紙とペンのコストがいらなくなるのも嬉しいポイントです。
またこの電子カルテを蓄積、共有しておくことで「どの年代の顧客がどのような場面でどのような施術メニューを注文しているのか」把握できるようになり、新規顧客が来店した際に効果的な提案をできます。
ネイルサロンで顧客管理アプリを導入するデメリット
とても便利で魅力的な顧客管理アプリですが、導入すると生じるデメリットがあるのかも気になるところですよね。
ネイルサロンで顧客管理アプリを導入するデメリットは主に4つあります。デメリットを理解した上で、導入するかどうかを検討してください。
個人情報漏洩のリスクがある
顧客管理アプリには顧客情報を保存します。ITツールを用いている以上、情報漏洩のリスクからは逃れられません。大切な顧客の個人情報が流出してしまう恐れがあるのです。
セキュリティソフトを使った対策も可能ですが、サイバー攻撃などによる危険性も考えると必ずしも安全とは言えないのが現状です。顧客情報が漏洩する危険性があるのは紙のカルテも同じなので、たとえ電子化したとしても細心の注意が必要になってきます。
少しでも顧客の個人情報が漏洩してしまうリスクを避けたい場合は、セキュリティ対策を前面に押している顧客管理アプリの使用をおすすめします。また、導入実績も安全性を保障する分かりやすい指標と言えるでしょう。
無料アプリは機能が制限されている
ネイルサロンの経営に役立つ数々の機能を持つ顧客管理アプリですが、もっと便利に活用しようとすると、無料アプリでは叶えられないケースもあります。
顧客の情報を記録したり、検索したりするなどの基本的な機能が無料で提供されているサービスもあります。しかしメールの送信数が限られていたり、予約機能がなかったりなど、顧客管理アプリを使えば使うほど「欲しい!」と思うような機能が制限されていることが多いです。
まずは無料で試してみて、自分のお店にぴったり合うと判断できたら、経営状況と相談しながら有料プランに切り替えるのも良いかも知れません。
フォーマットの柔軟性に限りがある
GoogleスプレッドシートやExcelなどで顧客情報を管理している場合、気軽にレイアウトを変えたり、項目を増やしたり減らしたりできます。
従業員からのフィードバックを受けながら、フォーマットを柔軟に変えられるのです。時間をかければ、使い勝手のいいスタイルにもできるでしょう。
しかし、顧客情報をアプリ側で管理するようになると、フォーマットはアプリ側に依存します。使い勝手が悪く感じても融通が利かず、お問い合わせや運営からのアンケートに「ここを改善して欲しい」といった意見を送っても、必ず採用されるとは限りません。
サービスが終了すると利用できなくなる
顧客情報アプリを使用する以上、避けられない最大のデメリットがサービスの終了です。
顧客情報アプリのサービスが終了してしまうと、すべての機能を使えなくなってしまいます。最悪、顧客の個人情報を失ってしまうケースもあるのです。
中にはデータのエクスポート機能が備わっていたり、別の顧客管理アプリに移行する際、期間内であればデータの移行ができたりする場合もありますが、万全とは言えません。
サービスが終了する数か月前には告知がある場合がほとんどです。時間に余裕をもった状態で、万が一の事態に備える必要があるでしょう。
顧客管理アプリに記録しておきたい項目
顧客管理アプリは業種ごとに記録・蓄積する情報をカスタマイズできます。ここからはネイルサロンで必ず記録しておきたい項目を解説していきます。
せっかく顧客管理アプリを契約・インストールしても、記録する情報が不足していると効果的なマーケティングができなくなるため、必ず目を通しておきましょう。
予約や営業活動に使う基本情報
まずは予約や営業活動に使う基本情報です。
氏名、性別、年齢、職業、住所、電話番号、メールアドレスの7種類の項目は必須となります。
氏名と電話番号を紐づけておくと、店舗に電話がかかってきた際に電話番号に紐づく氏名と来店履歴、過去の施術メニューなどが一目でわかるようになるオプションサービスがあるシステムならなおさらです。
年齢、性別、職業といった情報を記録しておくと「今流行りのオーダー」が割り出せるようになり、既存顧客、新規顧客への提案がしやすくなります。そして住所、メールアドレスを記録、管理しておくとクーポンの送付や来店促進の連絡をすることが可能になります。
いずれもリピーター獲得に必須な要素ですので上記の7種類の項目は必ず記録しておきましょう。
売上管理に必要な項目
経営状態をよくするために、顧客管理アプリには売上管理が可能になる項目を記録させましょう。
売上管理に必要な項目は売上日、顧客情報(氏名・性別・年齢など)、ネイリスト名、メニュー、売上金額の5種類が挙げられます。
POSレジのような外部システムと連携すると記録された売上データをもとに「いつ」「どの属性の顧客に」「どの施術メニューが」注文されているのか分析した図・グラフを自動作成させることが可能になります。
これまで手作業で売上管理を行っていたサロンで顧客アプリを導入すると主なバックヤード作業が自動化され、効率化が計られるため非常におすすめです。
顧客管理アプリを選ぶ際のポイント
デメリットを抱えているものの、やはり顧客管理アプリは便利なものです。実際に導入するとなると、具体的にどのようなポイントを見て選べばいいのか悩ましいですよね。
ここでは顧客管理アプリを選ぶ際のポイントを、大きく4つに分けてご紹介します。ぜひ参考にして、自分のお店に合った顧客管理アプリを探してください。
どのような機能が備わっているか
顧客管理アプリの機能が単に顧客情報を管理するだけに留まらないのは、既にお話しました。予約管理やPOSシステムを使った売上管理、クレジット連携にダイレクトメール配信、さらにはiPadを用いた施術イメージの共有まで、多種多様な機能を説明してきましたね。
ですが、すべての顧客管理アプリに備わった機能とは限りません。顧客管理アプリには、それぞれ特徴や得意なシステムがあります。とくにPOSレジや予約システムといった外部ツールとの連携については要チェックです。求めている機能であれば、連携可能かどうかを確認しておく必要があるでしょう。
また、ネイルサロンでは自社の予約サイトだけでなく、外部の予約サイトを活用している場合もありますよね。外部のシステムと連携できなければ、せっかくシステムを導入したとしても同期するために手作業が必要になってしまうケースもあります。
対応機種やOSはどうなっているか
顧客管理アプリの対応機種やOSを、しっかり確認しておきましょう。顧客管理アプリが自分のお店にある端末と対応しているかどうかも、重要なポイントです。
大抵の顧客管理アプリはスマートフォン端末に対応していますが、iPhoneあるいはAndroidどちらか一方にしか対応していないケースもあります。パソコンに顧客管理アプリを導入する予定であれば、お店で使っているパソコンに対応するかどうかも調べる必要があるでしょう。
費用はどのくらい必要か
顧客管理アプリは無料で使えるものも多いですが、無料でどのくらいの機能が使えるのか、または便利に使うための費用はいくらなのかを調べておきましょう。
顧客管理アプリの料金形態はさまざまです。年間契約でお得に利用できる場合や、月額料金制など、サービス内容によって変わってきます。
導入したい顧客管理アプリに対応した機種がない場合は、初期費用として端末の代金もかかってくるでしょう。
利用者の評価はどうか
実際に顧客管理アプリを利用している人の口コミも参考になります。
高評価だけではなく、評価があまり高くない口コミもひとつの意見として目を通しておくと、良い判断基準になるでしょう。
さらに具体的な導入事例も読んでおくと、自分がその顧客管理アプリを使った際のイメージが湧きやすいです。
まとめ:顧客管理アプリで業務効率化しよう
今回は顧客情報の分析や蓄積、管理を自動で行ってくれる、顧客管理アプリについて紹介しました。
顧客管理アプリは顧客の情報を管理するだけに留まらず、予約管理やメールの配信、POSシステムを用いた売上管理まで可能なとても便利なアプリです。
しかし個人情報が流出してしまうリスクを抱えていたり、サービス終了への備えが必要だったりと、デメリットも理解して使う必要があるでしょう。
もっと利便性を上げるためには費用がかかってきますが、業務の効率化を図れるのは間違いありません。顧客情報を電子化できるメリットは大きいので、一度顧客管理アプリの導入を検討してみはいかがでしょうか。
- 紙カルテを辞めたい
- 予約を自動化したい
- 施術写真を保存したい
- リピート率を上げたい