美容室やサロンの経営を行う上でリピーターを増やせるかどうかは、売上に大きく関わってきます。そのため、リピーターの獲得を優先して、戦略を練っているオーナー様も多いことでしょう。しかし、リピーターを増やすことが難しく、思うようにいかないことがあるかもしれません。
今回は、リピーターが増えない原因と増やすためにするべきことについてご紹介します。店舗運営の問題点を発見して、リピーターを増やすために、ぜひ参考にしてください。
目次
リピーターが増えない原因
店舗運営ではリピーターを増やすことが重要であると、頭で分かっているものの、リピーターを十分に獲得することができない。なぜ、リピーターを増やすことができないのか、それはサロンの問題点を洗い出していないからです。そこで、主に考えられるサロンの問題点を3つご紹介します。
1.競合が多すぎる
まず、サロンの数が非常に多いことが原因のひとつとして挙げられます。厚生労働省が公表した令和元年度衛生行政報告例では、美容所が約25万軒、理容所が約12万軒の店舗数が報告されています。これは、コンビニの約6万軒よりもはるかに多い数です。
店舗が多いということはお客様が分散してしまうため、競争を避けることができません。しかし、これはどのサロンにおいても同じです。競争に勝つためには、他のサロンには無い魅力をアピールする必要があるでしょう。
2.接客・商品・サービスに不満を感じる
続いて挙げられる原因は、サロンのサービスにお客様が不満を感じていることです。例えば、従業員の愛想が良くなかったり、お客様に合った商品を提供できていないなどが挙げられます。自分なりに頑張っていても、それがお客様に伝わっていない可能性があるかもしれません。
お金を支払うことで満足のいくサービスを受けたい、と考えているお客様は多いことでしょう。自分の接客やサービス、商品が客観的にどのように映っているのか社内で共有してみると良いです。
3.料金と技術が見合っていないと思われている
リピーターが増えない原因の3つ目として、料金と技術が見合っていないと思われている可能性があります。先ほど、サロンは競争が多いというお話をしました。お客様の立場から考えると、料金と技術のバランスが良いサロンに通うことが考えられます。技術に満足できないのに料金が高いサロンへ、再び通うことはないでしょう。
新規顧客と固定客にかかるコスト
サロンの運営を維持していくためには、お客様にお金を支払ってもらわないといけません。そして、より多くのお客様にサロンへ訪れてもらうために広告やメッセージ送信など、さまざまな施策を講じなければいけません。
もちろんこれらの施策には、コストがかかります。注意しておくべきことは、新規顧客と固定客でかかるコストが異なるということです。それぞれにかかるコストについてご紹介します。
新規客は既存客の5倍のコストがかかる
「1:5の法則」をご存じでしょうか。これは新規顧客の獲得には、既存客の5倍のコストがかかるという法則で、マーケティング用語としてビジネスの現場で知られています。新規客を獲得するためにポータルサイトの登録やポスティングなど、さまざまな施策を講じなければいけません。
そのため、新規客はコストがかかるぶん、利益率が低くなります。一方で既存客は、サービスをすでに受けているため利用するハードルが下がります。
広告にかける費用は売上の5%~10%が理想
サロン運営で効率よく集客をするための手段として、広告が挙げられます。広告を活用することで、多くのユーザーにサロンを訴求することができます。広告を活用する際は、出稿場所と費用が重要なポイントになります。今回は、広告費用に絞ってご紹介します。
広告にかける費用は、サロンにかかるその他の費用を差し引き、利益を得られるように整えなければいけません。美容院を例にご紹介します。
ひとりでサロンを運営している、持ち物件でローンの支払いがないといった場合などは、変動することがあります。ポイントは、売上・固定費・利益から考えることです。その月の売上を想定して、利益をどれほど残しておくか決めることで、比較的かんたんに広告費用を算出することができます。
リピーターを増やすメリット
リピーターを増やすことは、サロン運営において非常に重要なことです。しかし、実際のサロン運営で本当にリピーターが売上に貢献しているかどうか、疑問に感じるオーナー様がいるかもしれません。
そこで、数字を用いながらリピーターを増やすメリットについてご紹介します。数字を見ることで、リピーターの重要性を知ることができます。
1.売上が安定しやすい
リピーターの増加は売上の安定化に繋がります。1回限りのお客様が多い場合、次月の売上の目途が不明瞭になります。一方、リピーターを十分に獲得できれば、利用頻度や購入単価のデータをとることができ、次月の売上を予測することができます。
例えば固定客が200人、そのうち1ヶ月ごとの利用が80人で客単価を5,000円とした場合を想定してみましょう。そうすると、少なくとも翌月の売上は40万円を確保できることが分かります。このように、固定客の利用頻度と客単価を知っておくことで最低限の売上を把握することが可能になります。
2.共有から新規獲得が望める
リピーターは、自分が利用しているサービスに満足感を得ており、サロンに対してとても好意的です。そのため、周囲の人に自分が気に入っているサロンとして紹介してくれる可能性があります。さらに、現代ではインターネットが普及しているため、SNSや口コミサイト等で情報が共有されるケースが少なくありません。
固定客の情報共有でどれほどの新規客を獲得できるかについては、正確なデータを集めることが難しいです。データを集める手段として有効なものは、アンケートでしょう。例えば、ひと月の新規客100人のうち、10人が口コミもしくはSNSを見てサロンを利用したと回答すれば、10%の新規顧客を既存顧客から得ていることになります。
リピーターを増やすことは、他者へサロンを紹介してもらい、新規顧客を獲得する可能性を上げるために重要であることが分かります。
3.LTV(顧客生涯価値)が増える
LTVとは、ライフタイムバリューの略称で、日本語では顧客生涯価値と呼ばれています。顧客生涯価値は、取引開始から終了までどれほど利益をもたらしたかを示す指標として、事業運営でよく活用されています。これを機会に一度、サロンのLTVを求めてみてください。
LTVの計算方法は、購入単価×購入頻度×継続購入期間で求めます。例えば、5,000円のサービスを2ヶ月ごとに1年通われたお客様がいた場合、顧客生涯価値は次のようになります。5,000円×6回×1年=3万円。この計算式を用いることで、サロンが対策するべき問題点を導き出すことができます。
お客様がリピーターになる理由
新規のお客様を十分に獲得できているにも関わらず、リピートされない、もしくは、少ない新規のお客様を高確率でリピートに繋げたいが、上手くいかずに日々悩んでしまうことがあるでしょう。
リピーターを獲得するためには、お客様の期待以上の体験を与えなければいけません。継続して利用してもらうために、価値以上のものを生み出す必要があります。そうすることで、お客様は感動して、強く記憶に残り、またこのサロンに通いたいと思ってくれます。リピーターを増やす具体的な方法は次にご紹介していきます。
リピーターを増やすには
ここまでで、リピーターが増えない原因・かかるコスト・増やすメリットについてご説明しました。最後に、リピーターを増やすためにやるべきことを6つご紹介します。今回、ご紹介するものの中には、すでに取り組まれている方法もあるかもしれません。
もしも、まだ取り組んでいないものがあれば、これを機会にぜひ試してみてください。
1.割引やキャンペーンを行う
割引やキャンペーンを行うことで、価格が安いという印象から意思決定に影響を与えることができます。これをアンカリング効果といい、消費者行動に影響を与える行動経済学としてマーケティングの分野で活用されています。
ポイントは、割引率や割引後の価格を表記することです。そうすることでお客様の目を引き、購買意欲を刺激することでしょう。
2.口コミを活用する
リピーターを増やすメリットで少しご紹介したように、口コミを活用することもリピート率を上げる効果が期待できます。口コミを活用するためには、ポイントが2つあります。まずは口コミの投稿を促す、次にサロンの良い点を書いてもらうことです。
口コミは、サロンを利用したお客様全員が書くとは限りません。なぜなら、投稿には手間がかかるからです。投稿率を上げるためにはクーポン券を配布したり、何かしらのサービスを無料にするなど、投稿することでメリットを与える必要があります。そして、良い口コミを書いてもらうために、好印象を与えるようにしましょう。
3.メルマガやダイレクトメールなどで情報を発信する
メルマガやダイレクトメールの活用は、ユーザーとの関係構築に効果的です。有益な情報を定期的に発信してお客様の問題を解決することで、「このサロンは豊富な知識を持っている」、「このサロンを利用してみたい」、「またこのサロンで施術を受けたい」と、新規顧客と固定客の両方に訴求が可能です。
始め方は、インターネットからメルマガを発信する、もしくは、LINE公式アカウントに登録することがおすすめですので、活用してみてください。
4.丁寧な接客やお店を清潔にする
お客様に寄り添った丁寧な接客やお店の清潔さは、とても強い印象を与えます。接客が悪いサロンや使用する機械が汚れていると、不快に感じてしまうこともあるしょう。一度、悪い印象を与えてしまうと、リピートされる可能性は低いです。なぜならば、サロンの数は多く、お客様は簡単に他のサロンへ移ることができるからです。
他のサロンと差をつけるためにも、丁寧な接客やお店の清掃を怠らないようにしましょう。
5.料金やサービスを見直してみる
サロンは事業として運営されるため、料金とサービス内容が売上のメインになります。リピーターを増やすためには、この2つは非常に重要です。
これらのうち、優先的に見直すべきはサービス内容でしょう。なぜならば、料金の調整は他のサロンも同じように行っているからです。また、値下げが定着してしまうと、顧客が増えても売上が下がるという影響を及ぼしかねません。
まずは、サービスが充実しているどうかを見直し、料金をいくつかのパターンにした後、データーを取るといいでしょう。
6.予約などお店にアクセスしやすいシステムやサイトを設計する
サロンの中には、予約へ辿り着くまでにインターネット等でサロンを検索、出てきたページを開き予約画面へ進み、さらに詳細を入力する手間がかかることが少なからずあります。
また、予約方法が電話のみの場合、お客様の都合によって営業時間内に電話ができないことも考えられます。そうなってしまうと、せっかくサロンを利用しようとしていたにも関わらず、お客様が予約まで辿り着けずに離脱してしまいます。
快適にサロンを利用してもらうために、LINE公式アカウントを活用した予約システムやウェブサイトのトップページに電話番号とWeb予約ボタンを配置しておくといいでしょう。
予約や顧客管理におすすめのリザービア
リピーターを獲得するためには、サロンの問題点を洗い出し解決していくことが重要なポイントになります。改善するべきことを考えると、いくつも浮かび上がり、どれから見直せばいいのか分からなくなってしまうと、悩むオーナー様もいることでしょう。
特に、集客でお困りの場合は予約や顧客管理、メッセージやクーポンの配信が課題になることでしょう。当社では、集客できるお店づくりをサポートするためのシステムを提供しています。全国4,500店舗以上のサロン様にご利用いただいており、たくさんの成功体験を報告いただいています。まずは、当社のホームページをご確認ください。