訪日外国人観光客の増加に伴い、美容サロンへのインバウンド需要も高まっています。そのため、自店を訪日外国人へアピールする手段として、予約サイトへの掲載を検討している人もいることでしょう。
本記事では、インバウンド向けのおすすめ予約サイトや掲載するメリットと注意点、選び方のポイントや予約サイト以外のインバウンド対策についても紹介します。
目次
インバウンド向け予約サイトとは?
インバウンド向け予約サイトは、主に訪日外国人旅行者向けに、日本での宿泊施設や観光体験などを提供するオンラインサービスです。このなかには、OTA(オンライン・トラベル・エージェンシー)と呼ばれる航空券や宿泊施設の予約ができるサイトも含まれます。
複数の言語に対応しているケースが多く、訪日外国人観光客やこれから訪日を検討している人々が宿泊施設や航空券、アクティビティや体験などを予約することが可能です。
また、着物レンタルや着物の着付けのように、日本ならではの文化を体験できるインバウンド向け予約サイトもあります。
美容サロンの掲載があるインバウンド向け予約サイト7選
近年、美容サロンでの施術も「日本での特別な体験」として訪日外国人の間で注目を集めており、関連施設への情報を掲載している予約サイトもあります。
ここでは、そうした美容サロンの情報を掲載しているインバウンド向け予約サイトを7つ紹介します。
WellBe
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出所:WellBe公式Webサイト
WellBeは、日本とベトナムの美容サロンの検索や予約ができるプラットフォームです。
日本語や英語のほか、ベトナム語・韓国語など主にアジア圏の言語に対応しています。
3パターンの月額料金プランが設定されており、プランによってGoogle広告運用の有無や当日キャンセルに対する補償率が異なります。
hAIr TOKYO
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出所:hAIr TOKYO公式Webサイト
hAIr TOKYOは、日本を訪れる外国人観光客に、日本の美容文化を楽しんでもらえるように、日本の美容室を利用しやすくなることを目的のひとつとしているプロジェクトです。
東京都内の「外国人に優しい美容室」を認証する取り組みをはじめており、外国人観光客の受け入れに積極的な美容室の募集をしています。
hAIr TOKYOの公式ホームページは英語のほか、スペイン語やフランス語、ドイツ語や中国語など11カ国語に対応しています(2025年2月現在)。
株式会社アクティビティジャパン
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出所:株式会社アクティビティジャパン公式Webサイト
アクティビティジャパンは体験やレジャー、アクティビティに特化した予約サイトで、日本語の他に英語・中国語(簡体字・繁体字)・韓国語・タイ語に対応しています。
掲載しているアクティビティの内容は幅広く、日本の文化を体験できる陶芸や着付けなどの体験のほか、マッサージや美容鍼などの美容サロンの情報も掲載されています。
初期掲載費用・初期ページ制作費が無料となっており、予約数に応じて手数料が課金となる成果報酬型のシステムです。
Get Your Guide
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出所:Get Your Guide公式Webサイト
Get Your Guideは現地ツアーや体験・アクティビティー専門の予約サイトです。日本語を含む30以上の言語に対応しており、世界中に利用者がいます。
日本のツアーは富士山観光などのガイドツアーや寿司作り体験のほか、日本の美容室やネイルサロンを体験できるツアーなども掲載されています。
Expedia
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出所:Expedia公式Webサイト
Expediaは宿泊施設や航空券、レンタカーなど旅行に必要なあらゆるサービスの予約が可能なサイトです。多言語対応で世界中の旅行者に利用されており、日本を訪れる多くの外国人旅行者にも利用されています。
利用手数料は成果報酬型となっており、エリアや業態によって手数料率が異なるため、正確な金額を知りたい場合は問い合わせが必要です。
FunNow
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出所:FunNow公式Webサイト
FunNowは、日本・台湾・フィリピンなどアジア7カ国で展開しているレジャー予約プラットフォームです。飲食店や着物レンタルの予約のほか、リラクゼーションサロンやネイルサロンの情報も掲載されています。
掲載料は無料となっていますが、成果報酬などの利用料金については公開されていないため、直接問い合わせが必要です。
agoda
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出所:agoda公式Webサイト
agodaは、450万軒以上の宿泊施設への予約を中心に、航空券やアクティビティなど、幅広い旅行商品をお得な料金で提供している予約サイトです。
ホテルの予約サイトとして有名ですが、レジャー施設のチケットや体験などの予約も取り扱いあり、日本のエステやマッサージ体験なども、アクティビティとして掲載されています。
対応している言語も39カ国語と幅広く、世界中のユーザーに自店の情報をアピールできます。
予約サイトを利用するメリットと注意点
利用者の多い予約サイトの場合、世界中の幅広いユーザーへのアプローチが期待できます。また、予約サイト自体が多言語対応しているケースが多いため、利用者の予約に対する心理的ハードルも低くなるでしょう。
予約サイトによっては掲載費用が発生しないものもあるため、予約が成立するまではコストがかからない点もメリットと言えるでしょう。
一方で、予約成立時には、予約内容に応じた手数料が発生するのが一般的です。
特に海外OTAは国内OTAに比べて手数料が高い傾向にあります。世界中のユーザーへアプローチする機会ですが、その手数料が自店の集客に見合っているか、掲載する際にはよく検討しましょう。
また、予約サイトは掲載できる情報量に制限があるため、サロンや店舗の魅力を伝えきれない可能性があります。
そのため、自店の特徴や魅力を伝えられるよう多言語対応しているホームページやSNS、予約フォームなど、予約サイトに掲載する以外の予約導線も確保しておくことをおすすめします。
訪日外国人はどこで情報を収集している?
国土交通省観光庁による訪日外国人の消費動向調査によると、出発前に役に立った旅行情報源としてSNSや動画サイトが高い割合を示しています。
特にInstagramや動画サイトは、施術メニューのビフォアフターやサロンの雰囲気など、文章では伝えづらい魅力を視覚的に伝えられます。
SNSで興味を持った人が、より詳しい情報をチェックできるよう、自店のホームページや予約ページを整え、多言語対応しておきましょう。
口コミサイトへの掲載もおすすめ
訪日外国人の消費動向調査によると、出発前に役に立った旅行情報源として口コミサイトもよく利用されていることがうかがえます。
代表的な口コミサイトとしては「トリップアドバイザー」や「大衆点評」などがあります。
口コミサイトは、良い口コミだけが集まるわけではありませんが、認知拡大の手段のひとつとしては有効と言えるでしょう。また、店舗のオーナーとして登録することで、店舗情報やサービス内容などについて正確な情報をユーザーに届けられます。
口コミサイト自体は予約取り扱いをしていないケースもあるため、リンク先として公式ホームページや予約ページへのリンクを用意しておくことで、口コミから興味を持ったユーザーをスムーズに予約につなげられるでしょう。
Googleマップの掲載情報も整えよう!
訪日外国人が旅行中に店や施設を探す際には、Googleマップを活用することも多いようです。そのため、Googleマップで検索された際に上位表示されるために、Googleビジネスプロフィールを整えておくことが重要です。
Googleマップで上位表示されるためのMEO対策についての詳細は、下記の関連記事を参考にしてください。
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予約システムの多言語対応も重要!
インバウンド対策として、予約サイトへの登録だけではなく自店の予約システムも多言語対応も重要です。
SNSや口コミサイトで認知され、興味を持った人がいても、予約導線が整っていなければ来店にはつながりません。せっかく認知され興味を持ってもらったなら、そこからスムーズに予約につながるよう予約システムを準備しましょう。
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多言語対応している予約システムを導入するメリット
訪日外国人の消費動向調査によると、出発前に旅行情報を収集する際はSNSや動画サイト、個人ブログやホームページなど、インターネットの利用が多いことがうかがえます。
こうした傾向から、予約システムの多言語対応は、集客において重要な要素と言えるでしょう。
予約システムのなかにはGoogle検索やGoogleマップと連携できるものもあります。その予約システムが多言語対応していることで、検索結果から直接予約ページに飛ぶこともできるため、予約サイトでよくある他店への流出機会を減らすことにもつながるでしょう。
さらに、予約システムの多言語対応は、日本に住む外国人にとっても利用しやすい予約環境となるため、新規顧客の獲得とリピーター化にも役立つ可能性があります。
多言語対応している予約システムの導入事例
多言語対応している予約システムのひとつに、美容サロンや治療院の予約管理に特化したシステム「リザービア」があります。
実際に多言語対応を導入している例として、理容室「WOLFMAN BARBER SHOP -JINGUMAE-」様を紹介します。予約ページでは、右上のプルダウンメニューから簡単に表示言語を切り替えることができます。
WOLFMAN BARBER SHOP -JINGUMAE-
多言語対応している予約システム選ぶ際のポイント
多言語対応している予約システムを選ぶ際には、下記の3点をチェックしましょう。
- 対応している言語の種類
- 使いやすさ
- 試用期間またはデモサイトの有無
まずは、想定しているお客様層の使用言語が設定できるかチェックしましょう。
また、予約システムは訪日外国人の予約受付だけではなく、日常的なお客様の予約受付にも利用することが考えられます。そのため、日常的な業務がスムーズに進められるものを選びましょう。
お客様側に表示される画面の見やすさや予約のしやすさも重要です。予約ステップが複雑だったりわかりづらかったりすると、予約途中で離脱されてしまうかもしれません。
予約システムには試用期間を設けているものも多いため、実際に触れてチェックしましょう。試用期間が無い場合は、デモサイトの有無を問い合わせてみることをおすすめします。
インバウンド向けの予約サイトはターゲットと利用料金の見極めが重要!
インバウンド向け予約サイトの活用は、訪日外国人へ自店の存在をアピールでき、認知度を高める機会になるでしょう。掲載に料金がかからないケースもありますが、予約成立時に手数料が発生する予約サイトが多いため、掲載の際はコストも含めた検討が必要です。
予約サイトへ掲載する際は、費用と利用目的などを明確にした上で検討することをおすすめします。
なお、訪日外国人からの予約受付方法は予約サイトに限らず、自店の予約システムを多言語対応することでも予約の受付が可能です。
自店の状況や目的に合わせて、最適な予約受付方法を選択しましょう。