集客方法として「チラシ」を取り入れている美容室は多いでしょう。
しかし、配布枚数や配り方は最適でしょうか。どうせ作るなら少しでも反応率が高く、集客効果のあるチラシがよいですよね。
「仕事の前にポスティングしたのに、チラシの効果がまったくない!」と嘆いてしまわないために、チラシの集客効果を上げる8つの方法と配り方をご紹介します。
効果的なチラシの制作と配布方法を知って、確実に集客しましょう。
まずは資料をご覧ください
美容室がチラシで集客する際に知っておくべきこと
美容室の集客の方法としてチラシの配布も効果的ですが、費用のかかる方法のため配布は慎重に行う必要があります。
そこで、チラシを配布する際に知っておくべき点を3つご紹介します。事前に知識をいれて、リスクの少ないチラシ配布を行いましょう。
配布時の反応率
これから美容室のチラシを制作しようとしている方へ、まずはチラシ配布時の反応率をご紹介します。
反応率とは配ったチラシの枚数に対して、反応して実際に来店する客数の割合をさします。
チラシ配布による一般的な集客の反応率は0.01%〜0.3%です。
美容室に限定してみても0.1%〜0.3%。これは、1,000枚配布して来店する顧客が1〜3人という数字。また、後述していますが美容室のチラシは、認知してもらうために定期的に配布する必要があります。1回目より2回目、2回目より3回目と反応率は上がっていくのが一般的です。
決して高くはない反応率ですが、効果的なチラシを制作と配布を行えば集客率をあげることも可能です。数字だけをみて悲観的になる必要はありません。
配布枚数の決定
反応率をもとに、集客したい人数から逆算して配布枚数を決定します。反応率を0.1%と仮定し、新規の顧客を20人集客したいのであれば20,000枚のチラシが必要です。
とはいっても実際の反応率がわからないうちは、小さく試してみることをおすすめします。20人の集客でも0.1%の違いでは、配布枚数は以下のように大きく変わります。
ますは1,000枚〜2,000枚の配布を行い、実際の反応率を出しましょう。その後、再度の配布枚数を決定することで無駄のないチラシ配布が可能です。
印刷に必要な費用
反応率から配布するチラシの枚数が決まったあとは、必要な費用を計算して利益が出るか確認する必要があります。
印刷に必要な費用は主に以下の3つです。
上記の費用から、20,000枚の配布を行う場合の費用は約15万円〜35万円であると確認できます。
5円(15円)×20,000部=10万円(30万円)+デザイン費+原稿制作費
この費用で無事に20人来店し、それぞれが総額1万円のメニュー施術を行ったと仮定すると、20万円の売上です。
15万円の費用でチラシを作成した場合は5万円の利益、35万円で作った場合は15万円の赤字です。
同じ部数でも印刷費によって、利益にも赤字にもなります。印刷費には慎重になる必要があるといえますね。しかし、美容室はリピートが見込まれます。はじめは赤字でも、20人のうち数人リピーターになることで、利益が出てくるでしょう。
チラシで集客する際は「リピーターになりやすい顧客の確保」が肝になります。また、コスト削減としてデザイン・原稿制作を自作するのもひとつの手です。ですが、デザインやキャッチコピーは集客において重要な要素。
集客に効果的なチラシを制作することで反応率が上がります。反応率が上がれば、印刷の枚数を抑えられ、印刷費用は減少するでしょう。
結果、その道のプロに依頼するほうが安く済むと考えられます。
効果的に集客するための美容室チラシの制作方法8つ
美容室のチラシ制作では、オシャレさはもちろん読む人の目を引くデザインであることが重要となります。
ここでは「効果的なチラシを作りたい!」という方へ、効率よく集客するためのチラシの制作方法を8つご紹介します。
パッと見て興味が湧くデザインやカラーにする
美容室のチラシ制作では、ひと目で興味が湧くようなデザインやカラーにします。これからチラシを制作・配布しようと考えている方も、マンションを買う気がないのにマンションのチラシに目を向けることはないでしょう。
このようにチラシを受け取った方は、一瞬で必要な情報か否かを判断しています。一瞬の判断で「興味のないチラシ」とみなされた後は、目を向けることなくゴミ箱行きになるのがチラシの現状です。そのため、興味をひくデザインやカラーである必要があります。
しかし「目につくように派手にしよう」と意識するあまり、鮮やかでカラフルなチラシにすればよいというわけではありません。お店のイメージとマッチするチラシを作り、「雰囲気のよいお店だな」「おしゃれなお店だな」といった第一印象で掴みましょう。
魅力的なキャッチコピーにする
美容室のチラシにおいて、デザインやカラーだけでなく魅力的なキャッチコピーも大切な要素のひとつです。せっかく興味が湧いてチラシを見ても、記載されている情報が店名・住所・メニューだけでは、お店のよさが伝わりません。
また、長々と経営理念やスタッフの想いを綴っても全文に目を通す人は微々たるものです。
そこで、チラシにお店の特徴や魅力を瞬時に伝えられるキャッチコピーを付けます。
お店のキャッチコピーに共感した方は、お店の詳細を見るステップに入ります。このステップを一歩ずつ上がることで来店につながります。キャッチコピーと一緒に問題定義を行うとより効果的です。季節感も取り入れて「共感できる」「心を覗かれたみたい」そんなワンフレーズで、心をつかみましょう。
ターゲットを明確にする
「誰に向けてチラシを配るのか」というように、ターゲットを明確にすることで、より反応が得られます。
ターゲットに「働いている20代女性」といったアバウトな設定を用いている美容室もあるでしょう。しかし、「働いている20代女性」のなかには、独身・既婚者・ママというような、多種多様なライフスタイルが存在します。そのため、ターゲットはより明確にする必要があります。
ターゲットを明確にするためには以下の項目を考えましょう。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 家族構成(属性)
- 趣味
- 仕事(内容・業種・役職・年収)
- 1日のスケジュール
- 悩んでいること
架空の1人ができ上がるまで詰められるとベストです。
「そんなに詳しくターゲットを設定できない!」という方は、ターゲットになりやすい実際の人物が身近にいないか探してみてください。
友人や兄弟・姉妹、過去の自分などから連想するのもひとつの方法です。実際の人物に情報を肉付けしていくと簡単にターゲットが掴めます。
ターゲットを掴めば、チラシのデザインや内容、配布する場所などが決めやすくなります。また、オーガニックや髪のアンチエイジングを売りにしている店では、40代以上の富裕層へのアプローチが効果的です。客単価が上がるのでホスピタリティが必須になりますが、「高単価な客層に変えたい!」というお店にはぴったりです。
逆に10代〜20代前半を集客することで、客単価は下がる傾向があります。回転率を上げて利益を出すお店にはおすすめです。
このように来て欲しいターゲットに狙いを定めることで、チラシの効果を上げると同時に日々の運営も楽になります。
店舗の特徴や強みをアピールする
美容室のチラシでは、店舗の特徴や強みをアピールします。
同時期に2つの異なる美容室のチラシを受け取った場合、はじめの比較は「価格」の場合が多いでしょう。平均的な価格で展開しているお店も、激安の美容室と並んでは、太刀打ちできません。
しかし店舗のコンセプトや創業時の想い、技術へのこだわりや強みなどお店独自の内容をチラシに取り入れることで、価格でない部分での差別化が可能です。
チラシを受け取った側はコンセプトや想いに共感し、こだわりや強みから安心感を得られます。価格以上の魅力を感じれば選ばれやすくなりますよ。また、店舗への共感はリピート率にもつながります。ハワイアン風や隠れ家風などこだわりのコンセプトなどある場合には積極的にアピールしましょう。
関連記事:【美容室】これから集客していく為のサロンコンセプト計画案!
スタッフの顔写真や自己紹介を掲載する
反応率の高いチラシの特徴として、スタッフの顔写真や自己紹介が掲載されているといった点があります。
「スタッフの顔が気になる」「どんな美容師さんがいるのだろう」
と小さな疑問は、来店への不安につながります。あらかじめチラシにスタッフの顔写真を掲載することで、不安を解消できます。
また、年齢が一緒・出身地が一緒などの共通点が見つかることで、急に親近感がわいたといった経験がある方も多いでしょう。親近感は安心を与えるので、スタッフのカンタンな自己紹介も一緒に記載することをおすすめします。
利用者の声を掲載する
スタッフの掲載だけでなく「利用者の声=口コミ」を一緒に掲載するとより有効です。
いくら自ら「こだわりのサービス」と謳っていても、実際は体験してみないとわかりません。チラシを見ている方は、お店の謳い文句よりも、実際の利用者の口コミを信頼しているといっても過言ではないでしょう。
より信頼性のある掲載方法は、以下の2点を取り入れたものです。
- 利用者の顔写真
- 直筆の口コミ
上記の入手方法としては、信頼関係の築けている顧客にお願いする、カラー・パーマの待ち時間を利用してアンケートに答えていただくなどの手段があります。滞在時間の長い美容室は、直筆の口コミが集めやすい環境ですので挑戦してみてください。
「アンケートにお答えいただいた方の中から抽選で〇〇をプレゼント!」などと、キャンペーンとして打ち出すのもよいでしょう。また、気になる口コミはカットメニューだけでない場合があります。人気のメニューの口コミも入れるなどして対応してください。
回収したアンケートは、チラシへの利用とともに接客・技術の改善にもつながります。定期的なアンケートの導入のタイミングとしてもよいのではないでしょうか。
お得な特典をつける
チラシを受け取ったメリットとして、お得な特典をつけるのも効果的な集客が期待できます。
「チラシをお持ちになったお客様限定で〇〇をプレゼント」「チラシのご提示でカットメニュー○%OFF」
などの特典をつけることで「お得なうちに行ってみようかな」という選択肢を引き出します。
特典をつけることでチラシはすぐにゴミ箱に行くことなく、保管してもらえる確率があがります。保管されることで、すぐに利用しない方でも数週間後の利用を検討してもらえる可能性がでてきます。
「そういえばクーポンあった!」
といった状況をあえて作りましょう。
チラシ持参で適応する特典は、後述する「配布効果を測定するための仕組みを整える」にも有効な一手です。
限定感を与える
チラシ・クーポンに限定感を与えることで「興味あるけど、どうしようかな〜」と考えている方へのひと押しができます。
限定感には以下のようなフレーズが効果的です。
「とりあえず予約しなきゃ!」と予約への一歩を促せるフレーズをのせましょう。
「どんな方に来店してほしいか」など、ターゲットによって有効的な単語は異なります。そのため、限定感を与えるフレーズはターゲットを明確にしたあとに検討してください。
効果的に集客するための美容室チラシの配り方5つ
美容室のチラシが完成しても、むやみやたらに配っては効率が悪いだけで集客につながりにくいです。お金をかけて制作したチラシの無駄にもなってしまいます。
そこで、美容室チラシで効果的に集客するためのチラシの配り方をご紹介します。「数打てば当たる」ではなく、しっかりと戦略的に配布しましょう。
店舗の周辺地域から配布する
まずは店舗の周辺地域から配布します。
チラシを見て検討する方は、行きつけの美容室がない場合がほとんどです。
「そろそろカラーに行きたいな」などと美容室の利用を検討したときは、自宅から近い店舗へ行く傾向があります。
わざわざ遠い美容室へ足を運ぶことは考えにくいですよね。
「近いから楽!」と通いやすさに魅力を感じればリピートするでしょう。
とくに個人サロンの場合は、地域に密着した集客を行うことをおすすめします。
地域に密着すると、口コミや紹介で顧客が集まるようになり経営が安定します。顧客が定着すると、今後の新規顧客獲得に力を入れる必要がなくなります。店舗の周辺地域のマップを広げて集中的に配布しましょう。
地域やターゲットによっては、徒歩で行ける範囲や車で行ける範囲といった「周辺地域」の定義が異なってきます。事前にターゲットの移動方法をリサーチした上でポスティングすることが鍵です。
認知してもらうために定期的に配布する
チラシは1度配るだけでは効果が得られません。先述したように反応率は0.1%〜0.3%です。1度目の配布で認知されるかどうかの世界。「このお店すてきだな〜」から「予約してみよう!」の行動までに、何度もアプローチが必要です。また、ポスティングの定期配布には「単純接触効果(ザイオンス効果)」といわれる心理的要素も関係しています。
「単純接触効果」とは、見た・聞いたなどの接触を複数回繰り返すことで、好意・興味をもつようになる効果のこと。テレビCMでも同じことがいえます。
実際のチラシ配布では、ひと月に3回配布を実施したいところです。事前に無理のないチラシ配布の計画を立てておきましょう。
ポスティングか新聞折込かを決める
チラシ配布方法では、ポスティングか新聞折込かを決める必要があります。
「今どき新聞折込?」と思う方もいるかも知れませんが、ターゲット次第では新聞折込のほうが効果的な場合もあります。新聞折込とポスティングのメリット・デメリットは以下のとおりです。
ターゲットの年齢が20代なのに、手間と費用の削減から配布方法を新聞折込にしては充分な効果を得られません。
ターゲットの特性、メリットとデメリットを比較して慎重に決定しましょう。
業者に依頼するかスタッフにするかを決める
チラシのデザイン・枚数・配布地域を決定しました。次はポスティングを業者に依頼するか、または店舗スタッフが行うかを決めます。個人サロンやスタッフの人数が少ない場合、営業中にポスティングするのはむずかしいでしょう。
営業時間外にポスティングすることも考えられますが、過労により体調を崩しては本末転倒。その場合には、チラシを配ってくれる業者に依頼します。
自ら配れるときは配る。どうしても手が空かないときはお願いするなど、臨機応変に対応することでポスティングのコストも最小限に抑えられますよ。
配布効果を測定するための仕組みを整える
「チラシ配布によって得られた効果を測定する仕組み」を事前に整えておきましょう。
チラシを見て来てくれた顧客なのか、またはHPを見て来てくれたのかなどは一見するとわかりません。チラシにクーポン券をつけるなど、チラシの効果を集計できる仕組みを作ります。
チラシ専用の予約ページを作成すると、特典などを用意せずに集計が可能です。チラシを見て来店した顧客を集計すれば、チラシの準備・ポスティングまたは新聞折込のコストに対しての効果を測れます。
チラシの効果からの情報は、今後のチラシや広告の戦略を立てるのにも必須でしょう。
チラシの効果を上げる予約システム
予約システムのリザービアでは、予約ページ上に表示させないクーポンの発行(非公開クーポン)が可能です。
例えば、非公開クーポンで「2022年1月のチラシ限定クーポン」を作成し、該当クーポンのQRコードをチラシ上に掲載します。
該当のクーポンをチラシでしか利用しなければ、クーポンの集計機能によってチラシ配布の効果が瞬時に計測が可能です。
また、チラシを見る時間帯は人によってそれぞれ。夜間にチラシを見て気になっても店舗の営業時間外であれば電話をかける事をためらうでしょう。
予約したいと思った時に予約できなければ、機会損失に繋がります。
反応率が低い手法だからこそ細かい部分までこだわった施策が必要といえます。
まずは資料をご覧ください
今回は、美容室チラシの集客効果を上げる方法と配り方をご紹介しました。
美容室チラシの集客効果を上げるには、集客人数の目標とターゲットを明確にして、ブレない戦略が大切です。
隅々まで目を通してもらえるチラシは、オリジナリティ溢れるおしゃれなデザインで興味をひき、キャッチコピーで共感を得ています。
はじめて行く美容室は不安がつきものです。お店やスタッフの雰囲気がわかり、安心する情報が盛り込まれているチラシは来店につながりますよ。
「どうしようかな」と思っている方の背中を押すお得なクーポンなども、かかせない大切な要素です。
今回の記事を参考にしながらチラシを制作すれば、膨大な数を打たなくても集客につなげられます。
魅力的なチラシにして、新規顧客やリピーターを増やしていきましょう。