この記事では、マツエクの同意書に関する内容をご紹介します。マツエクの施術を予定している美容院やネイルサロンなどでは、早めの用意がおすすめです。
免責同意書とはなにか、顧客とサロンそれぞれのメリット、書き方、かんたんに用意できるPDFなどのダウンロードまで、詳しくチェックしましょう。
目次
美容サロンでは準備が必要!? マツエクの同意書とは
マツエクとはまつげエクステのことを指します。マツエクの施術をおこなっているのは、マツエク専門のサロンだけではありません。エステティックサロン・美容室・ネイルサロンなど、美容に関するさまざまな場所でマツエク施術を提供しています。
なおマツエクを施術できるのは、美容師免許を保持している方のみです。マツエクサロンではまつげを1本ずつスタッフがていねいに自まつげに付けています。
つけまつげよりも自然な印象のまま、まつげを増やすことが可能です。またメイクをしていない状態であっても、まつげが増えた見た目になっている点も魅力です。顧客側からのニーズが高く、マツエクの施術ができるサロンがどんどん増えています。
マツエク専門のサロンを開業しようと検討している方や、エステティックサロンなどでマツエクの施術を取り入れようか考えている方も多いでしょう。もしもマツエクの施術をするのであれば、同意書の準備をおすすめします。
関連記事:マツエクサロンの経営はおすすめ?市場動向や開業で失敗する人の特徴も解説
同意書はマツエク施術に関して事前に説明するための書類
マツエクの同意書とは、施術に関して事前に説明し、同意をえるための書類です。どのような施術をするのかの認識がサロン側と顧客側とでちがうまま施術を進めてしまうと、認識の食いちがいが原因のクレームに発展してしまうこともあります。
マツエク専門のサロンを開業したり、エステティックサロンなどでマツエクを取り入れたりする場合には、早めに同意書を用意しておくことが重要です。同意書を用いてマツエク施術に関しての必要事項を事前に説明し、不安が少ない状態で施術を受けてもらいましょう。
マツエク施術に同意書を用意する背景
日本国内でマツエクの施術が始まったのは、2000年前後でした。その数年後からブームになり「マツエクをしたい! 」という顧客のニーズの高まりにあわせ、マツエクサロンが急増しました。しかし当時はまだ、明確な基準がない状態でした。そのためマツエクの施術ができる技術や知識を持っていない施術者により、顧客の健康被害が増加してしまったのです。
現在では「美容師免許を持っているもののみ」などの基準がはっきりしてきており、美容専門学校でもマツエクの施術に関する授業をおこなうなど、施術者のスキルアップに取り組んでいます。施術者の技術的な向上とマツエク施術の前にリスク説明をおこなうことによって、トラブルをできる限り減らそうとしています。このマツエク施術のトラブルに関する一連の流れが、マツエク施術に同意書を用意する背景です。
同意書があるとトラブルからサロンを守れることがある
マツエクの施術は直接顧客の目のまわりに触れるため、どうしても肌などへのリスクがある施術だといえます。トラブルが起きたときに過剰に慌てないように、クレームへの対応は前もって考えておくべきでしょう。
万が一の場合、同意書によってトラブルからサロンを守れます。施術に関する注意事項などを同意書や契約書に記載しておき、事前に起こりうるリスクを顧客に理解してもらっていれば、サロン側の責任ではないと判断してもらえるケースがあるのです。エステティックサロンやネイルサロンなどでも同じ流れで守れることがあるため、事前に準備しておきましょう。
また同意書以外にも、トラブルになる前に準備しておきたいことがあります。それは提携できる皮膚科医探しと責任保険の加入です。
マツエクの施術などの美容系サロンで多いのは、施術後に肌荒れや痛みなどが起こったというような肌トラブルに関するクレームです。皮膚科ではエステのせいだという診断を安易にしがちなため、提携できるところを探し、本当の原因をきちんと探してもらえるようにしましょう。
またエステサロン向けの責任保険に加入しておけば、いざというときに安心です。
個人サロンでも開業前に同意書の用意を
「個人サロンでもそこまで用意しておく必要があるのだろうか? 」と考えてしまい、準備しないまま開業してしまう方もいます。しかし今後のリスクを軽減してトラブルからサロンを守るために、開業前から事前に同意書の用意をしておくべきでしょう。
いくら口頭で事前にリスクについてていねいに説明していても、「聞いていない」と顧客にいわれてしまえば、同意をとっていたと証明することが難しくなってしまいます。トラブルを大きくしないためにも、個人サロンでも早めの同意書の用意が必要です。
- 紙カルテを辞めたい
- 同意書もデジタル管理
- 安価に会計システムを導入したい
- サロン経営を安定させたい
マツエクの免責同意書による顧客側のふたつのメリット
マツエクの施術前に同意をおこなう免責同意書をサロン側が用意していると、顧客側にもメリットがあります。同意書を用意してあることによる顧客側のふたつのメリットは、以下のとおりです。
- どのような施術を受けるか事前にわかること
- 施術によるリスクを理解して判断できること
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
1.どのような施術を受けるか事前にわかる
顧客側の一つめのメリットは、どのような施術を受けるか事前にわかることです。
なにもわからないままの状態で施術を受けることになると、顧客は不安になってしまいます。今までに使ったことがなかった機材や美容用品などを使う際にしっかりと説明を受けられるようになることで、不安を軽減した状態で施術を受けられるようになるでしょう。
2.施術によるリスクを理解して判断できる
顧客側の二つめのメリットは、施術によるリスクを理解して判断できることです。施術によるリスクをしっかりと説明してもらえれば、納得したうえで安心して任せられます。
また、体調不良によるリスクや敏感肌によるリスクなど、自分が肌トラブルになりやすいようなリスクが高い状態だと判断した場合には、施術を取りやめる判断ができるようになるでしょう。
マツエクの免責同意書によるサロン側のふたつのメリット
マツエクの免責同意書を作成しておくことは、もちろんサロン側にもメリットがあります。同意書の作成によるサロン側のふたつのメリットは、以下のとおりです。
- 体調やアレルギーを事前に確認できる
- 事前同意の有無や責任の所在が明らかになる
これらのメリットのおかげで、より顧客に合った提案ができるようになったり、トラブルに見舞われてしまった場合の対応がしやすくなったりします。それでは、ふたつのメリットについてそれぞれ詳しくチェックしていきましょう。
1.体調やアレルギーを事前に確認できる
同意書の作成によるサロン側の一つめのメリットは、体調やアレルギーを事前に確認できることです。同意書を確認しているときに顧客の体調やアレルギーを確認できるため、リスク想定がしやすくなります。
また、体調やアレルギーを事前に確認しているのにもかかわらず顧客から申告がなかった場合には、サロン側が責任を負う必要がなくなる可能性があるでしょう。
2.事前同意の有無や責任の所在が明らかになる
同意書の作成によるサロン側の二つめのメリットは、事前同意の有無や責任の所在が明らかになることです。事前同意があったことを書類として残しておけることで、トラブルのときに「聞いていない」といわれても説明した証拠を提示できます。
もしも顧客に説明して同意を貰った証拠がないなら、サロン側に責任がないことを証明しづらくなります。サロン側に責任があるということになってしまうと、かかる費用は施術代の返還だけではありません。治療費・診断書代・交通費の支払いなど、賠償責任が生じる可能性があるため注意が必要です。
責任の所在を証明するためにも、同意書を準備してしっかりと説明することをおすすめします。
マツエクの免責同意書の内容・書き方
それでは、実際にマツエクの免責同意書に記載する内容や書き方をチェックしていきましょう。同意書に記載するべき内容は、以下のとおりです。
- 既往歴・通院歴・アレルギーに関する事項
- 施術当日の体調や感染症に関する事項
- 未成年者の契約に関する事項
- マツエク施術のリスクに関する事項
それぞれ詳しくチェックしていきましょう。
既往歴・通院歴・アレルギーに関する事項
同意書には既往歴・通院歴・アレルギーに関する事項などを記載します。既往歴とは、今までにかかった病気のことです。
病気の種類によっては、施術の影響で症状を悪化させる可能性がありえます。現在治療中の場合や治療後の経過観察期間の場合には、必要に応じて主治医に許可をもらえるか確認するケースもあります。
施術を受ける方の体質に関する事項も、同意書に必要です。アレルギーがあるのか、敏感肌やアトピー性皮膚炎ではないか、かぶれや発疹の経験はあるかなど、肌トラブルの有無をチェックしましょう。
施術当日の体調や感染症に関する事項
施術当日の体調や感染症に関する事項も、美容サロンの同意書に書くべき内容です。発熱や飲酒をしていないか、妊娠中や生理中ではないかなどの当日の体調を確認する事項を記載します。
また、予防接種から1カ月以上経っているかどうか、感染症にかかっていないかについても確認できるようにしておきましょう。もしも感染症にかかっていた場合、ほかの顧客やスタッフにも移る可能性があります。水虫も感染症に含まれるため、忘れずに確認しましょう。
未成年者の契約に関する事項
サロンの同意書には、契約関連の事項も記載が必要です。未成年者の契約に関する事項も同意書に書きましょう。
未成年者だけの判断で契約をしていた場合、親権者から契約の取り消しを求められれば応じる必要があります。契約の解除をして返金をすることにならないよう、未成年者だけの判断ではなく、親権者からの同意を得ていることを証明できる状態で契約しましょう。
免責同意書には、「身分証の提示が必要な場合があること」や「親の同意のもと契約していること」について記載しましょう。
マツエク施術のリスクに関する事項
サロンの同意書には、マツエクの施術によって起こる可能性があるトラブルも記載します。リスクに関する事項の例は、以下のとおりです。
- パッチテストをおこなって異常がない場合でも、アレルギー反応がでる可能性があること
- 目の病気を持つ方や目のまわりにケガやアレルギーのある方は施術ができないこと
- まつげの生え方や目の形状などで、仕上がりのイメージが異なること
- マツエクの施術中は絶対に目を開けないでいること
- マツエクの施術後に目や皮膚に痛みやかゆみなどの違和感があれば連絡すること
- マツエクの施術後ずっときれいな状態を保てるものではないこと
- 摩擦や油分などによって、付けたマツエクが外れやすくなること
これらは一例であり、実際にマツエクの同意書に記載する内容は同意書を用意するサロンによって異なります。施術前に顧客に理解しておいてもらいたいマツエク施術のリスクについて記載しておきましょう。
マツエクの免責同意書のほかに契約書は必要?
マツエクの免責同意書のほかに契約書が必要なのかは、ケースによって異なります。美容サロンでは、契約の期間が1カ月以上であり、さらに契約金額が5万円を超える契約の場合は書類が必須です。
書類が必須だと定めているのは、「特定商取引に関する法律」や「特定商取引法」と呼ばれる法律です。書類の作成をおこなう場合は概要書面と契約書面の2種類を用意し、特定商取引法にもとづいた記載をしましょう。契約書について、さらに詳しくチェックしていきましょう。
1カ月以上、5万円を超える契約なら必須
マツエクの免責同意書のほかの書類は、契約期間が1カ月以上、さらに契約金額が5万円を超える契約であれば必須です。契約書だけではなく契約前に確認するための概要書面も必要なため、あわせて用意しましょう。
特定商取引法には、契約をする際の概要書面や契約書の書面交付について、誇大広告の禁止、威迫行為の禁止などの記載があります。さらにクーリング・オフや中途解約制度、損害賠償額の制限についても定められています。開業するのであれば知っておきたい知識が記載されているため、開業前にチェックしておきましょう。
概要書面と契約書面を用意
先述のとおり「1カ月以上で5万円を超える契約」という条件にあてはまった場合には、契約をする前に顧客に説明して概要書面を交付してください。契約後にはサービスに関する契約書を交付する必要があります。
なお、用意する概要書面と契約書面に記載する内容は、以下のとおりです。
<概要書面に記載する内容の例>
- 事業者の情報
- 契約するサービスの内容
- 関連商品
- 支払いが見込まれる金額
- 支払い方法や支払い時期
- 契約の解除に関する事項
- 同意事項
契約するサービスの内容は、コースに含まれている施術回数や1回あたりの単価、総額、開始から終了するまでの提供期間などを記載します。同意事項は施術・契約・体調に関する事項を書きましょう。
<契約書面に記載する内容の例>
- 契約日・契約期限
- 契約者名・押印欄
- サービスの内容
- 関連商品
- 支払い方法や支払い時期
- キャンセルなどの特約事項
- 同意事項
- 会社名などの事業者の情報
- クーリング・オフについて
- 中途解約について
- 中途解約・関連商品の返金時の計算方法
事業者の情報の部分はオーナーの氏名や契約を担当したスタッフの氏名も書きます。契約書には押印が必要です。特定商取引法に準じた契約内容やクーリング・オフ、中途解約制度の説明も記載しましょう。
なお、サービスの内容や関連する商品、支払い方法や支払い時期、同意事項については、概要書面に準じる内容にします。
特定商取引法にもとづいた記載を
作成する書類は、概要書面も契約書面もそれぞれ特定商取引法にもとづいた記載をする必要があります。特定商取引法とはもともと消費者を守るために定められた法律です。特定商取引法にもとづく記載ができていないと、せっかく同意書や契約書を作っていてもいざというときに効力が認められない可能性があります。
記載義務がある事項や免責同意事項を特定商取引法にもとづいてきちんと書かれているか、記載する内容に漏れがないかなどのチェックが重要です。
また特定商取引法には、表記の仕方のルールもあります。表記の仕方のルールは、以下のとおりです。
- じゅうぶんに読むべき部分を赤字で記載し、さらに赤枠で囲むこと
- クーリング・オフに関する事項には赤字・赤枠で記載すること
- 8ポイント以上の大きさの文字または数字を使用すること
特定商取引法のルールを理解して、作成した同意書や契約書の効力が認められないことがないようにしましょう。
マツエクの免責同意書に書くトラブル時の対応
マツエクの免責同意書には、トラブル時の対応や契約の解除に関する事項なども記載しましょう。トラブルがあったとしても、そのときの対応の仕方によって、顧客が感じる印象は大きく異なります。マツエクの免責同意書に記載する内容をよく考えるのとともに、万が一トラブルがおこった場合には自分のサロンではどのような対応ができるのかを検討しましょう。
一切責任は取りませんと書くと顧客は不安
同意書を用意するサロンによっては、トラブルがあったときの対応について「一切責任は取りません」と言い切る内容で記載しているケースがあります。しかしこの書き方では、顧客が不安に感じてしまいがちです。
また「一切責任を取らない」という条項は不当に消費者の利益を害するため、消費者契約法により無効となるといわれています。消費者契約法上無効になるような内容で書かれている意図は、「法律で無効になっても、この一文を読んだユーザーがクレームを諦めてくれるのではないか」という考えでいる可能性があるようです。
しかし2007年にはすでに、消費者契約法に抵触する利用規約に対して適格消費者団体が利用規約の変更や停止を請求できるようになっています。適格消費者団体のWebサイト上では企業名や応答文書が公開されているのです。そのため「責任は一切とらない」という書き方で顧客を諦めさせようとするのは、やめたほうがよいでしょう。
マツエクがすぐ取れた際の保証期間があると親切
マツエクは摩擦などによって取れてしまうことがあるものの、施術後すぐにマツエクが取れてしまったケースの保証期間はあると親切です。もしものときの保証期間について記載するのであれば、自分のサロンで対応できる期間を検討し「施術日から何日まで保証期間としてあつかうのか」「どの程度のお直しをおこなうのか」を明記しましょう。
また万が一トラブルになってしまった場合には、対応の仕方が重要です。トラブルの内容から、サロン側に責任があるのか責任を負う必要がないのか確認しましょう。サロン側が謝っても納得しない場合でも、安易にお金で解決しようとするとエスカレートする可能性があり危険です。
顧客の話をよく聞き解決を目指しますが、悪質なクレーマーだった場合には弁護士に相談してみるという手もあります。
マツエクの免責同意書をかんたんに用意する方法
マツエクなどサロンで必要となる同意書は、必要事項を記載すれば自分で用意できます。しかし特定商取引法に関連した記載のルールなどがあり「準備がたいへん……」と感じる方もいるでしょう。ここからは、マツエクの免責同意書をかんたんに用意する方法をご紹介します。
同意書の用紙を購入したり、無料ダウンロードできるサイトを使ったりすると手軽です。また、まつげエクステ商材メーカー「松風」のサイトで顧客対応に使えるさまざまな種類のPDFも用意されています。うまく活用してサロンにいかしましょう。
購入できる用紙や無料ダウンロードを利用
マツエクの同意書は、すでに作られているものをネットなどで購入することができます。複写式の同意書は便利です。顧客に一枚ずつサインを貰わなくても、一度でサロン控えと顧客の控えの分が記名できます。
また、マツエク専用のカウンセリングシートが無料ダウンロードできるようになっているサイトもあります。用意されている同意書などの書類は記載されている内容がそれぞれ異なっているため、自分のサロンに合う書類を選択して活用するとよいでしょう。
「松風」でチェックポイントなどのPDFも
まつげエクステ商材メーカー「松風」では、事前のチェックポイントやマツエクとはどのようなものなのかを顧客に伝えられるものなど、さまざまなPDFが用意されています。カウンセリング時の必須質問事項について、フランス語版やイタリア語版などのさまざまな言語で書かれているものがあるため、日本語ができない方が来店しても接客がしやすくなるでしょう。また、施術者の理解を深めるために作られているPDFも用意されています。
参考(外部リンク):松風 まつげエクステ関連の無料情報コンテンツ
リザービアで理想のサロン経営を実現させよう!
マツエクの施術をおこなう場所は、マツエク専門サロンやエステティックサロン、美容室、ネイルサロンなど、幅広い美容サロンに広まっています。マツエク専門のサロンを開業したい場合、またはネイルサロンなどの美容サロンがマツエクの施術も始めようとしている場合などには、施術を受け付け始める前に同意書の準備をしましょう。
同意書があれば、リスクへの説明をしっかりとおこなっている証明ができ、サロン側に責任がないと判断してもらえるケースがあります。トラブルからサロンを守るためにも、同意書を早めに用意しておきましょう。
免責同意書などの開店準備ができたら、どのように顧客を集めるかが重要です。集客を増やそうとすると、宣伝広告費が高くなりがちです。
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