クレジットカードや交通系ICカード・QRコードなど、キャッシュレス決済にはさまざまな方法があり、利用者も増えてきています。そんなキャッシュレス決済を利用すれば、事前決済がおこなえるようになります。
事前決済に興味はあるけれど、導入するメリットはあるのか・どんな注意点があるのか・どんなポイントに注目してシステムを選べばいいのかなどがわからず、導入に迷っているという方もいることでしょう。
そこで今回は、事前決済のメリットや注意点、選び方のポイントについて詳しく解説します。
- 紙カルテを辞めたい
- 在庫管理を自動化したい
- レジ締めを楽にしたい
- リピート率を上げたい
目次
事前決済とは?
事前決済とは、商品やサービスの利用前に代金を支払う方法のことです。とくにオンラインショッピングや予約サービスで、利用されています。顧客は事前に支払いを行うことで、予約や購入が確定し、サービス提供時にあらためて料金を支払う必要がないため、スムーズに利用できます。
決済手段としては、クレジットカード・交通系ICカードやQRコード決済などの電子マネー・銀行振込などがあります。今後、また新たな選択肢が増えるかもしれません。
事前決済が注目されている3つの理由とは?
事前決済が注目されているのは、訪日外国人の増加や感染症予防への意識の高まり・国の政策など、いくつかの理由が考えられます。ひとつずつ見ていきましょう。
1. 訪日外国人の増加に対応
日本でオリンピックが開催されました。それに加え、円安の影響でインバウンド(訪日外国人旅行)で来日する方が増えています。さらに少子化による人口減少への対策として、外国人の積極的な受け入れが推進されています。
それにより、これからも増え続けると予想される外国人の来店に備え、言葉の壁による金銭のやり取りの難しさを解消する必要があります。この問題を解消するために事前決済を導入する店舗が増えているのは、当然の流れといえるでしょう。
2. 感染症予防の継続的な対応
世界中を混乱に陥れた感染症の流行も、落ち着きを取り戻しつつあります。多くの店舗が通常通り営業できるようになっても、やはり感染症予防の観点から接触を避ける風潮は、根強く残っているのが現状です。
そこで、不特定多数と金銭のやりとりをするリスクを避けることができる、事前決済が注目されていると考えられます。
3. 国をあげてのキャッシュレス化推進
日本のキャッシュレス化は遅れているといわれています。実際、世界の主要国のキャッシュレス決済比率が40~60%程度であるのに対し、日本は30%台と低い水準です。
政府は「成長戦略フォローアップ」と称して、2025年までにキャッシュレス決済比率を4割まで引き上げるとしており、将来的には世界最高水準である8割の普及を目指しています。
2023年の資料によると、店舗・消費者に対してのキャッシュレス決済のメリットを周知する、店舗がキャッシュレス決済を導入するための環境整備を進めることなどの取り組みを行う予定です。
引用元
経済産業省|キャッシュレス将来像の検討会(概要版)
経済産業省|キャッシュレス決済の普及に向けた取組について
経済産業省|2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました
事前決済を導入するメリットとは
事前決済を導入するメリットには、利便性を高めることで消費者が行動を起こしやすくなることや店舗側の業務効率化などが挙げられます。
以下に詳しく解説していきましょう。
1. 気軽に利用できる|予約につながりやすい
事前決済の場合、インターネットで予約と同時に支払いまで済ませられるので、時間を選びません。夜間でも、思い立ったときに予約と決済を完了させられることで、ユーザーの離脱を防ぐことができます。
予約時に料金も確定するので、安心して決済まですすむことができます。また、当日多めの現金を準備したり、持ち歩いたりするわずらわしさがないというメリットも。店舗で現金のやりとりをせずに済むため、スマートな退店をすることができます。
2. 店舗の業務効率化ができる|コスト削減
店舗にとっては、業務効率化ができるというメリットがあります。レジを担当する人員を減らすことができ、現金のやりとりによるミスの軽減・現金管理のストレスからも解放されるでしょう。
また、現金による決済の場合、釣銭を準備したり、現金を集計したりする手間や、金融機関に運ぶというコストがあります。キャッシュレス決済の導入で、これらの手間とコストを大幅に軽減することができるのもメリットです。
3. 無断キャンセルを防ぐことができる|未回収のリスクを軽減
無断キャンセルは、お店にとっての大きな損失につながります。その分ほかの予約を入れられた可能性もあるため、悔しい思いをした方も多いのではないでしょうか。
事前決済をしていればお客様はキャンセルがしにくくなり、また、仮にキャンセルになったとしても決済が済んでいるため、キャンセル料として徴収することもできます。
4. 顧客情報も同時に取得できる
ネット予約をする際に、お客様には名前や連絡先などの個人情報を入力していただきます。そのため、予約と同時に顧客情報を取得でき、その蓄積された顧客データを分析することで、マーケティングにも活用可能です。
たとえば、顧客データを分析して、メインの客層やニーズを把握できるため、集客にも活用できます。そのほかに、キャンペーン情報やクーポンなどの送信をDMするなど、リピーター獲得にも活かすことができます。
5. 現金のやりとりによるリスクを軽減できる
現金を直接やり取りすることで起きる、さまざまなリスクを避けることができるのもメリットでしょう。感染症予防の観点から、接触に気をつかうだけでなく、消毒や飛沫防止の対策などの労力も削減できます。
さらに事前に予約数を知ることができるので、来店人数をコントロールでき、店舗内に人が密集するという事態を避けることも可能です。
事前決済を導入するデメリット
さまざまなメリットが得られる事前決済ですが、一方でデメリットも存在します。メリットとデメリットをよく比較してください。ここからは、事前決済を導入するデメリットについて見ていきましょう。
1.コストがかかる
事前決済を導入する際、システムの導入や運用にかかるコストを考慮しましょう。たとえば、事前決済が可能になるシステムは、初期料金や月額利用料金が発生し、これが小規模事業者にとっては負担となることがあります。
また、クレジットカードやQRコード決済の利用には、手数料も必要です。こういったコストは、売上が増加したとしても、利益を圧迫する要因になってしまうかもしれません。そのため、コスト対効果を慎重に評価することが重要です。
2.現金主義のお客様離れ
事前決済を導入することで、現金主義のお客様が離れてしまうリスクがあります。とくに高齢者の方は現金での支払いを好む傾向が強いです。すべての取引を事前決済に限定すると、これらの顧客を失ってしまうリスクが高まるでしょう。
この問題を解決するためには、従来の現金決済も併用し、幅広い顧客層に対応することが重要です。多様な決済手段を提供してお客様の支払い方法の選択肢を増やすことで、リピーターの確保につながります。
3.情報漏洩のリスクがある
事前決済では、オンラインで個人情報や決済情報を取り扱うため、情報漏洩のリスクが伴います。悪意のある第三者による不正アクセスやシステムの不具合により、顧客情報が流出するリスクは、残念ながらゼロにすることは難しいでしょう。
もしもお客様の大切な個人情報が漏洩してしまうと、サロンの信頼性が損なわれるだけでなく、顧客に対する法的責任が発生するかもしれません。
4.現金化に時間がかかる
事前決済を利用した場合、売上が上がってから、実際に入金されるまで、タイムラグがあります。
とくにクレジットカード決済では、売上が実際に入金されるまでに、かなり時間が必要なことも。このタイムラグはキャッシュフローに影響を及ぼし、資金繰りに悩む事業者も少なくありません。
小規模事業者にとっては、日々の運転資金が必要なため、この遅延が経営に対するストレス要因となってしまうこともあるでしょう。売上金の入金タイミングを把握し、適切な資金計画を立てることが重要です。
事前決済システムを選ぶ6つの比較ポイントを紹介
これから店舗に決済システムを導入したい場合、どういった点に着目して選べばいいかわからないという方もいるかもしれません。そこで、決済システムを選ぶときにチェックしたい6つのポイントをお伝えします。
1. 導入や運用のコスト
決済システムを選ぶときには、初期費用など導入時にかかる料金だけでなく、月額料金やサポート費用などの運用にかかるコストも考慮に入れる必要があります。
できるだけ安く済ませたいと思いがちですが、値段だけで選んでしまうと、決済方法の選択肢が少なかったり、必要な機能がなかったりして後悔することもあるかもしれません。
トータルコストだけでなく、コストに見合った機能があるかのバランスも大切です。
2. 決済の種類
キャッシュレス決済と一口にいっても、その内容はクレジットカード、電子マネー、QRコード決済などいろいろな種類があります。
顧客がどの決済方法を普段使っているかを事前に調査して、できるだけ網羅性の高い決済システムを選ぶのがおすすめです。いざキャッシュレス決済をしようとして、使えない決済方法があった場合、顧客はそのお店の利用をやめてしまうことも考えられます。
決済方法はできるだけ多いものを選び、顧客の取りこぼしを防ぐ必要があるでしょう。
3. 入金のサイクル
決済システムは、現金が手元に入るまでにタイムラグがあるというデメリットがあります。そのため、入金サイクルはしっかりとチェックしておきましょう。
決済システムによって入金サイクルが異なるため、店舗のキャッシュフローに悪影響を及ぼさないように、自店の状況と合わせて確認する必要があります。入金サイクルが短く、できれば月に複数回、または随時入金してくれるサービスを選ぶのがおすすめです。
4. 継続課金に対応しているか
美容サロンなどでも増えてきているサービスのサブスク。一定額を毎月支払う代わりに施術が数回まで、または無制限に受けられるというものです。
こういったサービスを取り入れている店舗は、継続課金に対応しているかどうかはチェックしておく必要があるでしょう。決済システムによってはその都度の決済にしか対応していないものもあります。
5. 自社システムと連携できるか
すでに店舗で利用している予約システムなどがあれば、決済システムと連携できるものでなければなりません。また、決済の操作や予約システムとの連携もスムーズで、従業員が使いやすいものである必要があります。
お使いの予約システムがある場合は、連携できるかをチェックし、これから導入される予定であれば決済システムとシームレスに連携できるものを選ぶのがおすすめです。
6. セキュリティ
セキュリティ対策は、個人情報を取り扱う以上、もっとも気を遣わなければならないことでしょう。
お客様のクレジット情報を含めた個人情報が、流出したり漏洩したりするリスクは、可能な限り避ける必要があります。
情報の暗号化や不正防止の対策がとられているかなどをチェックしましょう。サービスを提供している企業のコンプライアンスも確認しておくのが安心です。
事前決済を導入する前に準備しておきたいこと
事前決済を導入する際、システムの導入といった物理的な環境を整える以外にも、準備しておきたいことがいくつかあります。ここからは、どんな準備をしておけばスムーズに事前決済を利用できるのかを、見ていきましょう。
1.キャンセルポリシーを明確にしよう
美容サロンが事前決済を導入する前に、キャンセルポリシーを明確に設定することが重要です。これにより、予約キャンセルに関するトラブルを最小限に抑えられます。
具体的には、キャンセルの期限や手数料の有無・当日キャンセルの場合の扱いなどを、詳細に規定しましょう。また、ポリシーはお客様に分かりやすく提示し、予約時に確認してもらうことが大切です。
キャンセルポリシーを設けることで、お客様に対する信頼性を高め、サロン側も安心してサービスを提供できるようになります。
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2.研修やサポート体制を整えよう
事前決済システムを導入する際には、スタッフの研修が欠かせません。新しいシステムの操作方法やトラブルシューティングについて、しっかりと教えましょう。スタッフがスムーズに操作できるようになるだけでなく、自信を持って対応できるようになります。
また、お客様からの問い合わせにお答えできるよう、サポート体制も整えておく必要があります。サービス提供をはじめる前にあらかじめFAQやマニュアルを作成し、スタッフ全員がアクセスできるようにすることで、サービスの質を向上させられるでしょう。
3.事前決済導入を周知しよう
事前決済の導入は、お客様にとっても新しい体験となるため、早い段階で周知しておくことも重要です。メールやDMを活用して、事前決済の開始をお知らせしましょう。また、店頭にポスターやフライヤーを掲示することで、来店されたお客様にも情報を提供できます。
あわせて、事前決済の利用によるメリットをお伝えしておくことで、お客様に興味を持ってもらえるでしょう。たとえば、予約の確保やスムーズな決済といったことを具体的に説明することで、お客様の理解を得やすくなります。
新しい取り組みを通じて、顧客満足度を高める機会と捉え、積極的にコミュニケーションを図ることが大切です。
サロンにおすすめの決済システムは?
それでは、理容室・美容室やエステサロン、整骨院などのサロンにおすすめな決済システムを紹介します。是非参考にしてください。
1. イプシロン
イプシロンは、初期費用や処理料が一切かからず、月額料金もリーズナブルなので、初めての決済システム導入におすすめです。
主要5ブランドのクレジットカードをはじめ、インターネットショッピングで利用されているほとんどの決済方法が使えるため、決済方法の不足が原因の機会損失を防ぐことができます。
入金サイクルも早期入金サービスに対応しているため、キャッシュフローが回らなくなるといったリスクを避けることができるでしょう。
また、My Salon Payというスマホで簡単に決済ができる、サロン向けのサービスや定額サービスの継続課金にも対応しており、後述するリザービアという予約システムと連携が可能です。
2. stera pack
30種類以上の決済方法に対応しているstera packは、初期コスト無料で、1年間固定費無料で利用できるお試しパックがあるため、トライアルとして導入してみたいという店舗におすすめです。
オールインワン端末は小ぶりで、レジ周りもすっきり。電子サインや暗証番号ののぞき見防止対策がとられているので、お客様にも安心して使っていただけるでしょう。
入金サイクルは3種類から選ぶことができ、最短では5日に一度の入金が可能。
さらにサロンで導入実績が多い、予約システムのリザービアとシームレスな連携ができるので、業務効率化にも役立ちます。
キャッシュレス決済サービス「stera pack(ステラパック)」|あなたのお店にゆとりを。
ネット予約受付におすすめの予約システム「リザービア」
サロンの業務を効率化させるための方法として、予約システムの導入があります。予約管理や顧客管理を自動化し、DMの自動送信やスタンプカード・クーポンなどの発行で、集客にも活用できるのがメリット。
サロンで導入するなら、全国5,000店舗で導入実績のあるリザービアがおすすめです。そこで、リザービアの機能やメリットを紹介しますので、予約システムの導入をお考えの方は、是非参考にしてください。
リザービアは連携機能が豊富なため、集客にも活用できるのが特徴です。GoogleやLINEと連携することで、集客の効果を高めることができるでしょう。
Googleで予約は、Googleの検索結果に店舗情報を表示させるサービスで、リザービアを利用すれば、この店舗情報から直接予約を入れていただけます。
ユーザー数の多いLINEアプリと連携して、LINE公式アカウントから直接予約が入れられる機能もあります。
予約受付だけでなく、リマインダー通知やキャンペーン情報の告知、クーポンの発行や口コミなど、LINEだけでお客様とのやり取りを完結させられるため、顧客の囲い込みにも活用できるでしょう。
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事前決済を導入するなら予約システムの併用がおすすめです
事前決済を導入すれば予約時に料金の支払いを完了でき、サロン側とお客様側の双方にとってさまざまなメリットがあります。
美容サロンが事前決済を導入するなら、予約システムとの併用が効果的です。予約システムを活用することで予約管理の効率が大幅に向上し、業務負担が軽減されます。自動リマインド機能により、予約の確認やキャンセルの連絡もスムーズになるため、スタッフの手間を省けるでしょう。
予約システムを併用することでスタッフはお客様へのサービスにより集中でき、顧客満足度の向上にもつながります。業務をスムーズにし、サロンの成長を支えるために、予約システム「リザービア」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。