手紙やチラシ、カタログという形で、個人や法人宛にサロンの情報やサービスの案内をするDM(ダイレクトメール)は、昔からの定番の宣伝方法です。
実践している方も多いかもしれませんが、「本当に効果があるの?」とか、「空回りしているかも」ということはありませんか?
効果的なDMを作成するために大切なのは、ポイントをしっかり押さえること。
今回は、美容室が顧客にDMを送ることのメリットとデメリットを整理したうえで、作成時のポイントとDMの例文を紹介します。
また、DMを送るのに便利な顧客管理機能についても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
美容室DMのメリット
せっかく手間と費用をかけて送るので、DMのメリットを知っておくことが大切です。ここでは、美容室・美容院から顧客にDMを送ることのメリットを紹介します。
開封率が高い
DMは、ポスティングチラシやメルマガといった他の広告手段と比べて開封されやすいことが大きなメリットです。
一見すぐゴミ箱行きになってしまいそうなイメージがありますが、「一般社団法人日本ダイレクトメール協会」の2019年の調査によると、74.0%の人がきちんと開封・閲読しています。[※1]
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一方でメルマガの開封率は、多くても30%を超えません。平均値は20%前後という調査結果があります。[※2]スマホのメールの未読数が何千件も溜まっている方、周りでかなり多く見かけませんか?
DMで送るほうが、見てもらえる確率は2倍以上も増加します。休眠客や離反客にアプローチするために、DMはとても有効な手段なのです。
インパクトを与えられる
人々はインターネットなどデジタル形式の広告に慣れてきているため、あえてアナログの手段を取ることによって、受け取る相手にインパクトを与えることが可能です。DMのデザインにもこだわれば、視覚的効果も高くなってよりアピール力が上昇します。
美容院・美容室のイメージ向上
新しい機械の導入や新メニューの登場など、自店がさかんに活動している様子をDM内で伝えることで、自店のイメージアップにつなげることが可能です。
トレンドや最新技術を取り入れることで、流行に敏感な顧客の心もつかみやすくなります。上手にアピールして来店へのモチベーションを上げましょう。
リピート(再来店)促進
リピート客は美容室にとって大切な存在。より多くのリピーターを獲得するためにも、DMは重要なアプローチ方法です。心の込もったDMによって親しみや信頼感を持ってもらい、再来店につなげましょう。
失客の防止
顧客が半年~1年ほど来店していない場合、家庭の事情や引っ越しなどの理由以外に、他店を利用することになったという「失客」の可能性が考えられます。
なぜ失客に至ったのかという原因を考えながら効果的なDMを送ることで、「しばらく足が遠のいていたけどまた行ってみようかな」という気持ちにさせることができます。
美容室DMのデメリット
前章で見たように、DMにはメリットがたくさんあります。その一方で、知っておきたいデメリットもあるのでお伝えします。
労力がかかる
ひとつめのデメリットは、労力がかかること。美容室での通常業務に加えて、DMを作成する作業が必要です。特に、手書きの場合は手間がかかってしまう点に注意しましょう。
コストがかかる
ふたつめは、コストがかかる点です。DMを出すには、はがきや便せん・封筒代、印刷費、郵便料金などの費用が必要です。自店での手間を削減するために外注する場合、さらにコストが増加します。
美容室DMの4つの種類
美容院・美容室が送るDMには、大きく分けて4つの種類があります。それぞれどんな内容のものなのかを紹介していきましょう。
サンキューDM
お客様に来店していただいたらお礼状としてサンキューDMを送ると良いでしょう。感謝の気持ちを送ることで、美容室を覚えていただき再来店を促すことができます。
サンキューDMは周囲から反応を得られるころに仕上がりについて伺うようにします。来店から2、3日、遅くとも1週間以内にお客様の元に着くように送りましょう。
サンキューDMの書き方
サンキューDMはお客様に親しみを感じてもらえる内容にすることが重要です。できれば、サロンオーナー様か担当したスタッフの手書きのメッセージを添えて、私信のようなイメージで書くと良いでしょう。
内容は仕上がりの満足感を伺うほか、普段のケアやスタイリングのアドバイスなどを添えて気配りをするとお客様に信頼感を感じていただけます。
また、当日のファッションや施術中の話題について触れるのも、親近感を感じていただきやすくおすすめです。ただし、お客様によってはプライベートに触れられるのを嫌う方もいますので注意しましょう。
バースデーDM
お客様にとって大事な日のひとつである誕生日にDMを送るのも特別感や信頼感を感じていただけます。割引クーポンやスペシャルメニューなどの特典を付けたり、記念日らしい華やかなデザインのものを送るといいでしょう。
バースデーDMの書き方
バースデーDMは記念日に送るものなので、特別感のある内容にすることが重要です。個人に送るものなので、相手の名前を書き、親しみを込めましょう。
記念日の特典やおめでとうという気持ちだけでなく、日頃の感謝の気持ちを書き添えます。手書きのメッセージや手作り感のあるデザインも特別感があるためおすすめです。
年賀状など季節のDM
年賀状やクリスマスなどの季節のイベントや、季節の変わり目といったタイミングでDMを送るのも良いでしょう。
季節の挨拶DMはリピーターのお客様だけでなく、新規の方や休眠顧客にも送ることができます。そのためお客様の再来店を促しやすくなるでしょう。
季節のDMの書き方
季節のDMでは、その季節に応じたあいさつやイベントに言及した内容を書きましょう。近況報告を書き添えるのも丁寧な印象になります。たとえば年賀状であれば、新年のあいさつやこれまでの感謝の気持ちを書くことで良い印象を持ってもらいやすくなります。
キャンペーンであれば季節にちなんだものや、年賀はがきのくじ番号を利用した抽選など工夫したキャンペーンをおこなうのもおすすめです。
失客掘り起こしDM
最後に来店してから長期間来店していないお客様に、再来店を促すDMを送るのも効果的です。なかなか美容院に行く暇がなく日が空いてしまったお客様に美容室を思い出していただき、再来店のきっかけにしてもらいましょう。
失客の原因によっては、内容にも配慮が必要です。自然に再来店しやすいよう、個々に合ったサービスの紹介をする、気遣いの一言を添えるなどの工夫をしましょう。
失客掘り起こしDMの書き方
しばらく来店していないお客様にとって、再来店するには理由が必要です。キャンペーンなどの売り込みではなく、新スタッフの入店や季節のメニュー紹介など、お客様にとって来店の理由となる文章を書くようにしましょう。
また、久しぶりの美容室には行きづらいと感じている方へ、再来店を歓迎する気持ちを伝えるといった心遣いが重要です。
DMの上手な書き方・ポイント
ここまで、美容室が顧客にDMを送るメリットやデメリット、DMの種類について見てきました。つづいては、DMを作成するときに押さえておきたいポイントを解説します。
できれば手書きでていねいに書く
DMを作成するときは、手書きで書くと顧客によいイメージを持ってもらいやすいです。字を書くのが苦手な方もいるかもしれませんが、手書きで一生懸命に書くことで、人柄や温かみが伝わります。
送るDMの枚数が多い場合、すべて手書きは難しくても、宛名のみ、もしくは一言だけでもかまわないので、手書きでていねいに書くと好印象です。施術時の会話や顧客個人へのアドバイスなど、パーソナルなメッセージを添えてみましょう。
お客様の名前を本文内に入れる
DMのなかでは、冒頭や本文にお客様の名前を入れてみましょう。定型文で全員に同じ内容を送っているのではなく個人宛に書いている、ということが伝わり、特別感が出るため、一層親近感や信頼感を感じてもらいやすくなります。
お客様の属性を考慮
DMでは、年代・性別・性格・新規か常連かなど、相手の特性を考えて内容を変えることも大切です。顧客と近い関係になりたいあまり、親しい雰囲気を出しすぎると、新規顧客や年配の方などには受け入れられにくいこともあります。
また、年配客に対しては太くて大きく読みやすい字を書くことも大切です。歳が近い相手の場合はかしこまりすぎない、小さい子どもがいる顧客には子どもも喜ぶようなデザインにする、などの工夫を取り入れるのもおすすめです。
来店時の会話やスタイリング内容を記載
DMはマーケティングの手法のひとつです。ただし、DMの作成時は、「美容院・美容室」対「お客様全体」ではなく、「美容師個人」対「お客様個人」をイメージしましょう。親しみがわき、信頼感も得やすくなります。
また、広告っぽさを出さず「手紙」という意識を持って書くことも大切です。再来店をプッシュしすぎると売り込み色が強くなるため、個人宛のメッセージであることを念頭に置いた内容を心がけましょう。
送るタイミング
コミュニケーションなどでもタイミング次第でうまくいったりいかなかったりすることがありますが、それはDMも同じです。
来店のお礼のDMや誕生日のDMなど、お客様ごとに送るタイミングが変わるDMが遅くなってしまうことは避けましょう。どんなDMを送るかによって適切なタイミングが変わってきます。また、それ以外のDMであれば新生活がはじまる1月・4月・9月が狙い目です。
通販業界などでも消費意欲が高まる傾向があると言われるこの時期に、お店から足が遠ざかっているお客様に送ると効果が出やすいでしょう。また、週末にサロンを利用することも多いので、できれば木曜日・金曜日に到着するタイミングがおすすめです。
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美容室DMの例文
ここでは、種類ごとにDMの例文を紹介します。作成時のテンプレートとして、アレンジを加えながら使ってみてください。
サンキューDMの例文
「〇〇様、先日は数あるサロンのなかから当店をご利用いただき、誠にありがとうございました。カットとカラーで夏らしく明るいスタイルに仕上がり、長さも色味も気に入っていただけたようでこちらも大変嬉しく思っております。
季節の変わり目の頃にはまた長さも出てきて、スタイリングへのお悩みを感じるかもしれません。そのような際は、ぜひお気軽に担当の△△までご相談くださいませ。また〇〇様とお気に入りのドラマの話題で盛り上がれることを楽しみにしています。
□□サロン 担当:△△」
バースデーDMの例文
「〇〇様、お誕生日おめでとうございます!ささやかではございますが、お誕生日から1カ月以内にご利用いただけるクーポンをプレゼントさせていただきます。また〇〇様とお会いできるのを楽しみにしております。
美容室□□ 担当:△△」
「HAPPY BIRTHDAY 〇〇様!お誕生日のお祝いと日頃の感謝を込めて、ヘッドスパ、もしくは新しいトリートメントを無料でご利用いただけるクーポンをお付けしました。有効期限は〇月〇日ですので、ご都合のよい日にぜひご利用くださいませ。
普段から身だしなみをキレイにされている〇〇様、お会いするたびに美しくなっておりうらやましい限りです。またあの洋服ブランドのお話を聞かせていただけるのを心待ちにしております。
□□美容院(△△)」
季節のDMの例文
「冬も終わり、暖かい季節になってまいりましたが、〇〇様もお変わりございませんか?
春を迎え、新しいヘアスタイルに変えられる方も増えております。〇〇様はストレートもよくお似合いですが、パーマでイメージチェンジされたお姿も拝見したいです。
当店では先月新しいパーマ機を導入しました。新しい機械は従来よりさらに髪が傷みにくく、ふんわりと心地よく仕上がりますので、ご興味があればぜひご利用くださいませ。」
失客掘り起しDMの例文
「〇〇様、ご無沙汰しております。ヘアサロン□□の△△です。暑さもやわらぎ涼しくなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?
前回ご来店時に首周りをすっきり軽く仕上げましたが、やや伸びてきた頃かと思います。これから寒くなるため、長さは残しつつボリュームダウンさせることも可能です。ご希望の際はぜひご用命くださいませ。
これから寒くなってまいりますので、どうぞお体ご自愛ください。〇〇様の御朱印帳のお話もまた楽しみにしております。」
リザービアの顧客管理機能はDMにも活用できる
DMを送る際は、顧客管理ツールを使うと便利です。さまざまなツールがありますが、おすすめしたいのが、予約・顧客・会計などを一括で管理できる「リザービア」。
リザービアの顧客管理機能では、お客様の名前や会員種別だけでなく、これまでの来店回数や前回利用したときのスタッフやメニューといった項目でも検索することができます。
DMを送りたいお客様の検索がしやすいため、来店お礼・誕生日・季節の挨拶・失客掘り起こしと、適切なタイミングでDMを送ることが可能です。
また、郵便によるDMだけではなくメールによるメッセージやクーポンの配信もできるのが特徴。来店日から最大60日間、制限なしでメッセージを自動配信する設定が可能です。
お礼メール・フォローアップ・再来店促進などの内容を設定しておけば、手間なく配信できて便利。クーポンやスタンプの付与もできるので、自然にお客様の再来店を促すことができます。
なお、リザービアにはほかにも便利な機能が豊富に搭載されています。
Google・LINE・Instagramから手軽にインターネット経由での予約ができたり、個々のスタッフごとにシフトや受付の設定ができたりと、美容室の煩雑な予約管理もかんたんになるので、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。
美容室の顧客に心温まるDMを送ろう
ここまで、美容室・美容院がDMを作成するメリット・デメリットやポイントなどを詳しく解説しました。DMは他の広告手段よりも手間やコストがかかりますが、開封率は高く顧客に効果的にアプローチできます。ポイントをしっかり押さえて作成すれば、労力に見合ったリターンが狙えます。
適切なタイミングで顧客の心に響くDMを送り、お客様に美容室を思い出してもらって再来店を促しましょう。
なお、リザービアの顧客管理機能を活用すれば、DMを送りたいお客様を検索しやすくなります。DMだけでなく、自動メッセージ配信機能なども活用しながら失客を防ぎ、リピーターを増やしましょう。
引用元:※1:調査統計資料・その他資料 | DM資料館 | 日本DM協会
※2:平均メール開封率レポート 【2022年版】 業種別・地域別(国別)の最新情報