接骨院は、柔道整体の資格所持者が、骨折・捻挫・打撲などの急性外傷に医療行為ではない施術で治療を行う治療院です。比較的小規模から開業することができるため、他にスタッフを雇用せず、すべての業務を一人でこなす「一人接骨院」は少なくありません。
そこで今回は、一人で開業する接骨院にスポットを当て、一人で開業するメリット・デメリットや、売上を安定させるために気をつけたいポイントなどについて解説します。
- 接骨院のリピート率を増やしたい
- クーポンサイトを脱却したい
- LINEでの予約管理が大変
- 予約はリザービアで一元管理
目次
一人接骨院の現状は?
はじめに、一人接骨院を含む治療院の現状について見ていきましょう。
スマホやパソコンが普及した現代では、日常のなかで長時間利用することから、首や肩、腰への負担が大きくなっています。
そのため、凝りや痛みといった悩みを抱える人が多く、定期的に身体のメンテナンスをしたい人や、健康意識の高まりにともなって、接骨院などの治療院のニーズは高まっているといえます。
一方で、治療院の数は横ばいか微増傾向にあり、需要は高いものの過剰供給状態であるともいえ、顧客の奪い合いが起きていることも否定できません。
特に、人口比に対する治療院の数が多い地域で開業して経営を安定させるには、ただ漠然と経営しているだけでは失敗する可能性も高く、何らかの工夫が必要だと考えられます。
引用元
政府統計の総合窓口(e-Stat):令和4年衛生行政報告例
接骨院を一人で開業するメリット
スタッフを雇用せず、自分一人だけで接骨院を開業することにはどんなメリットがあるのでしょうか?接骨院を一人で開業するメリットについて、見ていきましょう。
1.初期費用を抑えられる
ひとつ目のメリットは、初期費用を抑えられる、ということがあります。
接骨院を一人で開業するということは、担当できる患者の数も少なくなるため、必然的に小規模の接骨院になります。そのため、広い物件を必要とせず、設置する設備の数も少なくなるため、開業にかかる初期費用が抑えられるといえるでしょう。
2.スタッフの管理が必要ない
接骨院に限らず、何らかの店舗を経営していくなかで、スタッフの管理は避けられません。複数スタッフを雇用している場合は、誰がいつ出勤するかといったシフト管理や、労務・給料・福利厚生といった管理が必要ですよね。
しかし、一人で接骨院を開業する場合は、他のスタッフを雇用しないため、スタッフの管理業務が必要ありません。
施術以外の業務のうち、特に煩雑だと思われるスタッフの管理をしなくてもいいのは、大きなメリットだといえるでしょう。
3.比較的自由に時間設定ができる
接骨院で働く人が自分一人のため、働く時間を自分の裁量で自由に決めることができるのもメリットです。
たとえば、「平日の午前中は働きたくない」「その時間しかできない副業をやりたい」などと考えた場合、治療院の開院時間を午後からに設定すればいいですよね。
さらに極端な話、「他の治療院が対応していない夜間を中心にしたい」と考え、24時までを営業時間としてもなんの問題もありません。
土日・祝日・夜間などをメインとすると、出勤できない・したくないという考えの人もいるためスタッフを雇用することが難しくなりますが、自分一人の場合は、自分さえ問題なければ自由に時間を設定することができます。
4.人間関係のわずらわしさがない
どんなに条件のいい職場でも、避けられないのが人間関係の悩み。実際、人間関係に悩む人は多く、退職理由になってしまうこともあります。
その点、一人接骨院なら、他のスタッフがおらず自分一人だけのため、スタッフと揉めてしまうなど、人間関係を起因とするトラブルが起きません。
他人の目を気にすることなくのびのびと自分らしく仕事をしたい、という人にとっては、大きなメリットになるでしょう。
5.利益率が高い
店舗を経営する上で、負担が大きいのが人件費。一説では、サービス業においては売上の50%前後が理想の人件費率だといわれています。一方で、売上が高くなればなるほど人的コストも必要となるため、収益率を大きく上げることは難しくなってしまいます。
自分一人であれば、稼働率をあげても人件費はかからないため、売上に対する利益率が高くなり、収入が上がる可能性がある点もメリットだといえるでしょう。
一人接骨院にデメリットはあるの?
多くのメリットがある一人接骨院ですが、一方でデメリットも存在します。一人接骨院のデメリットについて見ていきましょう。
1.すべての業務をこなさなくてはならない
他にスタッフを雇用せず一人で経営するということは、すべての業務を自分一人でこなさなくてはいけない、というデメリットになります。
施術や接客といった患者の対応だけでなく、予約管理や備品管理、経理などの事務業務、清掃や機器の点検といった、あらゆる業務を一人でやらなければいけないので、負担が大きくなってしまいます。
2.相談できる人がいない
一人接骨院は人間関係のわずらわしさこそありませんが、困ったことや悩みがあったときに、相談できる人がいない、ということにもなります。
たとえば患者と何らかのトラブルがあったり、経営が行き詰まったりしたとき、先輩や上司、責任者など相談できる人がいる場合は、情報共有するだけでも気分が軽くなり、問題に前向きに対処できるようになります。
しかし、一人接骨院の場合は悩みや不安もすべて自分だけで抱えなくてはならず、精神的な重荷になってしまうかもしれません。
3.規模を大きくしにくい
メリットの項目で、一人接骨院は必然的に小規模で開業することになるので、開業費用が比較的安く抑えられる、と紹介しました。しかし、患者が増えて規模を大きくしたいと考えたときには、反対にデメリットになってしまいます。
たとえ開業時間を長くして予約数を増やしても、自分一人だけでは一日に施術できる人数には限りがあります。人気の接骨院になり予約数が増え、規模を大きくしたいと考えたときには、改めてスタッフを雇用するなどの対処をしなければ、一人のままでは難しいでしょう。
4.代わりになる人がいないため休めない
もしも何らかの事情で働くことができない時間があるときに、代わりになる人がいない、というのも一人接骨院のデメリットです。
シフト制で働いているような店舗であれば、事前に予定がわかっていればシフトを作成する際に融通がききますし、急病でも誰かにシフトを変わってもらうことができるかもしれません。
しかし、一人接骨院の場合、自分が働くことができなくなってしまえばその日は休診にせざるを得ず、それだけ売上が下がってしまいます。
一人接骨院の経営を成功させるコツ
一人接骨院のメリットとデメリットをご理解いただけたところで、経営を成功させるためのコツを解説します。ポイントを押さえて、一人接骨院の経営を成功させましょう。
1.他院との差別化を図る
前述したように、接骨院を含む治療院は年々微増状態にあるため、周辺地域に同業他店がない、ということはないでしょう。そのなかで利用者を呼び込み売上を安定させるためには、他店との差別化を図る必要があります。
たとえば、自分の得意な施術や強みを明確にして打ち出すことで、「この施術はここでしか受けられない」「ここの施術が一番効く」などと患者が感じてくれるかもしれません。このように、他院との差別化とブランディング化を図りましょう。
2.積極的に集客をする
開業しても、ただ待っているだけでは顧客を得ることはできません。自分から積極的に集客をしていく必要があります。
チラシを配布したり、Web広告を打ち出したりと、ターゲットに合わせた方法で、積極的に宣伝して集客しましょう。ただし、広告宣伝は、大規模にすればするほどコストもかかってしまうため、費用対効果も考慮に入れることが大切です。
3.客単価を上げる
一人接骨院では、集客をして来院数が増えても、一日の施術数を爆発的に増やすことは難しいでしょう。そのため、売上をアップするためには、客単価を上げる必要があります。
しかし、単に値上げをするだけでは、かえって客離れにつながってしまうことも考えられます。メニューの施術は適正価格を保ちつつ、オプションメニューを提案したり、院内で物販をしたりと、一人あたりの利用金額を増加させられるような対策をしましょう。
4.メニュー数を絞る
たくさんのメニューがあると魅力的に見える、と考えるかもしれませんが、一人接骨院では逆効果になってしまうこともあります。
あまりメニューを増やしすぎると、患者が迷ってしまって選べなかったり、どれも専門的に感じてもらえなかったりといったことが考えられます。また、予約間違いが増えるリスクも。
そのため、メニュー数は特に得意な施術だけの少数に絞る、というのも経営戦略のひとつとして検討しましょう。
5.スキルアップを目指す
新規で来院した患者にリピーターになってもらうためには、最終的に施術に満足できるかどうかが重要です。接骨院で施術に満足する、ということは、院内の雰囲気や接客に不満がない上で、結局は施術の腕にかかっている、といえるのではないでしょうか。
「また施術を受けたい」「ここでしか受けられない」「身体の不調が楽になった」などと思ってもらえるよう、質の高い施術ができるように腕を磨きましょう。
一人接骨院の経営には予約システム「リザービア」がおすすめ!
一人で接骨院を経営していると、施術中に予約の電話がかかってきた際、対応のために中断しなければならない、ということもありますよね。予約システムを導入すれば、施術を中断することなく予約を受け付けることができるようになります。
そこでおすすめしたいのが、予約システム「リザービア」。
リザービアは治療院・リラクサロンにも対応しているシステムで、予約受付をはじめ、顧客情報管理や設備設定など、経営と集客をサポートするさまざまな機能が搭載されています。まさに一人接骨院におすすめの予約システムだといえるでしょう。
- 接骨院のリピート率を増やしたい
- クーポンサイトを脱却したい
- LINEでの予約管理が大変
- 予約はリザービアで一元管理
接骨院を一人で開業するならメリット・デメリットをよく考えよう!
他にスタッフを雇用せず、施術から裏方の業務まですべてを一人で回す一人接骨院。一人で接骨院を開業すると、初期費用が比較的安価に押さえられる、自由な働き方ができる、人間関係がないなどのメリットがあります。
一方で、すべて一人でこなすため業務負担が大きい、問題が起きたときに頼れる人がいないといったデメリットも。
しかし、デメリットのいくつかは、予約システムを導入することで解決できる可能性があります。一人接骨院を開業するなら、業務の効率化を図り集客できるお店づくりを支えるリザービアを導入してみてはいかがでしょうか。