近年、眉毛やまつげなどが顔の印象をつくることから、目元周りのケアをプロに任せる人が増えてきています。このような需要の高まりから、眉毛サロンの開業を検討している人もいることでしょう。
そこで本記事では、眉毛サロンを開業するために必要な資格や準備、そしてサロンを運営する際に知っておくべき経営のポイントを紹介します。
目次
眉毛サロン(アイブロウサロン)とは?
眉毛サロン(アイブロウサロン)とは、眉毛の除毛などの施術を行い、眉毛を整える場所です。
一般的に施術はカウンセリングから始まり、骨格や顔のバランス、なりたいイメージに合わせて眉毛の形を決め、ワックスによる脱毛などで眉毛の形を整えます。
眉毛サロンを開業するために必要な資格
眉毛サロンで施術を行う場合、美容師免許の取得が必須です。ここでは、その美容師免許の必要性と、スキルアップに役立つ民間資格について詳しく解説します。
美容師免許
美容師法に「眉毛への施術は美容師免許が必要」と明記されているわけではありません。
しかし美容師法第2条では「美容とはパーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること」と定義され、厚生労働省からの通達には「首から上の容姿を美しくする方法は美容に該当する」と記載されています。
このことから、美容行為には眉毛カットなども含まれると解釈されます。そのため、眉毛サロンでの施術には、美容師免許が必須と言えるでしょう。
実際に、大阪府やさいたま市など各自治体からも、眉毛の施術には美容師免許が必要との見解が示されています。疑問点などがある場合は、開業を予定しているエリアを管轄する保健所に相談してみてもよいでしょう。
引用元
e-Gov 法令検索|美容師法
厚生労働省|健衛発第0307001号平成20年3月7日都道府県各政令市
大阪府|眉毛への美容行為には美容所の開設届出が必要です!
さいたま市|無資格での美容行為にご注意ください(まつ毛・まゆ毛の施術:アイブロウ、まつ毛エクステンション等)
民間資格
眉毛を整える施術に関連する民間資格もあります。眉毛サロンの開業に必須となるものではありませんが、資格を取得していることで、施術者としてのスキルを証明し、お客様からの信頼を得やすくなるでしょう。
アイブロウに関連する資格には、下記のような資格があります。
- ジャパンアイブロウライセンス協会|アイブロウデザイン検定
- 一般社団法人 日本メイクアップ連盟|アイブロウトリートメント検定
- IEA国際アイデザイニング協会|認定アイブロウリスト
- 株式会社JULIA IVY|ハリウッドブロウリフト など
資格取得には所定の講座受講が条件とされているケースも多いため、受講を通して、施術に必要な知識や技術を磨くこともできるでしょう。
引用元
ジャパンアイブロウライセンス協会|アイブロウデザイン検定3級
一般社団法人 日本メイクアップ連盟|アイブロウトリートメント検定
IEA国際アイデザイニング協会|眉毛エクステ認定プロコース
株式会社JULIA IVY|ハリウッドブロウリフト
眉毛サロンを開業するための具体的な準備
眉毛サロンを開業するためには、さまざまな準備が必要です。ここでは、開業までの主な準備内容を紹介します。
必要な資格の取得
眉毛サロンを開業するために、まずは必要な資格を取得しましょう。
美容師免許は国家資格のため、取得のためには所定の養成機関で2〜3年学んだ上で、国家試験に合格する必要があります。
また、必要に応じて民間資格を取得することで、施術の幅を広げることにもつながるでしょう。
開業場所の決定
資格を取得したら、いよいよ開業の準備に取りかかります。まずは、どこに開業するのか場所を決めていきましょう。貸しテナント、マンションの一室を借りる、自宅サロンなどさまざまな選択肢から選ぶ必要があります。
判断基準としては、求める集客数や予算に合わせて考察しながら選択することが大切です。また、眉毛サロンは、保健所の許可が必要なので許可がおりる場所なのかも判断しつつ選びます。
マンションなどの物件によってはセキュリティ上の理由から、店舗としての使用を許可していない場合があります。これは賃貸物件に限った話ではなく購入物件でも同じことが言えるため、開業準備を本格的に始める前に、管理会社や大家に確認しましょう。
美容所登録の手続きを保健所で行う
眉毛サロンを開業する際は、美容所の登録手続きが必要です。これは保健所にて行います。美容所登録は、営業開始の約10日前までにはすませておきましょう。個人事業主や自宅サロンでの開業の場合でも、美容所の登録は必要となるので注意。
もし、美容所の登録を行わずに営業した場合は、30万円以下の罰金が美容師法違反として課せられることも。事前にきちんと手続きを行うことで安心して営業できます。
内装を整え必要なものを準備する
次に内装を整えて、必要なものを準備していきます。眉毛サロンの開業にはおもに以下のものが必要です。必要な数は、場所の規模やスタッフ数によるので、考慮して揃えていきましょう。
- 施術を行うベッド
- 眉毛の施術に使う材料(洗浄液やグルーなど)
- タオルなどの備品
- 集客や会計で使用するPCやレジスターなど
- 宣伝で使用する名刺やカード
開業届を税務署へ提出
個人経営で開業する際は、「開業届」を税務署へ提出しておきましょう。個人事業主として働く際に開業から1ヶ月以内に提出が必要です。提出が遅れても罰則はありませんが、今は、ネットでもかんたんに提出できるので、早めに出しておきましょう。
確定申告のときに青色申告を選びたい方は、「青色申告承認申請書」も開業届と一緒に提出しておきましょう。
集客・宣伝を行う
開業場所や内装の準備が整ったら、集客・宣伝活動をはじめましょう。
集客・宣伝の方法には、SNSを活用した情報発信や、美容系ポータルサイトへの掲載、オンライン予約システムの導入など、さまざまなアプローチ方法があります。
美容サロンの効果的な集客方法については、以下の関連記事も参考にしてください。
眉毛サロン経営について知っておくべきポイント
眉毛サロンの経営を成功に導くためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。ここでは、資金や需要、利益率など、経営に関する知っておくべき情報を紹介します。
開業にかかる資金の目安はどのくらい?
眉毛サロンの開業にかかる資金は、内装工事や研修受講の有無、サロンの規模や形態などによって大きく異なります。
一般的に、小規模な眉毛サロンを始める場合の開業資金の目安は、50万円から150万円程度と言われており、下記の金額が目安です。
- 物件取得費(敷金・礼金など) 10~30万円
- 内装・設備費 20~50万円
- 備品・材料費 10~30万円
- 広告宣伝費 5~20万円
- 研修・講座受講費 5~10万円
上記のほか、数カ月分の運転資金があると、安心して開業できるでしょう。
自己資金だけで開業するのが難しい場合は、融資制度の活用も検討してみましょう。
眉毛サロンの今後の需要は?
眉毛サロンの需要は、今後も高まる傾向にあると考えられます。
近年では、男性向けの眉毛サロンやメンズ専門の眉毛サロンも増えており、性別を問わず「垢抜けたい」「普段の手入れを楽にしたい」といったニーズから眉毛ケアの需要が拡大しています。
眉毛サロンの利益率はどのくらい?
眉毛サロンは、美容室やエステサロンに比べて利益率が高い傾向にあります。
これは美容室でかかるシャンプーやドライヤーなどの光熱費、エステサロンでかかるマシン使用による電気代といった費用がかからないことが一因としてあります。
提供するメニューや価格設定、従業員数や立地などにもよりますが、純利益率(売上に対する最終利益の割合)が40〜50%を超えるサロンもあるようです。
成功事例に学ぶ:急成長を遂げるメンズ眉毛サロン ADDICT
眉毛サロンの開業を考えている方にとって、実際に成功しているサロンの事例は大きなヒントになります。近年、男性の美容意識の高まりとともに、眉毛ケアへの注目が集まっていますが、その中で短期間に目覚ましい成長を遂げているのがメンズ眉毛サロン「ADDICT」です。
近年では、男性向けの眉毛サロンやメンズ専門の眉毛サロンも増えており、性別を問わず「垢抜けたい」「普段の手入れを楽にしたい」といったニーズから眉毛ケアの需要が拡大しています。
業界での高い評価と勢いのある全国展開
ADDICTは、従業員の働きがいを高める評価制度やデータに基づいたキャリア支援が評価され、株式会社リジョブが主催する「REJOB AWARDS 2025」のスタッフエンゲージメント部門・スペシャリストセクションで栄えあるGOLD賞を受賞しました。これは、単に顧客満足度が高いだけでなく、スタッフが安心して長く働ける魅力的な環境を構築している証拠であり、サロン経営において人材確保が重要となる開業志望者にとって大いに参考になる点です。完全週休二日制や残業なし、高歩合といった働きやすさを重視した制度は、優秀な人材を引きつけ、サービスの質を高める好循環を生み出しています。
また、ADDICTはその成功を全国へと広げています。2025年7月から8月にかけて新たに7店舗をオープンし、全国14店舗体制となることで、より多くの男性に専門的な眉毛ケアを提供できるようになります。この短期間での急拡大は、需要の高さと、その需要を的確に捉えるADDICTのビジネス戦略の成功を示しています。
新ブランド「HARU by ADDICT」で市場をさらに開拓
ADDICTは、これまでの実績を活かしつつ、新たなメンズ眉毛サロンブランド「HARU by ADDICT」を始動しました。「洗練された男性の眉に、さりげないこだわりを。」をコンセプトに、ADDICTで培った眉デザイン理論に、韓国ノームコア系のミニマルな美意識を融合。落ち着いたトーンの店内で、静かに眉毛を整える新感覚の空間を提供します。これは、多様化する顧客ニーズに対応し、新しい市場を創造する彼らの先見の明を示すものです。
メンズ眉毛サロン「ADDICT」は、確かな技術力と従業員を大切にする企業文化、そして常に新しい価値を追求する姿勢で、メンズ美容業界をリードしています。開業を目指すあなたは、ADDICTのような成功事例から、サロンのコンセプト作り、人材戦略、そして拡大戦略まで、多くのヒントを得られるはずです。
万全の準備で眉毛サロンを開業しよう
眉毛サロンは、美容意識の高まりを背景に、今後も需要の高まりが期待できるビジネスです。しかし、安定した経営を続けるためには、開業前の入念な準備が欠かせません。
開業準備の手順のほか、開業資金・需要・利益率などの経営のポイントをしっかりと把握し、計画的に準備を進め、理想の眉毛サロンを開業しましょう。