日本を訪れる外国人観光客の間では、日本の文化や日常を体験できるツアーやアクティビティにも人気が集まっており、エステサロンをはじめとする美容サロンも注目されています。
一方で、訪日外国人に対して、どのような対策や集客方法が適切かわからないというエステサロンの経営者やスタッフも多いことでしょう。
本記事ではエステサロンがインバウンド対策を行う際のメリットと注意点、おすすめの集客方法などを紹介します。
目次
日本のエステサロンは訪日外国人に人気?
2024年にホットペッパービューティーアカデミーが行った「美容サロンにおけるインバウンド実態調査」によると、訪日外国人観光客のおよそ半数にあたる50.2%の人が、日本の美容サロンを利用してみたいと答えたそうです。
なかでもエステサロンはリラクゼーションサロンに次いで、「行って見たいと思う美容サロン」の2位となっています。
引用元
ホットペッパービューティーアカデミー:【前編】外国人旅行者の半数に利用意向あり!?日本の美容サロンの魅力とは?
エステサロンがインバウンド対策を行うメリット
日本を訪れる外国人観光客は増加傾向にあり、その半数以上が日本の美容サロンに興味を持っています。この状況を活かし、しっかりと対策を行うことで、これまでとは違った新規のお客様を集客できる可能性があります。
また、外国語での対応が可能な店舗であることをアピールすることで、他店との差別化にもなるでしょう。
さらに、インバウンド対策を行うことは、訪日外国人の集客だけではなく在日外国人の集客にもつながるかもしれません。
インバウンド対策は補助金対象になるケースもあり
自治体によっては、インバウンド対策の費用に補助金を出しているケースもあります。
例えば東京都では2024年に「多様な体験型観光推進事業補助金」として訪日外国人向けに美容サービスを提供する事業者に対して経費の一部を補助する取り組みを行いました。補助対象となる経費は施設整備や備品の購入費のほか、翻訳費なども含まれます。
補助金などの情報は毎年度変わるため、インバウンド対策を行う際には、自店の出店エリアで利用できる補助金がないか調べてみることと良いでしょう。
縮小傾向にある国内消費への対策になる可能性も
ホットペッパービューティーアカデミーの調査から、エステサロンの利用に縮小の傾向が見られました。
この調査では過去1年間に1回以上サロンを利用した人数から割り出される利用率や1回あたりの利用金額、年間利用回数が公表されています。
なかでも、年間利用回数は男女ともにフェイシャル・ボディ・脱毛いずれにおいても減少傾向にあり、1回あたりの利用料金も男性の脱毛を除く項目で減少しています。
こうした国内消費に縮小傾向が見られるなかで、その打開策のひとつとして、インバウンド対策に取り組んでみても良いでしょう。
引用元
ホットペッパービューティーアカデミー:美容センサス2023年上期 資料編(詳細版) <エステサロン編>
エステサロンがインバウンド対策を行う際の注意点
インバウンド対策を進める際には、言語の違いによるコミュニケーションの課題だけでなく、文化や習慣の違いへの理解も重要となります。
また、新たに訪日外国人のお客様を受け入れる際は、既存の日本人のお客様への配慮も忘れてはいけません。
双方のお客様が快適に過ごせる環境づくりを心がけましょう。
文化の違いへの配慮は特に重要
外国人のお客様を受け入れる際は、文化や宗教上の配慮が特に重要です。
宗教によっては特定の部位への施術ができなかったり、使用できない原料が化粧品やオイルに含まれていたりする可能性などが考えられます。さらに、使用する化粧品やオイルによっては、アレルギー反応によるリスクも考慮する必要があります。
施術前のカウンセリングでは、これらの点について丁寧に確認を行うよう心がけましょう。コミュニケーションに不安がある場合は、事前に翻訳したカウンセリングシートを用意するなどの対策を検討し、安心して施術を受けてもらえる環境を整えることが大切です。
ニーズの違いにも注目しよう
日本人のお客様に人気の施術メニューが、必ずしも訪日外国人のお客様にも同じように好まれるとは限りません。
そのため、ターゲットとする国や地域の美容トレンドやニーズを理解し、それに応じたメニュー作りを検討することが重要です。口コミサイトなどをチェックして、どのような施術が好まれているのかリサーチしてみても良いでしょう。
一方で日本人にとっては当たり前のこととなっている「清潔感」に魅力を感じている訪日外国人も多くいます。ニーズを知ることで、当たり前と思っていることを強みとして活かすこともできるでしょう。
訪日外国人をエステサロンへ集客するおすすめの方法3選
訪日外国人を集客するためには、普段から行っている日本人向けの集客とは異なるアプローチが必要となります。
ここでは、SNSの活用・旅行メディアへの掲載・口コミの収集という3つの方法について、それぞれ詳しく紹介します。
SNSの活用
観光庁が公開している「インバウンド消費動向調査」によると訪日外国人の多くが旅行前の情報源としてSNSを活用していることが明らかになっています。
特にサロンの雰囲気や施術のビフォアアフターを視覚的に伝えられるコンテンツは、言葉の壁を超えてサロンの魅力を伝えられるため、おすすめです。
投稿の際は、英語でタグ付けるなど訪日外国人が見つけやすいよう、工夫しましょう。
旅行メディアへの掲載
旅行メディアへの掲載は、訪日外国人に向けて効果的に情報を発信できる手段の一つです。
予約サイトのほか、観光スポットや施設を紹介するメディア、口コミサイト、日本の文化や情報を発信するインバウンド向けメディアなど、さまざまな媒体が存在します。
掲載費用は、無料のものから有料のものまで媒体によってさまざまです。メディアへの掲載を検討する際は、想定される集客効果と掲載費用のバランスを十分に見極めましょう。
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口コミの収集
旅行先について調べる際に、口コミをチェックする人は少なくありません。
特にGoogleビジネスプロフィールに投稿された口コミは、Googleマップや検索結果に表示されるため、多くの人の目に触れる可能性があります。そのため、サロンを訪れた訪日外国人のお客様に、積極的に口コミの投稿をお願いすると良いでしょう。
具体的な取り組みとして、会計時に目につきやすいレジ周りに、口コミ投稿の特典内容や投稿先のQRコードを記したポップを設置するなど、コミュニケーションに不安があっても口コミの投稿を促せるような環境づくりをおすすめします。
エステサロンにおすすめのインバウンド対策
訪日外国人を受け入れるために、実際にどのような対策が必要となるか紹介します。
ホームページやメニューの多言語対応
サロンのホームページやそこに掲載するメニューを多言語対応させることは、訪日外国人のお客様を受け入れる上で基本となる対策です。
特にサロンの公式ページは、SNSや旅行メディアでサロン名を知り興味を持った人が、詳しい情報を求めておとずれる可能性が高いです。
また、店舗で提示する施術メニューについても、料金だけでなく、所要時間や施術内容を翻訳して記載しておくことで、スムーズな案内につながるでしょう。
確認事項も多言語対応しておくと便利!
施術を安全に進めるためには、お客様への事前確認が欠かせません。そのため、施術で触れる部位の説明や使用する化粧品類の成分表なども、多言語で用意しておくことをおすすめします。
特にアレルギーの有無や施術可能な部位の確認はとても重要です。言語が異なるお客様とも正確に確認が取れ、安心して施術を受けていただける環境を整えるためにも、確認事項は多言語で準備しておきましょう。
予約システムの多言語対応
SNSや旅行メディアでサロン名を知り興味を持ってもらっても、予約システムが日本語のみの対応だったり、予約手続きが複雑だったりすると、予約が完了する前に離脱してしまう可能性が高くなります。
せっかくの集客機会を逃さないためにも、訪日外国人のお客様を受け入れるのであれば、多言語対応の予約システムの導入を検討しましょう。
予約システムを選ぶ際は、対応言語がサロンの想定している顧客層と合っているか、予約手順が複雑ではないかなどを確認することが重要です。
また、予約システム自体は、訪日外国人からの予約だけでなく既存のお客様からの予約管理にも使用することが想定されます。そのため、サロンの業務形態に適した日常的に使いやすいものを選ぶことが大切です。
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キャッシュレス決済への対応
クレジットカードやQR決済を導入することで、キャッシュレスでの支払いを希望するお客様にも対応できるため、機会損失の防止にもつながります。
ただし、決済方法の種類は幅広く、手数料も異なります。そのため、導入する決済方法を選ぶ際には、想定している顧客層や利用にかかる手数料も加味した上で検討しましょう。
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外国語での対応が可能なことを周知
訪日外国人のお客様を受け入れる準備を整えても、それがターゲットとしているお客様に伝わっていなければ集客は難しいでしょう。
そのため、サロンの看板や自店のホームページ・SNSなどを活用して、外国語対応が可能なことをアピールしましょう。
翻訳ツールの導入
施術メニューや確認事項を多言語対応できるよう事前に準備していても、想定外の質問を受けるなど、コミュニケーションが必要になるケースは必ず発生します。
そのような場合に備え、スマートフォンなどに翻訳アプリをインストールしておいたり、翻訳機を用意しておいたりすることで、想定外のコミュニケーションにも落ち着いて対応できるよう準備しておきましょう。
外国語対応ができるスタッフの採用
外国語でコミュニケーションを取れるスタッフがいることは、訪日外国人のお客様への対応をよりスムーズにする上、お客様側の安心にもつながるでしょう。
しかし外国語対応可能なスタッフの採用ハードルは低くはありません。
また、仮に採用できた場合も、そのスタッフが常時いるわけではないため、他のスタッフも翻訳ツールの扱いに慣れるなど、サロン全体で受け入れ体制を整えることが重要です。
適切なインバウンド対策で日本のエステサロンを満喫してもらおう
日本の美容サロンは、そのクオリティや丁寧なおもてなしが訪日外国人からの注目を集めています。インバウンド対策を適切に行うことで、より多くの訪日外国人のお客様に日本の美容サロンを満喫していただけるでしょう。
予約システムの多言語対応は、インバウンド対策として重要な要素のひとつです。予約手続きがわかりづらいと、興味を持ったお客様が予約を諦めてしまう可能性があります。このような機会損失を防ぐためには、使いやすい多言語対応の予約システムが必要です。
エステサロンの運営に適した多言語対応予約システム「リザービア」は、多言語対応できる予約システムとして、訪日外国人のお客様でも簡単に予約できる環境を整えられます。
受け入れの準備をていねいに進め、日本のエステサロンを満喫してもらいましょう。