「物販を取り入れようと考えているのだけれど、どうすればよいのかよくわからない」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
エステサロンの物販は、商品の選び方やお客様へのアプローチの仕方を学び実践することで、売れやすくなります。本記事では、エステサロンの物販のメリットやデメリット、売上を高めるためのコツ、人気商品などを詳しくご紹介します。
目次
エステサロンが物販に力を入れるべき理由|物販のメリット
エステサロンが物販に力を入れるべき理由とメリットは以下のとおりです。
- エステサロンの売上で物販が占める割合は約3割
- 物販の売上で顧客単価を上げる
- 継続利用客による売上の安定化
- スタッフの負担がない売上を得られる
以下で1つずつ見ていきましょう。
エステサロンの売上で物販が占める割合は約3割
経済産業省の資料によると、エステサロンの売上のうち物販は約3割(33.7%)を占めています。売上の3割とは、月商100万円だと約30万円が物販で手に入るということです。
物販は、インターネットを介して取引が始まるため、費用がそれほどかかりません。スタッフの時間が取られることもないため、費用対効果で売上全体を底上げするためには欠かせない存在となります。
物販の売上で顧客単価を上げる
エステサロンでは、お客様が選択したコース料金によって顧客単価が決定します。そのため、物販での商品単価も合わされば、おのずと客単価は上がることでしょう。
ホームケアとして販売されている商品は、手軽に購入できるため売れやすい傾向にあります。まずは、客単価を上げるために効率的に何を売っていくべきなのかを明確にしましょう。
継続利用客による売上の安定化
継続利用客による物販売上の安定化は、物販を行うべき理由として挙げられます。働き方が変わりつつある近年、いつエステサロンが休業になってもおかしくありません。
休業になってしまうと、当然収入も入らなくなります。そういったときに、物販があり継続利用客が定期的に購入してくれれば、売上の安定化に繋がります。
スタッフの負担がない売上を得られる
物販は、エステサロンにおいて唯一スタッフの労働以外で立てられる売上です。基本的にエステサロンはお客様に技術を提供する時間労働です。そのため、提供できる時間には上限があります。
しかし、売上には上限がありません。時間という障害をなくすためにも、スタッフの労働以外で物販は欠かせないため、売上を上げるためには積極的に行うとよいでしょう。
物販を取り扱う上での注意点とは|物販のデメリット
物販を取り扱う上での注意点とデメリットは以下のとおりです。
- 仕入れと売上に時間差がある
- 在庫管理の負担、過剰在庫のリスクがある
以下で順番に見ていきましょう。
仕入れと売上に時間差がある
物販を取り扱う上で注意したい点は、仕入れと売上に時間差があるということです。必ずしも、仕入れ直後に商品が売れるわけではありません。
仕入れと売上の間にはタイムラグが発生するため、売上がないのに支払いをしないといけないといったリスクが発生します。
そのようなリスクを解決するためにも、クレジットカードを決済方法として取り扱っていれば、仕入れと売上の時間差を埋められるため、おすすめです。
在庫管理の負担、過剰在庫のリスクがある
物販では、最少購入ロットの設定などで必要以上の在庫を抱える可能性があります。また、曖昧な在庫管理をしていると、在庫が足りない、余っているなどのミスが発生します。
そのような在庫管理のミスを軽減させるためにも、エクセルシートを用いた管理シートを使用したり点数を数えながら記録したりなどの対策を行いましょう。
エステサロンが物販の売上を高める7つのコツを紹介
エステサロンが物販の売上を高めるためには、以下の7つのコツを意識しましょう。
- 商品の選定
- まずは商品の存在を認知してもらう
- 伝え方の工夫をする
- 実際に商品を試してもらう
- インセンティブの導入
- ECサイトの立ち上げ
- 売りっぱなしはNG
上記の内容を実践することで、物販でも売れるエステサロンになります。詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
1. 商品の選定|本当にいい商品・掛け率のいい商品
エステサロンで物販の売上を上げるためには、商品価値が高い物を選定する必要があります。例えば、掛け率のいい商品は商品価値が高いと言えるでしょう。
掛け率とは、販売価格に対しての仕入れ価格の割合のことです。例えば、2,000円の商品を仕入れたいときの取引条件が掛け率50%だった場合、仕入れ価格は1,000円になります。
掛け率が安く抑えられれば、商品を安く仕入れられますが、掛け率だけで商品を選定してしまうとお客様の信用を失うことがあります。手間を惜しまず、自身の目で確かめた本当にいい商品のみを選ぶよう意識しましょう。
2. まずは商品の存在を認知してもらう|POPの設置
物販の売上を上げるためにも、商品の存在を知ってもらう必要があります。最初に行うカウンセリングやアフターカウンセリングの際に物販で販売している商品の存在を伝えるといった方法が王道です。
とはいえ、説明を受けている時間が勿体ないと感じるお客様もいるでしょう。そのような方にも自然に認知してもらえるように、待合室や受付などのお客様の目に入る場所へのPOPの設置がおすすめです。
POPを見て興味を持ってもらい、話しかけてもらえれば購買率も高まるため、費用対効果が高まります。
3. 伝え方の工夫をする
物販の売上を上げるためにも、商品の伝え方の工夫を心がけましょう。商品の伝え方1つで、お客様の購買率が高まります。売上が上がる商品の伝え方は以下の3つです。
- スタッフも含めた商品への深い知識
- その商品を使うことで、お客様にどんなメリットがあるのかを伝える
- 必要以上の売り込みをしない
スタッフも含めた商品への深い知識
お客様に商品を伝える際、説得力がある深い知識が必要です。「よくわからないけれど効きますよ」よりも「こういったこだわりが商品にはありこういう肌質にこういった作用があります」と言われた方がお客様も説得力を感じます。
とはいえ、接客中に聞かれることが多いため、自分だけでなくスタッフも含めた商品への深い知識は欠かせません。商品のポイントやメーカーのこだわりなどをわかりやすく伝えるためにも、スタッフ全員の商品への知識を高めましょう。
その商品を使うことで、お客さまにどんなメリットがあるのかを伝える
その商品を使うことで、お客様にどんなメリットがあるのかを伝えることで、未来をイメージできるようになり商品の購買率が高まります。
イメージしやすいように伝えるためにも、お客様の脳内で「情景・シーン・感情」の3点が思い浮かべられるようにする必要があります。
お客様の心を動かす伝え方をするためにも、しっかりと購入することで得られるメリットを伝えながら未来のイメージができるように伝えましょう。
必要以上の売り込みをしない
必要以上に商品を売り込んでしまうと、売上が下がってしまったりサロンの信頼低下にも繋がってしまったりするため止めておきましょう。商品の必要性やメリットさえ伝えられれば、お客様の方から購入したいといった声が上がります。
カウンセリングや施術時にお客様の悩みをしっかりと聞き出し、その悩みに合わせた商品の必要性やメリットなどを伝えると売上が上がりやすくなるでしょう。
4. 実際に商品を試してもらう|体験会や試供品のお渡し
お客様に商品を試してもらう体験会や試供品のお渡しをすることで、物販の売上が上がるケースがあります。商品は、いくら口で良いと伝えても、自分に合うかどうかわからないものを購入するハードルは高いです。
そのため、実際に商品を試してもらい、商品の良さを実感してもらいます。
まずはお客様に無料で提供して良さを実感してもらい、実際に購入していただくといった手法です。こういった手法は、エステサロンの信頼が高まることにも繋がるため、おすすめです。
5. インセンティブの導入|物販の売上をスタッフに還元する仕組み
スタッフの働くモチベーションの1つとして「お金」が挙げられます。会社内にインセンティブを導入することで、スタッフのモチベーションがアップし、それが物販の売上向上にも繋がります。
少しでもスタッフの士気が高まれば、エステサロン全体の活性化にも繋がります。まずは、実験的に数カ月間ほどインセンティブの導入を試してみましょう。
6. ECサイトの立ち上げ|店舗休業中も売上を立てられる
店舗販売だけでなくECサイトを開設して商品を販売することで、物販の売上を上げられます。近年、ECサイトはツールさえ使用すれば誰でも簡単に開設できます。
ECサイトさえあれば店舗で販売する必要がないため、休業したとしても物販の売上は得られます。とはいえ、お客様の来店のきっかけが失われていくため、店舗再開の際の集客に苦労する可能性があります。
7. 売りっぱなしはNG|アフターフォローをしっかりと
商品の売りっぱなしは、継続利用客が増えない原因になるため、アフターフォローまでしっかり行いましょう。アフターフォローには、継続利用客の増加や商品の改善などの効果があります。
アフターフォローでは、お客様に商品を使った感想やお肌に合うか合わないか、困りごとはないかなどを必ず聞き取り、良ければ勧めましょう。合わない場合は、違う商品を勧め、次に繋げましょう。
エステサロンで売れる人気の物販商品とは?|おすすめ品を紹介
エステサロンで売れる人気の物販商品は以下の4点です。
- クレンジング・洗顔料
- 化粧水、美容液などの基礎化粧水
- 脱毛器や美顔器などの美容機器
- サプリメントや美容ドリンク
以下で1つずつ見ていきましょう。
クレンジング・洗顔料
エステサロンの物販では、クレンジングや洗顔料が人気商品として売れます。なぜなら、クレンジングや洗顔料は、毛穴の黒ずみや肌のトーンが上がるなどの効果が期待でき、お客様の需要が高いからです。
また、クレンジングや洗顔料はお客様が購入しやすい価格で販売できる商品の1つであることも人気の理由と言えるでしょう。
化粧水、美容液などの基礎化粧品
化粧水や美容液などの基礎化粧品も物販で売れやすい商品の1つです。なぜなら、化粧水や美容液などはエステサロンでしか手に入らない商品として特別感があるからです。
また、基礎化粧品には肌質や状態を判断して使用するなどの前提条件があるため、成分濃度が濃かったり効果が高かったりといったことが期待できるのも売れる理由の1つです。リピートされやすい商品でもあるので、長期的に売上が上がると言えるでしょう。
脱毛器や美顔器などの美容機器
脱毛器や美容機器、ドライヤー、EMSなどのホームケア商品も物販では売れやすく、特に通う時間がない方や日常的に美容ケアをしたい方に購入されやすい傾向にあります。
化粧水やクレンジングなどに比べると売上数は少ないかもしれませんが、その分単価が高いため1つ売れるだけでも売上に貢献できると言えるでしょう。
サプリメントや美容ドリンク
サプリメントや美容ドリンクなどもインナーケアとして体の内側から肌質改善などにアプローチできる商品として売れやすくなっています。日常的に使用されやすい商品なので、長期的に売れやすい傾向にあります。
お客様の日常の悩みを引き出し、タイミングを見計らって提案することで売れる確率が高まる商品と言えるでしょう。
アプローチの仕方を工夫して、物販の売上を伸ばそう
物販は、アプローチの仕方さえ工夫すれば、売上を伸ばし続けられます。とはいえ、どのような商品を選ぶのか、どういったアプローチをしていくのかなどはエステサロンによって異なるため、しっかりと考える必要があります。
物販で売上を伸ばすためにも、本記事でご紹介した物販のメリットや売上を上げるためのコツ、人気商品などをチェックしてみてください。