エステサロンは資格がなくとも開業できるため、比較的新規参入の障壁が低く、店舗数は年々増加しています。新規開業を考える人は多く、今後も店舗数の増加が見込まれます。
そこでエステ業界の市場動向予測を読み解きつつ、この先のエステ業界で生き残るためどんな課題と向き合うべきか解説していきます。
まずは資料をご覧ください
目次
2023年のエステ業界市場動向
まずは、2022年のエステ業界の市場動向について見ていきましょう。
株式会社リクルートが発表する、ホットペッパービューティーアカデミーの美容センサスを見てみると、1回あたりの利用金額は2020年から比較すると微増傾向にあります。これは、実店舗へ通うことがコロナ禍で抑えられていたものが、徐々に緩和されつつある影響が考えられます。
しかし、市場全体の規模は横ばいかやや減少傾向にあります。女性の年間利用回数は増加しているものの、1回あたりの利用時間は短縮傾向にあり、なかでも30分未満の利用が増加傾向で、利用時間の短縮はその分利用料金の縮小とも考えられます。
市場全体なかので好調と言えるのは男性向けエステサロン分野で、微増傾向にあります。男性向けのエステサロンが好調な理由については、次項で詳しく解説します。
男性向けエステ市場の動向
エステ業界の市場規模が横ばいかやや減少傾向にあるなかで、男性向けエステ市場は微増傾向で好調とも言えるでしょう。ここからは、なぜ男性向けエステ市場が好調なのかについて見ていきましょう。
1.美意識が広がった
まず考えられるのは、男性の間に美意識が広がったということです。男性向けエステ市場は、かつては美的意識が高く、金銭や時間に余裕のある層からのニーズという傾向がありました。しかし、美意識の高まりが20〜30代のような若い世代の男性にも広がり、結果エステサロンの男性客の増加が顕著になったと考えられます。
2.施術の価格低下
エステのニーズが高まり店舗数が増え、さらに技術や機器が進歩するにつれて施術が低価格化し、月額や都度払いといった支払い方法の選択肢も増えました。
美意識の高まりだけでなく、施術の低価格化も男性のエステ需要が高まった理由と考えられます。
3.男性客の契約傾向
男性客は女性客と比較すると、実際に体験し効果を実感すると契約に結び付きやすく、投入する費用も多い傾向にあると言われています。そのため、無料や低額で実際にエステを体験することで自身が納得し、本契約をする男性客も多いと考えられます。
また、大手企業が展開する男性向け店舗は、女性向け店舗と比較するとまだ数が少ない現状から、脱毛を含む男性向けエステ分野への進出は、売り手寡占の可能性もあり、男性向けエステ市場はまだ好調が続くと予想されます。
4.一方でトラブルも相次ぐ
一方で、性別に限らず、エステを巡るトラブルも相次いでいます。予約が取れないといったトラブルや解約相談、施術中のケガなど、国民生活センターへのエステに関する相談件数は年間2,800件を超えています。
さらに、脱毛市場では大手脱毛サロンの経営破綻も重なり、エステサロンに対する不安を抱くユーザーを増やしてしまった恐れがあります。エステ業界の市場動向を安定させるためには、脱毛に限らずサロンへの不信感を払拭し、ユーザーに安心して通える印象を与えて新規顧客の定着を図る必要があります。
エステ業界がかかえる課題
男性向けエステ市場が好調な一方、エステ業界全体として見てみると横ばいかやや縮小傾向にありますが、これはエステ業界にいくつかの課題が残されていることも原因と考えられます。
ここからは、エステ業界がかかえる課題について見ていきましょう。
1.店舗の増加
まず、店舗数の増加が挙げられます。エステサロンは、業態によっては資格や許可がなくても開業できるものもあるため、非常に開業しやすいです。その参入障壁低さから、需要よりも店舗の増加速度のほうが高く、店舗が飽和状態にあると考えられます。
2.人材不足
店舗が増加する一方で、人口減少による労働力の不足から、慢性的な人材不足という問題もあります。また、エステティシャンはとくに女性の比率が高いため、結婚や出産といったライフスタイルの変化により、人材の入れ替わりが早く長期的な人材教育が難しいのも問題となっています。
3.激しい価格競争
エステのニーズが高まるにつれて店舗が増えるにつれ、価格競争が激化し、安定した収益を得ることが難しくなってきてしまいました。また、あえてエステティシャンを置かずユーザー自身に施術を利用してもらうセルフエステや、月々の定額制で何度でも通えるサブスクメニューなど、さらに低価格のエステも登場しています。
こうした価格競争は、ユーザー目線で見るとよりよいサービスをより安価に受けられ嬉しいことかもしれません。しかし、ゆくゆくは市場規模の縮小と、エステ業界の衰退を招きかねません。
この先エステ業界で生き残るには?
前項でエステ業界のかかえる課題を紹介しました。これを踏まえて、今後エステ業界で生き残っていくためには、どういった対策を取るべきか見ていきましょう。
1.他店との差別化
エステ業界のなかで生き残っていくためには、店舗のオリジナル性を強め、他店との差別化を図ることが求められるでしょう。一般的なエステのメニューに加え、プラスアルファの要素を取り入れる必要があります。エステを含む美容業界は流行の移り変わりが早い傾向にあるので、トレンド要素を取り入れるのもよいでしょう。
他店の分析をすすめるとともに自店舗も分析し、どんな強みがあって何が足りないのかを把握し、サロン独自の魅力をアピールすることで、新規顧客の獲得やリピーター化につながります。
2.労働環境の見直し
人材確保のためには、労働環境を見直してみることが大切です。産休や育休、時短制度などの取り入れや、給与の引き上げなど労働環境の改善を行うことで、長期的な人材確保を狙います。
3.技術力の向上
安定した収益を得るためには、技術力を向上させることも重要です。スタッフ全体の技術力を底上げすることでお客様満足度をあげ、リピート率の向上を図ります。
4.ネットの活用
インターネットが広く普及した現代では、ネットを活用することで経営が安定化する可能性があります。とくに、集客と予約方法にはネットを活用してみましょう。
株式会社リクルートの発表によると、過去 1年のフェイシャル・ボディエステのサロン予約方法で、男女ともにパソコンやスマホを利用したネット予約が、予約数の過半数をこえています。
また、ヘアログが行ったアンケートでも、美容室やヘアサロンを知るきっかけや探し方で、サロン検索サイトや予約サイトを利用する、と回答した比率が非常に高くなっています。
このことから、とくに若い世代の集客にはネット利用が効果的であることがわかります。
5.新規ターゲット層の拡大
新規顧客を獲得するために、今までターゲットとしていなかった客層に向けてアプローチし、ターゲット層の拡大も狙いましょう。
例としてあげられるのは、前述の男性ニーズの高まりから、男性向けメニューの用意やメンズコスメの販売を始めることです。今まで女性のみを対象としていたサロンであれば、男性にもターゲットを広げるということになります。
とはいえ、同エリアに男性がいると女性客の不安が高まるという大きなリスクもありえるため、男性専用の別フロアを用意する、女性同伴のみ可とするなどの配慮も必要です。今までのターゲット層への配慮を怠ると、既存客がサロンを離れてしまう可能性があるからです。
エステの集客と予約には「リザービア」の利用がおすすめ
エステ業界で生き残るための対策のひとつに、ネットの活用を挙げました。ネットを利用して予約導線をつくるためには、予約システムの導入が必要です。そこでおすすめしたいのが、予約システムの「リザービア」。
ここからは、リザービアの機能や特徴を紹介します。
外部システムとも連携できる
リザービアは、自社ホームページからの予約だけでなく、外部ポータルサイトや、Googleビジネスプロフィール、Instagram、LINEといったシステムやアプリとも連携して、予約導線にすることが可能です。
SNSやポータルサイトは、それぞれコアユーザー層が異なることが多いため、自サロンのターゲット層の利用率が高いシステムやアプリと連携することで効果的な集客を行うことができるでしょう。
なお、システムによっては、連携するのに別途オプション契約が必要なものもあります。
設備とメニューの詳細設定が可能
リザービアは美容業界に特化したシステムで、美容室やネイルサロン、まつエクサロンをはじめ、もちろんエステサロンにも対応しています。
予約枠に使用する機器や設備の設定をすることができるため、同時刻に同じ設備を使うメニューを制限したり、予約枠の中でも使用する時間を設定したりすることが可能です。
導入後も手厚いサポート
導入時だけでなく、導入後もサポートが受けられます。営業時間内の電話やメール、オンラインミーティング以外に、24時間対応のチャットもあります。また、導入者だけが参加できる、システムの活用方法や集客についてなどのセミナーやイベントも開催されています。
エステ業界の今後を見据えて開業・経営をしよう
エステ業界は、現状では市場規模が横ばいかやや縮小傾向にあるが、コロナ禍の需要冷え込みから回復傾向にあり、今後も安定が続くと考えられます。しかし、まだ高い需要はあるものの、多くの課題や問題点を抱えているため、ひとつ一つ解決していく必要があります。
エステ業界では、数ある予約方法のなかでもネット予約の比率が非常に高いため、今後の経営ではネットの活用がカギになると言えるでしょう。現在エステサロンを経営している、または今後エステサロンの開業を考えている人は、経営や集客を助ける予約システム、リザービアの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
引用元
株式会社リクルート:【美容センサス 2022 年上期】≪エステサロン[フェイシャル、ボディ/痩身]編≫
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