美容サロンを長く運営していると、火災や盗難、休業といった予期せぬトラブルに直面することがあります。こうしたリスクに備える手段のひとつが店舗総合保険です。
美容サロンなどの店舗が加入できる保険として店舗総合保険があり、ここでは保険の種類や補償の内容、個人事業主におすすめの保険会社について解説します。
※リザービアでは、保険サービスに関しては取り扱いがありません。サロン保険を検討中の場合は、各保険会社への確認をお願いします。
目次
この記事でわかること
- 店舗総合保険は火災・水漏れ・盗難・休業損害など店舗運営にまつわるリスクを幅広くカバーする保険で、保険料は月々2,000〜7,000円程度が相場です
- 個人事業主も店舗の損壊や訴訟リスクにひとりで対応するのは難しく、店舗総合保険への加入が経営を守る備えになります
- 楽天損保・三井住友海上・損保ジャパンの3社を比較表で紹介し、自店舗に合った保険選びの参考にできます
店舗総合保険とは?企業総合保険との違い

店舗を運営する経営者にとって必要な保険は、大きくわけると店舗総合保険と企業総合保険の2種類です。店舗総合保険は店舗運営に必要な補償が一通りそろっており、低めの掛け金で小規模な店舗でも加入しやすくなっています。
一方、企業総合保険は店舗総合保険よりも補償範囲が広く、内容も充実していますが、そのぶん掛け金は高めに設定されており大規模な店舗向けです。一般的な美容サロンであれば、店舗総合保険でほとんどのトラブルをカバーできます。
店舗総合保険の保険料の目安は?
万が一のための保険とはいえ、保険料が高いと経営を圧迫してしまいます。店舗総合保険の保険料の目安は建物や立地によって変わりますが、大規模な店舗でない限りは月々2,000〜7,000円程度が相場です。
保険金額や保険期間、店舗の広さ・立地といった条件で変動はするものの、一般的な美容サロンであれば大きな差は出にくい傾向にあります。正確な金額は各保険会社への問い合わせが確実です。
個人事業主にも店舗総合保険は必要。店舗総合保険のメリットとは
企業でなくても個人事業主として店舗を運営するのであれば、店舗総合保険は必要です。万が一、店舗の損壊や訴訟リスクなど高額な出費が発生したとき、個人で対応するのは容易ではありません。
店舗総合保険は補償対象が非常に広範囲なため、加入するメリットは多くあります。条件が合えば、保険料を経費にできる場合もあります。
店舗総合保険で補償されるのはどんなこと?店舗運営のリスクとは

店舗総合保険で補償される内容には、以下のようなものがあります。
- 店舗や商品に対する補償
災害などで店舗が損壊したり商品が破損したりするリスクに対する補償です。たとえば水害で商品が売り物にならなくなった場合、損失した仕入れコストが対象になります。 - お客様に対しての治療費や損害賠償などの補償
店舗内でお客様が転倒したり、施術中にお客様を傷つけてしまったりした場合のリスクに対する補償です。慰謝料や治療費が補償対象となります。 - 休業中の補償
あらゆる事情で店舗の休業を余儀なくされたリスクに対する補償です。休業を余儀なくされた場合などに、売り上げから原価を差し引いた利益が補償されます。
店舗総合保険の補償対象になること

店舗総合保険では、具体的にどのようなケースが補償対象となるのか、ここで詳しく解説します。
火災・水害などの自然災害による損害
自分の店舗や近隣での火災、豪雨による水害など、自然が影響する災害は防ぎようがありません。このような自然災害によって店舗が損害を受けた場合は、店舗総合保険の補償対象です。
ただし、日本でよくある自然災害である地震については対象外となるため注意が必要です。
ガス漏れなどによる爆発や水漏れによる損害
美容サロンのような店舗では、ガスを利用する設備や施術のための水回りをよく使うと思いますが、こうした設備利用による損害も補償対象です。
たとえば、ガス利用時に起きたガス爆発や、排水溝の詰まりが起因の水漏れなどが該当します。このような損害が周辺の店舗にも及んだ場合も補償対象です。
飛来物による損壊や破壊行為による損害
頻繁に発生する事象ではありませんが、飛来物による窓ガラスや店舗の破損、自動車が店舗に衝突した場合の損害も補償対象です。
狭い道路に面している店舗では、自動車が衝突しなくても外壁をこすって破損することもあります。このような場合でも補償対象となるため、仕方ないと諦める前に保険会社への相談が大切です。
盗難による損害
店舗を運営するうえで、盗難の被害に遭う可能性はゼロではありません。店舗の売上金だけでなく、施術で使う商品や販売用の商品、設備の一部が盗難被害に遭うリスクは、店舗を運営する以上つねに付きまとうものです。こうした盗難被害も、店舗総合保険の補償対象となります。
臨時・修理費用
災害に対する補償は出るものの、損害の度合いによっては最初の補償だけでは足りず、追加で補修費用が必要になる場合があります。
修繕費用以外にも、店舗を運営していると予想外の大きな出費が必要になることがあります。そうした臨時の費用も、店舗総合保険の補償対象です。
地震火災費用
地震火災費用は、地震発生が起因となって発生した火災による店舗の損害が補償対象になることを指します。
注意が必要なのは、あくまで地震が起因の火災が対象という点です。地震によって店舗が倒壊・破損した場合は補償の対象外となります。
失火見舞費用
ガス爆発や火災といった災害が、自分の店舗が原因で発生するケースもあります。それにより周囲の店舗などに見舞金の支払いが発生した場合、それは補償対象です。
住宅が密集している場合や商店街の一角だった場合、火元となったときの周囲への見舞金はかなり高額になるため、こうした出費を補償してもらえるのは大きなメリットです。
残存物取片づけ費用
火災や自然災害が発生したときに必要になるのは、補修費用だけではありません。店舗などの建物が倒壊した際に出るがれきの撤去費用がかかる場合もあり、その費用も補償対象です。
場所によっては災害の起こりやすい地域もあるため、こうした補償は店舗を運営していくうえで有効に働きます。
加入前に確認しよう!店舗総合保険でチェックするべき項目3つ

店舗総合保険がどんな補償をしてくれるかわかったところで、実際に加入手続きをする前に確認しておきたい項目を把握しておきましょう。ここでは、加入前にチェックしておきたい3つの項目を解説します。
1. 補償の範囲
まずは補償の範囲を確認しておきましょう。基本的な補償項目はどの保険会社でも含まれている可能性が高いですが、含まれていると思っていた補償が実はオプションだったということもあります。
加入してから思っていた補償内容と違ったということがないよう、事前に補償内容に関する資料をしっかり読んでおくことが大切です。
2. 補償の上限額
加入を検討している店舗総合保険の補償の上限額も、加入前にしっかりチェックしておく必要があります。
上限額は保険会社によって異なり、保険料と上限額のバランスが取れているかが重要です。保険料のわりに補償の上限額が低いこともあり得るため、事前の確認は欠かせません。
3. 自店舗のリスクをカバーできるか
災害が起こる確率は店舗のある地域によって異なります。そのため、自分の店舗の立地から起こりうる災害を事前に確認し、それぞれのリスクをカバーできる補償内容があるかどうかをチェックすることが大切です。
個人事業主におすすめの店舗総合保険3選

たくさんある保険会社の中から1つに絞るのは難しいものです。ここでは、個人事業主におすすめの店舗総合保険3社を、特徴とあわせて紹介します。保険料や補償の上限額といった具体的な数値は商品改定で変わるため、必ず各社公式サイトで最新情報をご確認ください。
1. 楽天損保
通販から金融まで幅広く展開する楽天損保から販売されている店舗総合保険です。他社の保険に負けない豊富な補償内容で、店舗のさまざまなリスクをカバーします。
他社にはない特徴として、現金などの屋内での盗難も補償しており、規定の条件を満たせば地震保険が割引される点も魅力です。あわせて加入しておくとより安心につながります。
2. 三井住友海上
さまざまな保険を扱う三井住友海上から販売されている店舗総合保険です。基本的な補償はもちろん、店舗の運営に合わせた特約をつけられます。
緊急処置費用を補償するなど多様な特約が用意されており、自分の店舗運営や起こりうるリスクといった状況にフィットした補償を受けられます。
3. 損保ジャパン ビジネスマスター・プラス
損保ジャパンが提供する事業者向け保険「ビジネスマスター・プラス」も、店舗総合保険の選択肢として市場でよく紹介されています。店舗の財物リスクに加え、必要な補償を組み合わせやすい柔軟性が特徴です。
補償内容や特約の詳細、保険料は店舗の業種・規模によって異なるため、公式サイトまたは代理店への問い合わせで最新情報を確認しましょう。
| 保険会社 | 対象 | 補償の特徴 | 柔軟性 | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天損保 | 個人事業主〜小規模店舗 | 屋内現金の盗難補償に対応 | 基本補償中心・シンプル | 条件を満たすと地震保険が割引 |
| 三井住友海上 | 個人事業主〜中規模店舗 | 緊急処置費用など多様な特約 | 店舗状況に合わせた特約設計が可能 | 特約の組み合わせで補償をカスタマイズ |
| 損保ジャパン ビジネスマスター・プラス | 個人事業主〜中小企業 | 財物リスク+事業者向け補償を組み合わせ | 業種・規模に応じた補償設計が可能 | 詳細は公式サイト・代理店へ要問い合わせ |
※保険料はいずれも要問い合わせです。店舗の立地や広さ、補償範囲によって変動するため、公式サイトで最新情報をご確認ください。
店舗総合保険に加入する際の流れは?

自分の店舗に合った店舗総合保険が決まったら、次は加入手続きです。ここでは、保険加入までのおおよその流れを解説します。
加入する店舗の物件情報を確認する
加入する保険会社が決まったら、自分の店舗の状況を保険会社に確認してもらう必要があります。店舗の立地や周囲の状況、建物の構造などを実際に見てもらうことで、店舗に潜むリスクを判断してもらうためです。
この物件情報によって補償内容やつけるべき特約が変わり、それに伴って保険料も変動します。
店舗総合保険の補償内容を確認する
調査した物件情報とあわせて、加入を検討している保険の補償内容を確認し、起こりうるリスクがカバーできているかを自分の目で再度チェックします。
当初は基本補償だけでよいと思っていた場合でも、物件情報によっては特約の追加が提案されることがあるため、補償内容を自分で精査することが大切です。
保険会社からの見積もりをもらう
最後に物件情報や特約などをもとに、自分で精査した補償内容で保険会社から見積書をもらいます。
見積書には補償内容など契約にとって重要な情報が記載されているため、希望に沿っているか、内容に過不足がないかをしっかり確認しましょう。
思わぬリスクに備えよう!美容サロンにおすすめの特約

美容サロンを運営する場合、店舗以外にもさまざまなリスクが潜んでいることを知っておくことが大切です。ここでは、美容室やサロンならではの事態に対応できる特約を紹介します。
受託者賠償責任特約
美容サロンでは、来店されたお客様の荷物を預かる場面も多くあります。万が一お客様の大切な荷物を破損・汚損・紛失したときに適しているのが受託者賠償責任特約です。
この特約をつけておくことで、破損の修繕費用やクリーニング費用などの補償を受けられます。
生産物賠償責任特約
美容サロンでは、自宅でケアできる商品を取り扱っているところも多くあります。そうした商品の使用によって身体にトラブルが起こった場合に適した特約が、生産物賠償責任特約です。
サロンで販売・提供した製品が原因で生じた身体へのトラブルなどの賠償責任を補償してくれます。
施術行為起因損害賠償責任特約
施術を伴う美容サロンでは、細心の注意を払って施術をしていても、ちょっとした不注意でお客様にケガをさせてしまうことがあります。このような施術中のトラブルに対応するのが、施術行為起因損害賠償責任特約です。
あくまで施術行為に関するものの補償なので、財物の破損による補償は対象外である点は理解しておきましょう。
リスクが発生してからでは遅い!個人事業主だからこそ店舗総合保険でリスクに備えよう

美容サロンを運営していると、建物だけでなく施術中にも多くのリスクが潜んでいます。こうしたリスクすべてに個人事業主ひとりで対応するのは難しく、できることには限りがあると認識しておくことが大切です。
お店だけでなく自分自身を守るためにも、店舗総合保険への加入で起こりうるリスクに備えましょう。楽天損保・三井住友海上・損保ジャパンいずれの保険会社も、補償内容や保険料の詳細は公式サイトでご確認ください。
※なお、リザービアでは、保険サービスに関しては取り扱いがありません。サロン保険を検討中の場合は、各保険会社への確認をお願いします。
店舗総合保険が物件・財物リスクへの備えであるのに対し、お客様への施術トラブルに関する賠償責任リスクについては、あわせて確認しておくと安心です。

