美容室の経営者になるには、資金や手続きに必要な書類を準備しなければいけません。しっかりと準備することで、開業後に後悔せずに済みます。
美容室を開業してオーナーになるために必要な資金(初期費用)や手続き、開業後の年収について紹介します。この記事を最後まで読むことで開業はもちろんのこと、美容室経営を失敗しないための知識を得ることができます。ぜひ参考にしてください。
- 複数の集客サイトを使っている
- それぞれの媒体で設定が面倒
- 予約のダブルブッキングが起こる
- 既存集客がおろそか
目次
美容所の数は年々増加傾向にある
厚生労働省が発表した令和3年度衛生行政報告例の概況によると、美容所の数は約26万4,000施設で過去最高記録を更新しました。令和2年に比べて約7,000施設増加しています。
2016年から2021年の美容所の数を見ると、年々その数は増えています。
美容所が増えている要因として、美容師を目指す人が増加していること、そして参入障壁が低いことが挙げられます。
資格があれば開業できるとはいえ、美容業界の市場傾向が気になりますよね。美容市場がいまどのように動いているか、次に紹介します。
今後市場は微増傾向
さまざまな市場情報を調査している矢野経済研究所によると、2022年の美容サロン市場の規模は約1兆4,804億円(前年比102.9%)になります。
新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年、緊急事態宣言が発令され、美容室は営業時間の短縮や一時休業しなければいけませんでした。さらに外出自粛で利用者が減った結果、2020年の売上は過去3年でもっとも低い売上になりました。
行動制限などの規制緩和がされたことで、消費の意欲は高まってきてはいますが、物品の価格上昇などの影響もあり、コロナ禍以前の水準まで回復するにはまだ時間がかかるとされています。
同研究所は2023年の美容市場が1兆4,998億円と予測しました。急激に規模が大きくなることはなく、緩やかに増えていくことでしょう。これには感染症の流行や物価の高騰などが関係しているため、今後の動向にも注意しなければいけません。
引用元
理美容サロン市場に関する調査を実施(2023年)|株式会社矢野経済研究所
美容室経営者の年収
美容室経営者の年収は、売上に対して10~30%が目安になります。このパーセンテージになる理由は、売上から賃料や人件費、消耗品の購入費や広告宣伝に使う費用が引かれるからです。
オーナーによって年収が異なる理由や年収を上げるためのポイントについて紹介します。年収については大切なポイントになるのでぜひ参考にしてくださいね。
店舗の数や売上で異なる
年収は店舗の数や売上により異なります。店舗の数を増やせば売上が高くなる可能性があり、年収が増える見込みがあります。例えば、年収が売上の10%として1店舗の売上が3,000万円の場合は年収は300万円で、2店舗運営であれば600万円になります。
しかし、店舗を多くすることはリスクをともないます。1店舗を経営するよりも2店舗を経営するほうが固定費などの支出が増え、足を引っ張るかもしれません。
店舗数と売上を増やし、年収をあげるためには次に紹介する仕組み作りが重要になります。
年収を上げるには仕組み作りが重要
売上が年収に直結するため、収入を上げるためには顧客を獲得して売上を増やすことが鍵です。そのほかにも、人件費などの経費を抑える施策もポイントです。
効率化を図り、最低限の従業員数で業務ができるよう仕組み作りをします。例えば、1日の終わりに売上を計算する業務をIT化することで、手作業で行わずに済みます。そのほかにも、インターネット予約ができるようにして、電話に対応する時間を短縮するといいでしょう。
これらのように、IT化できる業務はどんどん取り入れることで固定費である人件費を削減します。その結果、支出は抑えられ収入の増加に貢献します。
当サイト、リザービアでは美容サロンに特化した予約の一括管理や商品管理などITツール導入をサポートしています。効率化を検討しているオーナーさまはぜひ活用してみてください。
美容室の開業で抑えておきたいポイント
美容室を開業するのは難しいと感じる人がいるかもしれません。しかし、必要なことさえ分かれば開業はかんたんにできます。
「どうやって開業すればいいのか分からない」という人のために開業に必要な3つのポイントと開業にかかる初期費用について紹介します。これから紹介することを実践すれば、美容室を開業することができるので、ぜひ参考にしてくださいね。
「美容師免許」と「管理美容師免許」が必要
美容室を開業するためには、「美容師免許」と「管理美容師免許」が必要になります。それぞれどのような資格なのか紹介します。
- 美容師免許:国家資格。美容師法に基づき、資格が無ければ美容を業とすることができない。
- 管理美容師免許:同じ国家資格。人を雇う場合に必要な資格。
両者共に美容室を始めるには必要な資格です。特に美容師免許は、必須の資格です。管理美容師免許は、自分一人で運営を考えているのであれば不要です。
しかし、今後従業員を雇う可能性があるなら必要な資格。資格を取るには、美容師免許を受けた後3年以上の業務従事かつ講習会を受講しなければいけません。
引用元
美容師法概要|厚生労働省
税務署で事業開始手続き
美容室は事業として行われるため、税務署へ開業届を提出しなければいけません。開業届が必要な理由は、所得税法で定められている義務だからです。営利目的として所得を得たら、税金を納める義務が発生します。
支払う税金を決定するために税務署へ申告することも理由に挙げられます。
手続きをする際、一緒に青色申告承認申請書を提出することをオススメします。損失を次年度に繰り越しできるなど節税に繋がるからです。詳細は、近くの税務署Webページを参考にしてください。
保健所で営業許可をもらう
美容室の開業は税務署へ開業届を提出するだけではできません。保健所で営業許可をもらう必要があります。必要書類は主に5つあります。
- 美容所開設届
- 施設の図面
- 従業員名簿
- 医師の診断書
- 登記事項の証明書(個人の場合は運転免許証)
開設届に関しては、近くの保健所へ行き用紙をもらうか、Webページからダウンロードします。施設図面は、内装工事をした際に業者からもらうようにしましょう。
従業員名簿は、1人で美容室を運営するのであれば不要です。診断書は働く人が衛生的に問題ないことを証明するために必要です。保健所の手続きは少し多いため、事前に保健所へ相談することをオススメします。
初期費用(4種類)
美容室の開業には資金が必要です。美容室を始めるためにかかる主な初期費用4つを紹介します。
- 物件取得費
- 内装工事費用
- 美容器具
- 商材
物件取得費とは、いわゆる店舗を借りる賃料のことをいいます。月々の賃料の他、敷金礼金も加わります。物件取得費用は、立地や面積により金額が異なります。費用を抑えるために駅から少し離れた場所の店舗を借りるなどの対策が挙げられます。
しかし、同時に集客を考えなければならないため、物件選びには注意してください。
内装工事費用にはデザインの他、電気・ガス・水道、床上げなどさまざまな工事の費用が含まれます。初期費用のうち、内装工事費用は全体の50%を占める場合が多いです。
物件取得・工事が終われば、カットに必要な器具やシャンプー台や鏡、薬剤などの商材を揃えます。日本政策金融公庫が2022年に公表した「2022年度新規開業実態調査」では、開業費用は平均で約1,000万円(美容業以外も含む)です。開業までの参考にしてください。
美容室経営で失敗しないために必要なこと
美容室の開業は、しっかり準備をすれば難しくありません。しかし、経営を続けていくには収支のバランスを考えて、集客力をあげるなど、それなりの知恵とスキルが必要です。さらに、少しでも接客に時間を割くためには、いかに業務を効率化していくかも重要になってくるでしょう。
そこで、美容室の経営で失敗しないために必要なポイントを紹介します。
経営に必要なスキルを磨く
数字を把握することなしに経営を維持することはできません。例えば、売上が目標金額に達しなかった場合、数字を把握する力がなければ次月の売上を予測することができません。その結果、軌道を修正することができず事業が傾いてしまいます。
数字を読み解くことができれば、改善するべき箇所をみつけることができます。経費のバランスに問題があったのか、集客ができなかったのか、そのほかに出費が多かったのかなど、あらゆる方向性に目を向け問題点をあぶり出します。
事業が上手くいかないときは修正する力、そして利益が出ているときは、より売上を伸ばす施策として機能するため数字を把握する力は鍛えるべきスキルです。また、売上や経費のバランスなど、経理を含めた店舗経営に必要な能力も身に付ける必要があります。
ターゲットに合わせた集客を行う
事業は顧客がいるからこそ売上になります。売上を上げるためには顧客を増やさなければいけません。ネットが盛んな現代では集客する方法は増えています。
たとえば、TwitterやInstagramなどのSNSの利用や、自社のホームページを作ることがいいかもしれません。ほかにも広告としてチラシを作成して宣伝したり、ホットペッパービューティーなどの大手ポータルサイトへ美容室の情報を登録したりするのも一つの方法です。
さまざまな集客方法を手当たり次第に取り入れるのではなく、自店のターゲット層に合わせた集客方法を選ぶことが、効果的な集客につながります。
集客力を身につけるために必要なことの詳細は、下記記事にて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:美容室の効果的な集客方法とは?新規顧客・リピーター顧客別の集客やコツもご紹介
リピート率を上げるための工夫をする
長く経営を続けている美容室は、必ず多くのリピーターを獲得しています。リピーターを増やすことが安定した経営につながるため、お客様の目線でチェックすることも大切です。
十分なサービスが提供できているか、お客様にとって居心地のいい雰囲気づくりはできているかなどを随時見直していくことをおすすめします。また、新規のお客様にリピートしていただける施策も欠かせません。サンキューメールや次回予約につながるDMの送信などで、再来店していただけるきっかけを作る工夫をしましょう。
美容室の開業するときは予約システムを導入しよう
経営の知識を身に付け、集客につながるさまざまな施策を行っても、業務の効率化をおろそかにしては、売上が伸び悩むことにもなりかねません。そこで、開業の際は是非、予約システムの導入を検討しましょう。
予約システムを導入することで得られるメリットを紹介します。
予約の機会損失を防ぎ、集客力アップにつながる
電話による予約受付では、閉店後や店休日に予約を受け付けることができません。予約システムはインターネットを介して自動で予約を受け付けるため、お店の営業時間外にも予約を入れられます。
予約システムを導入することで、予約の機会損失を防ぎ、お客様の利便性を高めることで、予約率をあげることができるでしょう。
また、複数のクーポンサイトやホームページなど、予約の窓口がたくさんある場合、それらの予約をシステムで一元管理することができます。ダブルブッキングを防ぎ、空席を把握しやすくなるなど、ミスやトラブルを軽減できるのも大きなメリットです。
ただし、予約の一元管理ができる予約システムを選ぶ必要があります。
お客様の満足度を向上させられる
電話による予約では、電話応対のために手を止める必要があります。電話が集中した場合、何度も施術を中断することになり、お客様に不信感を与えることにもなりかねません。
予約システムで自動受付できれば、電話応対で中断することなく、施術に集中することができるため、お客様の満足度を向上させることができるでしょう。さらに、電話でのやりとりを予約台帳に記載する際に起こりがちな、入力ミスや入力忘れなどの人為的なミスも減らすことができます。
リピート率を上げられる
予約システムができることは、予約の自動受付だけではありません。顧客管理機能や自動メッセージ配信機能などを備えているものでは、顧客データを活用してキャンペーン情報やクーポンなどをDMで送信することが可能。再来店につながるさまざまな施策で、リピータ―獲得にも役立ちます。
クーポンサイトやGoogle検索から予約をされた新規客に、予約システムで直接予約できる方法をお伝えし、予約のアクション数を極力減らすことで、リピート率アップにつなげられるでしょう。
成功事例:錦糸町で男性専用サロンとしてオープン。居心地の良い空間とコミュニケーションで7割以上のリピート率を実現!
予約システム「リザービア」を美容室の集客に活用しよう
美容室に導入するなら是非おすすめしたいのが、美容業界に特化した予約システムのリザービア。リザービアには、予約管理や顧客管理、クーポン機能などのほかにも、業務効率化に役立つさまざまな機能を搭載しているのが魅力です。
集客にも活用できる予約システムのリザービア、その機能の一部を紹介します。
予約情報を一元管理して予約の受付業務を効率化
リザービアの「BMS」機能は、複数のクーポンサイトやポータルサイトからの予約を一元管理することができます。この機能の最大のメリットは、それぞれのサイトから入った予約を自動的に同期し、予約台帳で管理するため、入力ミスやダブルブッキングなどを防ぐことができる点です。
もちろん、クーポンサイトだけでなく、SNSやホームページ経由などの予約も同様に一元管理し、それぞれどこから入った予約かを特定することで、効果的な集客方法に注力することができます。
関連記事:予約の一元管理
様々な媒体から集客し、リピート率をアップ
リザービアは、GoogleやInstagram、LINEなどのサービスと連携して、予約につなげることができます。
たとえば、Google連携では、「Googleビジネスプロフィール」と連携して、Google検索やマップ検索で店舗情報を表示させ、スムーズに予約に誘導することで予約率アップが期待できるでしょう。
また、Instagram連携予約では、投稿やハッシュタグと紐づけた予約メニューから予約画面へスムーズに遷移させることができるため、Instagramを集客に活用したい美容室にピッタリです。
LINE連携予約は、国内ユーザーの多いLINEアプリで予約受付やクーポンの発行、DM送信などのやりとりを完結させることができるため、リピータ―の囲い込みに有利になります。
関連記事:
LINE連携予約オプション
Instagram連携予約
Googleで予約
- 複数の集客サイトを使っている
- それぞれの媒体で設定が面倒
- 予約のダブルブッキングが起こる
- 既存集客がおろそか
事前準備をしっかりして開業しよう!
美容室の経営者になるためには書類や手続きが必要であること、そして経営を維持するためのスキル、収支のバランスを把握する力が重要であることを紹介しました。
早く美容室を開業したいという気持ちになることはわかります。しかし、焦りは禁物です。事前準備を怠ると開業後に後悔するかもしれません。
まずは、資金調達して店舗を借りる場所を探し、それと並行してスキルを磨いていくといいでしょう。
業務効率化や集客できるお店づくりをしていくためには、予約システムの導入がおすすめです。是非リザービアの導入も検討してはいかがでしょうか。