美容院の予約管理の手間をへらすため、「予約管理システム」を導入する美容院・美容室が増えています。
予約管理システムを導入すれば、予約受付業務を効率化できるだけでなく、お客様の予約受付の手間を大きく軽減することも可能です。
美容院や美容室の数が年々増加するなかで、競合店と差別化するためには、お客様にとっての利便性を向上することが大切です。
この記事では、美容院・美容室が予約管理システムを導入すべき理由や、美容院向けの予約管理システムの選び方のポイント、予約管理システムを導入するときの注意点について詳しく解説します。
目次
美容院向け予約管理システムの選び方4つのポイント
予約管理システムを導入すれば、お客様がインターネットから手軽に美容院を予約できるようになります。
しかし、美容院・美容室向けの予約管理システムには様々なものがあります。予約管理システムの導入で失敗しないためには、あらかじめサービスの選び方を知っておくことが大切です。
予約管理システムは、大きく分けて「ポータル型」「オウンド型」の2種類があります。まずは自分にあったタイプの予約管理システムを選ぶことからはじめましょう。
予約管理システムの選び方のポイントを4つ紹介します。
1. 「ポータル型」か「オウンド型」か
美容院向けの予約管理システムには、「ポータル型」「オウンド型」の2種類があります。それぞれのメリットやデメリットは次の通りです。
ポータル型の予約管理システムは、ポータルサイトやクーポンサイトを通じ、一定のお客様の流入が期待できます。しかし、月額料金や予約数に応じた手数料が発生するため、コストの負担が大きいのが特徴です。
オウンド型の予約管理システムは、美容院のホームページやSNSと連携し、美容院独自の集客を行えるサービスです。ポータル型の予約管理システムよりもリピーターを獲得しやすく、はじめて予約管理システムを導入する美容院にも向いています。
ポータル型とオウンド型の違いを知り、自分のお店に合ったサービスを選びましょう。
2. セキュリティ対策は十分か
予約管理システムでは、お客様の個人情報を取り扱います。そのため、予約管理システムを選ぶときは、サービスのセキュリティ対策にも目を向けることが大切です。セキュリティ対策の一例として、データ通信の暗号化に使われる「SSL対応」や、第三者機関のセキュリティ評価指標である「ISMS認証」などが挙げられます。
予約管理システムのセキュリティ対策に不安がある場合は、サービスサイトに問い合わせを行い、担当者に質問してみるのもおすすめです。
3. シンプルな操作性か
新しく予約管理システムを導入したら、現場のスタッフが操作に慣れる必要があります。操作しづらかったり、管理画面が見づらいサービスであれば、スタッフの方の負担になってしまいます。予約管理システムの機能面だけに目を向けるのではなく、「シンプルな操作性か」「画面が見やすいか」なども判断基準にしましょう。
予約管理システムによっては、デモサイトや無料トライアルを通じ、あらかじめ使用感をたしかめられるケースもあります。現場のスタッフの目線に立ち、シンプルで使いやすいサービスを選ぶことが大切です。
4. 導入実績が豊富かどうか
予約管理システムを選ぶときは、導入実績が豊富かどうかを必ず確認しましょう。大手の美容サロンや人気急上昇中の美容室に選ばれているサービスなら、はじめて予約管理システムを選ぶ方でも安心です。
予約管理システムのサービスサイトには、導入実績のほかにも導入事例が掲載されています。他の店舗の導入事例を参考にして、あらかじめ利用イメージをつかむことも大切です。予約管理システムを導入するときは、自分のお店にあったものを選びましょう。
美容院が予約管理システムを導入すべき5つの理由
そもそも、なぜ予約管理システムを導入する美容院・美容室が増えているのでしょうか。その背景として、2019年に美容室の店舗数が過去最大を更新するなど、競合の数が年々増えており、顧客の奪い合いが発生している点が挙げられます。[注1]
美容院向けの予約管理システムは、予約受付に関する業務を効率化してくれるだけでなく、お客様の利便性を大きく向上させられるサービスです。数ある美容院のなかから自分のお店を選んでもらうため、予約管理システムを導入しましょう。
今、美容院・美容室が予約管理システムを導入すべき理由を5つ紹介します。
1. 365日24時間ネット予約ができる
予約管理システムを導入すれば、お客様がインターネットを通じ、365日24時間美容院を予約できるようになります。営業時間外でも、お客様が予約したいときに予約できるため、お客様の利便性を大きく向上させられます。
ネット予約ができるかどうかは、お客様のお店選びにも大きく影響することがわかっています。ホットペッパービューティーの調べによると、20代~30代の女性のお客様が「現在使っているサロンを継続利用している理由」として挙げたもののなかで、もっとも多かったのが「ネット予約できる(38.3%)」でした。[注2]
美容院向けの予約管理システムを導入し、時間や場所を問わずにネット予約できるようにすれば、集客力アップにもつながります。
2. お客様に空席状況や待ち時間をお知らせできる
予約管理システムには、お客様のPCやスマホで、空き状況や待ち時間をリアルタイムに確認できる機能があります。
空席状況を見える化すれば、お客様が自分の都合に合わせてその場で日時を選べるため、機会損失や取りこぼしが発生しません。当日に空席があるかどうかも確認できるため、お店に空きがあれば、突発的に来店してくれるお客様も増加します。
また、待ち時間がリアルタイムにわかれば、お客様が施術までに時間をつぶしたり、予定時間に合わせて来店したりできます。
実際にホットペッパービューティーの調査でも、美容サロンをリピートするかどうかの基準として、多くのお客様が「当日予約が可能」「待ち時間が少ない」を挙げています。[注2]
3. 予約受付の電話対応を減らせる
予約管理システムを導入すれば、予約受付の電話対応を減らすことができ、業務効率化につながります。予約管理システムによっては、予約受付を自動で行えるため、従来よりも予約受付にかかる手間を削減できます。
また、予約のキャンセルや変更があった場合も、管理画面から簡単に手続きできるため、業務負担を大きく軽減可能です。予約受付業務を減らし、お客様の接客や施術といった本来の業務に集中できます。
4. ヒューマンエラーを防止できる
予約管理システムを導入すれば、ダブルブッキング、お客様の住所や氏名の聞き間違い、予約日時の入力ミスなど、予約手続きのヒューマンエラーを防止できます。紙の台帳やExcelでの予約管理と違い、予約管理システムなら予約状況をリアルタイムに一元管理できるため、スタッフの予約ミスに悩まされる心配がありません。
予約ミスが頻発すると客離れの原因になります。お客様に不快な思いをさせないためにも、予約管理システムを導入し、予約ミスを最小化しましょう。
5. お客様の再来店を促進できる
予約管理システムには、お客様の再来店を促進し、リピーターを育成する機能もあります。たとえば、お客様にメッセージを定期的に発信する機能を使えば、施術後のお礼メッセージや、来店から時間がたったあとのフォローメールを気軽に送ることができます。
オウンド型の予約管理システムなら、顧客情報をシステム内に蓄積できるため、お客様の特徴に合わせたコミュニケーションが可能です。
美容院が予約管理システムを導入する際の2つの注意点
美容院・美容室が予約管理システムを導入するにあたって、注意したい点が2つあります。
予約管理システムの導入で大切なのが、費用対効果の見極めです。予約管理システムの導入コストやランニングコストを把握し、予算にあったサービスを選ぶことが大切です。
また、無料の予約管理システムを導入する場合は、機能制限がある点に注意が必要です。必要な機能がきちんと利用できるかどうか、必ず導入前に確認しておきましょう。
あらかじめ費用対効果を分析しよう
予約管理システムを導入すると、「導入コスト」「ランニングコスト」の2種類のコストが発生します。
導入コストは、主にサービス導入時に発生する初期費用です。予約管理システムを利用するにはPCやスマホ、インターネット環境なども必要ですが、すでに導入済みの場合は費用負担は発生しません。初期費用の目安は10万円前後です。
導入コストのほかにも、予約管理システムによって月額料金が発生する場合があります。契約プランにもよりますが、月額料金の目安は2万円~4万円程度です。
予約管理システムを導入する際は、導入コスト+ランニングコストをあらかじめ計算し、十分な費用対効果が得られるかどうか検討しましょう。予算に限りがある場合は、予算オーバーしない範囲でサービスを選ぶことも大切です。
無料の予約管理システムは機能制限が多い
予約管理システムによっては、無料でサービスを利用できるものもあります。無料の予約管理システムを導入すれば、集客コストを抑えられますが、ほとんどの場合機能制限がある点に注意が必要です。たとえば、無料の予約管理システムでは次のような機能が制限されます。
- 受付可能な予約件数の制限
- SNSとの連携機能の制限
- クーポン登録数の制限
- メニュー登録数の制限
- スタッフページの作成数の制限
- サポート対応をしてもらえない
こうした機能を利用したい場合、別途オプション料金が発生するケースもあります。予約管理システムを選ぶときは、
「欲しい機能がそろっているか」
「必要な機能が制限されていないか」
を必ず確認しましょう。
美容院が予約管理システムを選ぶ7つの基準
美容院・美容室向けの予約管理システムには、様々な機能が用意されています。
「予約管理システムを通じ、たくさんのお客様に来店してもらいたい」
「クーポンサイトやポータルサイトを脱却し、SNSやホームページから集客したい」方は、予約管理システムの機能面にこだわりましょう。
ここでは、機能面で予約管理システムを選ぶ基準を7つ紹介します。
1. 導入後のサポート体制が充実しているか
予約管理システムを選ぶ基準としてもっとも重要なのが、「導入後のサポート体制が充実しているか」です。とくにはじめて予約管理システムを導入する場合、使い方がわからなかったり、システムの操作を誤ったりするケースがあります。
もしシステムに不具合が発生しても、サポートセンターに問い合わせをすれば安心です。電話やメール、チャットでのサポートなど、サポート体制が充実しているかどうかを必ずチェックしましょう。
また、サービス事業者によっては、導入前の研修やセミナー、勉強会を開催している場合があります。サービス導入前にしっかり使い方を学べるため、導入後スムーズに予約管理システムを使いこなすことが可能です。
2. 多言語対応しているか
インバウンド(訪日外国人)のお客様への対応や、将来的な海外出店を考えている場合は、予約管理システムが「多言語対応しているか」をチェックしましょう。
訪日客数が多い中国や韓国など、非英語圏のお客様への対応を考えると、日本語+英語の2言語対応では不十分です。日本語や英語に加えて、韓国語や中国語、タイ語など多言語対応している予約管理システムなら、海外のお客様からの予約数増加が期待できます。
3. SNSとの連携が可能か
美容院や美容室の集客ツールとして、ソーシャルメディア(SNS)を活用するケースが増えています。とくにインスタグラムやLINEは、美容院のお客様が多い20代~30代のユーザーが中心のため、美容院の新規集客に適したSNSです。→LINE連携の予約システム
予約管理システムを選ぶときは、SNSとの連携が可能かどうかを必ずチェックしましょう。SNSとの連携が可能な予約管理システムなら、
「インスタグラムの投稿を見たお客様が、そのままお店を予約する」
「LINEの公式アカウントから、予約完了通知やリマインドを受け取れる」など、お客様の予約がもっと便利になります。
また、SNSマーケティングに力を入れれば、SNSの投稿を見たお客様がどんどん予約してくれるため、新規顧客獲得につながります。
- 指名予約を増やしたいスタイリスト/ネイリスト
- インスタグラムで集客したい方
- DMでのやりとりが面倒と感じている方
- 予約はリザービアで一元管理
4. Googleビジネスプロフィールとの連携が可能か
SNSのほかにも、Googleビジネスプロフィールとの連携機能があるかどうかをチェックしましょう。Googleビジネスプロフィールとは、Google検索をした人の現在地に基づき、おすすめの美容室を表示する機能です。Googleビジネスプロフィールに登録すれば、自分のお店がGoogleマップ上に表示されるため、強力な集客ツールになります。
Googleビジネスプロフィールを利用するときに大切なのが、MEO(Map Engine Optimization)です。MEOとは、Googleマップをはじめとした地図エンジン(Map Engine)で上位表示を狙い、自分のお店がお客様の目に止まりやすくする施策を意味します。→Google連携予約システム
予約管理システムを導入するときは、Googleビジネスプロフィールとの連携機能があるものを選びましょう。Googleビジネスプロフィールへの投稿や、MEO対策をサポートしてくれるため、Googleマップ経由での集客を大きく伸ばせます。
- Googleマップに予約ボタンが表示される
- 予約ボタンから3タップで予約完了
- リザービアご契約者様なら無料で利用可能
- 予約はリザービアで一元管理
5. 細かい予約制御ができるか
予約ミスを防止するため、メニューの予約設定を細かくカスタマイズできる予約管理システムを選びましょう。
たとえば、同時予約制限機能のある予約管理システムなら、同じ時間に複数の予約が入ってしまうダブルブッキングを防止できます。そのほか、予約管理システムには次のような予約制御機能があります。
6. 口コミを掲載できるか
美容院の新規集客で大切なのが、お客様の「口コミ」です。
お客様はお店選びの際、他のお客様の口コミを参考にしています。お客様が口コミを投稿可能な予約管理システムを選べば、口コミを起点として、美容院の集客力をさらにアップできます。ポジティブな口コミをたくさん獲得できれば、口コミがさらなる口コミを呼び、お店の認知度を一気に高めることも可能です。
また、口コミはお店で働くスタッフのモチベーションにもつながります。予約管理システムを選ぶときは、口コミをホームページに貼り付けたり、口コミ掲載ページを作成できたりするサービスを選びましょう。
7. オンラインでスタンプカードやクーポンを発行できるか
リピーター獲得につながるのが、来店時にスタンプを押す「スタンプカード」や、次回来店時にお得になる「クーポン」です。
予約管理システムによっては、サロンカードやクーポンをオンラインで発行できるサービスがあります。たとえば、お客様がスマホでスタンプを確認したり、LINEを通じてクーポンを受け取ったりすることが可能です。既存のお客様の囲い込みのため、オンラインでサロンカードやクーポンを発行可能な予約管理システムを選びましょう。
美容院の集客力強化なら、「予約管理システム」の導入を
美容院・美容室の集客力強化につながるのが「予約管理システム」です。予約管理システムを導入すれば、お客様がSNSやホームページ経由で簡単にメニューを選ぶことができ、予約にかかる手間を大きく削減できます。
数ある美容院のなかから自分のお店を選んでもらうには、お客様の利便性を高め、「予約したいときにいつでもどこでもお店を予約できる」仕組みをつくることが大切です。
予約管理システムをはじめて導入する方は、導入後のサポート体制が充実したサービスを選ぶと安心です。集客できるお店づくりをしたい方は、SNSやホームページと連携可能な予約管理システムを導入しましょう。
[注1] 厚生労働省:令和元年度 衛生行政報告例 概況
[注2] 株式会社リクルートライフスタイル:「都道府県別」20・30代女性の美容意識・実態調査