美容室の経営では、スムーズな会計と顧客満足度の向上が重要です。近年、多くの美容室でスマートフォンのアプリ決済が普及し、キャッシュレス化が進んでいます。
アプリ決済は現金のやり取りを減らすだけでなく、会計の効率化や無断キャンセル対策にも役立つなど、店舗運営に多くのメリットがあります。
そこで今回は、アプリ決済が美容業界で広まる理由や導入時のチェックポイントを紹介します。アプリ決済を活用して、快適で効率的なサロン運営を目指しましょう。
目次
そもそもアプリ決済とは?
アプリ決済とは、スマートフォンやタブレットにインストールされたアプリを使って、商品やサービスの代金を支払う仕組みのことです。代表的なものには、PayPayや楽天ペイ・クレジットカード連携のApple PayやGoogle Payなどがあります。
ユーザーは、アプリに事前にクレジットカードや銀行口座を登録しておくことで、店舗での支払いをスマホ1台で完結させることができます。QRコードやバーコードを読み取る方式が一般的で、現金のやり取りが不要なため、衛生面でも安心です。
店舗側にとっても、レジ処理の簡素化や会計ミスの削減といったメリットがあります。特に近年は、キャッシュレス化の進展とともに、アプリ決済の導入は飲食店や小売業だけでなく、美容室のようなサービス業にも広がっています。
アプリ決済が美容業界で急速に普及する理由
近年、美容業界でもアプリ決済の導入が急速に進んでいます。その背景には、消費者のキャッシュレス志向の高まり・店舗側の業務効率化ニーズ・国の政策的な後押しといった、複数の要因が影響しています。
ここからは、その主な理由について詳しく見ていきましょう。
1. 消費者のキャッシュレス利用拡大
スマートフォン1台で簡単に支払いができるアプリ決済は、若年層を中心に、幅広い年代で日常的に利用されています。特にコンビニや飲食店などでの普及が進み、キャッシュレス決済に対する抵抗感が薄れつつあるのが現状です。
この流れは美容室のようなサービス業にも広がり、利便性の高さに加え、現金に触れずに済む衛生面での安心感も支持されています。
さらに、アプリ決済は利用履歴がアプリ内に記録されるため、家計管理やポイント活用を重視する層からも人気を集めています。
2. 人手不足の深刻化への対応
美容室では慢性的な人手不足が課題となっています。そのため、スタッフの業務負担を減らすことは、経営の重要なポイントです。アプリ決済を導入することで、会計業務の自動化が進み、現金のやり取りやレジ操作にかかる時間を大幅に削減できるでしょう。
ホットペッパービューティーアカデミーの調査結果によると、6割以上のサロンが「会計時の時間が短縮された」と回答しているようです。
決済がスムーズになると、単純に会計にかかる時間が短くなるだけではありません。その分、施術や接客に集中できるため、結果として顧客満足度の向上にも貢献します。
引用元
ホットペッパービューティーアカデミー|【スマート支払い】会計はどう変わった⁉サロンの生産性UPとお客さま満足が実現!
3. 政府のキャッシュレス推進政策の追い風
政府はキャッシュレス化を進めるため、2019年10月から2020年6月まで、ポイント還元キャンペーンを実施していました。現在も経済産業省を中心に、関係省庁と連携したキャッシュレス推進政策が継続されているようです。また、政府はキャッシュレス決済比率を定期的に算出・公表しています。
さらに、補助金・助成金制度で、導入する際の費用の一部を補助しています。例えば、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する「IT導入補助金」があります。
また、生産性向上に資する設備投資等(機械設備、コンサルティング導入や人材育成・教育訓練)を行うとともに、事業場内最低賃金を一定額(各コースに定める金額)以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成する「業務改善助成金」も利用可能です。
これらの制度によりキャッシュレス決済を導入する店舗が増え、それに伴い消費者の利用も増加しています。美容室でもアプリ決済の導入が広がっており、特に中小企業向けの補助制度は、導入コストを抑えたい美容室にとって大きな助けとなるでしょう。
こうした政策の後押しで、アプリ決済の普及は今後も加速することが期待されています。
引用元
経済産業省|キャッシュレス・ポイント還元事業(2019年 10月~2020年 6月)
総務省|令和6年版 情報通信白書|キャッシュレス決済の推進
経済産業省|2024年のキャッシュレス決済比率を算出しました (METI/経済産業省)
IT導入補助金
厚生労働省|業務改善助成金
美容室でアプリ決済を導入するメリット
アプリ決済を使えば、顧客はスマホ1台で素早く支払いができ、待ち時間や手間が減ります。店舗側も現金管理やレジ作業の負担が軽くなり、業務効率がアップします。
また、無断キャンセル防止のためのキャンセル料徴収機能もあり、サロンの運営を安定させるのにも効果的です。
以下で、それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。
顧客満足度の向上
アプリ決済を使うと、スマホ一つで素早く支払いができるため、会計の待ち時間や手間を大幅に減らせます。特に忙しい時間帯や混雑時でもスムーズに決済が完了し、顧客のストレス軽減につながるのが大きなメリットです。
また、現金のやり取りが不要なため衛生面でも安心で、非接触決済を好む顧客からも支持されています。
さらに、アプリ決済は利用履歴やポイント管理も一元化されているため、家計管理やお得感を重視するユーザーにも好評なようです。
業務効率化と人手不足対策
美容室では慢性的な人手不足が課題となっており、スタッフの負担軽減が求められています。アプリ決済を導入することで、現金の取り扱いやレジ操作にかかる時間を削減し、会計業務の効率化が実現します。
また、決済がスムーズになることで、スタッフは施術や接客に集中できる時間が増え、サービスの質向上にもつながります。前述で紹介したホットペッパービューティーアカデミーの調査データからも、効果を大きく実感しているサロンも多いようです。
業務の効率化は人手不足対策としても重要で、スタッフの負担が減ることで離職防止や職場環境の改善にも寄与するでしょう。
キャンセル料が徴収できる
美容室にとって無断キャンセルは、売上減少や予約管理の混乱を招く大きな課題です。アプリ決済を導入すると、事前に登録したクレジットカードからキャンセル料を徴収できるため、無断キャンセルの抑止効果が期待できます。
これにより、キャンセルによる損失を減らせるだけでなく、顧客に対してキャンセルポリシーの意識付けも可能です。特に予約管理システムと連携した決済機能を利用すれば、スムーズかつ確実にキャンセル料の請求が行えます。
アプリ決済導入時のチェックポイント
アプリ決済を美容室に導入する際は、決済手段の種類やシステムとの連携・コスト・サポート体制など、さまざまなポイントを事前に確認しておくことが重要です。これらをしっかりと検討することで、導入後のトラブルを防ぎ、スムーズな運用が期待できます。
ここからは、特に注意したい具体的なチェックポイントを見ていきましょう。
1. ターゲット顧客に合った決済手段か
アプリ決済を導入する際は、美容室の顧客層に合った決済方法に対応しているかを確認することが大切です。例えば、若年層が中心なら、バーコード・QRコード決済や、交通系IC電子マネー決済がメインです。一方で、中高年層を含めた幅広い世代に対応したいなら、クレジットカードが利用できるとよいでしょう。
導入前には、実際にお客様にヒアリングしたり、キャッシュレス決済の利用率に関する統計データを参考にしたりすることで、より実態に合った選択ができます。例えば、消費者庁が公表している「店頭購入及びキャッシュレス決済に関する意識調査」では年代別の利用頻度が示されているため、ターゲット層の傾向を把握するのに役立ちます。
幅広い決済に対応することで、どんな顧客にもストレスなく支払いができる環境を整えましょう。
引用元
消費者庁|[参考・2月(確報)] 店頭購入及びキャッシュレス決済 に関する意識調査結果
2. 導入・運用コスト
初期費用や月額料金・決済手数料などのコスト面も、しっかり確認しましょう。料金体系は、サービスによって異なります。長期的に見て、費用対効果が合うかどうかを判断することが重要です。
売上や店舗の規模・運用方法など、自サロンに合うプランを選ぶことで、無理なく継続できます。コスト面を把握した上で、導入後の負担が増えないように検討しましょう。
3. サポート体制
アプリ決済を導入して運用を開始してからも、トラブルや操作に関する問題が起こる可能性があります。そのため、どんなサポート体制が整えられているのかを確認することが重要です。
特に美容室のように忙しい業種では、問題が起きた際の対応が遅れると業務に支障をきたしてしまいます。サポートの対応速度や連絡手段の多様さも、選定基準に含めましょう。
また、導入時のスタッフ教育や使い方の説明・トラブル時のフォローが充実しているサービスなら、スムーズな運用が期待できます。
4. スタッフの操作性・教育コスト
新しいシステムは、スタッフにとっても直感的で使いやすい操作画面であることが望まれます。複雑な操作や覚えることが多いと、スタッフの負担が増えてしまうため、教育コストも高くなりがちです。
誰でもすぐに使いこなせるUI(ユーザーインターフェース)なら、導入後のトラブルも減り、スタッフのストレス軽減にもつながるでしょう。
また、操作方法のマニュアルや動画、サポート体制が充実していると、教育時間の短縮が可能です。
5. 入金のタイミング
美容室の資金繰りに直結するため、売上代金の入金タイミングも重要な要素です。アプリ決済サービスによって、入金タイミングは即日から月1回までさまざまです。
即日入金のサービスなら、資金の流動性が高まり、急な支払いにも対応しやすくなります。一方で、入金手数料や条件が異なる場合もあるため、事前に確認が必要です。
自サロンの運転資金やキャッシュフローの状況に合わせて、無理なく資金管理ができるサービスを選びましょう。
サロンに特化した決済システム「サロンペイ」
サロンペイは、美容室やサロン業界のニーズに特化した予約管理システム「リザービア」に搭載された決済機能です。予約から決済までの業務を一元管理できるため、効率的な店舗運営をサポートします。予約情報と支払い情報が連動しているため、手間を減らしミスを防げるのが大きなメリットです。
また、サロンペイは店頭決済が基本ですが、キャンセルポリシーに基づいたキャンセル料の請求も可能で、無断キャンセル対策にも活用できます。
ここからは、サロンペイの主な機能を見ていきましょう。
クレジットカード決済に対応
サロンペイは、Visa /Mastercard / JCB / American Express / Diners Club / Discoverなど、主要なクレジットカード決済に対応しています。多くの顧客が利用するカードブランドをカバーしているため、幅広い層に対応可能です。
無断キャンセルを減らすオンライン決済機能
サロンペイには、事前に登録されたクレジットカードからキャンセル料を自動で徴収する機能も備わっています。そのため、無断キャンセルの抑制に効果を発揮し、サロンの売上損失を減らすことが可能です。
キャンセルポリシーを明確にすることで、お客様の意識向上にもつながるでしょう。
リザービアの予約管理と連携
サロンペイは予約管理システム「リザービア」の機能の一部であり、予約情報と決済情報を一括で管理できます。
これにより、予約から支払いまでの流れがスムーズになり、スタッフの業務負担を軽減します。また、売上管理も簡単にできるため、業務効率の大幅な改善が期待できます。
さらに、決済がスムーズになることで、お客様の支払いの手間も減らせます。
美容室でアプリ決済を導入するなら予約システムとの併用がおすすめ
アプリ決済を導入すると、スマホ一台でスムーズに支払いができ、お客様の待ち時間や手間を減らせます。現金のやり取りが不要なため、衛生面でも安心です。
またサロン側は、会計業務の効率化によりスタッフの負担が軽減され、施術や接客に集中できる時間が増えます。無断キャンセル対策としてキャンセル料の自動徴収も可能で、売上の安定にも役立つでしょう。
サロンペイは予約管理システム「リザービア」に搭載された決済機能で、予約から決済まで一括で管理可能です。業務効率化を強力に支援するリザービアの導入を、検討してみてはいかがでしょうか。