管理美容師になるためには、3年以上の実務経験を積んだ上で所定の講習を受ける必要があります。そして講習会後、資格取得の証明として修了証書が発行されます。
しかし管理美容師の資格を取得した人のなかには、修了証書を使用する機会がなく、「どこにしまったかわからない」「しまっているうちに破れてしまった」という人もいることでしょう。
そこで本記事では、管理美容師免許を失くしたり破いたりしてしまった場合の再発行について、手続きの種類から必要書類、申請の流れをわかりやすく解説します。
まずは資料をご覧ください
目次
管理美容師の免許書換え交付・再交付はどんなときに必要?
管理美容師免許の再発行は、免許を紛失したときや破損したときのほか、記載内容を変更するときにも必要となる手続きです。再発行には「書換え交付」と「再交付」の2種類があり、再発行する理由にあわせて、適切な手続きを選ぶ必要があります。
なお、一般的に「管理美容師免許」と呼ばれることが多いですが、正式な書類名は「管理美容師資格認定講習会修了証書」です。
書換え交付|免許(修了証書)に記載してある情報を変更したいとき
書換え交付は、修了証書に記載されている氏名(苗字または名前)などを変更したい場合に行う手続きです。希望すれば旧姓等も併記することが可能です。
書換え交付では元の修了証書を返納し、新しい情報が記載された修了証書の交付を受けることになります。
ただし、氏名変更の場合は、管理美容師の修了証書書換え交付とは別に、美容師免許(名簿)の訂正手続きも必要となります。
美容師免許の訂正は別途手続きが必要となるため、詳細は下記の関連記事を確認してください。
再交付|免許(修了証書)を紛失したとき
再交付は、修了証書を紛失してしまったり、破損してしまったりした場合などに行う手続きです。
特に紛失は、気づいたら速やかに再交付の手続きを行うことが重要です。
修了証書は美容所の開設時や保健所による立ち入り検査の際に必要となる重要な書類のため、紛失したまま放置すると業務に支障をきたす可能性があります。
また、破れてしまったり汚れてしまったりした場合も、文字が読みづらいことで業務上の不都合が生じる可能性もあるため、なるべく早く再交付申請を行うようおすすめします。
再発行したい理由別|管理美容師免許の書換え交付・再交付に必要なもの
管理美容師修了証書の再発行に必要な書類は、再発行の理由によって異なります。紛失、破損、記載事項変更など、それぞれのケースで必要となる書類を事前に確認し、漏れのないよう準備することが大切です。
ここでは、ケース別の必要書類を紹介します。
なお、いずれの場合も交付手数料として3,000円かかります。郵便局の窓口等での払込みとなり、払い込んだ際の控えも申請書類のひとつとして申請書の裏面に貼って提出する必要があります。
1.紛失した場合
紛失による再交付の場合、以下の書類が必要です。
- 管理理容師・管理美容師資格認定講習会 修了証書 書換え交付・再交付申請書
- 修了証書交付手数料の振替払込請求書兼受領証またはご利用明細票
2.破損した場合
破損や汚損が原因で再交付する場合は、以下の書類が必要です。
- 管理理容師・管理美容師資格認定講習会 修了証書 書換え交付・再交付申請書
- 修了証書交付手数料の振替払込請求書兼受領証またはご利用明細票
- 元の修了証書原本
3.記載事項が変更になった場合(元の免許あり)
氏名変更などで記載事項を変更する場合、元の修了証書が手元にあるときは書換え交付の手続きを行うため、下記の書類が必要です。
- 管理理容師・管理美容師資格認定講習会 修了証書 書換え交付・再交付申請書
- 修了証書交付手数料の振替払込請求書兼受領証またはご利用明細票
- 戸籍謄本または戸籍抄本、住民票、変更済み美容師免許証のコピーのいずれか
さらに、書き換え交付の際に旧姓の併記を希望する場合は、旧姓が記載された戸籍謄本・戸籍抄本・住民票、またはすでに併記されている美容師免許証のコピーも必要です。
もし旧姓のまま修了証書を使用する場合は、特に申請の必要はなく、そのまま使用できます。
4.記載事項が変更になった場合(元の免許なし)
元の修了証書が手元にない状態で氏名等の変更を行う場合は、下記の書類が必要です。
- 管理理容師・管理美容師資格認定講習会 修了証書 書換え交付・再交付申請書
- 修了証書交付手数料の振替払込請求書兼受領証またはご利用明細票
- 戸籍謄本または戸籍抄本、住民票、変更済み美容師免許証のコピーのいずれか
申請書の申請理由欄には、書換え申請の理由(氏の変更・名の変更など)と再交付申請の理由(紛失・焼失など)の両方を記載する必要があります。
管理美容師免許書換え交付・再交付の申請手順
管理美容師修了証書の再発行は、郵送による申請となります。申請から交付まで一定の期間を要するため、計画的に手続きを進めましょう。
ここでは申請手順を紹介します。
1.申請書類の入手
申請に必要な書類は、下記の公益財団法人理容師美容師試験研修センターのホームページからダウンロードできます。なお、書換え交付も再交付も同一の申請書です。
公益財団法人理容師美容師試験研修センター|修了証書の書換え交付・再交付申請手続きについて
2.手数料の納付
交付手数料3,000円を郵便局にて振り込みます。
郵便局に備え付けの「払込取扱票」を使っての窓口払込みか、ATM払込みで交付手数料を払込み、どちらでも大丈夫です。その際の控えとなる「振替払込請求書兼受領証」または「ご利用明細票」は申請の際の提出書類となるため、大切に保管してください。
振込先は以下の通りです。
口座番号:00150-4-29501
加入者名:公益財団法人理容師美容師試験研修センター
(2025年6月時点)
なお、振込手数料は申請者負担となります。
引用元
公益財団法人理容師美容師試験研修センター|管理理容師・管理美容師 資格認定講習会修了証書 書換え交付 ・ 再交付
3.申請書類の準備
申請書に必要事項を記入し、その他の必要書類を準備します。
交付手数料の受領証または明細票は、申請書の裏面にのりで貼り付けます。
戸籍謄本や住民票などを同封する場合は、必ず6カ月以内に発行されたものを準備しましょう。
4.申請書類の送付
申請書類一式が揃ったら、郵便窓口で簡易書留として下記の宛先へ送付します。
申請書類の送付先:
〒151-8602 東京都渋谷区笹塚2-1-6 JMFビル笹塚01(8階)
公益財団法人理容師美容師試験研修センター 申請係
(2025年6月時点)
管理美容師免許のみの申請の場合は「修了証書のみの申請」、美容師免許もあわせて再発行申請する場合は「修了証書&免許 同時申請」と封筒の表書きに記載しましょう。
申請書をダウンロードした際の記入例に、切り取って封筒に貼れる宛名ラベルがあるため、そちらを使用すると便利です。
封筒の裏面には、申請者の氏名・郵便番号・住所も忘れず記載しましょう。
引用元
公益財団法人理容師美容師試験研修センター|管理理容師・管理美容師 資格認定講習会修了証書 書換え交付 ・ 再交付
管理美容師免許書換え交付・再交付の注意点
管理美容師修了証書の再発行手続きには、いくつか重要な注意点があります。期間や地域による違い、紛失証書発見時の対応など、事前に把握しておくべきポイントを確認しましょう。
書換え交付・再交付には2~4週間かかる
修了証書の再発行には、申請書類が受理されてから約2〜4週間の期間が必要です。
申請書類に不備があると再発行にかかる期間はさらに延びるため、美容所の開設や重要な手続きで修了証書が必要な場合は、余裕を持って申請を行いましょう。
東京都・大阪府・京都府の一部期間は申請手続きが異なる
東京都、大阪府、京都府で下記の期間に講習を受講した場合は、通常とは異なる申請先・申請手順となる可能性があります。
東京都:1969年(昭和44年)4月1日~1981年(昭和56年)3月31日
大阪府:1970年(昭和45年)4月1日~1998年(平成10年)3月31日
京都府:1970年(昭和45年)4月1日~現在
上記に該当する場合の申請先や申請方法について、順番に紹介します。
1969年4月1日~1981年3月31日に東京都で講習を受講した場合
この期間に東京都で管理美容師講習を受講した場合でも、修了証書の発行者が東京都知事以外の場合は、理容師美容師試験研修センターでの手続きとなります。
該当期間中に発行者が東京都知事の修了証書の場合や、原本が手元になく発行者を確認できない場合は、都の保健医療局健康安全部健康安全課試験・免許担当への問い合わせが必要です。
申請書類は東京都保健医療局のホームページでも入手できますが、申請前に講習会の受講状況確認が必要となるため、必ず問い合わせてから手続きを開始してください。
【問い合わせ先】
保健医療局健康安全部健康安全課試験・免許担当
電話:03-5320-4358(直通)
引用元
東京都保健医療局|管理理容師・管理美容師資格認定講習会修了証書の書換え・再交付申請|理容師・美容師
1970年4月1日~1998年3月31日に大阪府で講習を受講した場合
この期間に大阪府で講習を受講した場合は、管理理容師・管理美容師資格認定講習会修了証の代わりに「修了済み証明書」が発行されます。
証明書発行についての詳細は、大阪府健康医療部生活衛生室環境衛生課生活衛生グループへの問い合わせが必要です。
【問い合わせ先】
大阪府健康医療部生活衛生室環境衛生課 生活衛生グループ(営業担当)
電話:06-6944-9910
1970年4月1日以降に京都府で講習を受講した場合
京都府で1970年(昭和45年)4月1日以降に講習を受講した場合は、下記の必要書類を揃え、京都府美容業生活衛生同業組合への申請が必要です。
【必要書類】
- 申請書(京都府美容業生活衛生同業組合のホームページからダウンロード)
- 手数料(3,000円)の納付が確認できる「ご利用明細票」
- 美容師免許証のコピー
- 旧修了証書(手元にある場合)
【問い合わせ先】
京都府美容業生活衛生同業組合
電話:075-811-0211
引用元
京都府美容業生活衛生同業組合|管理美容師資格認定講習会修了証書書換え・再交付申請の手順
京都府美容業生活衛生同業組合|2025年度 管理美容師 資格認定講習会
紛失した免許証が出てきた場合は返納が必要となる
再交付手続き後に紛失していた元の修了証書が発見された場合は、速やかに発見した修了証書を返納する手続きを行う必要があります。返納方法については、再交付の手続きを行った各窓口へ確認しましょう。
まずは資料をご覧ください
書類・手順をしっかり確認して管理美容師免許の再発行をスムーズに進めよう
管理美容師修了証書の再発行は、紛失・破損・記載事項変更などの理由に応じて「書換え交付」または「再交付」の手続きが必要となります。それぞれ必要書類や手続きが異なるため、まずは自分がどの手続きに該当するかを確認しましょう。
また、申請から交付まで2~4週間程度要するため、余裕を持った申請スケジュールを組むことが大切です。特に新規開業予定がある場合などは、逆算して早めに申請しましょう。
必要書類の不足や記載不備があると、再発行までさらに時間を要することになるため、申請前の最終確認をしっかりと行い、スムーズな手続きを心がけましょう。