多くのユーザーが利用しているホットペッパービューティーは、美容サロンにおいて高い集客効果が期待できるサービスです。また、店舗情報やカタログの掲載に加えて、予約やスケジュール、顧客情報や売上などの一元管理も行えるので、業務効率化にも寄与します。
サロンにとってメリットが大きいホットペッパービューティーですが、やむを得ない事情で掲載を辞めたくなったときに解約は可能なのでしょうか。
そこで、ホットペッパービューティーの途中解約ができるかどうかや、ホットペッパービューティー以外で集客率をアップさせる方法などについて解説します。解約のメリットやデメリット、解約する際の注意点もお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
まずは資料をご覧ください
目次
ホットペッパービューティーの掲載を途中で停止することはできるのか?
結論から言うと、ホットペッパービューティーに掲載している事業所(店舗や企業)などから掲載(利用契約)を解除することはできません。これは、「Hot Pepper Beauty ヘア /Hot Pepper Beauty キレイ利用約款 第21 条」で定められています。[※1]
ホットペッパービューティーの料金プランには「半年」と「1年」がありますが、どちらのプランを利用していても、この約款に基づいて店舗側からの途中解約は不可能です。
ただし、契約を毎月自動更新する「自動継続プラン」を利用している場合は、最短1カ月で契約を解除できます。利用約款 第22条にて、毎月1日までに解約通知を書面で届ければ、その月の末日で解約できると定めているからです。
なお、契約内容の変更、つまりプランの変更に関しては、約款上で不可とはされていません。しかし、ほとんどの場合、プランダウンはできず、グレードアップのみ認められるようです。
閉店するときのみ解約できる
事業者側からの解約(契約解除)はできませんが、ホットペッパービューティー側からの解約は可能です。利用約款第21条の1で指定している条件のうち、いずれかに該当する事業所は契約を解除されます。[※1]
ホットペッパービューティー側から契約を解除する条件は15項あり、そのうちのひとつが「事業の廃止や清算、あるいはその恐れがあるとき」です。つまり、「サロンを閉店する場合」は、プランの契約期間内であっても契約を解除できます。
ただし、利用約款第21条の1による途中解約であっても、契約期間までの料金を支払わなければなりません。そのため、サロンを閉店する場合でも、掲載を予定していた期間までの料金を清算する必要があります。
また、「ホットペッパービューティーの規定に違反した場合」も、契約を解除される条件です。同様に料金の支払いが求められるうえに、二度とホットペッパービューティーへサロン情報を掲載できなくなる可能性があります。
ホットペッパービューティーの掲載を停止したい!解約理由で多いのは?
サロン側からホットペッパービューティーを解約するのは難しく、解約しても残っている契約期間の料金を支払う必要があります。それでも解約を希望するサロンには、どのような理由があるのでしょうか。ホットペッパービューティーの解約で多く見られる理由を4つ解説します。
1.閉店にともなう解約
美容業界は競争が激化しており、なかには経営が悪化して、やむを得ず閉店するサロンもあるでしょう。サロンを閉店したら、ホットペッパービューティーに掲載し続ける理由がなくなります。
前項で説明したように、閉店する場合は契約期間が残っていても途中解約が行われます。ただし、残っている契約期間分の料金を支払わなければなりません。
2.掲載料・手数料が高い
ホットペッパービューティーに掲載しているサロンは、掲載料のほかに手数料を支払う必要があり、これらの支払いが解約理由に挙げられます。
手数料は、ホットペッパービューティーで予約された施術代金の2%です。掲載料金は非公開かつ地域によって異なり、具体的な費用は直接問い合わせなければわかりません。しかし、サロンの規模によってはこの掲載料と手数料の支払いが大きな負担となりえます。
3.期待したほどの集客効果が得られなかった
ホットペッパービューティーは、国内最大級の予約サイトです。利用者が多いため新規顧客開拓がしやすい反面、掲載している美容サロンの数も多く、競争が激しく期待していたほど集客できないこともあります。
予約や売上が掲載前とさほど変わらないのであれば、掲載料を支払ってまで継続するべきかを再検討するサロンが多いでしょう。
4.ホットペッパービューティーなしで集客できるようになった
美容サロンの集客方法には、SNSや自社ブログ、チラシなどがあり、美容サロンのターゲット層によっては、サイトを使った広告はあまり効果が出ないこともあります。
とくに、SNSは情報発信だけでなく、予約機能を追加することも可能です。場合によっては、このような手法の導入・運営コストが、ホットペッパービューティーの掲載料および手数料を下回る可能性があります。
ほかのマーケティング手法でホットペッパービューティーよりも低コスト、かつホットペッパービューティーと同等の集客効果が見込めているサロンは、ホットペッパービューティーを解約したいと考えるかもしれません。
ホットペッパービューティーで集客率をアップさせるには?
ホットペッパービューティーで期待するほど集客できていないからといって、すぐに解約を検討するのは早計といえます。いくつかの方法を試すと、ホットペッパービューティーの集客率がアップする可能性があるからです。
ホットペッパービューティーで集客率のアップに有効な3つの方法を解説します。
掲載プランを変えてみる
ホットペッパービューティーの掲載プランは3つで、料金が高い順に並べると「プラチナ・バリュープラン」「シンプルプラン」「ライト・ライトSプラン」です。
料金が高いプランほど検索結果で上位になったり、人目につきやすい場所に掲載されるようになったりするので、集客率が上がる可能性が高まります。
下位(料金の安い)プランへの切り換えは不可ですが、上位(料金の高い)プランに変更することは可能です。プランを変更すれば必ず集客率が上がるわけではありませんが、資金に余裕があるのであれば掲載プランへアップグレードするのも手です。
検索されるキーワードで対策
ホットペッパービューティーのサイト内ではキーワード検索ができるので、検索結果がより高い順位になるように、キーワードの対策を行っておきましょう。
たとえば、30代40代男性に特化した美容サロンであれば、「男性」「30代」「40代」「メンズ」などのキーワードを店舗名や紹介文などにできるだけ多く使うなどです。とくに店舗名にキーワードが含まれていると、検索結果で上位に掲載されやすくなります。
キーワード対策を行っておくと、ホットペッパービューティーだけでなく、ほかの検索サイトでも上位に表示されやすくなるのもメリットです。
リピート率をあげる
ホットペッパービューティーで獲得したお客様のリピート率をあげることも、集客アップに欠かせません。一度来店したお客様に継続的な利用を促す工夫が必要です。
たとえば、サロンボードでお得なクーポンを発行したり、手書きのメッセージカードを送ったりなど、こまめなコミュニケーションが再来店を後押しする可能性があります。もちろん、リピートしてくれたお客様へは、質の高いサービスを提供しましょう。
ホットペッパービューティー以外で集客する方法
美容サロンの集客率は、ホットペッパービューティー以外の方法でも上げられます。集客率に悩む方は、並行してほかの方法を試してみるのも手です。
美容サロンに向いた集客方法としては、SNSなどのインターネットを使ったものから、チラシなどで集客する方法などがあります。
SNSやホームページで集客する
最近は、LINEやInstagramなどのSNSを使って、美容サロンを調べる人も増えてきました。SNSは無料で使えて拡散力があり、少ない費用で広告も出せます。とくに、画像や動画を掲載できるInstagramは、美容サロンとの相性が抜群です。
ただし、SNSとサロンのホームページで集客する場合は予約の取りこぼしが懸念されるので、直接予約につなげられる導線を作っておく必要があります。
チラシなど他の方法で集客する
チラシを配ったり、地域雑誌に掲載したりする方法は、昔からある方法です。今の時代には合わないと思われがちですが、地域やターゲットによってはWeb広告より高い効果を得られる場合もあります。
とくに、パソコンやSNSを使わない年齢層をターゲットとしているサロンならば、チラシや地域雑誌への掲載も検討してみましょう。
ホットペッパービューティー以外のポータルサイトを利用する
ホットペッパービューティーはたいへん知名度が高いサイトですが、美容系の予約サイトにはほかにも「ミニモ」や「楽天ビューティ」などがあります。ホットペッパービューティー以外のポータルサイトを利用し、各サイトで新たなユーザーを獲得するのも手です。
ポータルサイトによって料金体系が異なるので、集客コストを押さえる効果も期待できます。たとえば、「楽天ビューティ」であれば、予約件数によって広告費用が決まるため、予約が入らなければ料金を安く抑えることが可能です。
GoogleビジネスプロフィールでMEO対策をする
MEO対策とは、Googleマップに表示される検索結果において、自店舗の「Google ビジネスプロフィール」が上位に表示されるように対策をすること。
Google ビジネスプロフィールには予約リンクを設置することも可能なので、検索結果から直接予約を取れるようになります。また、費用がかからないため、気軽にはじめられる点もメリットです。
ホットペッパービューティーを解約するメリットとデメリット
ホットペッパービューティーを解約する際は、メリットとデメリットの両方が生じます。これらをよく検討した上で、解約するかどうかを決めましょう。ホットペッパービューティーを解約する具体的なメリットとデメリットは、次のとおりです。
解約のメリット
ホットペッパービューティーを解約して得られるメリットは、掲載料と手数料の支払いがなくなることです。これらの経費を軽減すれば、利益が増加する可能性があります。
利益が増えれば運転資金にも余裕ができ、経営の安定性が高まるでしょう。美容サロンが必要とする運転資金は少なくとも3カ月は必要で、6カ月分あるとよいといわれています。
ホットペッパービューティーを解約した場合のサロンの売上・支出・利益を分析した上で、解約するかどうかを判断しましょう。
解約のデメリット
ホットペッパービューティーを解約することで、生じるデメリットもあります。主なデメリットは新規顧客開拓が必要な点と予約管理などの仕事が増える点、予約に繋げるまでの導線構築が必要な点の3つです。
デメリットを把握して自分に合った運営方法を見つけましょう。
1.新規の集客を自力でしなければならない
解約した場合は営業時間以外の時間を使って、新規顧客への周知やアプローチを自力で行わなくてはなりません。
美容サロンを成功させるためには、高い技術力とサービスはもちろんですが、新規顧客開拓と顧客獲得が必要不可欠です。ホットペッパービューティーは美容院や美容サロンを探している人が集まる予約サイトなので、掲載しているだけで新しいお客さまを獲得できる可能性が高まります。
2.サロンボードが使えなくなる|予約・顧客管理の手間が増える
ホットペッパービューティーはサイト予約ができるだけでなく、サロンボードを使って、予約と電話予約を一元管理したり、顧客の来店履歴や売上を管理したりすることも可能です。
サロンボードが使えなくなったら、手書きあるいはエクセルなどですべてのデータを管理しなくてはなりません。仕事が増えるだけでなく、ダブルブッキングや顧客情報をアップデートし忘れるリスクが生じます。
3.集客から予約につながる導線の構築をする必要がある
ホットペッパービューティーを解約してほかの方法で集客をする場合、店舗を知って利用してみたいと思ったお客様を、そのまま予約につなげる導線を自分で構築しなければなりません。
この導線を作れなければ、美容サロンの周知に成功して認知度が高まっても、期待するほど予約が増えない状態に陥る恐れがあります。
ホットペッパービューティーでは周知と予約機能による顧客獲得が同時にできるので、チラシやポスターなどと比較すると、「取りこぼし」を減らす効果が期待できるのです。
ホットペッパービューティーを解約する際の注意点
契約解約すると今まで使っていたサービスは使えなくなりますが、ホットペッパービューティーの場合、すべてが契約前の状態、つまりページ自体の削除がなされるとは限りません。
たとえば、今まで掲載していたサロン情報は、契約解除後も引き続き掲載されることがあります。さらに、サロン情報が掲載されている間は規約で承諾したとみなされ、ホットペッパービューティー側の一存で、修正、変更、削除される点にも注意が必要です。
詳しくは「Hot Pepper Beauty ヘア /Hot Pepper Beauty キレイ利用約款 第21 条」[※1]を確認してください。
また、ホットペッパービューティーを解約することで、サロンボードが使えなくなることをネックに感じる経営者もいるのではないでしょうか。下記でサロンボードで使える機能について解説するので、確認してみてください。
サロンボードの機能とメリット
では、サロンボードで使える機能やそれぞれのメリットをお伝えしていきましょう。
24時間の予約受付
サロンボードは、インターネットを通じて24時間いつでも予約を受け付けることが可能です。
2022年の調査[※2]では、美容室の予約方法として、以前主流だった電話での予約方法は年々減っており、女性で55.3%、男性で48.9%と、約半数がネット予約(ホームページ・アプリ・LINEなど)を利用していることがわかりました。
そこで、これまでネット予約の管理をサロンボードで行っていた場合、ホットペッパービューティーを解約するとなると、新たにネット予約のシステムを導入する必要があります。
予約の一元管理によるダブルブッキング防止
サロンボード内では、予約を一元管理でき、ダブルブッキングの防止に繋がります。ただし、自動で管理できるのではなく、ホットペッパービューティー以外からの予約は手動でデータを入力しなければなりません。
ダイレクトメッセージの送信
サロンボードには、予約受付時・予約前日のリマインダーや誕生日前のクーポン配信などのDM管理機能も備わっています。このようなメッセージ機能を利用していた場合、ホットペッパービューティー解約後は手動で行うことになるため、業務負担が増えるでしょう。
売上の集計・分析機能
サロンボードでは、売上金の集計や分析を行うこともできます。期間やメニューごと、スタッフごとにデータを分析したり、優良顧客を抽出したりして、経営戦略に活用しているサロンもあるのではないでしょうか。
しかし、ホットペッパービューティーを解約すると、この機能も使えなくなってしまいます。機械ならパパッと集計できていたかもしれませんが、手動で計算するとなると大変です。
ホットペッパービューティー解約のデメリットを解消するには?
解約に伴い、ホットペッパービューティーの大きなメリットであるサロンボードが使えなくなる、というデメリットを、予約管理システムですっきり解決しましょう。24時間予約を受け付けられるオンライン予約システム「リザービア」をご提案します。
SNSやGoogleを活用すれば、ホットペッパービューティーのようなポータルサイトに依存せずに集客することも可能です。以下で詳しく見ていきましょう。
予約の一元管理
リザービアは、サロンボードの機能を上回る一元管理が可能。複数のポータルサイト・SNS・ホームページ・アプリからの予約を自動で一括管理できる、「BMS」というオプション機能があります。サロンボードではLINEなどのSNSとの連携はできません。
メッセージ自動配信
サロンボードのDM機能を重宝していた方にも朗報です。リザービアには、事前設定によってリマインドやお礼メール、フォローメールなどのメッセージを自動で配信する機能もあります。キャンペーンの案内やサロンからのお知らせなどにも活用することが可能です。
関連ページ
POSレジ連携で売上集計・分析
リザービアは、POSレジと連携しなくても予約の集計機能が使えます。予約数やクーポンの利用数、予約経路などを把握し、集客に役立てることが可能。さらに、POSレジと連携することで、売上と顧客情報をより高度に分析できるのもポイントです。
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A’staff Cloud Smart
ホットペッパービューティーの掲載については集客状況に応じて判断を
ホットペッパービューティーの途中掲載停止ができるのは、原則として店舗の廃業の場合や規約違反の場合であり、ハードルが高いです。集客や予約管理の方法はほかにも多数あるため、無理に解約せず、併用しながらいろいろ試してみることをおすすめします。
また、ホットペッパービューティーを解約したあとは、サロンボードの機能も使えなくなる点に注意しましょう。サロンボードの代替として、集客に活用できる機能がたくさんある予約管理システム「リザービア」も検討してみてはいかがでしょうか。
引用元
※1:Hot Pepper Beauty ヘア/ Hot Pepper Beauty キレイ利用規約
※2:ホットペッパービューティー:15~69歳男女の美容サロン利用実態