この記事では、自宅でネイルサロンを経営する場合のトラブルについてご紹介します。自宅で開業できれば経費が抑えられ自由に経営できるため、自分好みのサロンを開業したいと考える方もいるでしょう。
自宅でのネイルサロン開業の仕方やトラブルの例、経営が失敗しないようにするコツをチェックしておきましょう。
目次
自宅でネイルサロンを開業する3つのメリット
「時間を有効活用して働きたい」「自分の趣味を仕事にしたい」と感じる方は、自宅でサロンを開業したいと考えることもあるでしょう。
通勤しなくてよい、家賃がかからないなど、自宅でネイルサロンを開業するメリットはさまざまです。ここでは数多くあるメリットのなかから、代表的な3つのメリットをご紹介します。
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1.初期費用・ランニングコストが削減できる
自宅以外でネイルサロンを開業する場合には、賃貸物件の初期費用や店舗となる場所の改装費用などがかかります。賃貸物件の場合は毎月の家賃や光熱費もかかるため、かなりの出費です。はじめて開業をする方や固定客のいない最初のころは、不安に感じる方も多いでしょう。
しかし自宅でネイルサロンを開業する場合には、開業にかかる資金が少なくて済むことに加え、家賃や高熱費の心配も少ないです。
2.自分がやりたいように働き方の変更が可能
自宅サロンは定休日や営業時間などを自分の好きなように変更できるため、自分の働きやすい環境を作ることができます。「小さな子どもがいるため土日は休みたい」「仕事終わりにネイルサロンを営業したいから19時以降の営業」など、自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
ほかにもネイルのメニューや価格設定も自由に設定できるため、自分の理想のサロンを作ることができます。
3.空き時間に家事ができる
仕事をしていながらも自宅にいるので、予約と予約の空き時間にはご飯の準備をしたり、そうじをしたりと効率よく家事をこなすこともできるでしょう。通勤していると、なかなか時間を自由に使うことができません。空き時間に家事ができるのは、自宅サロンならではの魅力的なメリットです。
とくに子どもがいるママなどは、子どもが帰ってくるまでの空き時間に家事を終わらせておけば夜の家事がかなりらくになり、心に余裕もできるでしょう。
自宅ネイルサロンの失敗・トラブル例
一方で、自宅ネイルサロンならではの失敗やトラブルもあります。自宅でネイルサロンを開業したいと考えている方は、想定される失敗やトラブルを事前に知っておきできるだけ回避しましょう。ここでは、5つの失敗やトラブル例をご紹介します。
経営についての意識が低くなりやすい
自宅兼店舗という認識になるため、どうしても経営の意識が低くなりやすく、趣味の延長のような感覚に陥ってしまうことも多いです。「家賃や光熱費がかからない分、売り上げは少なくても赤字にはならない」などと少し甘い考えになってしまうこともあり、集客に力が入らなかったり、集客のために価格設定を安くしすぎてしまったり、経営の意識をなかなか持てない方もいます。
そのため自宅サロンでの長期経営は難しく、辞めてしまう自宅サロンも多いのが現実です。そうならないためにも、趣味の延長……ではなく、経営者としての自覚をしっかり持ちましょう。モチベーションを保ち続けることが重要になります。
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集客しにくい
店舗型ネイルサロンの場合、できるだけ人の目につく場所を選ぶなど、集客のしやすさも考慮して店舗の場所を決めることも多いです。しかし自宅ネイルサロンは店舗型のサロンに比べて場所がわかりづらく、集客しにくいことがデメリットとして挙げられます。とくに住宅街にある自宅サロンの場合は目印となる建物などがないため、はじめてのお客さまは迷ってしまうこともあるでしょう。
看板などを設置しても住宅街は近隣住民しか通らないため、宣伝効果は期待しにくいかもしれません。まわりの知人などに宣伝をしても、最初のうちは付き合いで通ってくれるかもしれませんが、技術が伴わないと自然と来なくなることもあるでしょう。また「知り合いだから……」と価格設定を安くしてしまうと、なかなか売り上げが伸びず経営にも影響が出てしまうこともあります。
関連記事:ネイルサロンの集客方法や成功させるポイントを徹底解説
オンとオフの切り替えがしにくい
空き時間に家事ができて、時間が有効活用できると感じることもありますが、家にいても仕事場にいるような感覚になって落ち着かなかったり、仕事場にいるのに自宅にいる感覚で仕事に身が入らなかったりします。
通勤しなくてよいのはメリットですが、なかには通勤をしながら気持ちを仕事モードに切り替えているという方もいるでしょう。気持ちの切り替えがむずかしい点は、自宅でサロンを開業するデメリットのひとつです。
住所や自宅内部などプライベート情報を知られる
自宅でネイルサロンを開業するということは、自宅にまったく知らない人を家に招くことになります。住所はもちろん、自宅の内部などを知られるリスクを理解しておきましょう。すべてのお客さまがプライベートな情報を悪用するわけではありません。しかしなんらかのトラブルにつながるような情報は、お客さまの目に付く場所に置かないようにとくに注意しましょう。
「SNSやチラシなどに載せる住所の掲載は地区までにして番地を載せない」
「予約は電話を使わずLINEやお問い合わせフォーム、アプリを導入する」
などの方法を活用してみると安心です。
クレーマーなど対応がむずかしい相手だととくに危険
さまざまなお客さまがいるため、施術後のネイルの仕上がりが不満など施術内容に対してクレームを入れる方や、接客態度が気に入らないなどさまざまな理由でクレームをつけてくるお客さまもいます。ひとりで自宅サロンを経営している場合、クレーマーの対応に悩むこともあるでしょう。ひとりで対応しなければならないため、誰にも助けを求められずたいへんな思いをしている経営者の方も多いようです。
なかには施術後にクレームをつけてきたお客さまに自宅付近で待ち伏せをされたり、子どもの通う幼稚園付近で待ち伏せをされたりと怖い思いをした経営者の方もいます。自宅サロンを経営するということは、このようなリスクの可能性があることを知っておき、事前にしっかり対処できる知識を身につけておくと安心です。
自宅ネイルサロンで失敗・トラブルを回避するコツ
ここまで自宅ネイルサロンでの失敗やトラブルをご紹介してきました。失敗やトラブルを想像すると、自宅ネイルサロンを開業することに不安を感じる方も多いでしょう。しかしなにをするにも、失敗やトラブルはつきものです。失敗やトラブルを回避するためのコツを知っていれば、上手に乗り越えていけるでしょう。
ここでは自宅ネイルサロンを成功させるためのポイントや、トラブル回避のコツをご紹介します。
集客はSNSなどを活用する
自宅ネイルサロンは、住宅街などでは集客がむずかしいことを失敗としてご紹介しました。しかしSNSを上手に活用することで、効率よく集客が可能です。InstagramやTwitter、LINEなどのSNSでネイルデザインや店舗の雰囲気などを発信し続けることで、そのお店の技術や雰囲気を好む方が興味を持ちます。少しずつ自宅ネイルサロンのファンを獲得し続けることが、集客につながるでしょう。
リザ-ビアではSNSやホームページ、ブログなどのさまざまな集客媒体から予約が可能です。複数の媒体から予約可能な予約システムですが、予約は一元管理なのでダブルブッキングの心配もありません。また口コミ機能があり、ほかのお客さまのリアルな口コミが掲載されるため、口コミ集客の効果も期待できるでしょう。
施術スペースはなるべく生活スペースとわける
ネイルやエステなどの美容サービスを求めるお客さまは、ふだんとはひと味ちがう非日常を求めている方が多いです。そのため施術スペースに生活感を感じてしまうと残念に感じ、リピートしてくれない方もいるでしょう。自宅でサロンを開業する際には、施術スペースと自宅の生活スペースを切り離すことがおすすめです。
施術スペースを美しく保つことはもちろんですが、玄関から施術スペースまでの廊下などもお客さまは見ています。共有スペースにもできるだけ生活感を出さないよう心がけることも重要です。
家族が生活をしているため、どうしてもむずかしい場面もでてくるかもしれません。しかし施術スペースは自分の仕事場です。お客さまを招き入れる以上、しっかりとサービスできる空間作りを心がけることが、リピートしてもらえるサロンにつながるでしょう。
同意書や保険などトラブルへの対策をする
経営者がどれだけ気をつけていても、トラブルが起こることはあります。トラブルを起こさないように気をつけるだけでなく、トラブルが起こってしまった場合どう対応するのか、事前の対策も大切です。
事前にできる対策のひとつとして、施術同意書があげられます。施術をおこなう前に「施術後の返金には対応しない」「爪の状態によってはネイルの持ちが悪いことがある」などトラブルになりやすい点をしっかり説明したうえ、同意書にサインをしてもらいましょう。
事前に説明をしておくことでお客さまも納得できますし、万が一トラブルになってしまっても、事前に同意書をいただいていると主張ができます。
会話中も個人的な情報は控える
お客さまと2人きりで施術をしていると、話が盛り上がることもあるでしょう。家族のことはもちろん趣味など共通の話題があると、つい個人的な情報を話してしまいそうになるかもしれません。後々なんらかのトラブルにつながるおそれもあるため、お客さまに個人的な情報を含む内容を話すことは避けましょう。
自宅ネイルサロンは「通勤時間がかからない」「費用を抑えられる」などの大きなメリットがありますが、「店舗=自宅」というリスクがあることも忘れないようにしましょう。「SNSなどには住所を記載せず、予約してくれた方のみに住所を伝える」「経営者が女性の場合は、女性のお客さま限定にする」など、リスク回避の方法も考えておくと安心です。
「あれ?」と思ったら断る勇気も必要
お客さまに少しでも「受け入れて大丈夫かな?」と不安を感じる場合は、予約をお断りする選択肢も必要です。店舗型とはちがい、自宅ネイルサロンには「自宅を知られるリスク」と「自分ひとりしかいないリスク」があります。大きなトラブルや事件に発展する可能性があるお客さまは要注意です。
お客さまはお店を自由に選べますが、サロン側にもお客さまを選ぶ権利があります。オープン時は「多くの方に来てほしい」という思いから、お客さまの受け入れ範囲も広くなっているかもしれません。危険を感じるようなお客さまは、勇気を出して断ることも大切です。
自宅ネイルサロンなので、判断基準は自分自身になります。「心身ともに健康な方のみ」「女性のお客さまのみ」などと、事前に受け入れOKな範囲を決めておくと安心ですね。
自宅以外のネイルサロンでもおこりやすいトラブルと解決策
ここでは、自宅ネイルサロンだけに限らず、ネイルサロンの経営でおこりやすいトラブルとその解決策をご紹介します。ネイルサロンでおこりがちなトラブルを知っておくことで、今後のサロン経営の参考になるでしょう。トラブルをどう解決するのか、安心できる事前の対策などもご紹介しますので、参考にしてくださいね。
トラブル:ネイルの仕上がりへの苦情
ネイルの仕上がりに関するトラブルはとくに多いです。「サンプルとネイルの仕上がりがちがう」「すぐにネイルが剥がれた」「欠けてしまった」「左右で長さがちがう」などさまざまな苦情があります。
ネイリストの技術力が問われますが、なかにはお客さまの爪の状態によって持ちが悪い場合もあり、判断がむずかしいです。
解決策:無料お直し保証をつける
このような仕上がりに関するトラブルを避けるために、無料お直し保証を付けているサロンも多いです。「施術から一週間以内に剥がれてしまった場合は無料でお直しします」など、施術から期間を定めて保証をつけておくと、お客さまも安心できるでしょう。
ほかにも、施術をおこなう前にていねいにお客さまへ説明をしておくことも大切です。お客さまが希望している爪の長さや爪の形をきちんと確認し、爪の状態によっては持ちが悪いこともあるなど、ひとつひとつ説明しておきましょう。ネイリストでは当たり前の知識かもしれませんが、お客さまは知らないことも多いものです。
ていねいな接客とお客さまとのコミュニケーションは、トラブルを減らすひとつの手段です。サロンであまり会話をしたくないお客さまもいるかもしれませんが、しっかりとした説明を心がけましょう。
トラブル:顧客の肌をキズつけてしまう
「爪を短く切りすぎて出血させてしまった」「ニッパーで肌をキズつけてしまった」など、お客さまに怪我をさせてしまうこともあるかもしれません。ネイリストがじゅうぶんに気をつけていても、実は起こりやすいトラブルのひとつです。
解決策:賠償責任保険への加入と事後の謝罪
まずはお客さまのお肌をキズつけてしまったことに対して、誠心誠意の謝罪をしましょう。もちろん治療費はサロンが負担することになりますが、「お金を払うんだからいいでしょ」「大したキズじゃないから大丈夫でしょ」という態度はNGです。自分の不注意で怪我をさせてしまったことをきちんと謝罪しましょう。お客さまの怒りも、謝罪をする人の態度で大きく変わることもあります。
また万が一大きなトラブルになってしまった場合は、サロン側の医療費負担が大きくなる可能性もゼロではありません。もしものリスクを減らすために、賠償責任保険への加入も検討しておきましょう。施術中の対人対物事故や、サロン内で預かったお客さまの荷物の損傷や盗難の補償をしてくれる保険もあります。
賠償責任保険に加入していることで、サロン側としても万が一に備えて安心ができます。お客さま側も「安全で安心して通えるサロン」という認識ができるでしょう。
関連記事:もしもの時に備える!美容室サロンの保険比較
顧客からの自宅ネイルサロンのイメージ
自宅でネイルサロンを開業する際に、お客さまは自宅ネイルサロンにどのようなイメージを抱いているのかを知ることも大切です。お客さまが実際に抱いているイメージを知ることで、サロンの改善点や集客方法のヒントをえることができるでしょう。
ここでは、お客さまが感じている自宅ネイルサロンのイメージをご紹介します。
「怖い」「行きたくない」と不安に思いやすい
自宅ネイルサロンを経営する際は、なんらかのトラブルに不安を感じることがあるかもしれませんが、それはお客さまも同じです。「どんな人が施術してくれるのか」「どんな部屋に通されるのか」などさまざまな不安を感じています。見知らぬ人の家に上がることになるのだから、「怖い」と感じることは当たり前でしょう。
とくに女性のお客さまの場合、密室の施術スペースでの施術には恐怖を感じるかもしれませんね。施術をしてくれるのが女性なのか男性なのかは、事前に知っておきたい内容のひとつです。
改善策:紹介やSNSなどを活用し、安心感を与える
不安を感じやすいお客さまに安心して通ってもらうためには、どうすればよいのでしょうか。まずは、SNSでどんな場所で施術をしているのか、どんな人が施術をしているのかを知ってもらうことがポイントです。経営者のプロフィールやサロンの内装などもわかれば、より安心できるでしょう。
写真で顔出しをするのは少し気が引けるかもしれませんが、施術してくれる人の顔がわかることで安心感が増すお客さまも多いはずです。
ネイルに関する資格を持っているかどうかも、信頼感が増すポイントのひとつです。ネイルサロンなどは資格を持っていなくても開業できます。しかし資格を持っていることはしっかり知識や技術を持っている証明になるため、お客さまに安心を与える情報になります。
安心して通えるサロンになれば、自然とお客さまからの紹介も多くなります。ひとりひとりのお客さまを大切に接客することで紹介の輪が広がり、多くの方に信頼されるサロンに成長していくでしょう。
トラブルを予防し、安心のサロン経営を行おう!
自宅ネイルサロンの経営には、さまざまなトラブルや失敗がつきものです。円滑なサロン経営のためには、それらのトラブルや失敗を未然に防ぐ努力が大切になってきます。サロンを開業する前にしっかりと対策方法を考えておき、万が一のトラブルに備えておきましょう。
しかしトラブルばかり考えてなかなか集客に踏み切れないと、サロンの経営は成り立ちません。自宅ネイルサロンの場合、店舗型ネイルサロンよりも集客がむずかしい傾向があります。SNSなどの集客媒体を上手に活用して、効率的に集客をおこなっていくことが大切です。
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