技術に優れていても、顧客を集められなけばエステサロンの経営は難航してしまいます。そこで、活用してほしいのがWeb集客です。
インターネットの利用率が9割を超える現代、Web集客は立て看板やチラシ以上に高い集客効果が見込める方法です。
この記事では、エステサロンがWeb集客を活用すべき理由と、代表的なWeb集客の方法や種類、集客するうえでのポイントを詳しく紹介します。
目次
エステサロンの集客にWebを活用すべき理由
東京商工リサーチの調査によると、2019年のエステティック業の倒産件数は73件にのぼり、過去最多を記録しています。[注1]
新規参入が容易なこともあり、美容業は平成11年以降、店舗数は増加の一途を辿っており、飽和状態の市場といっても過言ではないでしょう。
このような中、エステサロンが生き残るために重要と考えられるのが積極的な宣伝や集客です。その中でも、インターネットの利用率が9割を超える現在、Web集客は特に力を入れたい方法です。
世代を問わずインターネットの利用が広がっている
株式会社インテージの調査によると、2020年にスマートフォンの利用率は80%に達したと発表しています。[注2]
また、インターネットの利用率は10~30代でほぼ100%、40代で約96%、50代で約90%となり、さらに現在でも増加傾向が続いています。
大手エステサロンでは、インフルエンサーや有名人を活用したWeb集客にも力を入れていることからも、効果が大きいものと想像できます。
そのため、Web集客は、多くの年代に効果があるだけでなく、店舗の規模を問わず活用したい方法です。
「検索してから来店する」顧客への対応が必要
インターネットの普及は、エステサロンの選び方にも影響を及ぼしました。予約前にエステサロンの公式サイトやSNS、口コミを確認するなど、慎重な利用者が増加しています。
特に、外側から店舗の様子が確認できないエステサロンでは、画像や口コミなど、担当者や施術内容、店内をイメージできる材料があると、利用者の安心感につながります。
判断材料を多く用意することも、Web集客成功のポイントです。
エステサロンのWeb集客方法の種類
Web集客といっても、ホームページの作成だけでなく、SNSの運用や有料広告の出稿まで、さまざまな種類があります。
ここでは、エステサロンで利用したいWeb集客方法の種類を紹介します。
自社ホームページの作成
Web集客をするうえで、“お店の顔”となるのが、自社ホームページ(公式サイト)です。お店が運用しているため、信頼性が増す以外に、他の方法と比べ内容の自由度が高い点もメリットです。
営業時間・料金・メニューのように、直接施術に関係する内容だけでなく、画像や動画、スタッフブログなどを盛り込めば、お店の雰囲気もアピールできます。
WordPressを利用し個人でも簡単にホームページの作成や運用ができるようになったため、自社ホームページの作成は活用したい集客方法の1つです。ただし、デザイン性や使いやすさにこだわるなら、Web制作会社に依頼し作成したほうが安心でしょう。
関連記事:集客のできるエステサロンホームページとは?ホームページ制作のポイント4選!
SNS運用
今や大企業の多くが、公式アカウントを運用していることからも想像できるとおり、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、Web集客をするうえで重要なツールです。
お店と顧客が直接やり取りできるだけでなく拡散機能があるため、口コミを広めやすく、知名度や好感度を上げたいときにも活用したい方法です。
SNSといってもいくつか種類があるため、それぞれの特徴を紹介します。
写真機能がメインのSNSで、若年層・女性ユーザーが多い点が特徴です。ファッションや流行に敏感な利用者が多いため、エステサロンとも相性がよいでしょう。
実名登録が基本のSNSです。画像や動画の共有以外に、レビュー機能が使えるため、実名で信頼性のある顧客からの口コミを集めることができます。
140文字の文章を投稿するSNSです。他のSNSと比べると、男性や年齢層の高いユーザーも多い点が特徴です。投稿が多くの利用者に拡散されれば、大きな宣伝効果を得られます。
Youtube
動画投稿に特化したSNSです。エステサロンでは店舗の様子や実際の施術風景を配信すれば、雰囲気を伝えることができます。また、チャンネル自体が人気になれば、繰り返し視聴してもらえる点もメリットです。
以上のように、SNSにもさまざまな種類がありユーザー層も異なります。それぞれの特徴を理解し、エステサロンと相性の良いものを選ぶことが大切です。
Web広告の出稿
Web広告とはインターネット上に有料で掲載する広告で、クリックすることで、自社ホームページなどに誘導できます。興味関心によるターゲット層の決定や、年齢・性別・店舗までの距離など、情報を細分化して広告を出せる点が特徴です。
検索エンジン上に広告を出す「リスティング広告」や、InstagramやFacebookに設置する「SNS広告」、Webサイトの広告枠にお金を払い、一定期間掲載できる「純広告」などがあります。
Googleビジネスプロフィールへの登録
Googleビジネスプロフィールとは、エステサロンの情報をGoogle検索やGoogleマップに表示できる方法です。無料で登録ができ、下記の機能を利用できます。
- 基本情報(住所・営業時間など)の掲載
- 写真の掲載
- 口コミの管理・返信
- リアルタイムの情報発信
- ユーザー行動の分析
- 簡易Webサイトの作成
Googleビジネスプロフィールの情報はクーポンサイトよりも上位に、地図付きで表示されるため、使い方次第で高い集客効果を発揮します。
エステサロン集客サイトへの登録
エステサロンの集客を行っているサイトやアプリに登録するのも有効な方法です。無料サイトと有料サイトがありますが、大手集客サイトの多くが有料となっています。
また、顧客は同一条件で複数のサロンを比べながら検討するため、自店を選んでもらうためには、差別化を計る、追加広告を掲載するなど、ある程度戦略が必要です。
メール・メッセージ配信
EメールやLINEメッセージの配信も、Web集客方法の1つで、メールマガジンの購読を促すなどが一般的です。
エステサロンの場合、一度利用した顧客に対し、お礼メールやフォローメール、キャンペーン情報の配信などを行うと効果的です。
新規顧客の獲得よりも、顧客の囲い込みに適した方法です。
エステサロンのWeb集客ポイント
次に、先ほどご紹介したエステサロンのWeb集客のポイントを、方法別に紹介します。
自社ホームページはマルチデバイス対応とSEO対策をしよう
エステサロンを検索するとき、多くのユーザーがスマートフォンを利用します。そのため、自社ホームページはパソコン・スマートフォン・タブレット端末など、どのデバイスからも綺麗に見られる「マルチデバイス対応」で作成しましょう。
また、検索エンジンの上位に表示されるための施策をSEO対策といいます。顧客の求める情報をコラムなどを使って網羅的に記載するなど、さまざまな方法がありますが、これらを施すことで、検索結果からの新規顧客獲得にもつながります。
SNSは目的に応じて使い分け、定期的に更新しよう
SNSは利用目的に応じて、複数活用してもよいでしょう。ただし、アカウントを作っても、更新しなければ意味がありませんので、最初は1つに絞って運用してみましょう。
SNSは、運用する目的(キャンペーン情報の拡散・ファンの獲得など)を明確にし、定期的に更新するのがポイントです。また、Instagramのように写真がメインのものは、“映える”かどうかも意識しましょう。
Web広告ではターゲットを明確にしよう
Web広告はクリックされて初めてホームページが表示されるため、ターゲット層の明確化が大切です。新規顧客を獲得したいのか、それともリピーターにアプローチしたいのかによっても、利用する広告の種類が異なります。
そのため、まずは、「誰に・何をアピールするか」を明確に定めましょう。
Googleビジネスプロフィールでは、直接予約できる仕組みを導入しよう
Googleビジネスプロフィールは検索エンジンの上位に表示されるため、特に顧客の流入が見込める機能です。そのため、画像を充実させる、口コミを管理する、定期的に更新するなども大切ですが、「直接予約できる仕組み」を整えることがポイントです。
利用者の口コミを見て予約をしたいと思っても、予約ページまでの間に遷移が多かったり、予約方法が複雑だったりしては、顧客の離脱につながってしまいます。利用しやすい予約システムを整備しておくことが大切です。
エステサロン集客サイトは、利用してメリットが得られるか確認しよう
有料のエステサロン集客サイトでは、利用してどの程度のメリットが得られるのか、確認してから使うのがポイントです。
特に、大手サイトでは掲載料や予約発生時の手数料支払い、近隣店舗への離脱などもあるため、それらを考慮してもメリットを得られるかどうか、慎重に検討しましょう。
メール・メッセージ配信では顧客の欲しい情報を適切に提供しよう
メールやメッセージは、店舗側が一方的に情報を提供するため、顧客の負担にならない頻度で、なおかつ欲しい情報が届くように配慮しましょう。
一方的な内容を多数配信すると解除や解約の恐れがあり、また、興味を持たれない内容では読まれることがないためです。
そのため、フォローアップだけでなく、新規メニューやキャンペーン情報、季節に合わせたメニューの提案などを配信するとよいでしょう。
また、メールの場合は開きたくなるようなタイトルを付けることもポイントです。
エステサロンが予約システムを選ぶ3つの基準
予約システムとは、さまざまなチャネルで受け付けた予約を一元管理できるシステムです。
せっかくWeb集客を活用しても、予約が被ってしまったり、管理に手間がかかってしまったりすれば、業務に集中できず、売上の低下にもつながりかねません。そこで、顧客もスタッフも使いやすく、さらに機能が充実した予約システムの導入が求められます。
1. 顧客もスタッフも操作がしやすいシステムか
まずは、顧客が使いやすいシステムか確認しましょう。利便性が低ければ、それだけでも予約中の離脱につながってしまいます。
また、店舗スタッフが使いやすいかどうかも大切です。予約台帳やメニュー設定、シフト・受付枠の管理など、予約システムではさまざまな操作を行います。使いやすくなければ、業務に支障がでてしまう可能性もあります。
予約システムの設定や操作に困った際、電話やメールなどですぐに相談できる体制が整っているとさらに安心です。
2. SNS連携予約ができるか
せっかくSNS集客に力を入れても、そこから予約までスムーズに進行しないと、顧客の離脱につながってしまいます。そのため、InstagramやLINEを集客に活用したい(または、している)なら、連携して予約できる機能があるものがおすすめです。
SNSから直接予約できれば、他店舗への流出防止にも役立ちます。
3. Googleビジネスプロフィールから直接予約できるか
Googleビジネスプロフィールは、提携している予約システムを導入すれば「予約ボタン」を設置できます。店舗名で検索した顧客が、直接Googleビジネスプロフィールで予約できる仕組みがあれば、新規顧客の獲得でも有利に働きます。
また、予約時に画面が遷移しない、他店舗の情報が目に入らないことで、予約中の離脱防止にもつながります。
- Googleマップに予約ボタンが表示される
- 予約ボタンから3タップで予約完了
- リザービアご契約者様なら無料で利用可能
- 予約はリザービアで一元管理
エステサロンに合ったWeb集客方法を活用し、売上アップにつなげよう!
美容業は年々新規出店者数が増え、まさに激戦区とも呼べる業態です。そのため、施術スキルに優れていたとしても、それだけで売上を上げることは困難でしょう。
エステサロンのWeb集客では、店舗に来店する顧客層にあったツールの活用が大切です。また、集客後、スムーズに予約できるシステムを使うことで、顧客の離脱を防止できます。
エステサロンではWeb集客を活用し、集客範囲の拡大や、売上アップを狙いましょう。
[注1]株式会社東京商工リサーチ:2019年「エステティック業倒産動向」調査
[注2]知るギャラリー by INTAGE:スマホの利用率はどこまで伸びた?年代別の浸透実態