整体院の安定した経営には、お客さまの来院が不可欠です。その集客において有効な手段のひとつに、チラシの配布があります。
しかし、ただ情報を記載しただけであったり、なにがいいたいのか伝わらかったりするのでは意味がありません。
ここでは、チラシを作成するメリットから、作成のポイントや意外と気付かなことが多い広告における規制についてご紹介します。
- サロンのリピート率を増やしたい
- クーポンサイトを脱却したい
- LINEでの予約管理が大変
- 予約はリザービアで一元管理
目次
整体院の広告にチラシはおすすめ! チラシのメリットとは?
整体院を独立開業する際に、大切な業務のひとつが集客です。開業日に来院いただくためには、事前に存在を知ってもらう必要があります。整体院は地域密着型で、近隣からのお客さまが多いため、集客方法にはチラシの配布が有効です。
ここでは、集客方法のひとつであるチラシを作るメリットについてご紹介します。
1. 地域で認知されやすくなる|出張整体にもチラシはおすすめ
チラシを配るメリットとしては、周辺地域に認知されやすくなる点です。店舗がある周辺に住んでいる方へチラシを配ることで、開業したことをアピールできます。人の手で直接配ることで、親近感や信頼につながりやすくなる点がメリットです。
店舗型だけでなく、出張整体であってもチラシは有効な手段となります。出張できる範囲にチラシを配ることで、出張範囲を知ってもらうだけでなく、来院が難しい高齢者の方でも対応可能であることを知ってもらえるよい機会になるでしょう。
2. 口コミ・紹介の機会になりやすい
チラシはかんたんに配布しやすいだけでなく、周辺地域一帯に配ることで手に取った方々の話題になりやすい点も特徴といえます。
地域のコミュニティで話題になったり紹介されたり、認知される機会が増えるだけでなく、来院された方の口コミもコミュニティや雑談のなかで広まる機会が増える点が特徴です。インターネットが普及した現在でも口コミによる宣伝効果はあなどれず、家族・友人からや信用できる人からの口コミというのは、来院するきっかけとしても重要な位置を占めます。
3. 中高年層に届きやすい
若年層であればスマートフォンなどを使ってインターネットで検索して整体院を見つけることも可能です。しかし、スマートフォンを持っていない方が多い中高年層の場合は、必ずしもそうとはいえません。デジタルよりもアナログ志向の方も多く、チラシのほうが情報として届きやすいといえます。
チラシ作成に取り掛かる前のポイントとは
チラシはただ作ればいいというものではありません。チラシ作成には、いくつかポイントを押さえることで、より来院へとつなげられます。事前に準備が必要なことや、確認しておくことがありますので、作成に移る前に確認しておきましょう。
ここでは、より集客効果の高いチラシを作る前に、事前に押さえておくべきポイントについてご紹介します。
1. その院が強みとしているところ、院長の方針を洗い出しておく
ほかの院との違いを明らかにするために、まずは自院の強みを明らかにしておきましょう。たとえば、「当院独自の施術方法」や「院長の方針」「院の雰囲気」などです。
ほかの整体院と比べて「ここは負けない!」という部分を明らかにしておくことで、特徴を出しやすくなります。また、上記に挙げた強みをホームページではっきり表記しておくと、チラシからホームページへの誘導された際にアピールしやすくなります。
ホームページ以外にも、最近ではInstagramやTwitterといったSNSを利用する方法も効果的です。
公式LINEでの受付や予約も行えるようにする
日本人にとって身近なSNSのひとつにLINEがあります。いまや日本のLINEユーザーは9,000万人(2022年4月時点)を超えており、若い方から中高年の方まで幅広い世代でメールの代わりにLINEが利用されています。
公式LINEを利用して受付や予約ができると、患者さんも勝手がよく集客に繋がりやすくなるでしょう。
リザービアでは、LINE連携予約オプションが利用可能です。インストールの手間なく整体院の予約の入り口として使えるだけでなく、お得は情報の配信にも使えます。
2. ターゲット層を明確にする
「痛みを訴えている人」全員を網羅しようとすると、印象に残りづらくなります。患者さんからすると「腰痛・肩こり専門」「スポーツによるケガが得意」「産後の骨盤矯正」といった特徴がわかる方が、実際に身体の問題が起きた時に選択しやすいのです。
そのため、ターゲット層をきちんと絞った広告作りが重要となります。特徴のないぼんやりしたものではなく、院が強みにしているところや院長の方針など、魅力がきちんと伝わるようなチラシやホームページを作成するように気をつけましょう。
3. 近隣の店舗や環境などをリサーチしておく
直接のライバルとなる整体院や接骨院、針灸院などをはじめ、コインパーキングや駅から徒歩◯分、といった細かい近隣の情報もリサーチしておきましょう。
他院の特徴を知っておけば、「地域には少ない、ケガを専門とした整体院にする」といった、差別化を図りやすくなります。
また、「仕事帰りの会社員が駅から通いやすい」「車でも来院しやすい」など、近隣の情報から考えられるターゲットや強みを把握できるでしょう。
掲載できる範囲で自院の強みをチラシでアピールすることが可能です。
効果的なチラシ作成を作る5つのポイント
これまでの内容を理解し、事前にしっかりポイントを押さえて準備を整えたら、次は実際にチラシの作成に入ります。
しっかりと準備をすればするほど、より集客効果の高いチラシの作成が叶うはずです。ここでは、準備を整えて実際にチラシの作成を行う際のポイントについて、ご紹介します。
1. 院長やスタッフの顔写真で安心感を
来院するまで院長やスタッフの顔が分からないのでは、お客さまの不安要素となってしまう可能性もあります。
せっかく近くに整体院ができても、どのような雰囲気か分からないのであれば、行きたいという気持ちも遠のいてしまうでしょう。そこで、チラシに院長やスタッフの顔、店内の様子などを掲載することで、室内の雰囲気も伝わりやすく、お客さまも安心して来院できます。
2. ぱっと目を引くキャッチコピー
整体院を一言で表すことができるキャッチコピーがあると、お客さまにも覚えてもらいやすくなります。キャッチコピーを考える際に、整体院に通い続けることで得られるメリットが分かる内容にすると、より興味を持ってもらいやすいです。
お客さまに通院することのメリットのイメージが沸きやすく、行きたい気持ちが増してくるでしょう。
そのキャッチコピーを大きめの文字でチラシに書いておくことで、お客さまの目を引くこともできるため、集客効果はより高まります。
3. 施術のアピール
せっかく考えておいたキャッチコピーにウソがあってはいけません。チラシに書いたキャッチコピーを裏付ける施術や技術をチラシのなかでアピールすることで、技術力の高さだけでなく、誠実さのアピールにつながります。
ここで注意しておくことは、施術をアピールする際に専門用語を使いすぎないようにすることです。
専門用語を使うことで技術力が高いことをアピールできる反面、理解されないことや信頼されない可能性もありますので、注意しましょう。
お客様の声も添える
チラシのなかで施術についてアピールすることは大切ですが、その施術の効果についてお客さまの実際の声を添えることも有効です。
実際に施術を受けたお客さまの声が添えられていることで、施術のよさを伝えることができ、口コミと同じような効果が得られます。お客さまの許可を得て、イニシャルや年齢、性別なども記載することで、より信憑性が増すことでしょう。
4. キャンペーンや特典の情報
開業間もないのであればオープン記念キャンペーンや、経営が軌道に乗り始めたらリピーター向けのキャンペーンや特典といった内容を記載することも、来院率を上げるのに効果的です。
文字や色合いを考えてチラシ内でキャンペーンや特典をアピールすることで、チラシを目にするお客さまやそのキャンペーンに引きつけられるお客さまも増え、集客効果が望めます。
5. 院の基本情報|予約情報も
お得なキャンペーンや特典を載せるのは重要ですが、整体院の基本的な情報や予約に関する情報を載せることを忘れないようにしましょう。
せっかくチラシを見て来院しようと思っても、どこにあるのか、どうやって予約をとればよいかが分からなければ来院してもらえません。
所在地や電話番号といった整体院にアクセスするための基本情報はしっかりと記載しましょう。
チラシ作成に便利なサイトを紹介!
チラシを自分でデザインして作成するには、専門知識が必要です。宣伝や集客効果を見込めるデザインについて、どの情報を記載するべきかの判断も、知識や経験がないとむずかしいことでしょう。
近年、誰でもかんたんにチラシ作成を依頼できるサービスが増えてきています。少ロットから発注可能であったり、単価が安かったりと、気軽に注文できるため人気です。ここでは、それらのなかでもとくにチラシの作成に役立つサイトをご紹介します。
ラクスル
最近TVのCMでも見かけることが多くなったラクスルですが、その特長としてオンライン上でデザインから印刷の発注までができることです。
しかもデザインツールは無料で使うことができるため、誰も気軽に利用することができます。テンプレートが豊富に用意されており、整体院向けのものもありますので、情報を書き込むだけで使用でき便利です。アレンジして独自のチラシをデザインすることもできますので、自由度が高い点も魅力です。
パワポン
プレゼンテーションツールとしても有名なツールに、マイクロソフト社のパワーポイントがあります。そのパワーポイントで使える1500点以上の豊富なテンプレートが用意されたサイトが、パワポンです。
こちらでも整体院向けのテンプレートも用意されており、開業のお知らせや案内用のパンフレット、キャンペーン用のものなどデザインが豊富にあります。パワーポイントを使い慣れている方であれば、使いやすくデザイン性の高いチラシを作ることも可能です。
Canva
Canvaは最近注目されている利用者も多いデザインサイトであり、ブラウザ上でデザインができます。
チラシに限らず、名刺やパンフレットなどあらゆる紙媒体のデザインも利用できるテンプレートが豊富です。デザイン素材も豊富にあり、直感的な操作で初めて使う方でも使いやすい点が特徴です。
整体院でオープンや集客に使えるテンプレートも用意されているほか、デザイン性が高くすぐに作成できる点も魅力です。SNS用の投稿テンプレートも豊富なことから、キャッチコピーが入っているものや、イラストの入ったチラシデザイン、グラデーションやイラスト、写真の入ったデザインもあります。
整体院の広告で気をつけるべきポイントとは?
整体院のチラシに掲載していい内容は、法律で定められています。
- 開業者が柔道整復師の資格を持っていること
- 柔道整復師の資格を持っている人の名前
- 整体院の住所や電話番号
- 施術をしている時間・曜日(営業日・営業時間など)
- 出張による施術ができること
- 予約制であること
- 駐車場があること
記載を許されているのは、上記の項目しかありません。そのため法律に沿ったチラシでは、ほかの整体院との差別化が難しく、いかに工夫するかが必要になってきます。
また、法律の制限がかかるチラシや広告の種類は次のとおりです。
- 「看板」等の院の外観
- 新聞折込やポスティング等で配布される「チラシ」
- 新聞・雑誌などに掲載した広告
- インターネット上のバナー広告
- リスティング広告など(有料で検索サイトの上位に表示される検索結果)
対象となるのは、上記に挙げた媒体に限られるため、整体院のホームページは規制の対象外です。こういった条件を考慮に入れて、ほかの整体院と差別化しながらチラシを作成するコツをご紹介していきます。
特に気をつけたい、整体院のチラシで掲載NGな内容
お客さまの声や写真・柔道整復師の経歴・施術でどのような効果が期待できるかなどはチラシに記載できません。
また、「肩こり」「腰痛」「ぎっくり腰」「ヘルニア」といった具体的な症状名を出すことも制限されています。さらに「交通事故専門」と掲げることもNGです。その他、保険取り扱いと適用外の症状の組み合わせの表記もできません。
上述したように、施術者の名前や整体院の住所、受付時間など客観的な事実を記載することは問題ありません。しかし、整体院の実績や専門性を示すような内容は一切記載できませんので、注意が必要です。
言葉をうまく言い換える|医療を想起させない
整体院で行われることは医療行為とは異なるため、チラシなどで使う表現にはじゅうぶんに注意を払う必要があります。
「治療」という言葉や「治す」という言葉は使えず、「治療」については「施術」と言い換える、「治す」であれば「癒やす」と置き換えるなど、お客さまが医療を連想しないようにすることが重要です。
このほかにも、整体が医療行為であると思われないように、チラシなどで使う言葉には細心の注意を払いましょう。
健康食品を扱う場合の注意点
整体院で取り扱いする健康食品、効果を謳うために「○○が治る」など、お客さまの購買意欲をそそるようなキャッチコピーをつけたくなります。
しかし、整体院で取り扱う健康食品はあくまでも健康的な生活を促進するものであって、医薬品ではありません。
そのため、お客さまの医薬品だと思われないように、「○○しやすくなる」といったように、あくまでも補助的な効果があるような表現が望ましいでしょう。
健康器具を扱う場合の注意点
整体院ではお客さまに施術を行う場合に、健康器具を取り扱う場合もあります。健康器具を取り扱いには、施術と同じように「治療」や「治す」という言葉を使わないように注意が必要です。
整体院で取り扱う器具は、医薬品医療機器法で治療効果が認められていないため、医療器具に区分されません。そのため、チラシなどに記載する際にも言葉を選ぶ必要があります。
景品表示法にも注意しよう
整体院でのチラシに記載する場合、景品表示法にも注意が必要です。景品表示法とは、お客さまに対してサービスや商品の効果や効能をよく見せるための表現方法を制限する法律です。
整体院の場合だと、取り扱っている健康食品や健康器具を実際によりもよく見せるよう表現することは禁止されているため、その表現が適切かを確認することが重要です。
整体院のチラシを効率よく配布する方法は?|方法別の特徴も紹介
どれだけチラシを配布しても、来院までに至らなければ努力が無駄になってしまいます。大切なのは、整体院の施術が必要な方にチラシを届けることです。
こちらでは、効率よくチラシを配布する方法とその特徴をご紹介していきます。
折り込みチラシ
新聞の折り込みチラシを利用して配布する方法です。新聞の配達会社1件に対し、新聞をとっている人に幅広くチラシを届けられます。
こちらの方法には、実際に配りに行く時間や労力を省ける、整体院周辺に住んでいる方に効率的にチラシを配布できるというメリットがあります。また、折り込みチラシは新聞社のチェックを受けたものになりますので、内容の信頼も得やすいでしょう。
しかし、最近では新聞離れが進んでいるため、とくに若い世代には広告を届けにくいというデメリットが考えられます。
ポスティング
整体院周辺の戸建てやマンションのポストに1枚1枚配っていく方法です。新聞をとっている人にしか配布できない折り込みチラシとは違い、ポスティングは狙った地域に確実に配ることができます。
また、ポストに入ったチラシなら、一度は目にしてもらいやすいというメリットもあるでしょう。
しかし、ポスティングは、チラシを配るのに手間と時間がかかりやすいというデメリットがあります。効率を高めるには、アルバイトや手の空いたスタッフに配ってもらうことがおすすめです。
自力で手まき
駅前や院前でとおりすがる人に対し、配っていく方法(ビラ配り)も手段のひとつです。
スタッフの顔が実際に見えるため、受けとる方も整体院に親近感を覚えやすいのが特徴です。また、チラシを配りつつ、体の悩みがある方がいれば相談に乗ってあげることもできます。そこで信頼を得て、来院につなげることも可能でしょう。
しかし、配っている人の態度によっては、院の印象を悪くする可能性も。手まきをする際には、清潔感や笑顔などに気をつける必要があります。
目的に合わせて使い分ける
これまでご紹介してきたそれぞれの配布方法ですが、それぞれに一長一短がありますので、これが最適ということはありません。
直近で開催されるキャンペーンやクーポンといった短期的なもの、なにかあったときに思い出して来院してもらえるように中長期的なものなど、それぞれのチラシの目的に応じた配布方法を使い分けることが大切です。効率的にお客さまに情報を届けることができます。
チラシは根気よく配布し続けることが大切!
一般的にチラシの反応率は、0.01~0.03%とされます。10,000枚を配り、2~3人の来院数という計算です。
一見すると効率が悪く思えるかもしれませんが、整体院は地域密着型ビジネスのため、2~3人の来院があれば配布した意味があったと考えましょう。地域の人々に整体院をアピールするためにも、継続して配布することが大切です。
痛みがないときは、不要なものとして扱われるかもしれません。しかし、いざ痛みを感じたときにチラシを見たら、訪問してみようかと検討する人も少なからずいることを忘れないようにしてください。
整体院のチラシは配布したあとが重要!その意味とは?
整体院のチラシを配るだけで満足してはいけません。配り終えた後の反応を分析することで、より効果的な集客方法を考案することができます。
こちらでは、チラシ配布後にとるべき行動を詳しくご紹介していきます。
アンケートを取って来院のキッカケを分析する
まずは、新しく来院された患者さんに対して「来院したきっかけ(どこで整体院を知ったか)」を必ず聞くようにしましょう。会話のなかで聞き出す方法や、問診票に記載しておく方法などがあります。
「チラシを見て」「ホームページを見て」「ホットペッパーなどの紹介を見て」「知人の紹介で」など来院するきっかけは患者さんによってさまざまです。
どの経路での来院が多いのかを分析することで、「若い世代はホームページをよく見ている」「高齢者はチラシの反応がいい」など、次にどこに力を入れていくべきかが見えてきます。
チラシには掲載できないクーポンをホームページなどを使ってアピール
チラシをホームページへの誘導ツールと考えている場合には、規制の少ない整体院のホームページを有効活用するようにしましょう。
- 初回限定クーポンを掲載する
- 施術の無料体験を告知する
- 空き情報を載せる
上記のように、チラシでは掲載できなかった内容をホームページでアピールすることで、来院のキッカケを作りやすくなります。
- サロンのリピート率を増やしたい
- クーポンサイトを脱却したい
- LINEでの予約管理が大変
- 予約はリザービアで一元管理
整体院のチラシはあくまで法律順守!そのあとのアフターフォローもしっかりと!
整骨院のチラシは、あくまで法律に定められた範囲内にとどめておき、違法にならないようにご注意ください。広告の制限に違反した場合は指導が入るおそれがあります。
チラシに掲載できない内容はホームページに掲載しておくようにして、チラシからホームページへの誘導をしましょう。ホームページはチラシほど規制が厳しくないため、宣伝できる内容を広げることが可能です。
近隣の方に直接届けやすいチラシを活用することで、効率的に集客していきましょう。
引用元:
消費者庁 景品表示法